建設業許可の営業所要件|自宅兼事務所・賃貸物件・写真のポイント【東京都】

建設業許可の営業所要件を解説する記事のアイキャッチ。

自宅の一室でも、賃貸マンションでも、条件を満たせば建設業許可の営業所として申請することはできます。ただし、登記上の本店がある、郵便物が届くというだけでは要件を満たせません。

建設業許可でいう営業所には、見積りや請負契約の締結などを実際に行える事務所としての実体が必要です。

自宅兼事務所では居住部分との区分や動線、賃貸物件では事業利用が認められているか、共用オフィスでは他社から独立したスペースが必要になります。

この記事では、東京都知事許可を前提に、営業所要件、自宅や賃貸物件を使う場合の注意点、営業所写真の撮り方を解説します。

目次

建設業許可の営業所とは

建設業法上の営業所とは、本店や支店のほか、常時、建設工事の請負契約を締結する事務所を指します。

具体的には、次のような業務を行う場所を指します。

・見積り ・入札 ・請負契約の締結 ・契約に関する指導や監督

登記上の本店であっても、これらの契約業務を行っていなければ、営業所には当たりません。逆に、下記の場所は通常、営業所には含まれないとされています。

・請求書作成や経理だけを行う事務所
・工事現場の仮設事務所 ・資材置場 ・作業員の詰所
・郵便物を受け取るだけの住所

重要なのは住所ではなく、その場所で建設工事の営業を実際に行っているかどうかです。

営業所として認められる6つの要件

東京都では、営業所が主に次の条件を満たしている必要があります。

要件求められる状態
営業の実体来客を迎え、見積りや契約などの業務を行える
事務設備・区分机、電話、事務台帳などを備え、他社と明確に区分されている
契約業務を担う人主たる営業所には常勤役員等、従たる営業所には令3条の使用人などがいる
営業所技術者等許可業種に対応する営業所技術者等が配置されている
使用権原自己所有や賃貸借などにより営業所として使用できる
商号表示事務所入口などに会社名・屋号を表示している

机や看板を置くだけでは、建設業法上の営業所にはなりません。契約業務を行える設備があり、使用権原が確保され、必要な人員が常勤し、外部から営業所であることを確認できる状態まで整えておきます。

自宅兼事務所でも建設業許可は取れる

自宅の一部を営業所として使用することもできます。営業所として使う範囲が明確で、居住部分と区分されていることが重要です。

居住スペースを通らない動線を確保する

自宅兼事務所で重要になるのが、建物の玄関から営業所までの動線です。専用玄関が必須というわけではありません。

玄関や廊下を共用していても、リビングや寝室などの居住部分を通らずに営業所へ入れる配置であれば、営業所として区分しやすくなります。

逆に、居間や寝室を通り抜けなければ事務所へたどり着けない間取りは、独立した営業所とは認められにくいのが実情です。申請では、間取り図と写真で動線を示します。

営業所として使う範囲を明確にする

自宅兼事務所で最低限整えたいのが、次の状態です。

・営業所として使う部屋や区画が決まっている
・居住部分との境界が分かる
・机や電話などの事務設備がある
・書類や事務台帳を保管できる
・来客に対応できるスペースがある
・事務所入口に商号を表示している

生活用品が一切写ってはいけない、というわけでもありません。写真や間取り図から、営業所として使う範囲が明確に読み取れるかどうかが判断のポイントになります。

賃貸物件は事業利用できるか確認する

賃貸マンションや賃貸事務所を営業所にする場合は、賃貸借契約書の使用目的を確認します。「事務所」「事業所」「店舗」など、事業利用が認められている契約であれば、営業所としての使用権原を示しやすくなります。

住居専用契約はそのままでは使えない

使用目的が「住居専用」の場合、原則としてそのまま建設業の営業所には使えません。そこで追加したいのが、次の資料です。

・事業所として使用できる特約が記載された賃貸借契約書
・賃貸人が事業利用を認めた承諾書

管理会社や貸主から口頭で了承を得ているだけでは足りません。書面で示せる状態にしておきます。

公的賃貸住宅は利用条件に注意する

都営住宅やUR賃貸住宅などの公的賃貸住宅は、原則として建設業の営業所には使えません。物件ごとに利用条件が定められているため、賃貸借契約とあわせて利用規約もチェックしましょう。

賃貸借契約の有効期間も確認する

提出する賃貸借契約書は、現在有効なものを用意します。

通常の賃貸借契約であれば、契約期間を過ぎていても、自動更新条項によって契約が継続していると確認できれば、そのまま使えるケースもあります。

ただし、定期建物賃貸借は自動更新を前提としません。期間が満了していれば、現在有効な再契約書などが必要です。

他社と同じ場所を使う場合は区画を分ける

別法人や個人事業主と同じフロアを使うなら、それぞれの営業所を明確に区分しておく必要があります。入口や廊下が共通でも、そこから各社の営業所へ直接入れる配置であれば問題ありません。

逆に、他社の事務所を通り抜けなければ自社へ入れない配置は、独立した営業所と認められにくくなります。

同じ部屋を使う場合

同じ室内を複数の事業者で使う場合、パーティションなどで区画を分け、それぞれの使用範囲を明確にします。机だけを分けている状態や、席が固定されないフリーアドレス型では、独立した営業所として説明しにくくなります。

事務所入口や各区画には、それぞれの商号を表示しましょう。

シェアオフィス・コワーキングスペースは慎重に判断する

シェアオフィスやコワーキングスペースでも、要件を満たせれば申請できる可能性はあります。契約前にチェックしておきたいのが、次のポイントです。

・専用の部屋や区画を継続して使用できるか
・来客に対応できるか ・机や事務台帳を常時置けるか
・商号を表示できるか ・常勤する人を配置できるか
・営業所内部の写真を撮影できるか

座席が毎回変わるフリーアドレス型や、専用区画を持たない利用方法では、要件を満たすのが難しいのが実情です。

バーチャルオフィスは通常、営業所には使いにくい

住所利用や郵便転送だけを目的とする一般的なバーチャルオフィスは、建設業許可の営業所要件を満たすのが困難です。営業所として求められるのは、

・契約業務を行える場所
・机や事務台帳などの設備 ・専用の執務スペース
・常勤する人 ・商号表示

といった条件だからです。ただし、個室型のレンタルオフィスやシェアオフィスであれば、これらを満たせるケースもあります。名称だけで判断せず、契約内容・平面図・実際の利用方法から個別に検討していきます。

営業所の所在地・使用権原を資料で示す

新規申請や営業所の移転・新設では、営業所の所在地と、そこを営業所として使用できることを資料で示します。代表的な資料は次のとおりです。

状況主な資料
法人登記事項証明書
登記された支店支店の記載がある登記事項証明書
個人事業主住民票、商号登記がある場合は登記事項証明書など
自己所有物件建物の登記事項証明書、固定資産関係の証明書など
賃貸物件賃貸借契約書
住居用賃貸物件事業利用を認める特約または賃貸人の承諾書

登記上の所在地と実際の営業所が同じであれば、賃貸借契約書の提出が必ずしも必要になるとは限りません。まずは登記や住民票で所在地を示し、それだけで足りない場合に賃貸借契約書などを追加していきます。

なお、官公庁が発行する証明書は、申請時に有効な期間のものを準備しましょう。

営業所写真は外観・入口・室内を一連で撮る

営業所写真の役割は、申請した住所に営業所が実在し、建設業の営業を行える状態にあることを示すことです。枚数に一律の決まりはありません。A4用紙1枚に4枚程度を目安に、必要な場所が分かるように撮影します。

建物の外観

まずは、営業所が入っている建物を特定できる写真から撮っていきます。

・建物全体 ・建物入口
・テナント案内 ・必要に応じて集合ポスト

建物にテナント表示がないなら、申請者の商号が読める郵便受けなども撮影し、その建物へ入居していることを示します。

事務所入口と商号表示

事務所入口には、会社名や屋号を掲示しておきましょう。写真は、商号が読める距離と角度で撮ります。

申請時だけ一時的に掲示するのではなく、営業中も継続して表示できる状態にしておきます。

事務所内部

室内は一方向だけでなく、全体の配置が分かるよう複数の方向から撮ります。

・事務所内部の全景 ・執務スペース ・机や電話などの設備
・書類や事務台帳の保管場所 ・来客に対応するスペース

室内の広さや設備、営業所として使う範囲が写真から読み取れるかどうか、意識したいのはこの一点です。

自宅・共用事務所では間取り図も用意する

自宅兼事務所や、他社と同じ建物・フロアを使うケースでは、写真だけでは営業所の独立性を説明しきれないことがあります。そこで役立つのが間取り図です。

間取り図に書き込むのは、

・営業所として使う範囲 ・玄関
・廊下 ・居住部分 ・他社の事務所 ・出入口

このあたりを盛り込みます。さらに、建物入口から営業所までの動線が分かる写真も組み合わせておきます。手書きの図でも構いません。写真を撮った方向を矢印で示しておけば、営業所の配置がぐっと伝わりやすくなります。

営業所には常勤する人も必要

物件や事務設備の要件を満たしていても、人の要件を欠くと建設業許可は取れません。主たる営業所には、経営業務を適正に管理できる体制を担う常勤役員等を置きます。従たる営業所には、一定の権限を委任された令3条の使用人などが必要です。

さらに、それぞれの営業所には、許可を受ける業種に対応する営業所技術者等の配置も欠かせません。常勤性や専任性については、営業所写真とは別に、所定の資料で証明します。

よくある質問

自宅でも建設業許可の営業所にできますか?

できます。居住部分と営業所部分が分かれていること、玄関からの動線、事務設備、使用権原、商号表示を示せることが条件です。間取り図と写真も用意します。

賃貸マンションの一室でも申請できますか?

事業所として使える契約であれば申請できます。住居専用契約の場合は、事業利用の特約または賃貸人の承諾書が必要です。

固定電話は必要ですか?

固定電話に限られません。名刺や封筒から業務用だと分かる携帯電話を使用できる場合があります。ただし届け出た番号は公開されます。

営業所写真は何枚必要ですか?

一律の枚数は決まっていません。A4用紙1枚に4枚程度を目安に、建物全景、入口、商号表示、事務所内部、執務・応接スペースなどを撮影します。

他社と同じ部屋でも営業所にできますか?

パーティションなどで区画を明確に分け、独立した営業所として使えると示す必要があります。他社の事務室を通らなければ入れない配置や、専用区画のない利用形態では申請が難しくなります。

まとめ

営業所に求められるのは、見積り・入札・請負契約などを行える事務所としての実体です。登記上の本店や、郵便物を受け取るだけの住所では要件を満たせません。

自宅兼事務所なら営業所と居住部分の区分・動線、賃貸物件なら事業利用できる契約かどうかが出発点になります。共用オフィスなら他社との区分、バーチャルオフィスなら専用区画や常勤性が論点です。

申請時には、所在地・使用権原を示す資料に加えて、建物外観、事務所入口、商号表示、室内の写真を用意します。自宅や共用事務所では、間取り図や動線写真も組み合わせます。

お困りの際は当事務所へ

「自宅を営業所として使えるか分からない」「賃貸マンションの契約内容で申請できるか判断できない」という段階でも構いません。

物件の間取り、賃貸借契約書、営業所として使用する範囲を整理したうえで、申請に必要な資料をご案内いたします。

当事務所は葛飾区を拠点に、東京都内の建設業許可申請に対応しております。

新規申請 9.9万円〜(税込)/まずはお気軽にご相談ください

建設業許可の要件確認・お見積もりは無料です。

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