特車申請の流れと審査期間|申請から許可証受取までの5ステップ

特殊車両通行許可の申請対象となる大型ウィングトレーラーが日本の高速道路を走行している

運行日が決まると、次に気になるのは許可証をいつ受け取れるかです。特車申請は、車両の寸法や重量をそろえて申請書を出せば終わる手続きではなく、通行経路を特定したうえで道路管理者の審査を経て、はじめて許可証が交付されます。

基本的な流れは、申請要否の判断、資料準備、申請、審査・協議、許可証受取の5ステップです。手続きの負担は書類作成そのものより、審査や協議にかかる時間の見積もりに集中します。

処理にかかる期間は、通行経路の内容によって大きく変わる点が特徴です。この記事では、申請から許可証を受け取るまでの流れを、5つのステップに沿って押さえます。

目次

特車申請は5つのステップで進む

特車申請は、大きく次の流れで進みます。

まず申請する車両と経路を決め、特車手続きの要否を見きわめる段階です。そのうえで車両資料や出発地・目的地などの情報をそろえて申請データを作成し、道路管理者へ提出します。

申請後は車両諸元と通行経路について審査が行われ、必要に応じて他の道路管理者との協議や申請内容の修正を経たうえで、通行可能と判断されれば許可証が交付される流れです。時間がかかりやすいのは、申請書を作成する段階よりも、未収録道路や個別協議を含む経路の審査です。

運行日が決まっている場合は、許可取得までを見込んで早めに準備を進めましょう。

STEP1 車両と通行経路から特車申請の要否を判断する

最初に、実際に通行させる車両の寸法・重量と、予定している通行経路を押さえます。

道路を通行する車両には、幅2.5m、長さ12.0m、高さ3.8m、総重量20.0t、軸重10.0tなどの一般的制限値が定められています。これらの基準を超える車両は、原則として特殊車両通行許可などの手続きが必要です。

一般的制限値だけで、申請の要否を決めることはできません。重さ指定道路や高さ指定道路、高速自動車国道などでは別の基準が適用される場合があり、セミトレーラなど一定の車両には車種ごとの特例も設けられています。

車両単体では基準内でも、貨物を積載した状態では高さや総重量が制限値を超えるケースが出てきます。連結車では、トラクタとトレーラを組み合わせた状態で判断する点がポイントです。

そのため、最初の段階で「どの車両を、どの積載状態で、どの道路へ通すのか」まで、具体的な使用条件を突き合わせておかなければなりません。

なお、ETC2.0を搭載し一定の条件を満たす車両では、従来の許可制度ではなく特殊車両通行確認制度を利用できます。

STEP2 車両資料と経路情報をそろえる

特車申請が必要と判断したら、申請データを作成するための資料を準備します。

車両については、車検証や自動車検査証記録事項に加え、必要に応じてメーカーの諸元表や車両図面も判断材料の一つです。車検証だけでは、軸距やオーバーハングなど申請に必要な数値まで把握できない車両もあります。

セミトレーラなどの連結車では、トラクタとトレーラ双方の資料が必要です。実際に使用する組合せを決めたうえで、連結状態の長さや重量を申請データへ反映します。

経路については、出発地・目的地と実際に通行する道路を特定します。経由地を指定したい場合や、運行上避けられない道路がある場合も、この段階で洗い出しておきましょう。

申請書、車両諸元、経路関係資料などの特車申請の必要書類は、車種や申請内容によって変わります。資料の不足だけでなく、車検証と申請データの数値が一致しているかどうかも、提出前に突き合わせてください。

STEP3 申請データを作成して提出する

資料がそろったら、申請者情報、車両諸元、通行期間、通行経路などを申請データへ入力します。

オンライン申請では、車両情報を登録したうえで、デジタル地図から出発地・目的地までの経路を作成する流れです。道路情報便覧に収録されている道路であれば、道路情報を利用して経路を設定できます。

工場や倉庫、建設現場への最後の区間などに未収録道路が含まれている場合は、路線名や道路管理者の特定に加えて、付近図などの資料が必要になる点に注意が必要です。

申請先は、通行する道路や申請方法によって国の道路管理者、都道府県、政令市などに分かれます。複数の道路管理者にまたがる経路でも、申請者が各道路管理者へ個別に同じ申請を出すのではなく、申請を受けた道路管理者が必要な協議を行う仕組みです。

申請データを送信すると受付となり、道路管理者による審査へ進みます。

STEP4 道路管理者による審査・協議

申請後は、道路管理者が車両の寸法・重量と通行経路を照らし合わせ、道路構造上通行できるかどうかを判定する運びです。

道路情報便覧に収録されている道路では、橋梁、交差点、高さなどの道路情報を使って通行可否が算定されます。申請した車両をそのまま通すことが難しい場合でも、徐行や誘導車などの通行条件を付けることで許可されることがあります。

一定の条件を満たす新規・変更申請の標準処理期間は3週間以内、更新申請は2週間以内です。ただし、この標準処理期間が適用されるのは、申請経路が道路情報便覧の収録道路だけで完結し、超寸法・超重量車両ではなく、申請後に経路や車両諸元などの変更がない場合に限られます。

未収録道路が含まれている場合など、他の道路管理者との個別協議が必要になる期間は、標準処理期間に含まれません。そのため、同じ車両でも通行経路によって許可までの日数が大きく変わってきます。

実際の特車申請の審査期間は、収録道路だけで完結するか、未収録道路や個別協議が含まれるかが大きな分かれ目になります。

申請内容に不備があると差戻しになる

審査中に、車両諸元の誤り、添付資料の不足、経路の不連続などが判明すると、申請内容の修正を求められるケースが出てきます。

道路管理者から指摘された箇所を修正して再提出するまで審査は進まないため、対応が遅れるほど許可取得も後ろへずれ込みます。

特に、車検証と申請データの数値が一致していない場合や、未収録道路を特定する資料が不足している場合は、修正が必要になりやすい部分です。特車申請の差戻し・不許可は扱いが異なるため、通知内容を踏まえて対応します。

運行日が決まっている場合は、標準処理期間だけでなく、こうした修正や協議が発生する可能性も含めて申請時期を考えておく必要があります。


未収録道路や個別協議を含む申請は、審査・協議の進み方が読みにくく、差戻しへの対応にも時間を取られがちです。 特車申請の代行は、特車申請サービスからご相談いただけます。 申請代行 11,000円〜(税込)。まずはお気軽にご相談ください。


STEP5 許可証と条件書を受け取る

審査の結果、通行が認められると許可証が交付されます。オンライン申請であれば、電子許可証を取得できる仕組みです。

許可証が交付されたら、通行できる期間、車両、経路が申請内容と合っているかを突き合わせます。あわせて重要なのが条件書です。

車両や経路によっては、徐行、誘導車の配置、通行時間帯などの条件が付くことがあります。許可を取得しただけでは足りず、条件書に記載された方法に従って運行しなければなりません。

通行時には許可証だけでなく、条件書、通行経路表、経路図、包括申請の場合の車両内訳書など、必要な書類を備え付けてください。特車許可証の携行義務まで、運行開始前に押さえておきましょう。

また、許可された経路とは別の道路へ変更したり、許可期間が切れた状態で通行したりすることはできません。許可取得後も、車両・経路・期限の管理が欠かせません。

特車申請は運行予定から逆算して進める

特車申請では、車両資料の準備から申請データの作成までにも時間がかかります。申請後も道路管理者による審査や個別協議が発生するため、運行直前に申請を始めると間に合わない可能性が出てきます。

収録道路だけで完結する標準的な申請でも、新規・変更申請の標準処理期間は3週間以内です。未収録道路や個別協議、超寸法・超重量車両、差戻しなどが重なると、この期間では収まりきりません。

現場への搬入日や輸送日が決まっている場合は、まず車両と経路を確定し、そこから許可取得までの期間を逆算して準備を進めましょう。

申請中だからといって、通行できるわけではありません。許可が必要な車両・経路であれば、許可が交付されるまで通行を開始できない点に注意しておきましょう。

よくある質問

特車申請は何から始めればいいですか?

使用する車両の寸法・重量と、出発地・目的地を最初に押さえます。

車両の情報だけで申請の要否を判断できないこともあるため、実際に通行する道路まで決めたうえで手続きの進め方を組み立てます。

特車申請はどれくらいで許可が出ますか?

一定の条件を満たす新規・変更申請では3週間以内、更新申請では2週間以内が標準処理期間です。

未収録道路や個別協議、超寸法・超重量車両、申請内容の変更などがある場合は、標準処理期間の対象外となります。

申請中に車両を走らせてもいいですか?

許可が必要な車両・経路であれば、許可が交付される前に通行することはできません。

申請を提出したこと自体で、通行が認められるわけではありません。

未収録道路があっても申請できますか?

未収録道路を含む経路でも、許可制度による申請は可能です。

道路管理者や路線名を特定し、必要に応じて付近図などを提出します。個別協議が必要になる分、審査期間が長くなる場合があります。

申請後に車両や経路を変更できますか?

変更内容によって、変更申請で対応できる場合と新規申請が必要になる場合に分かれます。

審査中の申請内容を変更すると標準処理期間の対象外になるため、可能な限り車両と経路を確定してから申請したほうが手戻りを減らせます。

許可証を受け取ればすぐに走れますか?

許可証に記載された通行開始日以降であれば通行できますが、条件書に通行条件が付いている場合は、その条件を満たす必要があります。

誘導車、徐行、通行時間帯などが指定されている場合は、運行前に必要な準備を整えておきましょう。

まとめ

特車申請は、車両と通行経路の把握から始まり、資料準備、申請、道路管理者による審査・協議を経て許可証が交付されます。

基本的な流れは「申請要否の判断 → 資料準備 → 申請 → 審査・協議 → 許可証受取」の5ステップです。

一定の条件を満たす新規・変更申請では3週間以内、更新申請では2週間以内が標準処理期間ですが、未収録道路や個別協議などが含まれると、さらに時間が必要になる場合があります。運行日が決まっている場合は、車両と経路を早めに確定し、許可取得までを見込んで準備を進めることが重要です。

特車申請の制度・手続き・車種別対応は、特殊車両通行許可申請ガイドにまとめています。

特車申請の準備や審査期間でお困りならご相談ください

特車申請では、車両資料をそろえるだけでなく、通行経路を特定し、未収録道路や個別協議の有無まで確認して申請を進める必要があります。

運行日が決まっている場合は、許可までの期間を見込んで早めに準備することが重要です。

当事務所では、車両諸元と予定通行経路を確認したうえで、特殊車両通行許可の申請代行まで対応しています。

特車申請のご相談・お見積もりはお気軽にお問い合わせください。

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