特殊車両通行許可をオンラインで申請した後、審査の途中で「差戻し」の通知が届くことがあります。車両情報や経路について確認や修正を求められている状態で、申請そのものが認められなかったわけではありません。
差戻しを受けても、申請を最初から作り直す必要はない場合がほとんどです。オンライン申請システムで差戻し理由を把握し、申請データを直したうえで再提出する、という流れになります。
再提出の際には、差戻された申請に対応する到達確認シートを指定します。この記事では、差戻し通知を受けてから理由の把握、申請データの修正、添付資料の追加、到達確認シートを使った再提出までを順に取り上げます。
特車申請の「差戻し」とは
特殊車両通行許可の審査では、車両情報の不一致や経路の確認事項、添付資料の不足などがあると、申請者へ修正を求めて差戻されます。差戻しになったからといって、その車両や経路が通行できないと決まったわけではありません。
重要なのは、道路管理者から何を直すよう求められているのかを見きわめることです。オンライン申請では、差戻しになった申請の詳細画面にある「通知記事」から理由を把握します。添付ファイルが付いている場合は、その資料もあわせて目を通してから修正に入ります。
差戻しと不許可は別のもの
差戻しと不許可は、性質が異なります。差戻しは審査の途中で修正や追加の確認を求められている状態で、指摘内容を直せば再提出に進めます。不許可は、審査の結果として現在の申請内容のままでは通行を認められないと判断されたものです。
このページで扱うのは、差戻し後の修正・再提出です。不許可になった場合の経路や車両の見直しは、特車申請の差戻し・不許可で取り上げています。
差戻されたら最初に「通知記事」で理由を把握する
差戻し通知が届いたら、すぐに申請データを作り直すのではなく、まず理由を把握します。オンライン申請では、申請者情報などに登録されたメールアドレスへ審査終了の通知が届きます。
メールを確認したらオンライン申請システムへログインし、申請状況照会から該当する申請を開いてください。申請状況が「審査終了/差し戻し」または「手続終了/差し戻し」となっている場合は、詳細画面の「通知記事」を開きます。
差戻し理由は一つとは限りません。車両情報と経路について同時に指摘されていたり、追加資料の提出まで求められていたりすることもあるため、通知記事全体に目を通してから修正内容を組み立てます。
差戻し後は4つの手順で再提出する
差戻し後の基本的な流れは、差戻し理由の把握 → 申請データの修正 → 必要資料の追加・差替え → 再提出、という順序です。
1.差戻し理由を見きわめる
まず、通知記事や添付された資料から指摘内容を読み解きます。差戻し理由には、車両情報、経路、申請区分、添付資料などさまざまなものがあります。
内容が具体的であれば、その箇所を直して再提出できます。どの数値を修正するのか判断がつかない、どの道路について資料を追加すべきか分からないといった場合は、大きく申請内容を変える前に申請先へ問い合わせた方がよいこともあります。
2.申請データを修正する
差戻し理由が分かったら、申請支援システムで該当箇所を修正します。ここで区別しておきたいのが、申請データと到達確認シートです。
到達確認シートそのものへ車両情報や経路を入力して直すわけではありません。申請データを訂正し、再提出時に差戻された申請に対応する到達確認シートを指定する、という関係になります。
車両情報の指摘であれば、車検証やメーカー資料などと申請データを改めて突き合わせます。オンライン申請時の車検証情報が一致しない場合は、特車申請の車検証照合エラーも原因の切り分けに使えます。
3.必要な添付資料を追加・差し替える
差戻し理由が添付資料に関するものであれば、必要な資料を用意します。車両関係であれば、車検証やメーカー諸元表、車両図面などを見きわめます。
未収録道路が経路に含まれている場合には、正式な路線名や経路を特定する付近図などについて、追加の確認を求められることがあります。特車申請の必要書類は申請区分や車種によって異なるため、差戻し理由に沿った資料を加えます。未収録区間について指摘された場合は、路線名や接続位置もあわせて押さえておきましょう。
4.到達確認シートを指定して再提出する
申請データと添付資料の修正が終わったら、差戻された申請に対応する到達確認シートを指定して再提出します。再提出された申請には、新しい到達番号が付与されます。
元の差戻し申請と同じ到達番号のまま審査が再開する仕組みではありません。再提出後は、新しく付与された到達番号を使って申請状況を確認する流れになります。
1.通知記事を確認
差戻し理由と添付資料を確認します。
2.申請データを修正
車両情報・経路・申請区分などを訂正します。
3.必要資料を追加・差替え
指摘内容に応じて添付資料を整えます。
4.到達確認シートを指定して再提出
差戻された申請に対応する到達確認シートを使用します。
新しい到達番号で状況確認
再提出後は新しく付与された到達番号を使います。
再提出できるのは「正常受付」の申請
差戻しになっていても、すべての申請を同じ方法で訂正・再提出できるとは限りません。現在のオンライン申請システムの操作マニュアルでは、申請状況が「審査終了/差し戻し」または「手続終了/差し戻し」で、受付結果が「正常受付」となっている申請について、差戻し内容を訂正して再提出できるとされています。受付結果がそれ以外の場合は、この手順を利用できません。
システム上の状態が分かりにくいときは、差戻し理由だけでなく申請状況と受付結果もあわせて押さえておいてください。
「審査終了/差し戻し」または「手続終了/差し戻し」
訂正・再提出できる
この再提出手順は利用できない
到達確認シートとは
到達確認シートは、オンラインで送信した申請データが受付システムへ到達した結果などを示すものです。差戻し後の再提出では、元の申請と修正後の申請を関連付けるため、この到達確認シートを使用します。
差戻しを受けた後にゼロから新規データを作り直すのではなく、まず差戻し申請の再提出手順を確認するのが基本です。ただし、車両や経路そのものを大きく変更する必要が生じた場合は、単純な差戻し修正ではなく、申請内容を組み直した方がよいケースもあります。
差戻しになりやすい原因は大きく4つ
差戻しの理由は案件によって異なりますが、車両、経路、添付資料、申請区分の4つに分けると見通しがつきやすくなります。
車両情報が資料と一致していない
車検証やメーカー資料と申請データの内容が一致していないケースです。特に、車両番号、型式、車台番号、車両重量、最大積載量、軸重、車両寸法などは、入力時に押さえておきたい項目です。
連結車では、トラクタとトレーラのどちらの数値を入力する欄なのか、連結状態の数値なのかも見分ける必要があります。車両入力で起こりやすいミスは、特車申請で差戻しになる入力ミス9項目でまとめています。
経路が正しくつながっていない
経路の不連続や進行方向の誤りも、差戻しにつながります。一方通行を逆向きに設定していたり、中央分離帯がある道路で往路をそのまま復路として使っていたり、出発地・目的地まで経路がつながっていなかったりするケースです。
未収録道路がある場合は、正式な路線名や収録道路との接続位置についても確認を求められます。
添付資料が不足している
申請内容によって必要となる資料が不足している場合もあります。車両諸元を確認する資料、未収録道路を特定する資料、超寸法車両について必要となる図面など、求められる資料は申請内容に応じて変わります。
ファイルを何か添付してあるかではなく、道路管理者が申請内容を判断できる資料になっているかが重要です。
新規・更新・変更の申請区分が合っていない
申請区分の選択が現在の許可内容と合っていない場合も、差戻しの原因になります。たとえば、すでに許可期限が切れているものを更新申請として処理することはできません。
現在の許可内容を変えずに期間だけ延長する場合は特車の更新申請、車両や経路などを変更する場合は特車の変更申請に該当するかを見きわめます。オンライン申請システムの操作マニュアルでも、2026年3月の改定で更新申請は既存の許可内容を前提に許可期間のみを更新する手続きであると明確にされています。
差戻し原因の細かなチェックは別記事に分ける
このページの役割は、差戻しを受けた後の対応です。申請前にチェックできる、経路の不連続、往復経路、車両諸元、車検証入力、連結車、包括申請などの具体的なミスは、特車申請で差戻しになる入力ミス9項目に譲ります。
すでに差戻し通知が来ている場合は、まず今回の通知記事に書かれた内容を直し、再提出前の最終確認として入力ミスの記事を使う流れが分かりやすいでしょう。
指摘された箇所以外も再提出前に見直す
差戻し理由が1か所だけであっても、再提出する前に申請全体を軽く見直しておく方が手戻りを減らせます。たとえば車両重量の修正を求められた場合でも、同じ車両の軸重や最大積載量、車検証情報にほかの不一致がないかを押さえておきます。
経路の指摘であれば、修正する一区間だけでなく、往路・復路、出発地・目的地との接続もあわせて見ておきましょう。一度再提出した後に別の不備が見つかると、さらに審査に時間がかかりかねません。
差戻し理由が分からない場合は申請先へ問い合わせる
通知記事を読んでも、具体的な修正内容が分からないことがあります。その場合は、到達番号と通知記事の内容を整理したうえで申請先へ問い合わせます。
どの車両の数値なのか分からない、どの道路の経路修正なのか分からない、添付すべき資料を特定できないといった場合は、推測で申請内容を大きく変えると、かえって手戻りが増えてしまいます。申請先から指摘内容を特定してから修正を進めた方が確実です。
再提出後は新しい到達番号で審査状況を把握する
修正して再提出した後は、新しい到達番号を使って審査状況を確認します。再提出後の審査では、申請内容によって道路管理者との協議など、追加の審査が発生する場合があります。
差戻しを直したからといって、すぐに許可証が交付されるとは限りません。未収録道路や個別協議がある経路では、その後の審査にも時間がかかります。特車申請の審査期間も踏まえ、運行日が決まっている案件では再提出を後回しにしないようにしてください。
よくある質問
- 特車申請が差戻されたら最初に何をすればよいですか?
-
オンライン申請システムへログインし、申請状況詳細画面の「通知記事」から差戻し理由を把握します。添付ファイルがある場合は、その内容も見たうえで修正箇所を組み立てます。
- 差戻されたら最初から申請を作り直しますか?
-
通常は、差戻された申請を訂正して再提出する手順を使います。修正した申請データと、差戻された申請に対応する到達確認シートを使って再提出します。
- どの差戻し申請でも再提出できますか?
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現在の操作マニュアルでは、申請状況が「審査終了/差し戻し」または「手続終了/差し戻し」で、受付結果が「正常受付」の場合に訂正・再提出できます。
- 到達確認シートそのものを修正するのですか?
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到達確認シートを編集するわけではありません。申請データを直し、再提出時に差戻された申請の到達確認シートを指定します。
- 再提出すると到達番号は変わりますか?
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変わります。再提出された申請には新しい到達番号が付与され、差戻された申請とは別の申請として扱われます。
- 差戻しと不許可は同じですか?
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異なります。差戻しは審査途中で修正や追加確認を求められるものです。不許可との違いや不許可後の対応は、特車申請の差戻し・不許可で取り上げています。
- 差戻しになると何週間遅れますか?
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一律には決まりません。修正にかかる時間、再提出後の審査、個別協議の有無などによって変わります。差戻し理由を把握したら、できるだけ早く修正・再提出することが重要です。
まとめ
特車申請が差戻された場合は、まずオンライン申請システムの通知記事で理由を把握します。そのうえで、差戻し理由の把握 → 申請データの修正 → 必要資料の追加・差替え → 到達確認シートの指定 → 再提出、という順番で進めます。
再提出すると新しい到達番号が付与されるため、その後は新しい番号を使って審査状況を確認する流れになります。また、現在のオンライン申請では、申請状況が差戻しになっていても、受付結果が「正常受付」以外の場合は通常の訂正・再提出手順を利用できません。差戻し理由だけでなく、申請状況と受付結果もあわせて押さえておきましょう。
特車申請の制度・手続き・車種別対応は、特殊車両通行許可申請ガイドにまとめています。
特車申請の差戻し対応でお困りならご相談ください
当事務所では、差戻し理由と現在の申請データを照らし合わせたうえで、特殊車両通行許可の申請代行を行っています。車両情報や経路のどこを直せばよいか判断がつかない場合や、未収録道路・追加資料を含む差戻しへの対応でお困りの場合も、ご相談ください。

