全長25mのダブル連結トラックを幹線輸送に入れるときは、車両を選ぶ段階で、物流拠点までの経路と担当する運転者の要件を調べます。高速道路の対象区間に近い拠点でも、出入口や接続道路を通れるとは限りません。
ダブル連結トラックは、1台で通常の大型トラック約2台分の輸送を担える車両です。一定のバン型フルトレーラ連結車には、条件付きで長さ25mまで扱う特車手続きが設けられています。
この記事で取り上げるのは、21mを超える車両を中心とした運転者の免許要件、対象路線、装備・積荷の条件と申請準備です。
25mまで認められる車両と条件
ダブル連結トラックは、貨物を積む大型トラックにフルトレーラを連結した長大な車両です。フルトレーラは、車体と積荷の重さを基本的に自分の車軸で支える被けん引車のことです。2019年1月の本格導入に合わせ、一定のバン型フルトレーラ連結車について、特殊車両通行許可で扱う長さの上限が21mから25mへ緩和されました。
25mは条件付きの許可等で扱う基準で、道路の一般的な長さの上限とは扱いが異なります。タンク型やコンテナ用など、バン型以外の車両構造には、25mの扱いがそのまま当てはまりません。
長さの条件を満たしても、総重量や軸重などは別に審査されます。車両を入れる際は、連結状態の図面と重量配分まで分かるメーカー資料を用意してください。
21mを超えて走らせる場合は、車両・通行経路・安全装備・積荷・運転者・通行方法の6つの条件をすべてそろえます。どれか1つでも欠けると、25mでの通行は認められません。
運転者に必要な免許と経験
運転には、大型免許とけん引免許が必要です。ただ、21mを超える車両は免許だけでは運転できません。大型自動車の運転業務の経験、けん引免許の保有期間、訓練の受講について、次の条件1か条件2のどちらかを満たす必要があります。
| 項目 | 条件1 | 条件2 |
|---|---|---|
| 大型自動車の運転業務 | 直近5年以上従事 | 直近3年以上従事 |
| けん引免許 | 5年以上保有 | 1年以上保有 |
| 安全教育 | 最低2時間の訓練 | 最低12時間の訓練 |
| 追加条件 | なし | 直近3年間無事故・無違反 |
大型免許を取ってからの年数と、大型自動車の運転業務に就いていた期間は同じではありません。免許証だけで経験年数を決めず、従事期間が分かる記録で裏づけてください。
申請では、運転者の条件に応じて、実技訓練の受講を証明する書面や無事故・無違反を証明する書面などをそろえます。申請時に出す資料と、通行時に携行する書類は分けて把握しておきましょう。交代要員を含め、実際に担当する運転者がどちらの条件に当たるかを一覧にしてください。
対象路線と物流拠点までの経路
ダブル連結トラックには、主な通行経路となる対象路線が定められています。2024年9月17日の拡充で対象区間は約5,140kmから約6,330kmに延び、北海道・首都高速・阪神高速の区間などが初めて加わりました。
対象路線に含まれていても、その道路を無条件に通れるわけではありません。利用するインターチェンジ、経由する区間、休憩場所まで運行計画に落とし込んでください。
一般道路をまったく通れないということもありません。物流拠点との接続に必要な区間を含め、自動車専用道路以外の区間が必要最小限になるよう経路を設定します。
経路を組むときは、次の点を図面や現地の情報で調べてください。
- 物流拠点のゲート幅と、敷地内で連結・転回できる場所
- 接続道路の交差点、中央分離帯、右左折時の通行空間
- 休憩予定のSA・PAと、長大車両を止められる駐車場所
- 工事や通行止めがある場合の運行中止・代替経路の扱い
新規導入で経路や資料の判断がつかない場合は、車両の概要と運行計画を示して、道路管理者へ事前相談をしましょう。予定する輸送を具体化してから相談すると、追加で必要な資料を把握できます。
(対象区間)
安全装備16項目と積荷の制限
21mを超える車両は、特車申請書の作成に加えて、運行を担う体制まで要件に合わせることが欠かせません。車両の安全装備には、ETC2.0を含む16項目が定められています。
| 分野 | 主な内容 | 準備する資料の例 |
|---|---|---|
| 車両 | 対象となるバン型フルトレーラ連結車、連結寸法・重量 | 車検証、連結図、諸元表 |
| 安全装備 | ABS、衝突被害軽減ブレーキ等、後端カメラ、軸重の把握、ETC2.0など | 装備の仕様・適合が分かる資料、登録情報 |
| 積荷 | 積載が認められない貨物に該当しないこと | 貨物一覧、製品仕様書 |
| 運転者 | 運転業務の経験、けん引免許、安全教育の訓練など | 免許情報、経験・訓練等の証明資料 |
| 通行方法 | 追越し・接近した縦列走行の禁止、故障時の対応など | 運行計画、携行書類、停止表示機材 |
装備は名称が合っているだけでは足りず、取付位置や対象の車軸、装置の仕様まで照らし合わせてください。軸重の把握は、車載型自動軸重計測装置か、出発時に計測した各軸の重さを記録した書類のどちらかで対応します。
積荷は、法令で指定された危険物、大量の液体、動物などを積めません。重さや容積が荷台に収まるかだけでなく、製品の性質も荷主と共有しておきましょう。
特車申請は、車両の資料だけでなく、運転者の要件と物流拠点までの経路にも手間がかかります。当事務所では、車両・経路の確認から、申請書類の作成・申請後の補正対応まで代行します。
追越し禁止と故障時の対応
21m超車両は、原則として道路の左端から数えて1番目の車両通行帯を走り、追越しをしない条件です。登坂車線がある区間では、その車線を使います。
他の21m超車両と接近して縦列をつくって走ることも禁止です。複数台を配車する場合は、出発時刻や休憩場所も含めて、接近した連続走行にならない運行を組んでください。
故障などで路上に停車させた場合は、板状と灯火式の両方の停止表示機材を使います。業務支援用ETC2.0車載器の稼働や携行書類も、運行開始前の点検に含めておきましょう。
通行確認制度との使い分け
2025年3月24日から、ダブル連結トラックも特殊車両通行確認制度で通行の手続きができるようになりました。あらかじめ登録した車両について、道路情報をもとに通行可能な経路の回答を受ける制度です。
確認制度でダブル連結トラックとして登録できるのは、長さ21m超25m以下のバン型フルトレーラ連結車です。長さ以外の諸元が特例8車種相当であること、ダブル連結トラックとして製造された型式であること、連結時の旋回性能が基準値以内であることも求められます。車両登録の際は、運転者の情報の入力も必要です。
車両を登録しても、それだけで走れるとは限りません。車両の構造や積荷の制限は、登録とは別に守る条件です。回答書にはダブル連結トラック専用の条件書が付くため、その条件に従って運行します。
ダブル連結トラックの主な通行経路から外れる区間や、道路情報が収録されていない区間など、確認制度で扱えない経路は、通行許可制度での手続きを検討してください。確認制度ができたことで、従来の許可申請がなくなったのではありません。
よくある質問
- ダブル連結トラックは全長25mまで自由に走れますか?
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自由には走れません。一定のバン型フルトレーラ連結車について、車両・経路・装備・積荷・運転者・通行方法の要件をすべて満たした場合に、21mを超えて25mまでの通行が認められます。
- フルトレーラなら、バン型以外でも25mまで認められますか?
-
認められません。25mまでの緩和は、トラックとトレーラがともにバン型のフルトレーラ連結車が対象です。タンク型やコンテナ用など、バン型以外の車両構造は従来の扱いのままです。
- 一般道路は通れませんか?
-
通れないことはありません。物流拠点と高速道路を結ぶ区間などで一般道路を通る場合も、自動車専用道路以外の区間は必要最小限になるよう経路を設定します。
- ETC2.0は必要ですか?
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必要です。全長21mを超えるフルトレーラ連結車では、業務支援用ETC2.0車載器が装備要件に含まれ、運行中の稼働も通行条件になっています。
- 大型免許とけん引免許があれば運転できますか?
-
免許だけでは要件を満たしません。大型自動車の運転業務に就いていた期間、けん引免許の保有期間、所定の訓練の受講が必要で、条件2では直近3年間の無事故・無違反も求められます。
- 2025年3月から、従来の特車許可は不要になりましたか?
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不要にはなっていません。特殊車両通行許可の制度は今も続いており、経路や道路情報の収録状況に応じて、通行確認制度と使い分けます。
まとめ
25mまで認められるのは、バン型のフルトレーラ連結車だけです。運転者は大型免許とけん引免許に加えて業務経験と訓練の条件を満たす必要があり、経路も物流拠点までの接続区間と休憩場所まで決めておきます。
車両・装備・積荷・運転者・通行方法の要件は、どれか1つではなく一式でそろえてください。通行確認制度を使う場合も、回答書の条件書に沿った運行が欠かせません。
特車申請の制度・手続き・車種別対応は、特殊車両通行許可申請ガイドにまとめています。
特車申請のことでお困りならご相談ください
ダブル連結トラックの申請は、車両の資料に加えて、運転者の要件と物流拠点までの経路がそろわないと書類をまとめられません。当事務所では、連結車両の資料と物流拠点までの経路を照らし合わせ、申請手続きから申請後の補正対応までお引き受けしています。ダブル連結トラックの申請準備に迷ったときも、お気軽にお問い合わせください。

