未収録道路を含む申請が差し戻しになる原因は、ほぼ2つです。路線名が「未収録路線」のままになっている、または2025年3月に追加された「接続チェック」で物理的に通れないルートが弾かれている、のいずれかです。
特車オンラインシステムの自動探索が対象とするのは国道・主要県道が中心です。工場・建設現場・倉庫への最後の区間は手動で線を引く必要があり、その処理が申請の受理・差し戻しを左右します。
未収録道路を組み込む手順
未収録道路(デジタル地図にグレーで表示される道や、線自体がない区間)を経路に含める場合、その全区間を手動で引く必要はありません。「手動入力」と「自動探索」を組み合わせるのが基本です。
手順① 出発地から最寄りの収録交差点へ(手動)
現場のピンを配置したら、最寄りの黒丸(収録交差点)まで左クリックで線を引きます。グレーの線で表示されている未収録道路はクリックで通過できます。デジタル地図の色・記号の読み方は経路作成②で確認できます。
地図上に線が全く存在しない(真っ白な)場所は、左クリックで線を引けません。この場合は画面上部の「出発地(目的地)から特車交差点を指定」ボタンを使い、路線名を文字入力して継ぎ足します(国交省マニュアルP26)。
この入力画面を開くと、リストのNo.1「交差点名称」欄に(出発地)または(目的地)という文字が自動入力されます。No.1の交差点名称は消さずに残し、右側の「路線名称」欄だけを入力します(国交省マニュアルP105)。No.1を書き換えるとエラーになります。
手順② 中間区間(自動探索)
最寄りの黒丸に到達したら、目的地側の黒丸まで「経路自動探索」に切り替えます。長い区間をワンクリックでつなぎ、A〜D条件もその場で確認できます。自動探索の選択基準と経由地の設定手順は経路作成③にまとめています。
手順③ 目的地への接続(手動)
目的地側の黒丸から現場まで、再び手動で引いて完了です。
未収録区間は最小限にとどめるほど審査が速くなります。手動区間を現場出入口付近だけに絞り、中間の長い区間は自動探索で処理します。経路作成の全体的な流れは経路作成①(基本編)から順に確認できます。
▶ 経路作成の基本手順:手動と自動の使い分け
(現場)
(黒丸)
(黒丸)
(現場)
路線名の調べ方と修正手順
手動で引いた未収録道路は、経路リスト上に「未収録路線」と表示されます。この状態で申請すると、形式審査の段階で「どの道路を通るのか特定できない」として差し戻されます。
正しい名称への追記
経路作成が終わったら、「経路順路」リストの+マークを開き、「未収録路線」と表示されている行をクリックして路線名を追記します。
「未収録路線」の文字は削除しません。国交省マニュアルで「悪い例」として明記されており、デフォルトの文字を残したまま括弧書きで正式名称を追記します。
入力例:
- 未収録路線(市道○○線)
- 未収録路線(町道△△号)
- 未収録路線(○○農道)
- 未収録路線(臨港道路○○号)
- 未収録路線(○○工場内私道)
1本の未収録道路でも、システムの計算上3〜5行に分割されるケースがあります。一番上の行だけ修正して申請すると、下の行が「未収録路線」のまま残り差し戻されます。リストを最下行までスクロールして、「未収録路線」の表記がゼロになったことを確認してから提出します。
路線名がわからない場合
Googleマップに名称が載っていない場合でも、「不明」や「未収録」のまま申請することはできません。その道路を管理している自治体(市役所の土木課など)に電話して確認します。特車申請PRサイトには全国の道路管理者の問い合わせ先一覧が掲載されているため、管轄がわからない場合に活用できます。
未収録道路が含まれる申請は個別審査が入るため、オンライン申請の標準的な審査期間(3週間程度)より長くなります。東京都内で申請が特に遅くなりやすい背景は東京都内の特車申請が遅い理由で解説しています。工期や搬入日に余裕をもたせたうえでスケジュールを組みます。
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🌐 お問い合わせする2025年3月の「接続チェック」機能
2025年3月のシステム改修で「追加経路端点の通行可否チェック」が追加されました。収録道路と未収録道路の接続点で、折進条件(右折・左折・直進の可否)をシステムが確認します。全方向の進入が不可になっている場合、「接続NG」と判定されます。
該当するのは以下のケースです。
- 中央分離帯があり右折で入れない脇道に、右折のルートを引いた場合
- 一方通行の出口方向から逆走で進入しようとした場合
- 高速のICで、構造上出入りできない方向に接続した場合
エラーが出たときの対処
接続NGが出たら、その交差点から現場への進入が物理的にできていません。まず「接続する交差点を変える」対応を試みます。ひとつ隣の信号交差点からのルートに切り替えると解消するケースが多く、右折で入れない場合は通り過ぎてUターンし左折で入るルートに変更します。
この機能の追加前は、申請が通っても審査段階で「実際には通行不能」と判明することがありました。申請データを作る前に、現場周辺の交通規制(右折禁止・一方通行)をGoogleストリートビュー等で確認しておくと修正の手間を省けます。自動探索で赤線が出た場合の対処は経路作成④を参照してください。
「通過地追加」によるルートの調整
現場周辺の自動探索ルートは、ユーザー側でコントロールできます。重要物流道路以外の収録道路上の交差点を右クリックして「通過地として追加」を選択すると、システムが提案する遠回りのルートを、実際に通る交差点を経由する経路に修正できます。
自動探索だけでは「あと少しずれれば近いのに」という経路になりがちな区間で特に有効です。往路の経路が確定したら、経路反転機能で復路を自動生成することもできます。
▶ 接続チェック:NG と OK の違い
- 中央分離帯があり、右折で入れない脇道にルートを引いた
- 一方通行の出口から逆方向に進入しようとした
- 高速ICで構造上出入りできない方向に接続した
- 先の信号交差点で折り返し、左折で現場へ入るルートに変更した
- アプローチ方向を変えることで通行条件をクリアした
通り過ぎてからUターンし、左折でアプローチするのが基本となります。
まとめ
未収録道路の経路作成で差し戻しになる原因は、「未収録路線」の路線名が追記されていない、または接続チェックで物理的に通行できないルートが弾かれている、この2点がほとんどです。
路線名は括弧書きで正式名称を追記します。Googleマップに載っていなければ管轄自治体に電話して確認するしかなく、「不明」のまま通る申請はありません。接続チェックは2025年3月以降に追加されたため、それ以前に作成したデータが現在のシステムで弾かれるケースも出ています。
特車申請の制度・手続き・車種別対応の全体像は特殊車両通行許可申請ガイドにまとめています。
よくある質問
- 「未収録路線」のまま申請するとどうなりますか?
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形式審査で差し戻されます。「未収録路線(市道○○線)」のようにデフォルトの文字を残して括弧書きで正式名称を追記します。「未収録路線」を削除して路線名だけを入力するのも差し戻し対象です。国交省マニュアルで「悪い例」として明記されています。
- 路線名がどうしてもわからない場合は?
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その道路を管理している市区町村(土木課など)に電話して確認します。特車申請PRサイトに全国の道路管理者の問い合わせ先一覧があります。「不明」のまま申請する選択肢はありません。
- 2025年の接続チェックで弾かれました。どう対処しますか?
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接続する交差点を変えるか、アプローチ方向を変えます。右折で入れない交差点なら通り過ぎてUターンし左折で入るルートに切り替えます。Googleストリートビューで交通規制を確認してからルートを組み直すと解決するケースがほとんどです。
- 未収録道路が含まれると審査期間はどれくらい長くなりますか?
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道路管理者の個別審査が入るため、通常のオンライン申請(3週間程度)より長くなります。未収録区間の数や路線によって変わるため、工期から余裕をもって逆算したスケジュールで申請します。
- 工場敷地内の道路も路線名の入力が必要ですか?
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必要です。「未収録路線(○○工場内私道)」のように実態がわかる名称を括弧書きで追記します。私道の場合、道路管理者は所有者(企業や個人)になるため、問い合わせ先も変わります。
- 往路を作成したあと、復路の手動区間も同じ手順が必要ですか?
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往路が完成していれば経路反転機能で復路を自動生成できます。ただし一方通行が絡む区間は、反転後に物理的に通行できない経路になっていることがあります。作成後に必ず確認します。

