特車申請を自社でやる方法|5ステップの手順と4つのミス

特車申請の自社申請に取り組む物流会社の配車担当者がパソコンと車検証を確認している様子

特車申請は自社で対応できます。オンライン申請システムの利用は無料で、かかるのは行政手数料(200円×台数×経路数)のみです。

ただし難易度は車種と経路の複雑さによって大きく異なり、単車1台・収録道路のみであれば操作に慣れれば一通り対応できます。連結車や複数台・未収録道路が絡む場合は、慣れていない段階では想定以上の手間になることもあります。

「自社でできるか」より「どこでつまずくか」を先に把握しておくと、準備の段取りが見えてきます。

目次

自社申請の5ステップ

申請の手順は5つのステップです。いきなり本番入力に入ると途中でタイムアウトしてデータが消えるので、Excelに下書きしてから入力するのが基本で、各ステップを確認しながら進められます。

なお、システムの推奨ブラウザはMicrosoft Edge。ChromeやSafariでは画面崩れや入力不具合が起きることがあります。詳細は推奨環境と動作確認で確認できます。

なお、システムには定期メンテナンスによる停止時間帯があります。送信直前にシステムが止まっているリスクを避けるため、ログイン画面に表示される「重要なお知らせ」を事前に確認するのが確実です。

STEP 1:車両諸元の確認と整理 車検証・車両諸元表から申請に必要な数値を取り出します。トラクタとトレーラでは確認項目が異なり、連結車の場合はカプラ前長さ・キングピン後長さなど車検証から直接読めない数値を計算します。詳細はトラクタの諸元入力トレーラの諸元入力で確認できます。

STEP 2:経路の作成 オンライン申請システムのデジタル地図で出発地から目的地までの経路を引きます。地図上の道路の色(収録・未収録)と交差点の記号(黒丸・青丸)の見分けを間違えると、差戻しの原因になります。

STEP 3:申請データの入力と簡易算定 車両情報・積載貨物・経路を入力し、本番送信前に簡易算定を実行します。通行不可区間の有無、個別審査の発生有無、通行条件の見通しをここで確認できます。

STEP 4:手数料の納付 データを送信後、審査の途中で手数料の納付書が届きます。納付確認が取れてから許可が下りる流れです。支払い期限を過ぎると申請は取り消しになります。

なお、通行経路が国管理の直轄国道のみで完結する場合、手数料はかかりません。この場合は納付書が発行されないため、「いつまでも納付書が来ない」と待ち続けるのは誤り。申請状況照会で直接進捗を確認するほうが確実です。

STEP 5:許可証の受領と車両への搭載 許可証・条件書・経路図の3点(連結車は車両内訳書を加えた4点)を印刷して車両に積みます。電子データでの携帯も条件付きで認められています。

難易度が上がる3つのケース

未収録道路がある

目的地の手前の市道・町道がデジタル道路地図に収録されていない場合、路線名の調査・付近図の作成が必要。路線名は市区町村の道路担当課か道路台帳で確認します。詳細は特車申請の未収録道路に整理されています。

未収録道路が絡むと審査が個別扱いになり、通常3週間が2〜3ヶ月に伸びます。工事の工程が決まっている建設系の申請では、着工前に収録状況を確認しておく必要があります。

地図上の道路自体は収録済みでも、出発地・目的地に青丸(未収録交差点)を設定すると個別審査になります。これが「青丸交差点のトラップ」です。経路を引く際は黒丸(収録交差点)を起点・終点に設定するのが原則。地図の色と交差点記号の見方で確認できます。

連結車の諸元計算が必要

単車は車検証の数値をほぼそのまま使えますが、連結車は別。カプラ前長さは「全長からトレーラ部分を引く計算」、連結最小回転半径は国交省配布のExcelシートで算出が必要です。入力ミスがあると自動照合エラーで差し戻しになります。

複数台・複数経路の包括申請

2台以上の車両を1件にまとめる包括申請では、「合成車両」の概念が関係します。車種・軸種が異なる車両を同一申請にすると差し戻しになるため、申請前に区分を確認しておく必要があります。

合成車両とは、登録した全車両の中から「最も大きい寸法」「最も重い重量」を組み合わせて作る架空の最大車両。この合成車両で審査が行われるため、個々の車両では制限値を満たしていても、合成した結果「隣接軸重オーバー」でエラーになるケースがあります。差し戻しを防ぐには、簡易算定の「合成車両の表示」ボタンによる事前確認が基本手順。包括申請の仕組みと合成車両の詳細は包括申請とはで確認できます。

台数と経路数が増えるほど経路の入力量も増えます。10台・10経路を超える大規模申請は、操作に慣れた担当者でも半日仕事になります。

自社申請でよくある4つのミス

重量・寸法の単位変換忘れ システムの入力欄は重量が「t(トン)」、寸法が「cm」指定です。車検証や諸元表には重量が「kg」、寸法が「mm」で記載されているため、そのまま打ち込むと「重量15,000トンの車両」として計算されエラーになります。Excelの下書き段階で「15,000kg → 15.00t」「11,980mm → 1,198cm」のように変換してから入力するのが鉄則。入力前の準備手順は特車申請のExcel準備で確認できます。

申請日と送信日のずれ システムにデータを作成した日と、実際に送信する日がずれると「申請日が未来の日付」「有効期間の逆転」でエラーになります。流用データを使い回す場合は申請日の更新を忘れずに確認します。

車両番号の重複エラー 同じ車両番号がすでに別の申請で登録されていると「車両番号が重複しています」エラーが出ます。中古車の前オーナーのデータが残っているケースが原因になることが多く、登録解除の手順は車両番号が重複しています・エラー対処にまとめています。

往復申請の経路数の数え間違い 往復申請は行きと帰りで2経路とカウントします。4台で3目的地を往復する場合、経路数は3往復×2=6経路、手数料は4台×6経路×200円=4,800円です。経路数を間違えると手数料の計算もずれます。

外注に切り替えるタイミング

自社申請が向いているのは、申請パターンが固定されていて月1〜3件程度、かつ操作に慣れた担当者がいる場合です。

以下のいずれかに当てはまれば、外注を検討する時期といえます。

  • 月5件以上の申請が発生し、配車業務との両立が難しい
  • 未収録道路が絡む申請が多く、路線名調査に時間がかかっている
  • 担当者が退職・交代し、申請ノウハウが社内に残っていない
  • 許可期限の管理まで含めて一括で任せたい

代行費用の相場と費用対効果の判断基準は特車申請の代行費用で整理しています。繁忙期だけ外注するという使い分けをしている会社も少なくありません。

まとめ

特車申請は自社で対応できます。単車・収録道路のみ・往復1経路なら、申請データを自社でまとめることは現実的な選択肢の一つ。

未収録道路・連結車・複数台の包括申請が絡む場合は、慣れるまでに想定以上の手間がかかります。まず1件やってみるのが近道。途中で行き詰まったところから代行に切り替えることも可能で、自社でできる範囲だけ進めるという使い方もあります。

操作手順や経路の引き方に不安がある段階でのご相談も可能。

特車申請の制度・手続き・車種別対応の全体像は特殊車両通行許可申請ガイドで確認できます。

お問い合わせ方法

お問い合わせフォーム

・電話:03-6821-4578(年中無休 9:00〜19:00)

よくある質問

Q
オンライン申請システムの使用料はかかりますか?
A

かかりません。システムの利用は無料で、支払いが発生するのは道路管理者への行政手数料(200円×台数×経路数)のみです。

Q
申請から許可証が届くまでどれくらいかかりますか?
A

収録道路のみの申請でオンライン送信した場合、通常3週間程度が目安です。未収録道路が含まれる場合は個別審査になり、2〜3ヶ月かかることがあります。

Q
途中から行政書士に頼むことはできますか?
A

があります。

Q. 途中から行政書士に頼むことはできますか? できます。システム上で作成途中の申請データ(.tksファイル)や経路データ(.dfzファイル)をダウンロードして送付していただければ、これまでの入力を無駄にせずそのまま引き継げます。「経路の引き方が分からない」「差戻しの対応が難しい」という段階での切り替えが実際には多いです。

Q
代行を頼む場合、何を準備すればいいですか?
A

車検証(連結車はトラクタ・トレーラそれぞれ)、出発地と目的地の住所、積載物の品名・寸法・重量が基本です。連結車では三面図の提出を求められる場合もあります。

Q
収録道路を通る経路なのに個別審査になった場合、何が原因ですか?
A

出発地または目的地に「青丸(未収録交差点)」を設定したことが原因である場合がほとんどです。通る道路自体が収録済みでも、交差点の設定が青丸だとシステムは未収録路線ありと判定します。黒丸の収録交差点に設定し直して再送信することで解消できます。

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