古物商許可を取ったら、営業を始める前に、標識の掲示、本人確認と台帳の手順、ネットで売るときの表示をそろえます。営業を始めてからは、営業所や管理者が変わるたびに、期限つきの届出が必要になります。
許可証の受け取りは、申請した警察署です。受け取ったその日から買取を始められる一方で、本人確認や帳簿への記録が必要な取引も、その日から出てきます。
この記事では、許可後の手続きを4つの場面に分け、やることと詳しい記事への入口をまとめました。
許可後にやることの全体像
古物営業法のルールは、盗品が中古品として出回るのを防ぎ、被害にあった人に品物を早く戻すためのものです。許可後の手続きも、この目的にそっています。営業を始める前にそろえるものと、営業の形や登録した内容が変わるたびに出すものの2つです。
| いつ | やること | 詳しく見る |
|---|---|---|
| 営業を始める前 | 標識の掲示、管理者の勤務体制、本人確認と台帳の手順 | 古物商の三大義務/古物台帳の書き方 |
| ネットで売る前 | 許可情報の表示、URLの届出 | URL届出と使用権限 |
| 営業所の外で取引するとき | 許可証の携帯、行商従業者証、仮設店舗の届出 | 行商従業者証/仮設店舗の届出 |
| 登録した内容が変わったとき | 変更届、許可証の書換申請 | 変更届の期限と書き方 |
表の右の列から、それぞれの詳しい記事へ進めます。
営業を始める前にそろえること
開業前には、営業所の体制と買取の手順をそろえます。
標識と許可証、管理者
標識(古物商プレート)は、ここが許可を受けた古物商の営業所だと、お客様や通りを通る人に示すためのものです。決まった様式のプレートを、営業所ごとに、入口など通りから見やすい場所に掲げます。プレートは、買取の受付を始める前に用意してください。
許可証を受け取ったときは、氏名や住所、営業所、行商の有無などが申請どおりに書かれているか、目を通しておきましょう。誤りに早く気づけば、その場で警察署に相談できます。
各営業所の管理者は、その営業所で取引が正しく行われるよう、従業員への指導や帳簿の管理を受け持つ人です。その営業所に常勤して仕事にあたれることが条件になります。許可のあとに異動や退職で通えなくなったら、新しい管理者を置いて14日以内に届け出ましょう。
本人確認と台帳の手順
買取を始めると、相手の本人確認、不正品の疑いがあるときの警察官への申告、帳簿への記録が求められます。盗品が持ち込まれたとき、誰から何を買ったかを後からたどれるようにするための義務です。1万円未満の取引などには免除があります。ただ、金額にかかわらず本人確認と記録が要る品目もあるので、初日から手順をそろえてください。
身分証の見せてもらい方、買取申込書の項目、台帳の書式は、最初の買取までに用意します。帳簿は3年間保存するので、紙で付けるか、Excelや業務システムで付けるかも、このときに選びます。従業員が買取を受け付けるお店なら、本人確認と台帳の書き方を紙1枚にまとめ、全員が同じ手順で動けるようにしましょう。本人確認の方法や免除される取引は、冒頭の表にある三大義務と台帳の記事で解説しています。
ネットで売るときの表示とURLの届出
ネットで古物を取引するなら、ページへの許可情報の表示と、URLの届出の2つが必要です。
許可情報の表示
ネットの取引では、お客様は相手が許可を受けた古物商かどうかを、ページの表示でしか判断できません。そのため、ホームページなどに許可情報を表示します。表示するのは、氏名(法人は名称)、許可をした公安委員会の名称、12桁の許可証番号で、取り扱う品物の情報とあわせて載せましょう。ネットで取引する古物商は、事業の規模にかかわらず、この表示が必要です。
URLの届出
取引に使うホームページのURLは、許可申請書か変更届で届け出ます。許可申請書に書いていなければ、そのURLを使った取引を始めた日から14日以内に変更届を出してください。変更届には、そのURLを使う権限があることを示す資料が必要です。届け出たURLは、氏名・名称や許可証番号とあわせて、公安委員会のウェブ上で公表されます。URLが変わったときや、届け出たホームページを閉じたときも、期限は同じ14日以内です。
フリマアプリやネットモールで出店するときは、サービス名だけで届出が必要かどうかは決まりません。実際に使うページの仕組みと、URLの使い方で判断します。ヤフオクでの許可番号の表示とメルカリShopsの開設は、個別の記事で取り上げています。
営業所の外で取引するとき
営業所の外には標識がないため、許可証や行商従業者証が、許可を受けた古物商であることを示すものになります。お客様の自宅での売買、催事場のブースでの販売、古物市場での古物商どうしの取引など、営業所の外での取引は行商にあたります。
行商するとき
行商をするときは許可証を持ち歩き、取引の相手から求められたら見せてください。従業員に営業所の外で取引させるなら、行商従業者証を持たせます。許可申請で行商を「しない」にしていたときは、「する」に変える変更届と、許可証の書換申請が必要です。古物市場で仕入れる予定があるなら、行商は「する」で登録しておいてください。
仮設店舗で買い取るとき
催事場のブースなど仮設店舗で古物を買い取るなら、営業する日の3日前までに、その日時と場所を届け出ます。届出先は、仮設店舗の場所を受け持つ警察署です。
出張買取のとき
お客様の自宅に出向いて買い取る出張買取では、古物営業法とは別に、特定商取引法の訪問購入のルールもかかります。書面の交付やクーリング・オフの対象になる取引があるので、始める前に読んでおきましょう。
変更があったときの届出
許可は、申請書に書いた営業所や管理者、役員などの内容をもとに出されたものです。登録した内容が変わったら、届出をして警察の手元の情報を今の状態に合わせます。
届出は変更の前に出すものと後に出すものに分かれ、提出先も変更の内容で変わります。東京都では、変更届は営業所を受け持つ警察署、許可証の書換申請は主たる営業所を受け持つ警察署が窓口です。
| 変更の内容 | 期限 |
|---|---|
| 営業所の新設・移転・名称変更・廃止 | 変更の日の3日前まで |
| 住所・氏名、法人の名称・所在地、代表者・役員、管理者、取扱品目、URL、行商の有無 | 変更の日から14日以内(登記事項証明書を付けるときは20日以内) |
変更前の届出(3日前まで)
営業所を移すときは、移転先で営業を始める日の3日前までに届け出ます。営業所の新設や名称変更、廃止も同じ期限です。引っ越しの日程と一緒に、届出を出す日も予定に入れましょう。
変更後の届出(14日以内)
変更の後に出す届出は、身の回りの変化がきっかけになります。たとえば、個人で許可を取った人が引っ越したときは、住所の変更として14日以内に届け出ます。会社の役員が替わったときは、登記事項証明書を付けるので20日以内です。取り扱う品目を増やすときも、変更届で足ります。
許可証の書換申請
氏名や住所など、許可証に書かれた内容が変わるときは、変更届とあわせて書換申請も出しましょう。東京都では、変更届に手数料はかからず、書換申請には1,500円がかかります。必要書類やケースごとの判断は、冒頭の表にある変更届の記事で解説しています。
変更届と
営業所の移転や管理者の交代が決まった時点で、変更届と書換申請の準備を並行して始めることになります。どの変更が事前の届出にあたるか、登記事項証明書を付けて20日以内になるかも含めて、当事務所へご相談ください。
よくある質問
- 許可を取ったあと、すぐに営業を始めなくてもかまいませんか?
-
許可を受けてから6か月以内に営業を始めないと、許可を取り消されることがあります。営業を始めたあとに、6か月以上続けて休業しているときも同じです。開業の予定がずれ込むときは、この期間を頭に入れて準備を進めましょう。
- 許可証をなくしたときは、どうすればよいですか?
-
すぐに、主たる営業所を受け持つ警察署で再交付を申請します。東京都では、手数料が1,300円かかります。再交付を受けるまでは、許可証を持たずに営業所の外で取引しないでください。
- 古物営業をやめるときにも、手続きは必要ですか?
-
営業をやめたときは、許可証を返納します。期限は、やめた日から10日以内です。URLを届け出ていた人は、URLについての届出書も一緒に必要です。
- ほかの県に営業所を増やすときは、その県で許可を取り直しますか?
-
取り直しは要りません。今の許可のまま、営業所の新設として変更の日の3日前までに届け出れば足ります。新しい営業所にも管理者を1人置き、標識を掲げてください。
- 個人で取った許可は、法人を作ったあとも使えますか?
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使えません。個人の許可と法人の許可は別に扱われるので、法人の名義で新たに申請します。手順は法人化したときの古物商許可の記事で解説しています。
まとめ
許可を取ったら、営業を始める前に、標識、管理者の勤務体制、本人確認と台帳の手順をそろえます。ネットで売るなら許可情報の表示とURLの届出、営業所の外で取引するなら許可証の携帯や仮設店舗の届出も欠かせません。
営業を続けるあいだは、営業所の新設や移転は3日前まで、住所や管理者などの変更は14日以内に届け出てください。許可を取るまでの流れは、古物商許可を自分で申請する手順で解説しています。
参考資料・公式情報
本記事は、以下の公的機関・法令の情報を参考に作成しています。
古物商許可と許可後の手続きでお困りならご相談ください
「許可を取ったあと、何から準備すればよいか」と迷った段階で、ご相談ください。判断だけのご相談でも受け付けています。
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