特車申請は自社と外注どちらがいい?行政書士に依頼するメリット・デメリット

特殊車両通行許可申請は、自社で行うことも、行政書士へ依頼することもできます。

どちらが向いているかは、申請件数だけでは決まりません。使用する車両、通行経路、未収録道路の有無、社内の担当体制などによって、申請にかかる作業量は大きく変わります。

毎回ほぼ同じ車両・経路を使う会社では自社申請を続けやすい一方、トレーラや未収録道路を含む案件、現場ごとに経路が変わる案件では、外部へ依頼する方法も選択肢になります。

自社申請と外注の違いを、実務面から整理します。

目次

特車申請は自社でも外注でもできる

特殊車両通行許可申請は、車両を使用する事業者が自社で行えます。

国土交通省のオンライン申請システムを利用し、車両諸元の入力、経路作成、申請データの送信などを社内で進める方法です。

行政書士へ依頼する場合は、委任を受けた行政書士が申請書類の作成や提出、補正対応などを行います。

どちらを選んでも、道路管理者が行う審査そのものが変わるわけではありません。

違いが出るのは、申請に必要な作業を社内で行うか、外部へ任せるかという点です。

自社申請のメリット

外注費を抑えられる

自社で申請できる体制があれば、行政書士への報酬はかかりません。

同じ車両や経路を繰り返し使う会社では、一度申請方法を覚えることで、その後の更新や新しい申請にも対応しやすくなります。

継続して特車申請が発生する会社にとっては、社内に申請業務を蓄積できることもメリットです。

車両や配車の情報をそのまま使える

運送会社や建設会社では、車両情報や運行予定を社内で管理していることが多いため、その情報をそのまま申請へ使えます。

外部との資料のやり取りが少なく、車両や経路が決まった段階で作業を始められる点は、自社申請の使いやすいところです。

過去の申請データを活用できる

同じ車両や経路を使う場合は、過去の申請データをもとに次の申請を作成できることがあります。

ただし、車両、通行期間、道路データなどが以前の申請時から変わっている場合もあるため、現在の内容に合わせて作成する必要があります。

自社申請の具体的な手順は、特車申請を自社でやる方法で解説しています。

自社申請のデメリット

車両諸元の入力に慣れが必要

特車申請では、車検証だけでなくメーカー諸元表や車両図面を使うことがあります。

特にトラクタ・トレーラでは、軸距、オーバーハング、連結時の寸法など、単車より多くの情報を扱います。

車種が変わるたびに資料の読み方や入力項目も変わるため、担当者が申請システムに慣れるまで時間がかかることがあります。

経路作成にも作業が必要

特車申請では、出発地から目的地までの経路を作成します。

幹線道路だけでなく、工場や工事現場へ入る最後の区間まで申請経路に含まれます。

道路情報便覧に収録されていない道路が含まれる場合は、路線名を調べたり、付近図などの資料を用意したりすることもあります。

未収録道路については、特車申請の未収録道路とはで解説しています。

担当者に業務が集中しやすい

特車申請を一人の担当者だけが扱っていると、その人が不在になった際に申請業務が止まりやすくなります。

継続的に自社申請を行う場合は、申請データや車両資料の保存方法を決め、複数人が扱える状態にしておくと運用しやすくなります。

行政書士へ依頼するメリット

車両登録から経路作成まで任せられる

行政書士へ依頼すると、車両資料や通行予定をもとに申請データの作成を任せられます。

依頼内容によりますが、主に次のような作業が対象になります。

  • 車両諸元の入力
  • 通行経路の作成
  • 申請データの作成・提出
  • 未収録道路に関する資料の作成
  • 補正への対応
  • 許可証の受領

社内では、車検証などの車両資料と運行予定を用意する作業が中心になります。

未収録道路や連結車にも対応を任せられる

トレーラ、重セミトレーラ、複数車両の包括申請、未収録道路を含む経路などは、扱う情報が増えます。

毎回違う車種や経路を申請する会社では、複雑な案件だけ外部へ依頼する方法もあります。

包括申請については、特車の包括申請とはで解説しています。

補正対応を任せられる

申請後、道路管理者から資料の追加や申請内容の修正を求められることがあります。

代理申請の場合は、補正内容に応じた修正や再提出を行政書士へ任せられます。

車両資料など新たな資料が必要になった場合は、申請者側で用意して行政書士へ渡します。

社内の作業時間を減らせる

配車担当者や運行管理者が特車申請も兼務している会社では、申請作業が本来の業務と重なることがあります。

車両諸元の入力や経路作成を外部へ任せることで、配車や運行管理に使う時間を確保しやすくなります。

行政書士へ依頼するデメリット

代行費用がかかる

外注する場合は行政書士への報酬が発生します。

同じ車両・同じ経路の申請が多く、社内担当者がシステム操作に慣れている会社では、自社で続けた方がコストを抑えられる場合があります。

代行費用については、特車申請の代行費用で解説しています。

行政書士へ依頼しても審査が優先されるわけではない

行政書士へ依頼したことを理由に、道路管理者の審査が優先される制度ではありません。

道路管理者との協議が必要な経路では、代理申請であってもその手続きが行われます。

外注によって変えられるのは、申請データの作成や補正への対応など、申請者側で行う作業です。

資料の受け渡しが必要

行政書士へ依頼する場合でも、車両の情報や通行予定がなければ申請は作れません。

車検証、メーカー資料、出発地・目的地、積載物など、案件に応じた情報を渡す必要があります。

自社申請と外注を比較

項目自社申請と相性がよい外注と相性がよい
車両同じ車両を繰り返し使用車種が案件ごとに変わる
経路固定ルートが多い現場ごとに経路が変わる
道路収録道路中心未収録道路を含むことが多い
申請内容比較的同じ内容を繰り返す連結車・包括申請などが多い
社内体制専任・兼任の担当者を置ける申請業務に時間を割きにくい
情報管理車両資料を社内で管理している必要な案件ごとに外部へ任せたい

どちらか一方に統一する必要はありません。

通常の申請は自社で行い、未収録道路や複雑な連結車の案件だけ外注する方法もあります。

一部の案件だけ外注する方法もある

特車申請の外注は、すべての申請を継続して依頼する方法だけではありません。

たとえば、次のような使い分けができます。

  • 通常の単車は自社で申請する
  • トレーラの新規申請だけ依頼する
  • 未収録道路を含む案件だけ依頼する
  • 繁忙期だけ外注する
  • 特定の現場へ搬入する申請だけ依頼する

自社に申請ノウハウを残しながら、作業量の多い案件だけ外部へ任せる形です。

行政書士へ依頼するときに用意するもの

依頼時には、まず次の情報があると申請内容を整理しやすくなります。

  • 車検証
  • 出発地
  • 目的地
  • 使用する車両
  • 積載物の種類
  • 積載物の寸法・重量
  • 通行予定時期

連結車では、トラクタとトレーラ双方の車検証やメーカー資料が必要になることがあります。

最初からすべての資料がそろっている必要はなく、車両や申請内容に応じて追加資料を用意します。

依頼から申請までの流れ

一般的には、次のような流れで進みます。

  1. 車両・経路などの情報を送る
  2. 申請内容と費用を整理する
  3. 委任状などの必要書類を用意する
  4. 行政書士が申請データを作成・提出する
  5. 必要に応じて補正や追加資料へ対応する
  6. 許可後に許可証等を受け取る

申請内容によって必要な資料や作業は変わります。

よくある質問

特車申請は自社でもできますか?

自社で申請できます。

オンライン申請システムを使い、車両登録、経路作成、申請データの送信まで社内で行うことができます。

同じ車両や経路を繰り返し使う場合は、自社申請の運用を作りやすいでしょう。

行政書士へ依頼すると審査は早くなりますか?

行政書士へ依頼したことを理由に、道路管理者の審査が優先されることはありません。

申請データの作成や補正対応を任せられるため、社内で行う作業を減らせる点が外注のメリットです。

途中まで自社で進めた申請も依頼できますか?

申請前のデータ作成途中であれば、その時点までに集めた車両資料や経路情報を使って引き継げる場合があります。

すでに申請済みの案件については、現在の手続状況によって対応方法が変わります。

複雑な案件だけ外注できますか?

単発や一部の案件だけ外部へ依頼する方法もあります。

普段は自社申請を行い、連結車、未収録道路、包括申請など作業量の多い案件だけ依頼するといった使い分けもできます。

まとめ

特車申請は、自社で行う方法と行政書士へ依頼する方法のどちらも選べます。

同じ車両・同じ経路を継続して使い、社内に担当者を置ける場合は、自社申請を運用しやすくなります。

車種や経路が毎回変わる場合、未収録道路や連結車を扱う場合、申請作業に社内の時間を割きにくい場合は、外注を利用する方法があります。

すべてを自社または外注に統一せず、案件によって使い分けることもできます。

特車申請の外注でお困りの際は、お気軽にご相談ください。

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