首都高の特車申請|高さ4.1m・車幅・出入口・重量の判断基準

首都高速道路の高架橋を走行する大型トレーラーを真横から撮影した写真

首都高速道路を含む経路で特車申請を進めていると、車両諸元だけを見れば本線を通行できるはずの車両が、予定していた出入口だけ数値が足りないという場面に行き当たることがあります。

首都高でも、幅・長さ・高さ・総重量・軸重などが道路の制限値を超える車両は、特殊車両通行許可などの手続きが必要になります。加えて、東名高速などの高速自動車国道向けに設けられた重量・長さの特例を、首都高へそのまま当てはめることもできません。

この記事では、首都高の特車申請で見落としやすい車幅・高さ・長さ・重量の考え方と、出入口・PA・首都高を降りた後の一般道までの流れをたどります。

目次

首都高でも特殊車両通行許可が必要になる

道路を通行する車両には、幅2.5m、長さ12m、高さ3.8m、総重量20t、軸重10tといった一般的制限値があります。首都高を走るからといって、この基準を超える車両が自由に通行できるわけではありません。

ただし、実際の申請要否は一般的制限値だけで決まるものではなく、高さ指定道路や重さ指定道路など、通行する道路ごとに別の基準が設定されている場合があります。首都高の特車申請では、車両諸元に加えて、どの入口から入り、どの路線を経由し、どの出口から一般道へ出るのかまで含めて判断することになります。

首都高は東名高速などの高速自動車国道とは扱いが違う

一般に「高速道路」とひとくくりにされていても、道路の区分は同じではありません。

東名高速や中央道などの高速自動車国道では、一定の特例5車種について最遠軸距に応じて総重量最大36tの特例が設けられています。貨物が被けん引車の前後へはみ出していない場合は、セミトレーラ連結車で16.5m、フルトレーラ連結車で18mまでの長さ特例も認められています。

しかし、首都高速は、こうした高速自動車国道向けの重量・長さの特例をそのまま適用する道路ではありません。

たとえば東名高速では基準内となるセミトレーラでも、首都高へ入る区間については別に通行可否を判断する必要があります。高速自動車国道の重量・長さ特例については、別記事の「高速道路の特車申請」で扱っています。

首都高は路線・出入口ごとに通行できる寸法が異なる

首都高速道路では、特殊車両について路線・出入口・本線料金所ごとの「許可限度値の目安」が公開されており、「首都高なら幅○mまで、長さ○mまで」と一つの数値で片づけることはできません。

同じ車両でも、本線は通行できるのに予定していた出口だけ利用できず、別の出口から一般道へ向かうことになるケースがあります。特に幅の大きいトレーラや長いセミトレーラでは、最寄りの入口・出口をそのまま選ぶのではなく、車両諸元に合った出入口から経路を組み立てることが重要です。

車幅が大きい車両は入口・出口を先に把握する

首都高では、本線だけでなく出入口や本線料金所にも幅の制約があります。

首都高速道路が公開している特車許可早見表では、出入口などについて2.5m、2.7m、3.0mといった幅の目安や、特殊車両が通行できない箇所が示されています。そのため幅2.5mを超えるトレーラなどでは、本線が通れるからといって最寄りの出口も使えるとは限りません。

予定している出口が使えなければ、前後の出口へ変更し、そこから目的地までの一般道を組み直す必要があります。出口を変更すると、一般道側で通行する橋梁や交差点、未収録道路も変わるため、首都高区間だけで経路を決めないことが重要となってきます。

高さ3.8mと4.1mは通行する区間で判断する

車高の高い車両では、首都高の高さも重要です。

高さの一般的制限値は3.8mですが、高さ指定道路では4.1mの最高限度が適用されます。首都高にも高さ指定道路に該当する区間がありますが、すべての路線で4.1mまで通行できるわけではありません。

車高4.0mだから首都高なら通れるとは判断せず、実際に使用する路線・入口・出口を含めて高さの条件を照らし合わせる必要がでてきます。

首都高はトンネルや高架構造物が多いため、経路を作成するときは車両の高さと通行予定区間を突き合わせましょう。

長いセミトレーラも路線によって扱いが変わる

首都高では、長さについても路線ごとに許可限度値の目安が異なります。

首都高速道路の特車許可早見表では、区間によってセミトレーラ連結車について16.5m、17.0m、17.5mなどの目安が示されています。ただし、この長さなら無許可で通行できるという意味ではなく、一般的制限値を超える車両は別途特殊車両通行許可を受ける必要があります。

また、路線上の目安に収まっていても、車幅や高さ、交差点・出入口の構造など別の条件によって通行できない場合があります。長いセミトレーラでは、車両全長だけでなく予定している入口・出口まで含めて経路を見きわめます。

重量の大きい車両は総重量だけで決まらない

首都高は高架や橋梁を多く含むため、重量の大きい車両では橋梁の審査が重要になります。

判断材料になるのは総重量だけではありません。各軸にかかる軸重・輪荷重・隣接軸重、軸間距離なども道路構造への影響に関係します。そのため、同じ総重量の車両でも軸配置や重量配分が異なれば、経路ごとの審査結果が変わることがあります。

総重量が基準内でも、軸重・輪荷重・隣接軸重が基準を超える場合は、その重量状態について特車制度が関係します。また、重量審査の結果によって徐行や誘導車などの通行条件が付くことがあります。

総重量44tを超える車両も高速道路を含む申請ができる

以前の特殊車両通行許可システムでは、車両総重量44tを超える車両について、高速道路を含む経路を作成できない制約がありました。

2025年3月のシステム改良により、現在は総重量44tを超える車両についても、高速道路を含む経路の申請が可能になっています。高速道路区間についても算定され、審査結果に応じた通行条件が付されます。

ここで注意したいのは、申請できるようになったことと、首都高を通行できることは別だという点です。実際の許可可否は、車両諸元と通行する首都高の区間、橋梁などをもとに判断されます。重量の大きい車両では、首都高を通る経路だけでなく、一般道の別経路も含めて比較したほうが申請を組みやすい場合があります。

首都高を含む特車申請で迷ったら

特車申請は、車両の寸法や重量だけでなく、利用する出入口や通行経路まで確認する必要があり、思ったより手間がかかります。

当事務所では、必要書類の作成から特殊車両通行許可の申請まで対応しています。

特殊車両は首都高のPAを利用できない

首都高を使う特殊車両で特に注意したいのが、パーキングエリアです。

特殊車両は、首都高速道路のPAを利用できません。そのため、通行時間帯の条件が付いた車両で、早めに首都高へ入ってPAで時間まで待機するという運行はできません。

待機や休憩が必要になる場合は、首都高へ入る前に時間を調整できる場所を確保しておいてください。長距離輸送や夜間条件のある車両では、首都高への進入時刻まで含めて運行計画を組み立てる必要があります。

首都高を降りた後の一般道も経路に含める

首都高を通行できても、出口から目的地までの道路を走れなければ運行は成立しません。

たとえば首都高の出口から都道、区道・市道を経て建設現場や工場へ向かうような経路では、出口以降の一般道も含めて特車申請を組み立てることになります。予定していた出口が車幅などの理由で使えず別の出口へ変更すると、一般道側の経路も変わります。

また、目的地付近に未収録道路が含まれている場合は、道路情報便覧のデータだけで自動算定を終えることができず、道路管理者との個別審査や協議が必要になることがあります。首都高本線だけでなく、出発地から目的地まで経路全体を見わたします。

経路によって通行条件や誘導車が必要になる

首都高を含む特車申請でも、車両寸法・重量と道路構造の審査結果に応じてA・B・C・Dなどの通行条件が付くことがあります。重量C・D条件では後方誘導車、寸法C条件では前方誘導車が基本となります。

ただし、首都高を通る車両だから一律にC条件・D条件になるわけではなく、D条件そのものも「全経路を夜間だけ通行する」という意味ではありません。

実際に守る条件は、許可証や条件書に記載された区間・通行方法を基準にします。詳しい内容は通行条件A〜Dと誘導車の配置で解説しています。

首都高を含む特車申請を判断する順番

首都高を含む特車申請は、次の順番でたどっていくと判断しやすくなります。

1.走行状態の車両諸元を把握する

まず、幅・長さ・高さ・総重量・軸重などを把握しましょう。トレーラの場合は、トラクタとトレーラを連結し、貨物を積載した実際の公道走行状態で判断します。

2.利用する入口を見きわめる

車幅や車両長などから、予定している入口が利用できるかを判断します。最寄りの入口が特殊車両に適しているとは限りません。

3.首都高本線の通行可否を判断する

予定している路線について、幅・長さ・高さ・重量などを照らし合わせます。重量の大きい車両では、橋梁審査や軸重も関係します。

4.利用する出口を確認する

本線が通行できても、出口の幅などによって利用できない場合があります。出口を変更する際は、その後の一般道経路も見直してください。

5.出口から目的地までの道路をつなげる

都道・区道・市道、橋梁、高さ制限、未収録道路などを含めて目的地まで経路をつなげましょう。

最終的には「入口→首都高本線→出口→一般道」を一つの経路として判断することになります。

首都高を含む経路の確認ポイント
1.車両諸元
幅・長さ・高さ・総重量・軸重を把握
2.入口
車幅や車両長などから利用できる入口を確認
3.首都高本線
路線ごとの高さ・幅・長さ・重量などを確認
4.出口
本線が通れても、予定している出口を利用できるか確認
5.出口から目的地まで
一般道・橋梁・高さ制限・未収録道路まで確認
入口・本線・出口・一般道を一つの経路として判断

よくある質問

首都高を通る場合も特車申請が必要ですか?

一般的制限値や、その道路に適用される基準を超える車両は、首都高でも特殊車両通行許可などの手続きが必要です。首都高だからといって特車申請が不要になるわけではありません。

首都高は高さ4.1mまで通れますか?

すべての区間で4.1mまで通行できるわけではありません。高さの一般的制限値は3.8mで、高さ指定道路では4.1mです。実際に通行する首都高の区間が高さ指定道路に該当するかを確認します。

車幅が大きくても本線を通れれば問題ありませんか?

本線だけでは判断できません。首都高では出入口や本線料金所にも幅の目安があり、一部には特殊車両が通行できない箇所があります。予定している入口・出口まで含めて判断することになります。

セミトレーラは首都高で16.5mまで通れますか?

区間によって許可限度値の目安が異なります。首都高速道路の早見表では、セミトレーラについて16.5m、17.0m、17.5mなどの区分が示されています。一般的制限値を超える場合は、別途特車許可が必要です。

東名高速で36tまで通れる車両なら首都高も36tまで通れますか?

そのようには判断できません。高速自動車国道で特例5車種に適用される総重量最大36tの特例を、首都高へそのまま当てはめることはできません。首都高区間については別に通行可否を判断します。

総重量44tを超える車両でも首都高を含む申請はできますか?

2025年3月のシステム改良により、総重量44tを超える車両でも高速道路を含む経路を申請できるようになっています。ただし、申請できることと許可されることは別です。実際の経路と車両諸元をもとに審査されます。

特車で首都高のPAを利用できますか?

利用できません。特殊車両は首都高速道路のPAを利用できないため、待機や休憩が必要な場合は首都高へ入る前に運行計画を整えておきましょう。

まとめ

首都高の特車申請では、本線だけでなく入口・出口まで含めて通行できるかを判断することが重要です。特に車幅の大きい車両では出入口の制約、高さのある車両では3.8m・4.1mの区分、長いセミトレーラでは路線ごとの許可限度値の目安を押さえておく必要があります。重量の大きい車両では、総重量だけでなく軸重や橋梁の審査も関わってきます。

さらに、特殊車両は首都高のPAを利用できません。出口から目的地までの一般道も含めて、入口・本線・出口・一般道を一つの経路としてとらえることが大切です。

特車制度・申請手続き・車種別対応の全体像は、特殊車両通行許可申請ガイドにまとめています。

首都高を含む特車申請でお困りならご相談ください

当事務所では、車両諸元だけでなく、利用する入口・首都高の本線・出口・目的地までの一般道を検討したうえで、特殊車両通行許可の申請代行を行っています。

車幅や高さの関係で利用できる出入口が分からない場合や、重量の大きいトレーラ・建設機械を首都高経由で運行したい場合もご相談ください。

特車申請のご相談・お見積もりはお気軽にお問い合わせください。

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