特車申請のオンラインシステムには、本番申請の前に通行可否・通行条件・審査期間の目安を仮判定する「簡易算定」機能があります。ただし毎回使うものではなく、慣れた経路・慣れた車両のルーティン申請ではほとんどの担当者がそのまま送信します。
使う場面は限られています。初めて走る経路で個別審査になるか読めないとき、幅広車両でC・D条件が付きそうなとき、超寸法の可能性がある経路のとき、この3つが主な用途です。そうした申請で「本番を出してから問題が発覚した」を防ぐための手段が簡易算定です。
簡易算定でわかること
入力済みの申請データ(車両+経路)をシステムが仮計算し、本番前に3点を確認できます。
- 通行可否:その経路を通行できるかどうか
- 通行条件:A〜Dのどの条件が付くか
- 審査区分:システムで自動処理されるか、個別審査になるか
本番の審査結果が出るまでは通常3週間程度です。ただし簡易算定の結果と本番審査の結果は必ずしも一致しません。算定でA条件だったのに本番でC条件が付くケースもあり、あくまで目安として扱います。
簡易算定の実施手順
手順① 申請書作成予約
すべての入力が終わり「申請書作成」画面まで進んだら、「申請書作成予約」ボタンを押します。この操作をトリガーに、システムが自動で仮計算を開始します。
送信ボタンではありません。この時点では本番の申請は行われていないため、算定結果を確認してから送信するかどうかを判断できます。
手順② 算定結果のダウンロード
数分〜数十分後、「申請書作成状況一覧」のステータスが「作成完了」に変わります。「算定結果」ボタンをクリックしてPDFをダウンロードします。
数分〜数十分後、「申請書作成状況一覧」のステータスが「作成完了」に変わります。「算定結果」ボタンをクリックしてPDFをダウンロードします。
申請データ自体は14日間保存されますが、簡易算定結果は算定処理終了後1週間で自動削除されます。後回しにせず、完了したらすぐに手元へ保存します。確認するファイルは「算定書(PDF)」または「C・D条件及び個別審査箇所一覧」です。
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🌐 お問い合わせする個別審査ありは許可まで数ヶ月
算定書を開いたら、まず個別審査の有無を確認します。
個別審査は、収録道路のデータだけでは通行可否を判断できない区間について、道路管理者が個別に協議・検討を行う仕組みです。この有無で、許可までの期間が変わります。
- 個別審査なし:システムのみで審査が完結。2〜3週間程度で許可が出ます
- 個別審査あり:現地確認や管理者間の協議が入るため、1ヶ月〜数ヶ月になります
急ぎの申請で個別審査が含まれていた場合は、大型車誘導区間を含む収録道路を通るルートへの修正を検討します。期限に余裕があれば、そのまま申請を進めて構いません。
通行条件A〜Dの実務負担
個別審査の確認が終わったら、通行条件A〜Dを確認します。許可は出るものの、条件ごとに走行時の制約が異なります。
C条件が付いた場合でも、その障害種別が「狭小幅員」によるもので、かつ申請車両の幅が3.0mを超えていると夜間走行(21時〜翌6時)が追加で義務付けられます。交差点や曲線障害が理由のC条件では、この夜間縛りは発生しません。C条件=昼間走行可と思い込んで許可証を受け取り、夜間縛りが後から判明して輸送スケジュールを組み直す手間になります。幅広車両を申請するときは、算定書でC条件の障害種別と車幅の組み合わせを確認します。
C・D条件への対応が難しい場合、積載重量を減らす・より小さな車両を使用する・重要物流道路など条件の緩い経路を選び直す、の3つが選択肢です。
通行不可・超寸法・未収録の対処
A〜Dの条件より前に次の表示が出ている区間は、申請が通りません。
通行不可
車両の寸法や重量が、道路・橋の制限を超えている状態です。このまま申請すると不許可または差し戻しになります。
現場では「車検証の最大積載量の範囲で積んでいるから問題ない」という判断が多く見られますが、誤りです。道路法の制限値は車両総重量で判定するため、積載量が適法でも総重量で通行不可になります。算定書で該当する交差点や橋を特定し、迂回ルートを作成し直します。
超寸法
算定書に「超寸法」と表示された場合、申請を通すには「軌跡図」「運行計画書」「理由書」の3点を別途作成して添付する必要があります。これら3書類は作成難易度が高く、通常の申請より工数が増えます。まず該当区間を避けたルートへの変更を検討し、変更が難しい場合は代行への依頼を考えるタイミングです。
未収録
システムにデータがない未収録道路は、簡易算定では判定できません。本番審査で道路管理者が個別に調査します。不安な場合は事前に道路管理者へ電話確認するか、通行実績のある収録道路まで手動入力区間を延ばします。
申請前の確認フロー
算定結果が出たら、次の3ステップで確認します。
① 通行不可・超寸法の有無 どちらかが表示されていればルートを修正します。超寸法の場合は3書類の添付が必要で、ルート変更が現実的です。
② 個別審査の有無と期限 2〜3週間以内に許可が必要な場合は、個別審査の区間を外して収録道路を通るルートへ変更します。期限に余裕があればそのまま進められます。
③ C・D条件への対応可否 C条件が出た場合は車幅を確認します。3.0m超であれば夜間走行が加わります。対応が難しい場合は積載量・車両・経路の見直しを検討します。
まとめ
簡易算定は、申請後の差し戻しや長期審査を防ぐための事前確認手段です。数分〜数十分の仮計算で、通行不可・超寸法・個別審査の有無・C/D条件の付き方が申請前に分かります。算定データはシステム上14日で消えるため、完了後はすぐにPDFを保存します。
C条件+車幅3.0m超の夜間縛りや超寸法の3書類など、差し戻しの原因の多くはこの段階で検出できます。
特車申請の制度・手続き・車種別対応の全体像は特殊車両通行許可申請ガイドにまとめています。
よくある質問
- 「申請書作成予約」を押した後、本番送信は別操作ですか?
-
別操作です。「申請書作成予約」は仮計算を開始するボタンで、本番の送信にはなりません。算定結果を確認して問題がなければ、改めて送信の手続きに進みます。簡易算定結果は処理終了後1週間で削除されるため、確認後すぐにPDFを保存します。
- 個別審査が出ていても申請は進められますか?
-
申請できます。ただし許可までの期間が1ヶ月〜数ヶ月に延びます。運行予定まで2〜3週間しかない場合は、個別審査の区間を外したルートへの変更を先に検討します。
- C条件が付きました。誘導車は必ず必要ですか?
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C条件が付いた区間では誘導車の配置が必要です。加えて、障害種別が「狭小幅員」によるC条件で、かつ申請車両の幅が3.0mを超えている場合は夜間走行(21時〜翌6時)も義務になります。算定書でC条件の障害種別と車幅の組み合わせを確認してから対応を判断します。
- 「超寸法」が表示されました。3書類は自分で作れますか?
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作成できる事業者もいますが、軌跡図には専用ソフトと図面データが必要で、初めての場合は相当な工数がかかります。まず該当区間を外したルートへの変更を検討し、それが難しい場合は代行への依頼に進みます。
- 「通行不可」が出ました。空車なら問題ないですか?
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空車でも通行不可の判定は変わりません。道路法の制限値は車両総重量で判定するため、積んでいる荷物の量は関係ありません。算定書で該当する交差点や橋を特定して、迂回ルートを作り直します。
- 未収録道路が経路に含まれています。どう対処しますか?
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簡易算定では判定できないため、本番審査で道路管理者が個別に調査します。急ぎの場合は収録道路を使ったルートに切り替えます。急がない場合は、事前に道路管理者へ電話確認するか、通行実績のある収録道路まで手動入力区間を延ばします。

