特車申請のオンラインシステムを開くと、車両情報を入力する画面のほかに、通行経路を入力する画面が用意されています。車検証の数値を入力するだけでは、申請データの半分しか埋まりません。
基本となるのは、特殊車両通行許可申請書、車両の諸元に関する説明書、通行経路表、通行経路図などです。包括申請では車両内訳書が加わり、未収録道路や超寸法車両を含む場合には、付近図、軌跡図、荷姿図などを求められることもあります。
新規・更新・変更のどの申請を行うか、オンライン申請か書面申請かによっても、実際に提出する資料は変わります。この記事では、基本的な必要書類から、更新・変更申請で省略できる書類、車検証やメーカー資料の扱い、未収録道路や超寸法車両で必要になる追加資料まで、順を追って取り上げます。
特車申請で使用する基本書類
特殊車両通行許可申請で基本となる書類は次のとおりです。
| 書類 | 主な内容 |
|---|---|
| 特殊車両通行許可申請書 | 申請者、車種、通行期間など |
| 車両の諸元に関する説明書 | 長さ、幅、高さ、重量、軸距など |
| 通行経路表 | 出発地から目的地までの道路・交差点 |
| 通行経路図 | 申請する経路を地図上で示す |
| 自動車検査証の写し | 申請方法や車両によって必要 |
| 車両内訳書 | 包括申請などで複数車両を申請する場合 |
| その他の資料 | 道路管理者が審査に必要と判断した資料 |
オンライン申請では、このうち申請書、車両の諸元に関する説明書、通行経路表などをシステム上で作成します。そのため、「必要書類」といっても、すべてを紙やPDFで別に用意して添付するわけではありません。申請前に実際に集めておきたいのは、車検証やメーカーの車両諸元表・車両図面など、システムへ正しい数値を入力するための資料です。
新規申請では車両と経路の情報を一から用意する
新規申請では、申請する車両と通行経路について一から申請データを作成します。単車であればその車両の資料、セミトレーラなどの連結車であればトラクタとトレーラ双方の車両情報を用意します。車検証だけでは軸距やオーバーハングなど必要な数値を把握できないことがあるため、メーカー諸元表や車両図面もあわせて準備しておくことが前提です。
経路については、出発地・目的地を特定し、通行経路表と通行経路図を作成します。途中に道路情報便覧へ収録されていない道路があれば、その区間について別途資料が必要になる場合があります。代理人が申請する場合や、超寸法車両を申請する場合などは、基本書類に加えて申請内容に応じた資料の添付が必要です。
更新申請では添付書類を省略できる場合がある
許可内容を変えず、通行期間だけを延長する特車の更新申請では、新規申請時と同じ窓口へ申請する場合、附属書類の提出を省略できる扱いがあります。車両や経路を変更せず、既存の許可情報を引き継いで期間だけを更新する仕組みだからです。
ただし、車検証の有効期間や申請内容によっては、新しい車検証などの提出を求められることがあります。車両や経路自体が変わっている場合は、期間だけを延長する更新申請では処理できません。現在の許可がすでに期限切れになっている場合も更新申請の対象外となるため、新規申請として手続きを進めます。
変更申請では変更内容に応じた資料を準備する
有効な許可を取得した後に車両や経路などを変更する場合は、特車の変更申請を利用できることがあります。新規申請時と同じ窓口へ変更申請を行う場合、変更のない附属書類は省略できる扱いです。車両を変更するのであれば車両関係の資料、経路を変更するのであれば経路関係の資料が中心になります。
・車両の諸元に関する説明書
・通行経路表
・通行経路図
・車検証や車両資料
・必要に応じた追加資料
附属書類を省略できることがあります。
・経路変更 → 経路関係資料
・変更のない附属書類は
省略できる場合があります。
ただし、どの変更でも変更申請を利用できるわけではありません。車両の追加や入替え、経路変更などは申請内容によって新規申請が必要になることもあるため、最初に申請区分を見きわめてから書類をそろえた方が手戻りを防げます。
「車両の諸元に関する説明書」とメーカー諸元表は別のもの
特車申請で正式な申請書類として使用する「車両の諸元に関する説明書」と、メーカーが発行する車両諸元表は別の資料です。車両の諸元に関する説明書には、車両の長さ・幅・高さ、車両重量、積載物重量、軸距、軸重、オーバーハングなど、道路構造への影響を審査するための数値を記載します。オンライン申請では、入力した車両情報をもとにシステム上で作成される書類です。
メーカー諸元表や車両図面は、その数値を正しく入力するための基礎資料として使います。特にトラクタ・トレーラでは、車検証だけでは連結状態の全長や軸間距離、第五輪位置などを把握できないことがあります。車検証の数値だけで申請データを作ろうとせず、メーカー資料まで確認しておくことが前提です。
オンライン申請では車検証の写しが原則不要
書面で特殊車両通行許可を申請する場合、自動車検査証の写しは基本的な申請書類の一つです。国へのオンライン申請では、車検証情報をシステム上で照合できる車両について、車検証の写しを添付する必要はありません。
ただし、すべての車両で添付不要になるわけではありません。車両情報をシステムで取得できない場合などには、車検証データの添付や追加資料を求められることがあります。車両番号や重量などを正しく入力しているのに照合できない場合は、特車申請の車検証照合エラーの原因を切り分けてから対応します。
代理申請では委任状が必要
行政書士などが申請者に代わって特殊車両通行許可を申請する場合は、委任状を用意します。オンライン申請でも代理人申請を選択すると委任状を指定する画面があり、委任状の写しを電子データとして添付する方法などが用意されています。
委任状には、申請者と代理人の情報、委任する手続きの範囲などを記載します。本人申請では不要な書類なので、基本的な必要書類とは別に考えておくと分かりやすくなります。
通行経路表と通行経路図も必要書類に含まれる
特車申請では、車両の大きさや重量だけではなく、「その車両がどこを通るのか」まで審査対象になります。通行経路表には出発地から目的地までに通る道路や交差点を記録し、通行経路図ではその経路を地図上で特定できる形にします。
オンライン申請ではデジタル地図を使って経路を作成するため、収録道路を通る通常の申請であればシステム上で経路情報を作成できます。工場、倉庫、建設現場などへの最後の区間に市道が入る場合は、次の未収録道路の扱いにも注意が必要です。
特車申請の必要書類で迷ったら
特車申請は、車検証だけでなく、車両諸元や通行経路、申請内容に応じた追加資料まで整理する必要があり、思ったより手間がかかります。当事務所では、必要書類の整理から特車申請まで対応しています。
特車申請サービス →未収録道路では付近図などを求められることがある
道路情報便覧へ収録されていない未収録道路も、許可制度では申請経路に含めることができます。ただし、未収録区間は便覧上の道路情報だけでは道路管理者が経路を特定できないため、正式な路線名を調べたり、区間を特定できる付近図などを添付したりすることがあります。
「未収録路線」とだけ入力しても、どの道路を通るのか判断できません。出発地や目的地付近に未収録道路がある場合は、経路作成の段階で道路管理者と正式な路線名を突き合わせておくことが重要です。付近図や追加資料の内容は申請先や道路の状況によって異なるため、すべての未収録道路で同じ資料が必要になるわけではありません。
超寸法車両では軌跡図や荷姿図が必要になることがある
通常の車両諸元だけでは交差点を曲がれるか判断できない車両では、旋回状況を把握するための軌跡図を求められます。特に長さや幅が大きい超寸法車両では、軌跡図のほか、通行計画書、理由書、四面図、荷姿図など、積載状態や通行方法を見きわめるための追加資料が必要になる場合があります。
さらに重量が大きく橋梁などについて個別の検討が必要になれば、応力計算書などが求められるケースもあります。たとえばポールトレーラの特車申請では、積載する長尺物によって連結状態の長さや旋回性能が変わるため、通常のトレーラより車両資料の準備が重要になります。
包括申請では車両内訳書を用いる
複数の車両をまとめて申請する場合は、車両内訳書を使用します。特車の包括申請では、申請対象となるトラック・トラクタ・トレーラなどを車両内訳書へ登録し、申請する車両の組合せを明確にします。
複数台所有していれば自由に一つの申請へまとめられるものではありません。車種、軸種、通行経路、積載貨物、通行期間など、包括申請の条件に合っているかを先に見きわめます。包括申請では対象台数が増えるほど入力項目も増えるため、1台の車検証や諸元情報に誤りがあるだけでも申請全体の補正につながりやすくなります。
書類がそろっていても数値の不一致で差戻しになる
特車申請では、必要なファイルをすべて添付していても、申請データと資料の内容が一致していなければ補正や差戻しの原因になります。
車検証と入力した車両情報が一致していない
車両番号、車両重量、最大積載量、軸重などは、入力ミスが起きやすい部分です。過去の申請データを流用した場合は、すでに入れ替えた車両が残っていないか、新しい車検証の情報へ更新されているかも突き合わせてください。
トラクタとトレーラ双方の資料がそろっていない
セミトレーラなどの連結車では、トラクタとトレーラ双方の情報を使って連結車両の諸元を作成します。片方の車検証や諸元表だけでは、審査に必要な数値を把握できないことがあります。車両の組合せを確定させてから資料をそろえておくことが、入力後のやり直しを防ぐポイントです。
経路を特定する資料が不足している
未収録道路が含まれているにもかかわらず路線名が特定されていなかったり、道路管理者から求められた付近図が不足していたりすると、経路について補正が入ることがあります。書類の「有無」だけではなく、中身が申請データと一致しているかまで突き合わせることが欠かせません。特車申請で差戻しになる入力ミスも、車両・経路・添付資料の3つに分けて見ていくと状況を把握しやすくなります。
よくある質問
- 特車申請では何を用意すればいいですか?
-
基本となるのは、特殊車両通行許可申請書、車両の諸元に関する説明書、通行経路表、通行経路図、自動車検査証の写しなどです。包括申請では車両内訳書が加わり、車両や経路によって軌跡図、荷姿図、付近図などが必要になる場合があります。
- オンライン申請でも車検証の写しは必要ですか?
-
国へのオンライン申請では、車検証情報をシステムで照合できる車両については、原則として車検証の写しを添付する必要はありません。システムで情報を取得できない車両などでは、別途添付を求められる場合があります。
- メーカーの諸元表は必要書類ですか?
-
メーカー諸元表そのものが、すべての申請で必ず提出する基本書類というわけではありません。車検証だけでは分からない軸距やオーバーハングなどを把握し、「車両の諸元に関する説明書」やオンライン申請データを正しく作成するための資料として使用します。申請内容によっては、道路管理者から車両図面などの提出を求められることもあります。
- 更新申請でもすべての書類を用意し直しますか?
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新規申請時と同じ窓口へ更新申請を行う場合は、附属書類を省略できる扱いがあります。ただし、車検証の有効期間などによって新しい資料が必要になることがあるため、前回の書類をそのまま使えるとは限りません。
- 変更申請では何を提出しますか?
-
変更内容によって異なります。同じ窓口への変更申請では、変更のない附属書類を省略できる場合があります。車両を変更する場合は車両関係、経路を変更する場合は経路関係の資料が中心になります。
- 行政書士へ依頼する場合は何を用意しますか?
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代理申請では委任状が必要です。あわせて、申請する車両の車検証やメーカー資料、出発地・目的地、通行予定経路など、申請データを作成するための情報を準備します。
まとめ
特車申請では、申請書だけでなく、車両の諸元に関する説明書、通行経路表、通行経路図など、車両と経路の両方に関する書類を使用します。オンライン申請ではシステム上で作成する書類が多く、車検証の写しもシステムで情報を照合できる車両については原則として添付不要です。更新申請や変更申請では、新規申請時と同じ窓口へ提出する場合に附属書類を省略できることもあります。
未収録道路、超寸法車両、包括申請などでは追加資料が必要になる場合があるため、「基本書類がそろっているか」だけでなく、申請する車両と経路に応じた資料まで準備することが重要です。
特車申請の制度・手続き・車種別対応は、特殊車両通行許可申請ガイドにまとめています。
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