道路や駐車場などの地盤面をアスファルト、コンクリート、砂利、砕石などで舗装する工事を、1件税込500万円以上で請け負うのであれば、原則として舗装工事業の建設業許可が必要です。
代表的な工事は、アスファルト舗装工事、コンクリート舗装工事、ブロック舗装工事、路盤築造工事です。
ただし、道路工事のすべてが舗装工事に区分されるわけではありません。ガードレール設置工事はとび・土工・コンクリート工事、白線などの路面標示工事は塗装工事に区分されるのが基本です。同じ現場で施工しても、施工内容によって業種が分かれます。
この記事では、舗装工事業に含まれる工事、税込500万円基準、土木一式工事やとび・土工・コンクリート工事との違い、営業所技術者等に使える資格・実務経験について解説します。
舗装工事業に含まれる工事
舗装工事とは、道路等の地盤面をアスファルト、コンクリート、砂、砂利、砕石などによって舗装する工事です。
建設業許可では、29業種のうち「舗装工事業」として区分されています。
代表的な工事は次のとおりです。
・アスファルト舗装工事 ・コンクリート舗装工事 ・ブロック舗装工事 ・路盤築造工事
舗装工事は、表面にアスファルトを施工する部分だけを指すものではありません。舗装を支える路盤を築造する路盤築造工事も、舗装工事業に含まれます。
また、店舗や工場、マンションなどの駐車場や構内について、アスファルトやコンクリートで地盤面を舗装する工事も、施工内容から舗装工事に区分されるのが基本です。公道の道路工事だけが対象ではありません。
税込500万円以上では許可が必要
舗装工事は建築一式工事ではないため、1件の請負代金が税込500万円以上になるのであれば、原則として舗装工事業の許可が必要です。
税込500万円未満の工事だけを請け負うのであれば、軽微な建設工事に当たり、原則として許可はいりません。
金額を判定するときは、次の点にも注意しましょう。
・消費税を含める ・注文者が支給する材料の市場価格と運送費を加える ・正当な理由なく契約を分割した場合は合計額で判断する
たとえば、駐車場舗装の請負代金が税込450万円でも、注文者から支給される材料などを加えて500万円以上になれば、許可が求められます。
舗装工事と土木一式工事の違い
舗装工事業と混同されやすいのが、土木工事業です。
土木一式工事は、総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事をいいます。これに対して舗装工事は、道路などの地盤面を舗装する専門工事です。
道路を新設する大規模な工事の中に、土工、排水工、舗装工など複数の専門工事が含まれ、元請として工事全体を総合的に管理する場合には、土木一式工事として扱う運用です。
一方、既存道路の舗装だけを請け負う場合や、駐車場のアスファルト舗装だけを請け負う場合は、通常は専門工事である舗装工事として考えていきます。
土木工事業の許可だけで舗装工事を単独受注できるのか
土木工事業の許可は、すべての土木系専門工事を単独で請け負える許可ではありません。
したがって、土木工事業の許可しか持っていない会社が、500万円以上の舗装工事だけを単独で請け負うのであれば、原則として舗装工事業の許可が求められます。「土木一式工事の許可を持っているから舗装工事も自由に受注できる」という考え方には注意が必要です。
とび・土工・コンクリート工事との違い
道路工事では、舗装工事ととび・土工・コンクリート工事が同じ現場で施工されることがあります。
主な区分を整理すると、次のとおりです。
| 工事内容 | 主な許可業種 |
|---|---|
| アスファルト・コンクリートによる舗装 | 舗装工事業 |
| ブロック舗装・路盤築造 | 舗装工事業 |
| 舗装前の掘削・盛土などの土工 | とび・土工・コンクリート工事業 |
| ガードレール設置工事 | とび・土工・コンクリート工事業 |
| 道路付属物の設置 | とび・土工・コンクリート工事業 |
ガードレール設置工事は、舗装工事と一緒に施工されることが多い工事です。ただし、建設業法上は舗装工事ではなく、とび・土工・コンクリート工事に区分されます。
同じ道路工事だからといって、すべてを舗装工事として扱うわけではありません。実際に施工する内容ごとに業種を判断していきます。
路面標示工事は塗装工事に区分される
道路に白線や区画線などを施工する路面標示工事も、舗装工事と間違えやすい工事です。
路面標示工事は、建設業法上は塗装工事に区分されます。たとえば駐車場のリニューアル工事では、次のように業種が分かれます。
・アスファルトを打ち直す工事 :舗装工事 ・駐車区画のライン引き :塗装工事
主たる舗装工事に伴う附帯的な工事として一括して施工できるケースもあります。ただし、路面標示工事だけを一定額以上で請け負うのであれば、塗装工事業の許可について確認しましょう。
人工芝の施工は舗装工事になることがある
人工芝を地盤面に施工する工事についても、施工方法によって業種を区分します。
地盤面をコンクリートなどで舗装したうえで人工芝を張り付ける工事は、舗装工事として扱われるのが基本です。単に「人工芝工事」という名称だけで判断するのではなく、地盤面をどのように施工しているかまで確認しておきましょう。
舗装工事業は指定建設業
舗装工事業は、建設業法上の「指定建設業」に含まれます。
指定建設業は、次の7業種です。
・土木工事業 ・建築工事業 ・電気工事業 ・管工事業 ・鋼構造物工事業 ・舗装工事業 ・造園工事業
一般建設業であれば、資格や指定学科の学歴と実務経験、10年以上の実務経験などで営業所技術者等の要件を満たせる場合があります。
一方、指定建設業の特定建設業では、指導監督的な実務経験だけで特定営業所技術者の要件を満たすことはできません。1級の国家資格、対象となる技術士資格、国土交通大臣の認定などが必要です。
特定建設業を目指す場合は、一般建設業よりも早い段階で技術者要件を確認しておきましょう。
舗装工事業の許可要件
舗装工事業でも、次のような建設業許可の共通要件を満たす必要があります。
・経営業務を適正に管理できる体制 ・営業所技術者等 ・財産的基礎 ・社会保険への適切な加入 ・請負契約に関する誠実性 ・欠格要件に該当しないこと
このうち、舗装工事業で特に注意したいのは、営業所技術者等の要件です。
営業所技術者等に使える主な資格
一般建設業の舗装工事業では、資格だけで直接要件を満たせる代表的なものとして、次のものがあります。
・1級土木施工管理技士 ・2級土木施工管理技士(土木) ・1級建設機械施工管理技士 ・2級建設機械施工管理技士 ・技術士(建設部門、総合技術監理部門(選択科目が建設部門)など)
資格の種類によって、一般建設業だけに使えるものと、指定建設業である舗装工事業の特定建設業にも使えるものが分かれます。特定建設業を取得するのであれば、この違いを踏まえて資格を検討していきましょう。
舗装施工管理技術者との違い
現場では「舗装施工管理技術者」という民間資格が使われる場面もあります。
ただし、民間資格や発注者が求める資格と、建設業許可における営業所技術者等の資格は同じものではありません。資格の名称だけで判断せず、建設業許可上、舗装工事業の営業所技術者等として認められる資格かを確認する必要があります。
指定学科・実務経験のルート
対象となる資格がなくても、学歴や実務経験によって営業所技術者等の要件を満たせる場合があります。
指定学科卒業後の実務経験
舗装工事業の指定学科は、土木工学に関する学科です。東京都の現行手引でも、舗装工事業について土木工学が指定学科に含まれています。
| 学歴等 | 必要な舗装工事経験 |
|---|---|
| 大学・短期大学・高等専門学校などの指定学科卒業 | 卒業後3年以上 |
| 高校・中等教育学校などの指定学科卒業 | 卒業後5年以上 |
| 指定学科以外 | 10年以上 |
専修学校については、修業年限や専門士・高度専門士の称号などによって必要な実務経験年数が変わります。
施工管理技術検定合格後の実務経験
対象となる施工管理技術検定の第一次検定合格と、舗装工事の実務経験を組み合わせるルートもあります。
・1級の第一次検定または第二次検定合格後:3年以上 ・2級の第一次検定または第二次検定合格後:5年以上
ここで必要なのは、あくまで舗装工事についての実務経験です。他業種の経験を、そのまま舗装工事の経験として使うことはできません。
10年以上の実務経験
資格や指定学科の学歴がない方でも、舗装工事について10年以上の実務経験を証明できれば、一般建設業の営業所技術者等になれる場合があります。
実務経験を証明する資料
実務経験ルートを使うのであれば、舗装工事を施工していた事実と期間を、資料で証明していきます。
代表的な資料は次のとおりです。
・工事請負契約書 ・注文書 ・請求書 ・入金記録 ・見積書や工事明細書 ・工事台帳 ・在籍期間を示す資料
たとえば「道路改修工事」という工事名称だけでは、舗装工事なのか、土工なのか、道路付属物の工事なのか判断できないことがあります。
そのため、アスファルト舗装、路盤築造、駐車場舗装など、具体的な施工内容が分かる見積明細や工事台帳を組み合わせて証明していきます。
なお東京都では、実務経験について対象業種の施工に関する技術上の経験と、その期間に証明者のもとで常勤していたことの両方を確認します。附帯工事として行った経験は、実務経験の証明には使用できないとされているため、事前に整理しておきましょう。
特定建設業が必要になる場合
発注者から直接舗装工事を請け負った元請業者が、1件の工事について締結する下請契約の合計額を、税込5,000万円以上とするときは、原則として舗装工事業の特定建設業許可が必要です。
2025年2月1日から、建築一式工事以外の下請契約基準は4,500万円から5,000万円に引き上げられました。
たとえば、元請として1億円の舗装工事を受注していても、下請へ発注する工事の合計が5,000万円未満であれば、この基準だけを理由に特定建設業許可が求められるわけではありません。
一方、この基準は元請業者に対するものです。下請として舗装工事を受注する会社の請負金額が5,000万円以上でも、それだけで特定建設業許可が必要になるわけではありません。
なお、舗装工事業は指定建設業のため、特定営業所技術者は1級の国家資格、対象となる技術士資格、国土交通大臣の認定などによって要件を満たします。
よくある質問
- 駐車場のアスファルト工事は舗装工事ですか?
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駐車場などの地盤面をアスファルトで舗装する工事は、施工内容から舗装工事に区分されるのが基本です。1件税込500万円以上で請け負う場合は、舗装工事業の許可について確認しましょう。
- 路盤だけを施工する工事も舗装工事ですか?
-
路盤築造工事は、舗装工事の例として明示されている工事の一つです。アスファルトの表層を施工しない場合でも、舗装のために路盤を築造する工事であれば舗装工事に該当します。
- 土木工事業の許可があれば舗装工事業は不要ですか?
-
土木工事業の許可だけで、500万円以上の舗装工事を専門工事として単独で自由に請け負えるわけではありません。舗装工事を単独で請け負う場合は、舗装工事業の許可が必要かを確認します。
- ガードレール工事も舗装工事ですか?
-
ガードレール設置工事は、舗装工事ではなく、とび・土工・コンクリート工事に区分されます。舗装工事と同じ現場で施工することが多いため、業種を混同しないよう注意しましょう。
- 白線を引く工事も舗装工事ですか?
-
道路や駐車場の白線などを施工する路面標示工事は、塗装工事に分類されます。舗装工事とは別の業種です。
- 資格がなくても舗装工事業の許可を取得できますか?
-
一般建設業であれば、原則10年以上の舗装工事の実務経験を証明する方法があります。指定学科の学歴や対象となる試験の合格歴があれば、必要となる実務経験期間が短縮される場合もあります。
ただし、舗装工事業は指定建設業のため、特定建設業については実務経験だけで特定営業所技術者の要件を満たすことはできません。
まとめ
舗装工事業には、アスファルト舗装工事、コンクリート舗装工事、ブロック舗装工事、路盤築造工事などが含まれます。1件税込500万円以上の工事を請け負う場合は、原則として建設業許可が必要です。
ただし、道路工事のすべてが舗装工事に区分されるわけではありません。ガードレール設置工事はとび・土工・コンクリート工事、路面標示工事は塗装工事に区分されます。同じ道路工事でも、実際の施工内容から許可業種を判断していきます。
申請前に、施工内容、請負金額、保有資格、実務経験資料を整理し、必要な許可業種を確認しておきましょう。
お困りの際は当事務所へ
「土木工事業の許可だけで舗装工事を受注できるか判断できない」「資格はないが舗装工事の実務経験がある」といった段階でもご相談ください。
工事内容や実務経験資料を整理し、必要な許可業種と申請書類をご案内します。
当事務所は葛飾区を拠点に、東京都内の建設業許可申請に対応しております。

