特殊車両通行許可のデジタル地図では、開始交差点と終了交差点を設定して経路探索を行うと、条件の異なる複数の候補経路が表示されます。
経路は距離だけで選ぶのではなく、大型車誘導区間を優先するか、個別審査や夜間通行条件をできるだけ避けるかなど、実際の運行予定に合わせて選びます。
表示された経路が予定しているルートと異なる場合は、経由地を設定して調整できます。
道路の色や黒丸・青丸などの交差点記号については、特車申請の経路作成②|道路の色と黒丸・青丸の見方をご覧ください。
経路探索では4種類の候補が表示される
デジタル地図で経路探索を行うと、探索条件の異なる候補経路が表示されます。
主な探索条件は次の4つです。
| 探索条件 | 特徴 |
|---|---|
| 大型車誘導区間を優先 | 大型車誘導区間を優先して経路を探索する |
| 個別審査を回避 | 個別審査をできるだけ避ける経路を探索する |
| 個別審査・夜間条件を回避 | 個別審査と夜間通行条件をできるだけ避ける |
| 距離最短 | 出発地から目的地までの距離を優先する |
画面上では、それぞれの候補が赤・桃・緑・黒などの色で区別されます。
この色は候補経路の探索条件を示すもので、地図上の道路そのものの色とは別です。
大型車誘導区間を優先する経路
大型車誘導区間をできるだけ利用するように探索する方法です。
大型車誘導区間は、大型車の通行を誘導するために国が指定している道路で、高速道路や主要な国道などが多く含まれます。
長距離輸送などで幹線道路を中心に経路を組みたい場合は候補になります。
ただし、出発地や目的地が大型車誘導区間から離れている場合、経路全体が大型車誘導区間だけではつながらないことがあります。その場合は、画面に経路が大型車誘導区間で完結していない旨が表示されます。
個別審査をできるだけ避ける経路
道路管理者による個別審査が発生しにくい道路を優先して探索する方法です。
個別審査が入る区間を減らしたい場合には有力な候補になります。
ただし、この探索結果だけで個別審査がないと決まるわけではありません。
経路探索では申請車両そのものではなく、申請車両に近い仮の車両を使って探索するため、実際の車両諸元で算定した結果と異なる場合があります。
候補経路を選んだ後は、簡易算定の結果も見ておきます。
個別審査の仕組みについては、特車申請の個別審査で解説しています。
個別審査と夜間通行条件をできるだけ避ける経路
個別審査に加えて、夜間通行の条件が付く道路もできるだけ避けて探索する方法です。
昼間の運行を予定している場合や、夜間通行を避けたい場合に候補となります。
ただし、条件を増やすほど利用できる道路が限られるため、希望する経路が表示されない場合もあります。
通行条件については、特殊車両通行許可のA~D条件も参考にしてください。
距離が最短となる経路
出発地から目的地までの距離を優先して探索する方法です。
走行距離を抑えたい場合には分かりやすい候補ですが、最短経路が必ずしも特殊車両に適した経路とは限りません。
車両の大きさや重量によっては、途中で個別審査が必要になったり、通行条件が付いたりすることがあります。
距離だけで決めず、実際の運行ルートや算定結果を見ながら選びます。
どの経路を選べばよいか
4つの候補に一律の優先順位はありません。
実務では、次のような点を見ながら経路を選びます。
- 実際に運行する予定の道路と合っているか
- 個別審査が必要な区間があるか
- 夜間通行などの条件が付くか
- 未収録道路が含まれているか
- 車両が安全に通行できる道路か
- 走行距離が大きく延びていないか
個別審査を避ける経路が多少遠回りになることもありますし、最短経路でも問題なく通行できるケースがあります。
候補経路を選んだ後に算定結果まで見て判断するのが基本です。
希望する経路にならない場合は経由地を設定する
自動探索で表示された経路が、実際に予定している運行ルートと異なることがあります。
その場合は、通行したい道路上の交差点を経由地として設定して再度探索します。
たとえば、
- 指定した国道を通りたい
- 通行できない道路を避けたい
- 現場への進入方向を合わせたい
- 特定のインターチェンジを利用したい
といった場合に経由地を利用します。
複数の経由地を設定するときは、実際に通行する順番に登録します。
経由地を増やしすぎると経路が複雑になるため、ルートを指定するために必要な地点に絞ると扱いやすくなります。
経路を選んだ後は算定結果を見る
候補経路を選択したら、実際の申請車両による算定結果を見ます。
経路探索の段階で個別審査を避ける候補が表示されていても、実際の車両の寸法や重量によって結果が変わる場合があります。
橋梁や交差点などで個別審査が必要になっていないか、通行条件が付いていないかを見ながら経路を調整します。
算定結果に通行できない区間などが表示された場合の対応については、特車申請の経路作成④|算定結果の読み方と経路修正で解説しています。
よくある質問
- 4つの候補経路のうち、どれを選べばよいですか?
-
一律に決まっているわけではありません。実際の運行予定、個別審査の有無、通行条件、距離などを見ながら選びます。
- 個別審査を回避する経路を選べば、個別審査はなくなりますか?
-
必ずなくなるわけではありません。経路探索では仮の車両を使うため、実際の申請車両で算定すると個別審査が必要になる場合があります。
- 距離が最短の経路を選んでも問題ありませんか?
-
実際に通行でき、算定結果にも問題がなければ選択できます。最短経路だから不適切というわけではありません。
- 希望する道路を通る経路が表示されない場合はどうしますか?
-
通行したい道路上の交差点を経由地として設定し、再度経路探索を行います。
- 経路探索と簡易算定の結果が異なることはありますか?
-
あります。経路探索の一部では仮の車両を使用するため、実際の申請車両による算定結果と異なる場合があります。候補経路を選んだ後に算定結果を見ておく必要があります。
まとめ
経路探索では、大型車誘導区間、個別審査、夜間通行条件、距離など、異なる条件を優先した候補経路が表示されます。
表示されたルートを実際の運行予定と照らし合わせ、必要であれば経由地を追加して調整します。候補を選んだ後は、実際の申請車両による算定結果まで見て経路を決めます。
次は、算定結果に通行できない区間などが表示された場合の対応を経路作成④で解説します。
経路作成や特殊車両通行許可申請でお困りの際は、お気軽にご相談ください。

