古物商許可は誰でも取れる?前科・自己破産・未成年と欠格事由11項目

古物商許可の申請に、資格や中古品売買の経験は必要ありません。会社員の副業でも、主婦の方でも申請できます。

許可が出ないのは、古物営業法の欠格事由(許可を出せない人の条件)に1つでも当てはまるときです。申請者に対する欠格事由は、全部で11項目です。法人の申請では役員も審査され、営業所の管理者には、就任できない人の条件が別に定められています。

前科や自己破産の経歴があっても、刑の種類、過ぎた年数、復権の有無によっては申請できます。

目次

欠格事由11項目の一覧

欠格事由は、古物営業法第4条第1項に11号定められています。

号内容許可を受けられない状態
1自己破産破産手続の開始決定を受け、復権していない
2刑罰拘禁刑以上の刑、または特定の罪の罰金刑から5年未満
3暴力団関係など暴力団員、脱退から5年未満など
4暴力団対策法の命令・指示命令や指示を受けてから3年未満
5住居住居が定まっていない
6許可の取消し取消しから5年未満
7取消し手続中の返納許可証の返納から5年未満
8心身の故障業務に必要な認知、判断、意思疎通を適切に行えない
9未成年者営業について成年者と同じ行為能力がない
10管理者営業所の管理者を選任すると認められない相当な理由がある
11法人の役員役員の中に1号から8号にあたる人がいる

審査は書類で進みます。個人の申請では、本人と営業所の管理者の分として、略歴書、本籍入りの住民票、誓約書、身分証明書を出します。法人は、役員全員と管理者の分が必要です。

刑罰と5年の数え方

拘禁刑以上の刑を受けた人は、罪名を問わず第2号の対象です。2025年6月に、懲役と禁錮は「拘禁刑」へ統一されました。過去の書類に「懲役」「禁錮」とあっても、刑の種類と終わった時期で判断します。

刑の執行を終えた日の翌日から5年が過ぎれば、欠格事由から外れます。仮釈放になった人は、仮釈放の期間が終わった日に刑を受け終えたことになります。

執行猶予つきの判決は、猶予の期間中は許可が出ません。猶予期間が満了すると刑の言渡しの効力がなくなるため、5年を待たずに申請できます。

罰金刑は、対象の罪が決まっています。

  • 古物営業法第31条の罪(無許可営業、不正な手段での許可取得、名義貸し、営業停止中の営業)
  • 刑法の窃盗、背任、遺失物等横領、盗品等の運搬・保管・有償譲受け・あっせんの罪

これらの罪で罰金刑を受けた人は、罰金を納め終えてから5年間、許可を受けられません。

これら以外の罪で罰金刑を受けても、欠格事由にはあたりません。交通違反の罰金や反則金も対象外です。

欠格事由の判断と許可申請でお困りなら

前科や破産の経歴が気になった時点で、経緯の洗い出しと申請書類の準備を並行して始めることになります。罰金刑が対象の罪にあたるか、5年がいつ終わるかも含めて、当事務所へご相談ください。

自己破産と復権

自己破産をした事実だけで、許可が出なくなるわけではありません。対象は、破産手続の開始決定を受けたあと、まだ復権していない人です。

免責許可の決定が確定するなどして復権すれば、この項目から外れます。手続の途中や、免責の決定が確定する前は、申請できません。

復権の状況は、本籍地の市区町村が発行する身分証明書で判断されます。運転免許証やマイナンバーカードとは別の書類なので、本籍地の役所で取り寄せてください。

その他の欠格事由

許可の取消しと返納

過去に古物商許可を取り消された人は、取消しの日から5年間、申請できません。法人が取り消された場合は、聴聞の期日と場所が公示された日の前60日以内に役員だった人も、同じく5年間は対象です。

取消しの手続が始まったあとに許可証を返納して廃業した人も、返納の日から5年間は許可が出ません。廃業に相当な理由が認められるときは、この期間から除かれます。

暴力団関係

暴力団員と、暴力団員でなくなってから5年を過ぎていない人は、許可の対象外です。第3号は、暴力団員に限りません。暴力団以外の犯罪組織の構成員や、過去10年に暴力的な不法行為をした人も、犯罪を繰り返すおそれ(ぐ犯性)が強ければ対象です。

暴力団対策法に基づく命令や指示を受けてから3年を過ぎていない人は、第4号にあたります。

住居

住居が定まっていない人は、許可の対象外です。ここでいう住居は、人が住んで日常生活に使っている場所をいい、永続的か一時的かは問いません。住居を転々としておらず、他人の家を中心に生活している人は、住居不定になりません。

住民票の住所と実際に住んでいる場所が違う人は、申請の前に警察署の窓口へ相談してください。

心身の故障

対象は、精神機能の障害によって、業務に必要な認知、判断、意思疎通を適切に行えない人です。病気や障害があること自体は、欠格事由とされていません。

未成年者の申請

営業について成年者と同じ行為能力を持たない未成年者は、許可を受けられません。成年年齢は18歳です。親権者や後見人から営業を営むことを許可され、未成年者登記をしている人は、申請できます。

未成年者が古物商の相続人である場合も例外で、法定代理人に欠格事由がなければ申請できます。必要書類が成人と異なるため、管轄の警察署へ申請の前に問い合わせましょう。

営業所の管理者には、未成年者を選任できません。

管理者と法人役員の審査

営業所ごとに、管理者を1人置きます。個人事業主が自分自身を管理者にすることもできます。

管理者になれないのは、未成年者と、心身の故障で管理者の業務を行えない人です。第1号から第7号(自己破産から許可証の返納まで)にあたる人も選べません。管理者を具体的に決めていない、営業所に勤務していないなど、職務を果たせる見込みがなければ、第10号で不許可になります。

会社名義の申請では、代表者だけでなく役員全員が審査されます。登記の有無に関係なく、業務の執行や監査の権限を持つ人が役員です。取締役、監査役、持分会社の業務を執行する社員などが入ります。

役員のうち1人でも第1号から第8号にあたる人がいれば、会社は許可を受けられません。

よくある質問

家族に前科があると、自分の申請に影響しますか?

審査の対象は、申請者本人、法人の役員、営業所の管理者です。家族が申請者、役員、管理者のどれにもならなければ、家族の前科は審査に関係しません。家族を管理者や役員として届けるなら、その方に欠格事由がないか、先に本人へ尋ねてください。

自己破産したことがあります。古物商許可は取れますか?

すでに復権を得ていれば申請可能です。本籍地の市区町村で発行される身分証明書で、破産者として通知されていないことを確認します。

執行猶予が付いた刑を受けた場合はどうなりますか?

執行猶予期間が無事に満了していれば刑の言渡しの効力が失われるため、さらに5年間の経過を待たずに申請できます。

過去に罰金刑を受けた場合は5年間申請できませんか?

すべての罰金刑が対象になるわけではありません。古物営業法第31条に規定する罪や、窃盗罪、背任罪、遺失物等横領罪、盗品等に関する一定の罪による罰金刑が対象です。

未成年者でも古物商許可の申請者になれますか?

親権者から営業の許可を得ている場合など、条件を満たせば申請できるケースがあります。ただし、営業所の管理者には未成年者を選任できません。

まとめ

古物商許可は、特別な資格やこれまでの経験がなくても申請できます。ただし、古物営業法で定められた11項目の欠格事由に1つでも当てはまる場合は、許可を受けることができません。

過去に刑罰や自己破産の経験があっても、執行猶予の終了や復権の状況、過ぎた年数によって許可を受けられる場合があります。思い当たる事情がある場合は、罪名や当時の処分時期、現在の状況を整理したうえで手続きを進めてください。

参考資料・公式情報

本記事は、以下の公的機関・法令の情報を参考に作成しています。

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