東京都では、古物商が18歳未満の人から古物を買い受けることが、条例で原則として禁止されています。保護者が関わっていると認められる取引だけは、例外になります。
禁止は、品物の値段や種類を問いません。古物営業法の本人確認や帳簿の記録とは別の決まりのため、少額の取引にも制限がかかります。
買取窓口では、条例のほかに、民法の契約取消しも頭に入れておきましょう。
18歳未満からの買取は原則禁止
東京都青少年の健全な育成に関する条例では、18歳未満の人を「青少年」と呼びます。15条2項が、古物商による青少年からの買受けを禁じています。
質屋にも同じ規定があり、青少年から物品を質に取ってお金を貸すことはできません。金額も品目も関係なく、数百円の中古書籍にも高額なブランド品にも同じ制限がかかります。
違反すると、まず警察官から警告を受けます。警告に従わず違反を続けた場合の罰則は、30万円以下の罰金です。従業員が窓口で違反したときは、事業主や法人も警告や罰金を受けることがあります。
相手が18歳未満だと知らなかっただけでは、処罰を免れません。年齢を調べてもなお知ることができなかったなど、過失がない場合に限って例外になります。
高校生でも、18歳になっていれば「青少年」にあたらず、この条例の制限を受けません。学年は関係なく、18歳未満かどうかだけで決まります。
保護者が関わるときの受け方
保護者が売却に関わっていると認められる場合は、例外として買い取れることがあります。条例が挙げているのは、次の3つです。
- 保護者から品物の売却を任されている
- 売却のときに保護者が同行している
- 売却について保護者の同意を得ている
条文は「認められるとき」とだけ書いていて、証明の方法は指定していません。本人から聞いただけで例外にあたると決めず、誰が保護者で、どの品物の売却に応じたのかを、後から示せる形で残します。
条例でいう保護者は、親権者や後見人のほか、青少年を現に保護監督している人です。友人や知人が付き添っていても、保護者にはあたりません。
祖父母や兄姉のように親権者以外の親族は、保護監督の実態があるかどうかで扱いが変わります。公式の案内に書かれていないため、営業所を管轄する警察署に事前に相談してください。
| 方法 | 店に残す内容 |
|---|---|
| 保護者の同行 | 保護者の氏名、本人との続柄、売却した品物 |
| 同意書 | 本人と保護者の氏名・連絡先・続柄、品物の品名と数量、作成日 |
| 電話 | 連絡した日時、相手の氏名と続柄、承諾された品物 |
同意書は、店独自のもので構いません。誰が、誰の、どの品物の売却に同意したのかが分かる内容にします。
同意書を受け取っても、筆跡に不自然な点があれば保護者に電話で連絡します。同意書に書かれていない品物が追加されたときも同じです。同意書は買取申込書とセットで用意しておくと、受付のたびに書式を探さずに済みます。
電話で同意を得ることも考えられますが、保護者の同意があると認められるかどうかは、その取引の状況で決まります。電話では、相手が保護者本人かどうかの手がかりが声だけです。当事務所では、保護者の同行か、署名のある同意書を優先するよう案内します。
18歳未満の人から買取するときの流れ
委託・同行・同意がある
→ 買取手続きへ
保護者の関与がない
→ 原則買い取らない
契約をあとから取り消されるとき
民法は、18歳を成年としています。18歳未満の人が親権者などの同意なしに結んだ売買契約は、あとから取り消せます。
契約を取り消されると、店は品物を返すことになります。一方で、支払った代金は、全額を返してもらえるとは限りません。民法では、未成年者が返す範囲を「現に利益を受けている限度」としているためです。品物を転売してしまうと、そもそも返せなくなります。
条例の「保護者」と、民法で同意できる親権者や未成年後見人(法定代理人)は、範囲が同じではありません。条例の例外にあたる取引でも、あとから取り消される可能性が残ります。同意を受けるときは続柄まで聞いて残しておくと、この違いに備えられます。
自分のアルバイト代で買った物でも、条例の制限は外れません。民法には、親権者などが処分を許した財産なら、未成年者が許された範囲で処分できる規定があります。ただ、この規定は契約の取消しにかかわるもので、条例の買受け制限には影響しません。
1万円未満でも年齢は調べる
古物営業法では、買取価格の合計が1万円未満なら、本人確認と帳簿への記録が原則として免除されます。解釈運用基準では、この1万円に消費税を含みません。一度に持ち込まれた品物の合計額で見ます。
金額の条件は、条例の制限にありません。本人確認と記録が免除されても、18歳未満の人から買えない点は変わりません。
警視庁は非対面取引の案内で、1万円未満でも18歳未満の人からの買取でないことを、メッセージ機能などで調べるよう示しています。
1万円未満でも古物台帳への記録が必要な品物は、バイク・原付、ゲームソフト、CD・DVD、書籍などです。令和7年10月から、エアコンの室外機、ヒートポンプ、電線、金属製のグレーチングも加わりました。
店頭と宅配の受付の手順
年齢の調べ方と、保護者の同意の受け方は、店で先に決めておきます。スタッフごとに対応が違うと、同じ持ち込みでも買える日と買えない日が生まれます。
店頭では、見た目で年齢を決めつけません。条例に年齢を調べる方法の指定はないため、当事務所では、生年月日の分かる身分証を見せてもらう受付を勧めます。本人確認が必要な取引なら、住所、氏名、職業、年齢も調べます。
判断に迷う持ち込みは、その場で即答せず、営業所の管理者か責任者に相談する流れにしておきましょう。
宅配買取では、18歳未満でないことを調べる手順と、古物営業法の本人確認の手順が別々に必要です。免許証の画像をメールで受け取るだけでは、非対面取引の本人確認になりません。
宅配では、18歳未満の人とのやり取りに保護者への連絡や書類の往復が加わります。受け付けないという店独自の基準を置くのも、一つの方法です。高校生からは買い取らない、20歳未満は保護者に連絡する、といった基準も、店ごとに設けて構いません。サイトの案内と店頭の対応が食い違わないよう、基準は一本にそろえましょう。
受付ルールと
開業を決める時点で、店の受付ルールと許可申請の準備を並行して始めることになります。未成年のお客様への対応や同意書の作り方も含めて、当事務所へご相談ください。
都外での営業と、買い取れない品物
条例は都道府県ごとに定められていて、内容も同じではありません。都外に店を出すときや、他県へ出張買取に行くときは、その地域の条例を先に読んでください。
着用済み下着等には、別の条文があります。青少年が一度着用した下着などは、買い受けること自体が禁止です。保護者が同意していても例外にならず、売却の委託を受けることや、売却先の紹介、そのための場所の提供も禁止されています。罰則は、業として行った場合と場所を提供した場合が50万円以下、それ以外が30万円以下の罰金です。
よくある質問
- 買取のあとで18歳未満と分かったときは、どうすればよいですか?
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東京都条例では、保護者の委託・同行・同意を得て売却するものと認められる場合には例外があります。ただし、民法上の法定代理人の同意や、商品の種類による別の規制もあわせて確かめる必要があります。
- 18歳未満の人から古物の販売を任されたときは、受けてよいですか?
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条例は、正当な理由がある場合を除き、青少年から古物の売却の委託を受けないよう努めることを求めています。努力義務にとどまりますが、委託販売や代行出品の依頼を受けるときは、正当な理由の有無を先に考えましょう。
- 同意書や電話の記録は、どのくらいの期間保管しますか?
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条例に、同意書や電話の記録の保管期間を定めた決まりはありません。当事務所では、古物台帳などの帳簿と同じ期間、いっしょに保管する形を案内します。取引の日付や品物と結びつけて探せるようにしておくと、後から示すときに役立ちます。
- 18歳未満のお客様に、古物を売ることはできますか?
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条例の制限は青少年からの買受けにかかり、古物を売る取引には及びません。ただし、指定図書類、指定がん具類、指定刃物は、古物として売る場合も青少年への販売が禁止されています。中古の書籍やDVD、玩具、刃物を扱う店は、指定の有無を調べてから売りましょう。
- 保護者本人が子どもの持ち物を売りに来たときも、条例の制限はかかりますか?
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条文は、青少年から買い受ける取引を対象にしています。売主が保護者本人で、その人が本人確認を受けて取引するなら、青少年から買い受ける取引にはあたりません。公式の案内に書かれていない取引のため、迷うときは営業所を管轄する警察署に事前に相談してください。
まとめ
古物商が18歳未満から古物を買い受けることは、東京都では原則として禁止されています。金額や品目は関係なく、例外は保護者の委託、同行、同意のいずれかが認められる取引に限られます。警告に従わず違反を続けた場合は、30万円以下の罰金です。
例外にあたる取引でも、民法上はあとから契約を取り消される可能性が残ります。1万円未満の買取でも、18歳未満かどうかを調べる手順は省けません。店頭と宅配で受付の手順を分けて決めておけば、スタッフごとの判断のぶれを防げます。これから古物商許可を取って買取店を開く人は、許可の申請と並行して、この受付ルールも用意しましょう。
参考資料・公式情報
本記事は、以下の公的機関・法令の情報を参考に作成しています。
古物商許可の申請でお困りならご相談ください。
「未成年のお客様への対応を、開業前にどこまで決めておくのか」と迷った段階で、ご相談ください。判断だけのご相談でも受け付けています。
古物商許可が必要な場合は、申請書類の作成から警察署への提出まで、リユース業界で10年以上、買取の実務に携わってきた行政書士がサポートします。

