古物台帳の書き方は?記載事項とExcelテンプレート・保存期間

古物を買い取ったら、取引の日付、品物、相手の情報、本人確認の方法を古物台帳に記録します。紙の帳簿でもExcelでも、法律で決められた項目がそろっていれば台帳として使えます。

会計ソフトや仕入れ表は、項目が欠けていれば台帳の代わりになりません。金額の小さい取引でも、品物によっては記録が必要です。

この記事では、書く項目と特徴の書き方から順に説明します。少額取引の例外、売ったときの記録、Excelでの管理、保存期間と紛失時の届出までをまとめました。

目次

古物台帳に書く項目

記録が必要な取引では、次の5つを台帳に書きます。

項目書く内容の例
取引の年月日買い取った日
品目と数量腕時計1点、ノートパソコン2台
古物の特徴メーカー、型番、製造番号、傷
相手の住所・氏名・職業・年齢年齢の代わりに生年月日でもよい
本人確認の方法運転免許証の提示を受けた、など

買取金額は、法律の記載項目に入っていません。会計や在庫管理も同じ台帳で行うなら、金額や管理番号、担当者の欄を足しておくと後から数字を追えます。

年齢の欄は、生年月日を書く形でもかまいません。解釈運用基準では、生年月日の記載を年齢の記載とみなせるとしています。相手が未成年なら18歳未満からの買取のルールも関わってきます。

商品の特徴は1点を特定できるように書く

「時計1点」「バッグ1点」だけでは、警察から照会が来たときにどの品物か分かりません。特徴の欄は、その1点を特定できる情報で埋めましょう。

品物特徴の欄に書く情報
腕時計ブランド、モデル名、型番、製造番号、傷
ブランドバッグブランド、品番、色、シリアル番号、目立つ傷
スマートフォン機種名、IMEI(端末ごとに付く識別番号)
カメラメーカー、機種名、シリアル番号

当事務所では、個体番号のある品物は査定の段階で番号を控え、そのまま台帳へ写すようご案内しています。買取が終わってから番号を探すと、控え忘れが出るためです。

1点ずつ書くか、まとめて書くか

台帳は品物1点ごとに記録します。バッグを3点買い取って「バッグ3点」とだけ書くと、あとで1つずつ区別できなくなります。

例外は書籍です。同じ人から同時に受け取った本は、「〇〇ほか49冊」のように代表の書名と冊数でまとめて書けます。CD・DVDやゲームソフトにこの書き方は認められていないため、1点ずつ記録してください。

本人確認の方法も台帳に残す

本人確認は、台帳に住所と氏名を書くのとは別に、法律で定められた方法で行います。行った方法を台帳に記録してください。

相手が法人でも、本人確認と記録の相手は窓口に来た担当者本人です。店頭での買取、出張買取、宅配買取、フリマアプリからの仕入れで、本人確認のやり方は変わります。

たとえば郵送の取引では、免許証の画像を送ってもらうだけでは足りません。本人確認は、台帳への記録や不正品の申告と並ぶ古物商の三大義務の1つです。

1万円未満の取引と記録

買い取りの対価の総額が1万円未満なら、原則として本人確認と台帳への記録は免除されます。ただし、次の品物は1万円未満でも本人確認と記録が必要です。

  • バイク・原付とその部品(ねじ、ボルト、コードなど汎用の部品は除く)
  • 家庭用ゲームソフト
  • CD・DVDなど
  • 書籍
  • エアコンの室外機と、電気温水機器のヒートポンプ
  • 電線
  • 金属製のグレーチング(側溝のふた)

室外機からグレーチングまでの4つは、金属の盗難対策として令和7年10月1日に加わりました。電線は素材を問わない一方、LANケーブルや家庭用の延長コード、充電ケーブルは対象外です。

500円の中古本でも、1,000円のゲームソフトでも記録は省けません。反対に、衣類や小型の家電を取引全体で1万円未満で買い取るなら、本人確認と記録は不要です。

1万円は1回の取引の合計で判断する

1万円に届くかどうかは、品物1点の値段ではなく、一度に持ち込まれた品物の合計額で判断します。解釈運用基準では、この1万円に消費税を含めないとしています。

1着3,000円の衣類を4着買い取れば、合計は12,000円です。1着ずつは1万円未満でも、この取引は記録の対象になります。

売ったときにも記録が必要な品物

売ったときまで台帳に記録するのは、美術品類、時計・宝飾品類、自動車、自動二輪車・原付の4区分です。自動車と自動二輪車・原付は部品も含みますが、1万円未満で取引する自動二輪車・原付の部品は除きます。

書籍やゲームソフトは、買い取るときは1万円未満でも記録が必要な品物です。それでも、売ったときの記録までは求められません。

時計や宝飾品をネットで出品して売る場合も、店頭と同じように記録を残します。こうした品物を扱うなら、買い取った品物をいつ・誰に払い出したか(売却などで手放したか)、台帳で追えるようにしておきましょう。

Excelで管理するときのルール

古物台帳はExcelなどの電子データでも作れます。紙と同じ項目を記録でき、営業所ですぐ画面や紙に出せる状態なら、電子の記録として認められます。

古物台帳のExcelテンプレート

当事務所では、台帳として使えるExcelテンプレートを用意しました。取引の日付、受入れ・払出し、品目、数量、特徴、相手の住所・氏名・職業・年齢(生年月日)、本人確認の方法の欄があります。

金額・管理番号・備考の欄も付けています。時計やスマートフォンを多く扱うなら、特徴の欄を「型番」「製造番号」「IMEI」に分けてお使いください。

取引のたびに入力する

Excelでも、入力するタイミングは紙と変わりません。記録が必要な取引は、その都度入力してください。

1週間分を週末に、1か月分を月末にまとめて入力するやり方は認められていません。後回しにすると、製造番号や付属品、本人確認の方法を思い出せなくなります。

営業所からすぐ呼び出せるようにする

データを各営業所のパソコンに置く必要はなく、本社やクラウドでまとめて管理できます。そのかわり、営業所でその場で表示・印刷できる状態を保ってください。

担当者しかパスワードを知らない、営業所のパソコンからファイルを開けない、といった状態はこの条件を満たしません。立入検査(警察が営業所などに入って帳簿や品物を調べること)は、営業所のほか古物の保管場所も対象です。

検査の場で目当ての取引をすぐ出せるよう、ファイル名や列の並びをそろえておきましょう。

古物商許可申請でお困りなら

買取を始めると決めた時点で、許可申請と台帳の準備を並行して始めることになります。Excel台帳の作り方や、どの取引に記録が必要かも含めて、当事務所へご相談ください。

保存期間は3年

紙の台帳は最後に記入した日から3年、電子の記録は記録した日から3年保存します。1冊を何年もまたいで使っているなら、年度ではなく最後に書いた日から数えてください。

年ごとにファイルを分けていても、年が変わったからと前年のファイルを消すことはできません。3年たつまで、どのファイルも残します。

台帳をなくしたときの届出

紙の台帳をなくしたり、パソコンの故障でデータが消えたりしたら、すぐに営業所を受け持つ警察署へ届け出ます。破れて読めなくなったときも同じです。

データで管理するなら、パソコン1台だけに保存せず、クラウドや外付けの記録媒体にもバックアップを取りましょう。台帳は、盗品が見つかったときに取引をさかのぼるための記録です。バックアップ先も含めて、3年間残せる方法で管理してください。

よくある質問

警視庁の帳簿の様式をそのまま使わないといけませんか?

いいえ、様式どおりの帳簿でなくても使えます。取引の順に必要な項目を書ける書類や、取引ごとの伝票も台帳として認められています。自作するときは、法律の記載項目が1つも欠けないようにしてください。

以前に自分の店で売った品物を、同じお客様から買い戻すときも記録は必要ですか?

自分が売った品物をその売った相手から買い受けるときは、本人確認と記録が免除されます。持ち込んだのが別の人なら免除にならないので、通常どおり記録しましょう。

品物を預かって委託販売するときも記録は必要ですか?

必要です。委託を受けて古物を受け取ったときも、買い取りと同じく本人確認と記録の対象になります。台帳の相手の欄には、品物を預けた人の情報を書きます。

記録が免除される少額の取引も、台帳に書いておいてかまいませんか?

書いてかまいません。免除は記録しなくてよいという意味で、記録を禁じる決まりはありません。在庫や売上を1つの表で管理したいなら、少額の取引も同じ台帳に入れると数字が合わせやすくなります。

盗品ではないかと感じた品物は、台帳に書いたあとどうすればよいですか?

不正品の疑いがあるときは、すぐに警察官へ申告してください。台帳には通常どおり記録します。当事務所では、申告した日時や相手の様子を備考の欄に残すようご案内しています。

まとめ

古物台帳には、取引の日付、品目と数量、特徴、相手の住所・氏名・職業・年齢、本人確認の方法を書きます。特徴は型番や製造番号など1点を特定できる情報にし、書籍以外は1点ずつ記録してください。1万円未満の買取は原則として記録が免除されます。ただ、バイク、ゲームソフト、CD・DVD、書籍、室外機、電線、金属製グレーチングは金額を問わず記録が必要です。

売ったときの記録は、美術品類、時計・宝飾品類、自動車、自動二輪車・原付に限られます。Excelで管理するなら、取引のたびに入力し、営業所ですぐ表示・印刷できる状態で3年間保存しましょう。許可を取るところから順に知りたい方は、古物商許可を自分で申請する手順にまとめています。

参考資料・公式情報

本記事は、以下の公的機関・法令の情報を参考に作成しています。

古物商許可の申請でお困りならご相談ください

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