建設業許可の有効期間は5年間となっており、引き続き許可業者として営業するには、期限内に更新申請を行わなければなりません。
満了日を過ぎると許可は失効し、その後は更新ではなく新規申請からやり直す流れになります。加えて、決算変更届や役員変更などの必要な届出が残っていると、更新申請そのものを受け付けてもらえません。
この記事では、東京都知事許可を中心に、更新申請の期限、必要書類、手数料を解説していきます。決算変更届が未提出の場合や、役員・営業所技術者等に変更がある場合の対応もあわせて確認しましょう。
更新は満了日の2か月前から30日前まで
東京都知事許可の更新申請は、有効期間満了日の2か月前から30日前までが受付期間となっています。
満了日ぎりぎりではなく、「30日前まで」が通常の申請期限である点に注意してください。
有効期間は5年間
建設業許可の有効期間は、許可を受けた日から5年間です。
たとえば許可日が令和2年8月5日であれば、満了日は令和7年8月4日となります。満了日は許可通知書に記載されているため、まず自社の期限を確認しておきましょう。
審査中に満了しても許可は続く
期限内に更新申請が受理されていれば、審査中に満了日を迎えても直ちに無許可になるわけではありません。
建設業法第3条第4項により、更新の処分が出るまでは従前の許可が有効とされています。
東京都の標準処理期間は、受付から25日です。ただし、土日祝日などの閉庁日や補正に要した期間は含まれません。
また、東京都では2026年4月1日以降に受け付けた更新申請から、許可通知書を有効期間満了日まで待たず、審査終了後すみやかに発送する運用へ変更となりました。
更新手続中に取引先などから許可の証明を求められた場合は、一定の条件のもと、許可証明書の交付を受けることも可能です。
満了日を過ぎると新規申請になる
満了日の30日前を過ぎていても、まだ許可の有効期間内であれば、すぐに東京都へ相談してください。
一方、満了日そのものを過ぎると許可は失効します。更新申請はできず、新規申請からのやり直しとなります。
新しい許可が下りるまでの間は、軽微な建設工事を除いて許可が必要な工事を請け負えなくなるため、期限には十分な注意が必要です。
更新手数料は一般・特定ごとに5万円
東京都知事許可の更新手数料は、一般建設業・特定建設業それぞれ5万円です。
一般と特定の両方を同時に更新する場合は10万円となります。行政書士へ依頼する場合は、法定手数料とは別に報酬が必要です。
更新申請は東京都の窓口などへの書面申請のほか、GビズIDを取得してJCIP(建設業許可・経営事項審査電子申請システム)から電子申請することもできます。
更新申請の主な必要書類
更新申請では、新規申請と共通する書類もありますが、すべてを提出し直すわけではありません。
主な書類は次のとおりです。
- 建設業許可申請書
- 役員等の一覧表
- 営業所一覧表
- 営業所技術者等一覧表
- 使用人数
- 誓約書
- 営業の沿革
- 健康保険等の加入状況
- 定款
- 登記事項証明書
- 常勤役員等や営業所技術者等の常勤性確認資料
実際の提出書類は、法人・個人、役員構成、営業所の状況などによって変わります。
一方、工事経歴書、直前3年の各事業年度における工事施工金額、財務諸表などは、通常の更新申請では提出しません。これらは毎年の決算変更届で提出する書類にあたります。
事業税の納税証明書も、通常の更新申請における基本書類ではありません。ただし、常勤性を確認する資料として確定申告書を使用する場合など、状況によって追加資料が必要になることもあります。
更新時も許可要件を満たす必要がある
更新は、書類を提出すれば自動的に認められる手続きではありません。
申請時点でも、主に次の要件を満たしている必要があります。
- 常勤役員等(経管)がいること
- 営業所技術者等がいること
- 必要な社会保険の届出を行っていること
- 財産的基礎の要件を満たしていること
- 欠格要件に該当していないこと
更新申請では、経管の経営経験や営業所技術者等の実務経験を一から証明し直す必要は通常ありません。ただし、申請日時点で常勤していることを確認する資料は求められます。
東京都では2026年7月1日から、常勤役員等や営業所技術者等の常勤性を確認する書類の取扱いが変更されました。
標準報酬決定通知書、資格確認書、住民税特別徴収税額通知書など、状況に応じて使用できる資料が異なるため、申請時点の最新の取扱いを確認して準備しましょう。
決算変更届が未提出なら先に提出する
更新時に特に注意したいのが、決算変更届(事業年度終了届出書)の未提出です。
建設業許可業者は、毎事業年度終了後4か月以内に決算変更届を提出しなければなりません。3月決算の会社であれば、7月末が提出期限となります。
必要な決算変更届が提出されていない状態では、更新申請を受け付けてもらえません。
5年に一度の更新であれば、前回の許可取得または更新以降の提出状況を確認し、未提出年度がないか調べておきましょう。
工事実績がなかった年度でも提出義務はあります。工事経歴書を「実績なし」として作成し、財務諸表などとあわせて提出する流れです。
複数年分が未提出の場合は、過去の決算書や工事資料を確認しながら古い年度から作成していきます。資料収集に時間がかかることもあるため、満了日が近づく前に提出状況を確認しておくことが重要です。
未提出の変更届も更新前に済ませる
決算変更届以外の変更届にも注意が必要です。
会社の登記を変更しただけでは、建設業許可上の情報が自動的に書き換わるわけではありません。
役員・所在地などの変更
たとえば、次のような変更があった場合は、建設業許可についても変更届が必要となります。
- 役員の就任・退任
- 商号の変更
- 本店や営業所の移転
- 営業所の新設・廃止
- 資本金額の変更
特に、本店移転や役員変更について会社登記だけを済ませ、建設業許可の変更届を提出していないケースには注意してください。
更新前に、現在の会社情報と建設業許可上の登録内容を照らし合わせておきましょう。
経管・営業所技術者等の交代
常勤役員等(経管)や営業所技術者等が交代している場合も、更新申請書に新しい担当者を記載するだけでは足りません。
後任者が要件を満たしていることを確認したうえで、変更届を提出する必要があります。
特に重要となるのが、前任者の退職から後任者の就任までに空白期間がないかという点です。
前任者が退職した時点から、要件を満たす後任者が常勤していたのであれば、届出の遅れとして対応できる場合もあります。一方、要件を満たす人がいない期間が生じていた場合は、通常の変更届だけでは処理できない可能性があるため、更新前に東京都へ相談してください。
許可日の異なる許可は一本化できる
同一の事業者が許可日の異なる2つ以上の建設業許可を持っている場合、先に満了する許可の更新にあわせて、有効期間が残っている他の許可も同時に更新できる制度があります。
これを「許可の一本化(許可の有効期間の調整)」といい、許可日をそろえることで、次回以降の更新時期を一本化できる仕組みです。
なお、更新と業種追加や般・特新規を同時に申請して一本化する場合は、有効期間満了日の30日前までに受付可能であることなどの条件があります。
また、東京都知事許可から国土交通大臣許可へ変わる場合や、他の道府県知事許可へ移る場合は、通常の更新ではなく「許可換え新規」の扱いです。
よくある質問
- 更新の案内は東京都から届きますか。
-
東京都知事許可では、更新時期のお知らせが郵送されることがあります。ただし案内が届かなくても満了日は変わりません。許可通知書をもとに、事業者自身で期限を管理してください。
- 満了日の30日前を過ぎても更新できますか。
-
30日前を過ぎていても有効期間内であれば、すぐに東京都へ相談してください。満了日そのものを過ぎると許可は失効します。
- 決算変更届を出していなくても更新できますか
-
未提出のままでは更新申請を進められないことがあります。まず未提出年度を洗い出し、決算変更届を提出してから更新手続きに進んでください。
- 赤字や債務超過でも更新できますか。
-
赤字だからといって、直ちに更新できなくなるわけではありません。一般建設業では、自己資本500万円以上、資金調達力500万円以上、直前5年間の許可継続のいずれかを満たせば足ります。
- 営業所技術者が退職した場合は更新できますか。
-
退職日までに要件を満たす後任者を置けていれば、変更届で対応できます。後任者の就任までに空白期間がある場合は、更新の前に東京都へ相談してください。
- 営業所技術者等が退職した場合は更新できますか
-
退職時点から要件を満たす後任者が常勤していた場合は、変更届を提出したうえで更新へ進められる可能性があります。
一方、後任者がいない空白期間が生じていた場合は、通常の変更届だけでは対応できないこともあるため、東京都への事前相談が必要です。
まとめ
建設業許可の更新で重要となるのは、満了日の管理と、更新前に未提出の届出をなくしておくことです。
東京都知事許可では、有効期間満了日の2か月前から30日前までが通常の受付期間となっています。期限内に更新申請が受理されていれば、審査中に満了日を迎えても、処分が出るまでは従前の許可が有効です。
決算変更届や各種変更届が残っていると更新申請を受け付けてもらえないため、許可通知書で満了日を確認し、早めに手続きを始めましょう。
お困りの際は当事務所へ
建設業許可の更新は、決算変更届や変更届の提出状況によって必要な手続きが変わります。
当事務所は葛飾区を拠点に、東京都内の建設業許可申請に対応しております。
決算変更届が複数年分未提出の場合や、役員・所在地・常勤役員等・営業所技術者等に変更がある場合もご相談ください。

