特車申請の経路作成②|地図の色(緑・茶・グレー)と交差点記号の見方、住所入力の注意点

特車申請のオンラインシステムで色分けされた道路地図を表示したオフィスのデスク

差し戻しになる経路申請の原因は、大きく3つに絞られます。地図の「道路の色」「交差点の記号」「住所の入力精度」です。

見た目は一般的なWeb地図と大差ありませんが、申請システムが使うのは道路情報便覧のデータです。色と記号には審査の仕組みと直結した意味があり、把握しないまま操作すると補正指示が届きます。経路作成①で住所検索のルールを確認したら、次はこの3点を押さえます。

目次

道路の色が、審査の流れを決める

申請地図の道路は緑・オレンジ・茶色・グレー・ピンクの5色に色分けされています。色が違うのは管理者が異なるためで、道路情報便覧にデータが収録されているかどうかも変わります。

色付きの道路(緑・オレンジ・茶色)=収録道路

いずれも道路情報便覧に幅員・耐荷重などのデータが登録されており、システムによる簡易算定(自動審査)の対象です。収録道路だけで経路を組めば、審査はシステムが即時に処理します。特殊車両通行確認制度を使う場合も、収録道路の通行が前提となります。

経路自動探索を実行すると、最初に赤・ピンク・緑・黒の4色の候補ルートが表示されます。各色の意味と選び方は経路作成③で説明しています。

1つのルートを確定させると、地図上に青い太線が引かれます。この青は確定ルートを示す表示色であり、道路の種別を表す色ではありません。

グレー・ピンクの道路=未収録道路・審査期間が延びる

  • グレー: 未収録道路(一般の市町村道など)
  • ピンク: 港湾道路

どちらも道路情報便覧にデータが登録されていない未収録道路です。経路に含めると自動審査は使えず、道路管理者による個別審査(協議)が必要になります。

審査期間はオンライン申請の標準処理期間(3週間程度)を超え、2〜3か月かかるケースもあります。付近図の作成・添付も別途求められます。

国際海上コンテナ車(40ft背高)を扱う事業者はピンク(港湾道路)に注意が必要です。埠頭内への経路はほぼ個別審査になります。運行日程が決まっている場合は、グレー・ピンク区間を避けたルートを先に検討します。

申請システム地図の道路色と審査への影響
道路の色 管理者・対象道路 審査方式 期間の目安 推奨 備考
緑色 国土交通省
高速道路・都市高速
簡易算定(自動) 3週間程度 推奨 確認制度も利用可
橙色 国土交通省
一般国道
簡易算定(自動) 3週間程度 推奨 確認制度も利用可
茶色 都道府県・政令市
主要地方道・県道等
簡易算定(自動) 3週間程度 推奨 確認制度も利用可
灰色 市町村等
市町村道・未収録
個別審査(協議) 2〜3ヶ月以上 要注意 付近図の添付が必要
桃色 港湾管理者
港湾道路
個別審査(協議) 2〜3ヶ月以上 要注意 海コン・埠頭内経路
※ 経路探索後に地図上に引かれる「青い太線」は確定した走行ルートを示す表示であり、道路自体の種別(審査スピード)を示す色ではありません。

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交差点の「黒丸」と「青丸」は扱いがまったく異なる

経路作成画面の交差点には黒丸(大)と青丸(小)の2種類があります。見た目はどちらも丸印ですが、システム上の意味はまったく異なります。

黒丸=収録交差点(経路作成の基本)

黒丸は交差点番号と形状データを持つ収録交差点です。右クリックから「開始交差点に設定」「終了交差点に設定」を選んで経路を組みます。黒丸同士でつないだ区間は自動審査の対象です。

出発地・目的地だけでなく、経由地も黒丸で設定します。途中の1か所でも青丸を経由地に選ぶと、その区間が未収録路線扱いになります。

青丸=未収録交差点(使用は最小限に)

青丸は道路データが不十分な未収録交差点です。出発地・目的地・経由地のいずれかに設定すると、その区間が未収録路線扱いになります。グレー・ピンク道路と同様に個別審査が求められ、付近図の添付も条件です。

操作面でもデメリットがあります。青丸を含む区間はシステムの自動探索が使えないため、交差点を1区間ずつ手動でクリックしてつなぐ作業が発生します。未収録道路の手動入力手順は別途確認が必要です。

目的地がどうしても青丸の場所にしかない場合は仕方ありませんが、そうでなければ近くの黒丸交差点を終点に設定します。

交差点記号の使い分け:黒丸 vs 青丸
黒丸(大)原則これを使用
  • 収録交差点。番号や形状データが完備されている。
  • 簡易算定(自動審査)に対応し、許可が早い。
  • 目的地までの経路自動探索が利用可能。
  • 右クリックで開始・終了・経由地にスムーズに設定できる。
  • 審査期間の目安:約3週間程度
青丸(小)使用は最小限に
  • 未収録交差点。システム上に詳細データがない。
  • 管理者との個別審査(協議)が必須となる。
  • 自動探索ができず、手動でのポイント指定が発生する。
  • 交差点の付近図(別紙)の作成・添付を求められる。
  • 審査期間の目安:2〜3ヶ月以上

住所は番地・建物名まで入力しないと「経路不明」で差し戻される

出発地・目的地の住所を「○○市△△町」や「○○工業団地」のように入力すると、システムが地点をピンポイントに特定できません。この状態で申請すると「経路不明」として補正指示が届きます。差し戻しの原因の中でも、住所の入力精度は件数の多い類型です。

番地(○丁目○番○号)と建物名まで入力したうえで、地図上のSマーク・Eマークが正しい位置に落ちているかを目視で確認します。審査では、その地点から公道への出入りが安全に行えるかも確認されます。位置がずれていると、再び差し戻されます。

入力した住所は申請書の通行経路表にそのまま記載されます。送信後に修正が生じると補正手続きが発生するため、送信前の確認は省けません。

NG:「○○市△△町」のみ /「○○工業団地」のみ
OK:「○○県○○市△△町1-2-3 ××運送株式会社 本社」

住所検索窓の操作手順

画面左上の「住所検索窓」は、地図をその場所に移動させるだけの機能です。検索しただけではSマーク・Eマークは表示されません。地図が目的の場所に移動したら、黒丸を右クリックして「開始(終了)交差点に設定」を選び、ピンを手動で打ちます。その後、「出発地・目的地情報入力欄」に番地と建物名を手入力します。

なお、検索窓に地番(1-2-3など)を直接入力するとエラーになる場合があります。検索は町名までにとどめます。検索で場所が見つからない場合の対処は経路作成①で扱っています。

まとめ

経路を送信する前に、3点を確認します。①経路全体が収録道路(緑・オレンジ・茶色)だけでつながっているか、②出発地・目的地・経由地がすべて黒丸交差点か、③住所に番地と建物名まで入力されているか。この3点が揃えば、差し戻しはほぼ起きません。

グレー・ピンク区間が避けられない場合は、個別審査(協議)になる前提でスケジュールを組みます。標準の3週間ではなく、2〜3か月の余裕を見ておくのが現実的な目安です。経路作成で判断に迷う場合は、お気軽にお問い合わせください。

特車申請の制度・手続き・車種別対応の全体像は特殊車両通行許可申請ガイドにまとめています。

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よくある質問

グレーやピンクの道路しか通れないルートでも申請できますか?

申請はできます。ただし個別審査(協議)になるため、審査期間は標準の3週間程度を超え、2〜3か月かかるケースもあります。急ぎの場合は、収録道路(緑・オレンジ・茶色)だけで経路を組む代替ルートを先に探します。未収録区間を使う場合は、付近図の作成・添付と路線名の手入力が条件です。

目的地が青丸の場所にしかない場合はどうすればよいですか?

目的地周辺でもっとも近い黒丸交差点を探し、そこを終点に設定します。このとき、敷地入口の手前ではなく、目的地の奥(通過した先)にある交差点を選びます。手前の交差点で終点にすると「未審査区間が生じている」として差し戻しの対象になります。どうしても青丸しかない場合は未収録路線扱いとなり、個別審査と付近図の添付が求められます。青丸区間は自動探索が使えないため、交差点を手動でつなぐ作業も発生します。

開始・終了の交差点(S・Eマーク)を間違えた場所に置いてしまいました。どうやって直せますか?

ドラッグ移動はできません。正しい位置にある別の黒丸を右クリックし、改めて「開始(終了)交差点に設定」を選び直します。古いマークが消え、新しい場所に打ち直されます。

住所を検索しても、地図上にSマーク・Eマークが表示されません。

検索窓は地図をその場所に移動させる機能です。S・Eマークは検索だけでは配置されません。地図が移動したら、黒丸を右クリックして「開始(終了)交差点に設定」を選んでピンを打ちます。この操作と「出発地・目的地情報入力欄」への番地・建物名の手入力がセットです。

住所検索で地番を入れるとエラーになります。なぜですか?

検索窓は地番に対応していないため、検索は町名までにとどめます。地図が表示された後、「出発地・目的地情報入力欄」に番地と建物名を直接手入力するのが正しい操作です。検索窓と入力欄は別々に使い分けます。

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