メルカリなどフリマアプリで中古品を転売しているなら、「古物商許可なしでも通報されないか」という不安は自然に出てきます。実際、無許可のまま続けている方は多いですが、バレないわけではありません。
どのルートで発覚するかは、自分でコントロールできません。きっかけ別に、罰則と現場での実態を見ていきます。
メルカリで古物商許可が必要な場合・不要な場合
許可が必要なケースと不要なケース、それぞれ見ていきます。
許可が必要なケース:
- 営利目的で中古品を仕入れて販売している
- 定期的・継続的に商品を出品している
- 副業や事業として運用している
許可が不要なケース:
- 自分で使っていた不用品を売る
- もらったプレゼントを売る
- 無償で譲り受けたものを売る
「事業性があるかどうか」が判断の分かれ目です。個別ケースの判断は古物商許可はいる?いらない?よくある12のケースで整理していますので参考にしてください。フリマアプリ全般での線引きについてはフリマアプリで古物商許可を取らずに営業できるのはどんな場合?も合わせて読むと判断しやすくなります。
古物商許可なしでバレるきっかけ
「バレなければ大丈夫」は通用しません。発覚のきっかけは自分で防げないものがほとんどです。
1. 窃盗事件の捜査
警察が窃盗事件を捜査する際、メルカリの取引履歴を照会することがあります。盗品が絡んでいると疑われた場合、取り調べの中で古物商許可の有無まで問われます。
仕入れ時点で盗品かどうかを見抜くのは難しく、知らずに買い取っていたケースでも対象になりえます。古物商が盗品を買い取ってしまった場合のリスクについては別記事で詳しく書いています。
2. 他のユーザーからの通報
競合の出品者や取引でトラブルになった相手から通報されることがあります。同じカテゴリで多数の商品を継続的に出品していると目につきやすく、メルカリ事務局だけでなく警察への直接通報も起こりえます。
3. メルカリ事務局の監視
メルカリは自動検知システムと目視監査を組み合わせて不正出品を監視しています。事業性があると判断されると、古物商許可証の提出を求めるメッセージが届くことがあります。対応できなければアカウント停止に至ります。
4. 税務調査
メルカリでの売上が一定規模を超えると、税務署の調査対象になることがあります。税務署にはプラットフォームへの取引記録照会権限があり、売上を把握した上で申告漏れを調べにきます。
調査の流れは以下のとおりです。
- 税務署がメルカリでの売上を把握する
- 「仕入れの経費を証明してほしい」と求められる
- リサイクルショップやフリマアプリでの仕入れを説明する
- 「古物商許可証を見せてほしい」と言われる
- 許可がないことが発覚する
無申告と無許可営業が同時に露呈する「ダブルパンチ」になるリスクがあります。
無許可販売が発覚した場合の罰則
罰則の話に入る前に、件数を確認しておきます。警察庁「令和5年中における古物営業・質屋営業の概況」によれば、令和5年の無許可営業の検挙件数は19件(前年比+3件)でした。「たった19件なら自分は関係ない」と感じるかもしれませんが、注目すべき数字は別にあります。同年の指示処分件数は914件です。
指示処分とは逮捕されないものの警察署に呼び出されて業務改善を指導される行政処分で、始末書の提出や営業停止命令が伴う場合もあります。
出典:警察庁「古物営業・質屋営業について」(https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/kobutsu/index.html)
古物営業法上の刑事罰
古物商許可なしで中古品を販売した場合、古物営業法違反として以下の罰則が科されます。
- 3年以下の懲役
- 100万円以下の罰金
- またはその両方
悪質性が低い場合に直ちに重い処分が下るわけではありませんが、取引規模が大きい・売上が高額・常習的であるといった要素は、悪質性の判断に影響します。
公安委員会による行政処分
公安委員会が行う行政処分は3段階あります。
許可の取消し(最重): 重大な法令違反が確認された場合に適用されます。取消し後5年間は古物商許可を再取得できません。
営業停止: 法令違反が確認された際に課される期間限定の停止処分です。
指示: 軽微な違反に対して業務改善を求めるものです。指示処分であっても警察への出頭・始末書提出が必要になる場合があります。
メルカリアカウントへのペナルティ
無許可営業がメルカリ側に発覚した場合、警告なしにアカウントが停止されることがあります。これまでの評価・取引実績はすべて失われ、再登録の際にも影響が残る場合があります。
リスクを解消する3つの対策

リスクを下げる方法は3つあります。状況に応じて選んでください。
対策1:古物商許可を取得する
最も根本的な解決策は許可を取ることです。費用は個人で約2万円、東京での審査期間は申請から標準40日かかります。費用の内訳については古物商許可の申請費用で整理しています。
許可を取ると古物市場への参加が可能になります。古物市場はプロ向けの卸売オークションで、フリマアプリの仕入れ競争から外れた価格帯で商品を確保できる場合も多いです。許可は「コスト」より「仕入れ環境の改善」として捉えたほうが実態に合っています。申請手続きの流れは古物商許可の申請方法で詳しく書いています。
対策2:メルカリShopsに移行する
メルカリShopsは事業者向けのサービスで、古物商許可証の提出が前提となっています。許可を取得した上でShopsに移行すれば、事務局からの問い合わせリスクが大幅に下がります。開設の手順はメルカリShopsの開設手順にまとめています。
対策3:不用品販売の範囲に絞る
許可を取得しない場合は、自分で購入・使用していた不用品の販売に限定することです。仕入れた商品を転売する行為は、少量でも事業性があるとみなされるリスクがあります。大量出品や同一商品の複数出品は特に目につきやすい点に注意が必要です。
よくある質問(FAQ)
- Qすでに無許可で販売してしまっています。今から許可を取得すれば過去の分は問題にならないですか?
- A
過去の無許可販売が遡って処罰されるかどうかは、発覚のタイミングと販売規模によります。申請中であっても、申請前の無許可営業期間は違反として扱われます。早期に取得することで今後のリスクは確実に下がりますが、過去分についてはグレーゾーンが残ることを理解した上で手続きを進めるのが現実的です。
- Q税務調査で古物商許可の話が出るのはなぜですか?
- A
税務調査では仕入れ経費の証明を求められる場面が必ずあります。フリマアプリや中古品仕入れを経費として計上するには取引の正当性を示す必要があり、その過程で古物商許可証の提出を求められることがあります。無申告と無許可の両方が同時に発覚するケースは実際に起きています。
- Q不用品として出品しているのに通報されることはありますか?
- A
出品数や出品頻度によっては、他のユーザーや事務局から「事業目的」と判断されることがあります。自分では不用品のつもりでも、メルカリ側の判断は出品パターンで行われます。出品数が多い場合は許可の要否を改めて整理しておくほうがよく、古物商許可はいる?いらない?よくある12のケースも参考にしてください。
- Q古物商許可を取得した後、メルカリでの販売に関して何か手続きが必要ですか?
- A
オンラインで販売を行う場合、古物商のURL届出が必要です。メルカリのプロフィールページや出品ページのURLを警察署に届け出る手続きで、義務として定められているにもかかわらず見落とされやすい項目です。許可取得後にやるべきことの全体像は古物商許可の取得後にやることにまとめています。
- Q通報されてもすぐに逮捕されるわけではないのですか?
- A
通報があっても即日逮捕につながるケースは多くありません。多くの場合は警察からの照会・呼び出しによる指示処分が先に来ます。ただし指示処分であっても警察署への出頭・始末書提出が伴い、営業実態によっては営業停止処分に進む場合もあります。「逮捕されなければいい」という感覚では、年間914件という指示処分の件数を過小評価することになります。
まとめ
メルカリで古物商許可なしの販売が発覚するきっかけは、窃盗事件の捜査・競合からの通報・メルカリ事務局の監視・税務調査の4ルートです。警察庁のデータでは令和5年だけで914件の指示処分が行われており、「検挙件数19件」だけが実態ではありません。
古物営業法違反の刑事罰は3年以下の懲役または100万円以下の罰金で、行政処分として許可取消しや営業停止もあります。取消し後は5年間再取得できない制限がつきます。
対策として最も確実なのは古物商許可を取ることです。個人で約2万円・約40日という数字は、長期的な営業基盤を整えるコストとして決して高くありません。リスクを抱えたまま運営を続けるより、許可を取って堂々と営業するほうが現実的な選択です。
お困りの際は当事務所へ
古物商許可の取得は、必要書類の準備から警察署への申請まで、手続きが複雑です。また、「自分のケースで許可が必要か」「すでに無許可で販売してしまっている」など、判断に迷う場面も多いです。
当事務所では、古物買取の現場で10年以上の経験を持つ行政書士が、書類作成から許可取得までサポートいたします。
「すでに無許可で販売してしまっているが、どうすればいいか」「許可取得を急ぎたい」といった場合は、お気軽にご相談ください。
お問い合わせ方法:
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執筆者プロフィール
手島宏典 行政書士・現役質屋店長
業界歴10年以上。大手買取店FC3年経営。
行政書士手島宏典事務所
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