特車ポータルで申請を送信しようとすると「この経路は受け付けられません」と表示されることがあります。原因は、走行経路に直轄国道が1区間も含まれていないことです。
都道府県道・市区町村道だけを走る経路は、国交省の特車ポータルでは受け付けてもらえません。この場合は「自治体申請システム」を使います。URLもログインIDも国交省とは別物ですが、申請データはそのまま使えることができます。
2つのシステムの違い
| 項目 | 国交省オンライン申請 (特車ポータル) |
自治体申請システム |
|---|---|---|
| 申請先 | 国土交通省(直轄国道の管理者) | 都道府県・政令市・市区町村 |
| URL | tokusyaportal.ktr.mlit.go.jp | tokusya2.ktr.mlit.go.jp /jichitai_sinsei/ |
| ログインID | 特車ポータルのユーザーID | 専用ID(別途登録) ※全国共通で1つ |
| 対象経路 | 直轄国道を含む経路 (自治体道路含む一括申請も可) |
都道府県・市区町村が管理する 道路のみの経路 |
| 許可証受取 | オンラインでダウンロード | 郵送または窓口 (自治体により異なる) |
| 参加状況 | 全国対応 | 参加自治体のみ |
| 申請データ | オフライン用プログラムで作成 | 同じデータを流用可能 |
ログインIDは2つのシステムで共有されていません。国交省の特車ポータルのユーザーIDでは自治体申請システムにログインできず、逆も同様です。
自治体申請システムのIDは全国共通で1つです。国交省が用意した共通プラットフォームのため、最初にIDを取得すれば参加しているすべての自治体に同じIDで申請できます。自治体ごとにアカウントを作り直す必要はありません。
使うシステムの判断:3ステップ
どちらのシステムを使うか ─ 判断フロー
ステップ1:直轄国道が含まれるか
経路に直轄国道が1区間でも含まれていれば、特車申請はどこに出す?窓口選びの優先順位で解説しているとおり、国交省の特車ポータルから一括申請します。都道府県道・市区町村道が経路に含まれていても、直轄国道が1区間でも入っていれば特車ポータルで処理が可能です。
ステップ2:対象自治体の参加状況
直轄国道を含まない場合、走行経路を管理する自治体がシステムに参加しているかを確認します。特車ポータルサイト内の「自治体申請システムについて」ページに参加自治体一覧があります。
都道府県道・政令市道が含まれる場合(国道なし)は、その都道府県または政令市がシステムに参加していれば、市区町村道を含めた一括申請が可能です。
ステップ3:参加・未参加が混在する場合
関係する自治体がすべてシステムに参加していれば、申請画面で複数の市区町村を選択して1回の操作で送信できます。参加自治体と未参加自治体が混在する場合は、参加自治体はオンライン申請、未参加自治体は窓口申請に分けます。すべてを窓口に切り替える必要はありません。
特車オンライン申請ができないケースでは、窓口に切り替えるべき判断基準をまとめています。
\ 申請代行 11,000円〜(税込)・ご相談はこちら /
🌐 お問い合わせする自治体申請システムの使い方
ステップ1:参加状況の確認
利用登録の前に、走行経路を管理する自治体がシステムに参加しているかを確認します。参加自治体の一覧は特車ポータルサイトの「自治体申請システムについて」ページに都道府県・政令市・市区町村別で掲載されています。
申請先は「走行経路を管理している自治体」です。本社や営業所の所在地ではなく、走行経路上の道路管理者に申請します。経路が複数の自治体にまたがる場合は、各自治体への申請が必要です。最寄りの自治体や都道府県庁に一括して出せるわけではありません。
ステップ2:利用者登録
自治体申請システムのログイン画面から新規登録を行い、専用IDを取得します。氏名・会社名・メールアドレス等を入力します。国交省の特車ポータルのユーザーIDは使えません。
このIDは全国共通です。一度取得すれば、参加しているどの自治体にも同じIDで申請できます。
ステップ3:申請データの準備
申請データは、国交省の特車ポータル内にある「申請支援システム(オンライン)」または「オフライン用プログラム(道路情報便覧)」で作成します。作成・保存したデータ(tksファイル等)を自治体申請システムにアップロードする形で申請します。
国交省システム向けに作成したデータはそのまま使えるため、作り直しは不要です。申請データの作成方法は入力編①ログイン・申請者設定と「2025年改正」の重要ポイントで解説しています。
市区町村道を含む経路では未収録道路が含まれる場合があります。未収録道路がある場合は付近図のPDF添付が必要で、添付がないと差し戻しの対象になります。
ステップ4:申請の送信
ログイン後、申請データをアップロードして送信します。審査期間・許可証の受け取り方法は自治体ごとに異なるため、各自治体の窓口ページで支払い方法と受け取り方法を事前に確認してから送信します。
複数の自治体にまたがる経路
「一括申請」と「同時送信」の違い
経路が複数の市区町村にまたがる場合、道路の種類によって申請の扱いが変わります。
直轄国道が含まれる場合は、国交省の特車ポータルから全経路を一括申請できます。
都道府県道・政令市道が含まれる場合(国道なし)は、その都道府県または政令市がシステムに参加していれば、市区町村道の分も含めた一括申請が可能です。
市区町村道のみの場合(国道・県道なし)は、1つの窓口が他自治体と協議してまとめる法的な一括申請はできません。ただし、関係する市区町村がすべてシステムに参加していれば、申請画面で複数の市区町村を選択して1回の操作でデータを送信できます。未参加の市区町村がある場合のみ、その自治体への窓口申請を個別に行います。
手数料・許可期限は自治体ごとに異なる
許可証の有効期間・更新手続き・手数料の支払い方法は自治体ごとに異なります。国交省システムでは支払い方法が統一されていますが、自治体申請システムでは銀行振込・現金書留・収入証紙の郵送など、自治体の指示によって方法が変わります。申請前に各自治体の窓口ページで支払い方法を確認してから進めるのが確実です。
特車申請の手数料の計算方法は2026年版の計算式で掲載しています。複数の自治体から許可を受ける場合は許可期限の更新タイミングがそれぞれ異なるため、社内で一元管理する体制が必要です。許可ごとに許可期間を設定できるため、複数自治体の期限をできるだけ揃える申請も選択肢になります。
更新・変更時のデータの扱い
国の特車ポータルで取得した許可を、自治体申請システム側で「更新」や「変更」として引き継ぐことはできません。逆も同様です。管轄が変わって別のシステムを使うことになった場合、過去の申請データは参照できても、許可自体の引き継ぎはなく新規申請の扱いになります。
複数のシステムを使い分けている事業者は、国と自治体それぞれで取得した許可の期限・更新手続きを独立して管理します。
確認制度との違い
自治体申請システムは「特殊車両通行許可申請」のためのシステムです。特殊車両通行確認制度とは別の手続きです。
確認制度はETC2.0搭載車両を対象に、大型車誘導区間での経路選択の自由度を広げる仕組みで、自治体申請システムとは目的も対象も異なります。許可制度と確認制度の選び方に判断の手順をまとめています。
まとめ
自治体申請システムのURLとログインIDは、国交省の特車ポータルとは別物です。ただし自治体申請システムのIDは全国共通のため、1つ取得すれば参加しているすべての自治体に同じIDで申請できます。
どちらのシステムを使うかは、経路に直轄国道が含まれるかどうかで決まります。含まれる場合は特車ポータルで一括申請。含まれない場合は走行経路を管理する自治体への申請です。参加・未参加の混在がある場合はオンラインと窓口に分けて対応します。
手数料の支払い方法と許可証の受け取り方法は自治体ごとに異なります。複数の自治体を相手にする申請では、事前に各自治体の窓口で方法を確認してから進めてください。
特車申請の制度・手続き・車種別対応の全体像は特殊車両通行許可申請ガイドにまとめています。
よくある質問
- 国交省のユーザーIDで自治体申請システムにログインできますか?
-
ログインできません。自治体申請システムは国交省のオンライン申請システムとは別のシステムです。専用IDをログイン画面(tokusya2.ktr.mlit.go.jp/jichitai_sinsei/)から別途登録してください。IDは全国共通のため、一度取得すれば参加しているすべての自治体に同じIDで使えます。
- 国交省システム用の申請データをそのまま使えますか?
-
使えます。オフライン用プログラムで作成したtksファイル等のデータを、自治体申請システムにそのままアップロードできます。作り直しは不要です。
- 複数の市区町村にまたがる経路で一括申請はできますか?
-
道路の種類によって異なります。経路に直轄国道が含まれる場合は特車ポータルで一括申請できます。都道府県道・政令市道を含む場合(国道なし)は、その自治体がシステムに参加していれば一括申請が可能です。市区町村道のみの場合は一括申請はできませんが、関係する自治体すべてがシステムに参加していれば、1回の操作でデータを同時送信できます。
- 自治体申請システムの審査期間はどのくらいですか?
-
自治体によって異なります。国交省のオンライン申請と比べて長くかかる場合があります。急ぎの場合は申請先の自治体窓口に事前に問い合わせてください。
- 申請先の自治体がシステムに参加しているかどうか、どこで確認できますか?
-
特車ポータルサイト内の「自治体申請システムについて」ページに、参加自治体の一覧が都道府県・政令市・市区町村別に掲載されています。利用登録の前に参加状況を確認します。
- 自治体申請システムと特車通行確認制度は同じものですか?
-
別のものです。自治体申請システムは特殊車両通行許可申請のためのオンラインシステムです。確認制度はETC2.0搭載車両を対象に大型車誘導区間での運行を自由化する仕組みで、目的・対象・手続きがすべて異なります。

