建設業許可取得後の手続き|決算変更届・変更届・更新申請・経審の期限

建設業許可取得後の決算変更届・更新申請・変更届の期限管理を示すカレンダーとチェックリスト

更新期限まで残り2か月。準備を始めたら、3期分の決算変更届が未提出だった。取得後の手続きで見落とされやすい部分です。

建設業許可は、取得して終わりではありません。
毎年の決算変更届、会社情報や人員が変わったときの変更届、5年ごとの更新申請など、取得後も手続きが続きます。

必要な届出が未提出のままでは、更新申請や業種追加申請を進められません。更新期限が近い場合は、まず未提出分の処理から始める必要があります。

この記事では、東京都知事許可を受けている事業者向けに、許可取得後に必要な手続きと期限、経営事項審査について解説します。

目次

建設業許可取得後の手続きと期限

取得後の手続きは、頻度で分けて管理すると見通しが立ちます。毎年行うもの、変更の都度行うもの、5年ごとに行うものです。

手続き主な期限
決算変更届事業年度終了後4か月以内
常勤役員等・営業所技術者等の変更変更後2週間以内
商号・所在地・資本金・役員等の変更変更後30日以内
廃業届廃業事由の発生後30日以内
更新申請満了日の2か月前から30日前まで
経営事項審査公共工事を継続して直接請け負う場合は毎年

変更内容によっては、複数の届出をまとめて出す必要があります。
たとえば営業所の新設や廃止で営業所技術者等が入れ替わる場合、営業所に関する届出に加えて、2週間以内の人員変更届も必要です。

決算変更届は毎年4ヶ月以内に提出する

決算変更届は、事業年度が終了するたびに提出する届出です。
提出期限は、事業年度終了後4か月以内。法人は事業年度の終了日、個人事業主は12月31日が基準日となります。

主な提出書類は次のとおりです。

・工事経歴書
・直前3年の各事業年度における工事施工金額
・建設業法に基づく財務諸表
・事業報告書
・納税証明書

事業報告書が必要なのは、特例有限会社を除く株式会社です。
工事経歴書は、許可を受けている業種ごとに作成します。元請・下請の区分や請負金額などを、決算内容と合わせて記載します。

工事実績がない年も提出が必要

許可業種の工事を行っていない年度でも、決算変更届は提出します。

工事実績がない場合は、その旨を前提として工事経歴書などを作成します。

未提出分はさかのぼって提出できる

決算変更届を数年分出していない場合でも、未提出年度にさかのぼって提出できます。
ただし年度が古いほど準備に時間がかかります。過去の決算書、工事台帳、契約書、請求書などを取り寄せて内容を確認する作業が必要になるためです。

更新期限が近い場合は、まず未提出年度の洗い出しから始めます。

変更届は2週間以内と30日以内に分かれる

会社情報や許可要件に関わる人が変わったときは、変更届を提出します。

期限は変更内容によって異なるため、まず何が変わったかを押さえます。

常勤役員等・営業所技術者等の変更は2週間以内

許可要件に直接関わる次の変更は、原則として変更後2週間以内に届け出ます。

・常勤役員等の変更
・常勤役員等を直接補佐する人の変更
・営業所技術者等の変更
・営業所技術者等の担当業種の変更
・令第3条使用人の変更
・健康保険等の加入状況の変更

特に注意したいのが、常勤役員等や営業所技術者等の退職です。

後任者が必要な経験、資格、常勤性を満たしていなければ、許可要件を維持できないおそれがあります。
退職予定が分かった段階で、後任候補の要件を押さえておきましょう。

商号・所在地・役員等の変更は30日以内

次の会社情報の変更は、原則として変更後30日以内に届け出ます。

・商号または名称の変更
・営業所の名称や所在地の変更
・資本金の変更
・役員等の就任・退任
・個人事業主の氏名変更

役員の変更と同時に常勤役員等も入れ替わる場合は、役員変更の届出に加えて、2週間以内の届出も必要です。

営業所の新設や廃止についても、営業所技術者等や営業業種の変更を伴うことがあります。届出期限を一律に判断せず、変更内容を一つずつ確認します。

他県に営業所を設ける場合は許可換えになることがある

東京都知事許可の会社が、他の都道府県にも建設業を営む営業所を設ける場合。変更届だけでは対応できないことがあります。

2つ以上の都道府県に営業所を置くときは、国土交通大臣許可への許可換え新規が必要です。
他県の事務所で見積り、入札、契約交渉などを始める前に確認しておきましょう。

建設業を廃止したときは30日以内に廃業届を出す

建設業の全部または一部を廃止した場合は、廃業事由の発生後30日以内に廃業届を提出します。

主なケースは次のとおりです。

・個人事業主が死亡した
・法人が合併により消滅した
・法人が破産や解散により廃止した
・許可を受けた建設業の全部を廃止した
・許可を受けた一部の業種を廃止した

たとえば電気工事業と管工事業の許可を持つ会社。電気工事業を廃止して管工事業だけを続ける場合は、電気工事業について一部廃業の届出を行います。

単に受注実績がないだけでは、廃業届の対象にはなりません。

更新申請は満了日の2か月前から準備する

建設業許可の有効期間は5年です。
東京都知事許可の更新申請は、原則として有効期間満了日の2か月前から30日前までに行います。

更新時には、主に次の点が確認されます。

  • 過去の決算変更届が提出されているか
  • 常勤役員等の要件を満たしているか
  • 営業所技術者等の要件を満たしているか
  • 社会保険の加入状況に問題がないか
  • 必要な変更届が提出されているか
  • 役員等が欠格要件に該当していないか

東京都知事許可の更新手数料は5万円です。

30日前を過ぎても直ちに失効するわけではない

満了日の30日前を過ぎただけで、直ちに許可が失効するわけではありません。

ただし東京都では、有効期間まで30日を切った更新申請は電子申請ができません。この場合は紙申請で対応します。

満了日までに更新申請を提出できなかった場合は、従前の許可が失効します。改めて新規申請からやり直すことになるため、満了日の3〜4か月前には届出状況と人の要件を押さえておきましょう。

公共工事を直接請け負う場合は経審を受ける

国や自治体が発注する公共工事を元請として直接請け負う場合。経営事項審査、いわゆる経審を受ける必要があります。

経審は、建設業者の経営状況や経営規模、技術力などを数値化する審査です。
民間工事だけを請け負う会社に、経審は原則として必要ありません。

経審の有効期間は決算日から1年7か月

経審の結果を公共工事の請負に使用できる期間は、審査基準日から1年7か月です。

審査基準日は、原則として直前の決算日となります。結果通知書を受け取った日から1年7か月ではありません。

公共工事を継続して請け負う場合は、有効期間に空白が生じないよう、決算後に次の手続きを進めます。

  • 決算変更届を提出する
  • 経営状況分析を受ける
  • 経営事項審査を申請する
  • 必要に応じて入札参加資格審査を申請する

経審を受けただけで、すべての公共工事に入札できるわけではありません。各発注機関の入札参加資格も別に確認します。

許可取得後は標識と帳簿も必要

許可取得後の義務は、届出や更新だけではありません。

建設業を営む営業所には、建設業の許可票を掲示します。
発注者から直接工事を請け負った元請業者は、工事現場にも許可票を掲示する必要があります。

営業所ごとに請負契約の内容を記録した帳簿を備え、契約書などとともに保存しなければなりません。

届出漏れは更新申請や業種追加に影響する

決算変更届や変更届が未提出のままでは、更新申請や業種追加申請を進められません。

未提出分が数年分あると、過去の決算資料や変更履歴をさかのぼって確認する作業が必要になります。
更新期限までに処理できず許可が失効すれば、その間は許可が必要な規模の工事を請け負えなくなります。

次のような場合は、早めに状況を洗い出しましょう。

  • 決算変更届を数年分提出していない
  • 更新期限が近い
  • 常勤役員等や営業所技術者等の退職予定がある
  • 役員変更や本店移転の届出を忘れている
  • 公共工事を始めるため経審を検討している

なお、届出を怠った場合や虚偽の届出をした場合は、建設業法上の罰則対象になることがあります。

よくある質問

決算変更届を何年も出していません。今からでも提出できますか?

はい。未提出の年度があっても、今からさかのぼって提出できます。

ただし、古い年度の財務諸表や納税証明書、工事経歴書の作成資料を集める必要があります。更新期限が近い場合は、まず未提出分の決算変更届を優先して進めましょう。

更新申請の30日前を過ぎた場合、許可は失効しますか?

30日前を過ぎただけで、すぐに許可が失効するわけではありません。

ただし、東京都では30日前を過ぎると電子申請で受付できず、窓口相談が必要になる場合があります。満了日を1日でも過ぎると更新ではなく新規申請からやり直しになるため、早めの確認が必要です。

決算変更届を出していないと、更新申請はできませんか?

はい、決算変更届が未提出の年度があると、更新申請はそのままでは進みません。

更新では、過去5年分の決算変更届が提出されているか確認されます。1年分でも抜けがある場合は、更新申請の前に未提出分をそろえる必要があります。

営業所技術者が退職した場合、すぐに届出が必要ですか?

はい、営業所技術者が退職・交代した場合は、変更後2週間以内に届出が必要です。

後任者が資格や実務経験、常勤性の要件を満たしていないと、その業種の許可を維持できなくなるおそれがあります。退職が分かった段階で、早めに後任候補を確認しておきましょう。

経審は建設業許可を持つ会社すべてに必要ですか?

いいえ。経審が必要なのは、公共工事を直接請け負う場合です。

民間工事だけを請け負う会社であれば、通常は経審を受ける必要はありません。ただし、将来的に公共工事を考えている場合は、決算変更届や社会保険、技術者、財務状況を早めに整えておくことが大切です。

建設業許可を取得した後の管理だけ依頼できますか?

はい。取得後の管理だけでもご相談いただけます。

決算変更届の毎年提出、役員変更や営業所変更の届出、5年ごとの更新申請など、必要な手続きに合わせて対応します。更新期限が近い場合や、未提出の決算変更届がある場合も、まずは状況の整理から進められます。

まとめ

建設業許可の維持には、3つのタイミングがあります。

毎年やることは、決算変更届の提出、公共工事を請け負うなら経審の更新です。

その都度やることが、会社情報や許可要件に関わる人が変わったときの変更届で、2週間または30日以内が期限です。
5年ごとにやることは、有効期間満了前の更新申請で、満了日の2か月前から準備を始めます。

これらが1つでも滞ると、更新申請や業種追加申請に影響します。

更新期限、決算変更届の提出状況、常勤役員等・営業所技術者等の在籍状況。この3点を定期的に押さえておきましょう。算変更届が溜まっている、営業所技術者が退職する予定がある場合は、早めに状況を見直しておきましょう。

お困りの際は当事務所へ

建設業許可は、取得後の届出や更新まで含めて維持していく許可です。

当事務所では、葛飾区を拠点に、東京都全域および周辺地域の建設業許可について、決算変更届・変更届・更新申請をサポートしています。

決算変更届・更新申請の代行 3.3万円〜(税込)

決算変更届:3.3万円〜(税込・報酬)
更新申請:6.6万円〜(税込・報酬)+更新手数料5万円(実費)

建設業許可の要件確認・お見積もりは無料です。

フォームは24時間受付/お電話でのご相談は9:00〜19:00

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