特車申請のオンライン経路作成は、大きく4つの操作で完結します。①住所で地図を表示する、②開始・終了交差点を指定する、③経路探索を実行する、④必要に応じて経由地を追加する。この記事ではデジタル地図を使った手順と、差戻しにつながる入力ミスを解説します。
経路作成にはデジタル地図と交差点番号の2通りの方法があります。実務ではデジタル地図を使います。経路図の作成と簡易算定をそのまま行えるからです。
住所の入力は2段階です。検索窓は「町名まで」、住所欄は「地番・建物名まで」。この順序を守らないと地図が正しく表示されず、申請が差戻しになります。
2種類の経路作成方法の違い
| 項目 | デジタル地図 | 交差点番号 |
|---|---|---|
| 経路図の作成 | できる | できない |
| 経路作成と同時の算定 | できる | できない |
| 向いているケース | 初回から包括申請まで | — |
交差点番号方式では、経路図の作成と算定が非対応です。審査に必要な書類を別途用意しなければならないため、デジタル地図での作成が基本となります。
デジタル地図での経路作成手順
デジタル地図を起動すると、最初に利用許諾の確認画面が出ます。「同意する」にチェックを入れ「OK」をクリックすると地図が開きます。その後は「地図を表示する」→「交差点を指定する」→「探索を実行する」の順で進めます。
▶ デジタル地図での経路作成:4ステップ
手順1:住所を検索して地図を表示する
検索窓は「地図を移動させるための窓」です。申請書に記載する住所欄とは別物です。
検索窓に入力するのは「都道府県名から省略せず・町名まで」(例:東京都港区芝公園)。入力時の注意点は3つあります。
- 地番(番地・号)を含めるとエラーになります
- 「東京都 港区」のように文字の途中にスペースを入れると検索されません
- 「中央区」など市区町村名だけを入力すると、同名の別地域(北海道札幌市中央区など)に地図が飛びます。都道府県名から省略せず続けて入力します
地図が表示されたら、住所欄に地番・建物名を手入力します。国土交通省の審査ルールでは、起点・終点がピンポイントで特定できない住所は差戻し対象です。「〇〇市△△町」だけではなく、「東京都港区芝公園1-2-3 ××運送株式会社」や「〇〇新築工事現場」のように、建物名・現場名まで記入して完成させます。
▶ 住所入力の2段階ルール
東京都港区芝公園都道府県名〜町名まで・スペースなし
東京都港区芝公園1-2-3地番(番地・号)を含めるとエラー
東京都港区芝公園1-2-3 ××運送株式会社地番+建物名まで1行で記入
建物名・現場名まで記入しないと、特定不可として差戻し対象になります。
手順2:開始交差点・終了交差点を指定する
地図上に表示される黒丸(大きい丸)が「収録交差点」です。地図上の色・記号の読み方は経路作成②で解説しています。
重要:交差点は「手前」ではなく「奥」を選ぶ。
出発地・目的地の目の前に黒丸がない場合、最寄りの手前の交差点を選んでしまいがちですが、これは差戻しの原因になります。
手前を選ぶと、現場から交差点までの数メートル〜数十メートルの区間が「未審査」扱いになるからです。出発地・目的地を完全に挟み込むように、現場より奥(外側)にある黒丸をS・Eに設定します。
設定手順は2ステップです。
- 出発地より奥の黒丸を右クリック →「開始交差点に設定」を選択
- 目的地より奥の黒丸を右クリック →「終了交差点に設定」を選択
地図上に「S(スタート)」と「E(エンド)」のマークが出れば設定完了です。
地図上に黒丸が見当たらない場合は、地図を限界まで拡大します。未収録交差点を示す青丸(小さい丸・◎)は、拡大しないと表示されない仕様です。拡大しても何もない区間は未収録道路として別途対応が必要になります。
▶ 開始・終了交差点の選び方:奥を選ぶ
※現場を「通り過ぎた先」にある黒丸を選択するのがルールです。
手順3:経路探索を実行する
SとEが設定できたら、操作パネル内の「経路探索」ボタンをクリックします。システムが収録道路を通る最適なルートを自動計算し、地図上に線が引かれます。
ボタンを押してもルートが引かれない場合は、開始交差点・終了交差点の設定が正しくできていない可能性があります。住所を検索しただけでは交差点は設定されません。地図上の黒丸を右クリックして設定する操作が必要です。
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🌐 お問い合わせする手順4:経由地を追加する
提案されたルートと実際の運行ルートが異なる場合、または特定の場所を経由する必要がある場合は、経由地を追加します。通りたい地点の黒丸を右クリックし「通過地として追加」を選択します。複数ある場合は、通行する順番に沿って追加します。ルート選択の基準と経由地設定の詳細は経路作成③を参照してください。
差戻しになる経路は4パターン
経路作成での差戻し原因は、住所の入力順序・交差点の選び方・未収録道路の扱いに集約されます。
検索窓に地番やスペースを入れた
地番(〇番〇号)を含めるとエラーになります。「東京都 港区」のようにスペースが入ると検索されません。都道府県名から町名まで、スペースなしで入力します。
住所欄への追記を省略した
地図を表示した後、住所欄への手入力を忘れると申請書の住所が不完全になります。地番と建物名まで入力して完成させます。
開始・終了交差点を内側に設定した
現場から見て手前の黒丸をS・Eに設定すると、現場までの区間が審査対象から漏れます。「未審査区間あり」として差戻しになるため、現場より奥の交差点を選んで全線をカバーします。
未収録道路を含む経路で探索した
黒丸のない区間(未収録道路)は自動探索の対象外です。未収録道路を含んだまま申請すると「経路不明」として差戻しになります。こうした区間が経路に絡む場合は、その道路の正式な路線名を管轄の役所に確認し、付近図を作成して添付します。個別審査が入るため、審査期間は収録道路のみの場合(オンライン申請で3週間程度)より長くなります。
未収録道路を手動で経路に追加すると、路線名欄に「未収録路線」と自動入力されます。そのまま提出すると審査官が経路を特定できず差戻しになります。「未収録路線(○○市道△△線)」のように、括弧内に実際の路線名を追記して提出します。手動入力の手順は経路作成⑤で解説しています。東京都内で申請が遅れやすい背景については東京都内の特車申請が遅い理由も参照してください。
まとめ
経路はデジタル地図で作ります。住所検索で地図を動かし、現場より奥の黒丸をS・Eに設定し、経路探索を実行する。この3段階が基本です。
次のステップは経路の確認と修正です。算定で赤線が出た区間の対処は経路作成④、復路の作成は経路反転で解説しています。経路の組み方や差戻しへの対処に迷う場合は、申請代行も含めてお気軽にご相談ください。
特車申請の制度・手続き・車種別対応の全体像は特殊車両通行許可申請ガイドにまとめています。
よくある質問
- 開始・終了交差点は出発地・目的地のどちら側の黒丸を選べばよいですか?
-
現場より「奥(外側)」の黒丸を選びます。手前の交差点を選ぶと、現場から交差点までの区間が審査対象から漏れ「未審査区間あり」として差戻しになります。出発地と目的地を完全に挟み込むように、外側の黒丸をS・Eに設定します。
- 検索窓に住所を入力したら、全く別の都道府県の地図が表示されました。
-
市区町村名だけを入力すると、全国の同名地点に移動する仕様です。「東京都港区芝公園」のように都道府県名から省略せず、スペースなしで続けて入力します。
- 地図上に黒丸がまったく見当たりません。どうすればよいですか?
-
まず地図を限界まで拡大します。未収録交差点を示す青丸(◎)は、拡大しないと表示されない仕様です。拡大しても何もない区間は未収録道路として扱い、路線名の確認と付近図の添付が必要になります。道路管理者の個別審査が入るため、審査期間は通常より長くなります。
- 往路と復路はそれぞれ別に作成する必要がありますか?
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往路と復路は別の経路として作成します。ただし往路の経路を反転コピーする「経路反転」機能を使うと、復路の入力をほぼ省けます。同一経路で往復する場合は使い方を確認しておくと効率的です。
- 申請書に記載される住所は、どの欄の内容が反映されますか?
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住所欄に手入力した内容が申請書に反映されます。検索窓の住所は地図を動かすだけの機能です。地番・建物名まで住所欄に追記しないと、申請書の住所が不完全なまま提出されます。
- 経路探索で提案されたルートが、実際には通れない道を含んでいます。どうすればよいですか?
-
経由地を追加してルートを修正します。通れない区間の手前の黒丸を「通過地として追加」で設定し、迂回ルートを指定します。修正後も赤線(超過区間)が出た場合は経路作成④の手順で対応します。

