特車申請を行政書士に外注するか、自社で進めるか。申請の頻度や担当者の経験、案件の複雑さによって、適した選択は変わってきます。
このページでは、外注のメリットとデメリット、自社対応・外注それぞれが向くケース、依頼までの流れについて整理しました。
行政書士に頼むメリット
経路作成とシステム操作を任せられる
特車申請で時間を取るのは、書類作成よりも経路作成のほうです。
オンライン申請システム上で、出発地から到着地までの経路を1本ずつ引いていきます。途中で通行不可区間や一方通行が出れば、別の道を探し直す。国道から県道に入るだけで指定道路から外れる場合もあり、慣れていない担当者の場合、1経路を引くのに大幅に時間を取られてしまいます。
諸元入力も同様で、車検証から軸重・輪荷重・最小回転半径を正しく転記できるかどうかで、差戻しの有無が決まります。経路作成・諸元入力・審査中の補正対応まで一括して任せられれば、社内の工数を大きく抑えられます。
差戻しによる審査期間のロスを抑えられる
差戻しが1回入ると、補正と再提出で1〜2週間ほど遅れます。内容によってはさらに長引きます。工期や搬入日が決まっている案件では、この遅れが日程全体に影響します。
差戻しが出る原因はある程度パターンが決まっています。経路上の通行不可区間の見落とし、諸元の単位間違い、申請種別の選択ミス、代理人情報の登録漏れ。普段から申請を扱っている事務所であれば、事前に避けられる部分です。
審査期間が想定外に長引くリスクを抑えられること。これが代行料以上の価値を持つ場面もあります。
包括申請の判断を任せられる
複数台・複数経路の案件では、包括申請で一括処理するか、個別に分けるかの判断が必要になります。ここで判断を誤ると、合成車両エラーが発生して最初からやり直しになります。
同じトレーラでも、牽引車との組み合わせで諸元が変わります。どの組み合わせで申請すれば通りやすいかは、過去の申請実績がないと判断しにくい部分です。経験の浅い担当者が10台・5経路規模の包括申請を組むのは、ハードルが高い作業です。
審査中の補正対応を任せられる
申請して終わりではありません。審査中に「この区間の経路を再確認してください」「諸元の根拠資料を追加で提出してください」といった連絡が入ることがあります。
社内で対応しようとすると、担当者が他の業務を一時止めて対応にあたる必要があります。補正指示の意味が分からず、まず問い合わせ先に確認するところから始まる場合も少なくありません。
代理人として行政書士が申請していれば、こうした通知は行政書士に直接届きます。補正の確認・修正・再提出まで、申請者側は動かずに済みます。
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🌐 お問い合わせする行政書士に頼むデメリット
費用がかかる
自社で対応できる体制があるなら、外注費は純粋にコストです。
年間に何十件以上と、同じ車両・同じルートで申請を回している運送会社であれば、担当者がシステムに習熟していることが多く、自社申請のほうが効率的です。更新申請が中心で、諸元も経路もほぼ変わらないなら、外注を選ぶ強い理由はありません。
具体的な金額や自社申請との工数比較は、特車申請の代行費用についてで説明してます。
審査期間そのものは短縮できない
審査期間は通常3週間前後で、これは行政書士に依頼しても短縮されません。「来週までに許可がほしい」というご依頼を受けても、審査自体のスピードは国交省側で決まります。
行政書士側でできるのは、書類の完成度を上げて差戻しを減らすこと、審査中の補正対応を素早く返すこと。この2点で実質的な所要期間を短くする形になります。期間そのものを縮める手段はないという点は、依頼前に押さえておいていただきたい部分です。
向いているケース・向いていないケース
| 外注向き | 自社申請向き | |
|---|---|---|
| 申請頻度 | 月数件以下・不定期 | 毎月の定期申請 |
| 担当者の経験 | システム未経験・不慣れ | 操作に習熟している |
| 車種・経路 | トレーラ・重セミ・複数経路 | 単車・固定ルート |
| スケジュール | 工期・搬入日が決まっている | 申請に時間的余裕がある |
| 担当者の体制 | 1人に依存している | 複数人で対応できる |
最後の項目は見落とされがちですが、案件の継続性を考えると重要な観点です。担当者1人に申請業務が集中していると、その方の休職や退職で業務全体が止まります。属人化を解消する目的で外注に切り替える会社もあります。
判断がつかない場合は、まず1件だけ依頼してみるのが分かりやすい方法です。1件通せば、工数や負担感を測ったうえで、自社で続けるか外注を続けるか判断できます。
単発のご依頼も対応しています
外注というと毎月固定の契約をイメージされる方もいらっしゃいますが、当事務所では単発でのご依頼も同じように受けています。
- 通常は自社で対応しているが、繁忙期だけ依頼したい
- 単車は自社で進めるが、トレーラの新規申請だけ任せたい
- 今回の現場搬入1件だけ、確実に通したい
このような部分的なご依頼でも問題ありません。今後の申請予定がはっきりしていない段階でも、お気軽にご相談ください。
依頼から許可までの流れ
最初に必要なのは、車検証と走行ルート(出発地と到着地の住所)です。これがあれば当日から作業に入れます。
資料が手元にそろっていない段階でも、ご相談の中で順次整理していけますので、すべて準備してから連絡しようと身構えていただく必要はありません。準備物の詳細は[特車申請を依頼する前に準備するもの]に整理しています。
その後、当事務所から委任状をお送りします。記名捺印して返送いただいた段階で、申請に着手します。申請が完了したら受付番号をお伝えし、審査の進捗はこちらで確認します。
補正や追加対応が必要になった際は、こちらからご連絡します。許可証は通常PDFデータでお送りしますが、原本が必要な場合は申請時にその旨をご指定ください。
よくある質問
- 自社でやりかけた申請を途中から引き継いでもらえますか?
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可能です。ただし、すでに申請して審査中の案件を引き継ぐ場合は、差戻しの内容や進捗状況によって対応が変わります。軽微な補正であれば御社のアカウントから再提出いただいたほうが早いケース、内容次第では一度取り下げて新規申請し直すほうが確実なケースもあります。申請前の段階で止まっている案件であれば、その時点からの引き継ぎがもっともスムーズです。
- 行政書士に頼んでも許可が下りないことはありますか?
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車両諸元が制限値を大きく超えている、経路上に物理的に通行できない橋や高さ制限がある、こうした制約は、行政書士が代理してもクリアできません。事前に車検証と希望ルートを確認した段階で、許可の見込みについてはお伝えします。見込みが薄いと判断したケースでは、進め方を改めてご相談する形になります。
- 依頼前に相談だけすることはできますか?
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できます。車種・台数・出発地と到着地をお知らせいただければ、外注する価値があるかどうかの判断材料をお返しします。ご相談の結果、自社で対応したほうが早いとなればその旨をお伝えして終わりですので、相談の段階で受任を前提にお考えいただく必要はありません。
- 準備する資料がそろっていなくても相談できますか?
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問題ありません。車検証だけでも、出発地と到着地のメモだけでも構いません。足りない資料は順次そろえていけば大丈夫です。四面図が見つからない、総重量が正確に分からないといった状態でも、ご相談の中で必要なものを整理していきます。
