高さ4.0mの車両が特車申請の対象になるかどうかは、通る道路が高さ指定道路に入っているかで変わります。一般の道路では高さの上限が3.8mなので、そのままでは0.2m超えてしまいます。
高さ指定道路だけを通るなら、高さを理由にした特車申請は原則として不要です。経路を組むときに見落としやすいのが、高速道路を降りてから工場や倉庫に入るまでの区間です。幹線道路が指定区間でも、搬入先の手前まで指定が続いているとは限りません。
新規格車や40ft背高海上コンテナ車には、重さ指定道路や許可不要区間といった別の制度もかかわってきます。高さ指定道路と取り違えないよう注意してください。
高さ指定道路とは
車両の高さの一般的制限値は、原則として3.8mです。しかし、道路の構造や交通の安全に支障がないとして道路管理者が指定した区間では、この上限が4.1mまで引き上げられます。この指定を受けた区間が、高さ指定道路です。
| 道路の区分 | 高さの上限 |
|---|---|
| 一般の道路 | 3.8m |
| 高さ指定道路 | 4.1m |
高さは、実際に公道を走る状態で測ります。荷物を積んでいれば、路面から積荷のいちばん高いところまでが対象です。建設機械を運ぶ場合も、機械単体の寸法ではなく、荷台に載せたときの高さを使ってください。
4.1mを超える車両は、高さ指定道路でも制限値を超えるため、特車許可などの手続きが必要です。ただ、申請を出せば必ず通れるとは限りません。高架橋やトンネルの高さによっては、別の経路を選ぶことになります。
4.1m以内でも特車申請が必要なケース
指定によって変わるのは、高さの上限だけです。幅・長さ・総重量・軸重などは、それぞれの制限値や道路の指定に応じて別に判断します。
たとえば、高さ4.0m・幅3.0mの車両で高さ指定道路を通るケース。高さは4.1mに収まっていても、幅は上限の2.5mを0.5m超えています。この場合は、幅の超過について特車申請が必要です。
高さとあわせて、次の項目も一つずつ当てはめていきましょう。
- 幅・長さが、通る道路の制限内に収まっているか
- 総重量が、道路や車両ごとの基準を超えていないか
- 軸重・輪荷重・隣接軸重が上限内か
経路上に、個別の高さ制限や重量制限の標識が出ている区間がないかも事前に調べておきます。現地で通行規制が出ていれば、高さ指定道路であってもその規制に従ってください。
高さ指定道路の調べ方
どの区間が指定されているかは、公開情報で調べられます。調べ先は、特車ポータルサイトや道路データプラットフォームの「重さ・高さ指定道路」のページです。
出発地から搬入先まで区間ごとにたどる
最初に、使うインターチェンジと幹線道路、搬入先の入口を決めます。そこから、予定経路の各区間が指定に含まれているかを順に追っていく流れです。
国道や県道といった道路の種類だけでは、指定の有無は分かりません。同じ路線でも、区間ごとに指定されているかどうかが変わるためです。
抜けが出やすいのは、次の3つの区間です。
- 車庫から幹線道路に出るまで
- インターチェンジから工場・倉庫まで
- 幹線道路から建設現場の入口まで
道路名だけで区間を絞れないときは、交差点名や住所、搬入先の入口の位置を地図から拾います。
指定区間と高さ制限を別に調べる
高架橋などの上空障害物や個別の高さ制限も、指定の有無とは別に調べてください。道路情報便覧表示システムを使えば、便覧に登録された道路の情報を参照できます。便覧に載っていない道路は未収録道路の扱いとなり、審査の流れも通常とは異なるので注意が必要です。
公開情報だけでは指定状況がはっきりしない区間や、現地の状況と食い違う区間は、その道路の管理者へ問い合わせます。その際は、道路名・通行区間・車両の高さの3点を伝えましょう。
標識が見当たらないからといって、未指定と決めつけるのは避けてください。指定の有無は公開情報で判断し、工事などによる一時的な規制は現地の情報として別に押さえておきます。
特車申請は、車両の高さだけでなく、車庫から搬入先まで高さ指定道路が続いているかを調べる作業にも手間がかかります。当事務所では、車両・経路の確認から、申請書類の作成・申請後の補正対応まで代行します。
途中に指定外の区間がある場合
3.8mを超える車両で注意したいのが、搬入先まで高さ指定道路が途切れずに続いているかどうか。
高さ4.0mの車両で工場へ向かう経路を例にとります。幹線道路を離れた後、最後の500mだけ指定のない市道を通る形です。幹線道路では基準内でも、その市道では3.8mの上限を0.2m超えてしまいます。
この場合は、その市道を含めた通行について特車の手続きが必要です。距離が短い、実際には車両が通れる、といった事情で手続きが不要になることはありません。
別の入口を選ぶと、高さ指定道路だけで搬入できることもあります。搬入先と相談しながら、申請する経路と実際に使う入口をそろえておきましょう。
まず出発区間から指定状況を確認します。
高速道路や幹線道路など、指定された区間を通行。
搬入先の手前だけ指定外になるケースがあります。
実際に使用する入口まで経路を合わせます。
新規格車と高さ4.1mの関係
新規格車は、長さ・幅・軸距などの条件を満たし、高速自動車国道や重さ指定道路で総重量20tを超えて通行できる車両です。重量の条件を満たしていても、高さまで4.1mが認められるとは限りません。重さは重さ指定道路、高さは高さ指定道路と、指定の種類そのものが違います。
2025年3月24日の通行許可システムの改良で、新規格車の車両高さの限度値が緩和されました。高さ3.8m超4.1m以下の新規格車でも、申請経路のすべてが高さ指定道路で完結していれば、申請データを作成できます。経路に1か所でも指定外の区間が入ると、この扱いは使えません。
重さ指定道路ではない区間を通るなら、高さの条件を満たしていても重量について許可が必要です。申請データを作成できても、許可が下りるかどうかは車両と道路の条件に応じた審査次第となります。
高さ3.8m超4.1m以下の新規格車
40ft背高海上コンテナ車は高さ指定道路なら許可不要?
40ft背高海上コンテナは、高さ9フィート6インチのコンテナです。トレーラに積むと車両全体の高さが約4.1mになるため、経路を決めるうえでは高さ指定道路かどうかが焦点です。実際の全高は、使うシャーシによって前後します。
とはいえ、背高コンテナ車にも長さや重量の制限はかかったまま。高さ指定道路を通るという理由だけでは、特車許可は不要になりません。
これとは別に、重要物流道路のうち道路管理者が指定した区間には、一定の国際海上コンテナ車を対象にした「特殊車両通行許可不要区間」が設けられています。使えるのは、対象車両の寸法・重量、通行区間、ETC2.0車載器、携行書類などの条件をすべて満たした場合だけです。
| 区分 | 判断のポイント |
|---|---|
| 高さ指定道路 | 高さ4.1mまでの基準が適用される区間か |
| 40ft背高コンテナ車の許可不要区間 | 対象車両・通行区間・装備・書類の条件を満たすか |
この許可不要区間と高さ指定道路は、まったく別の制度です。コンテナを降ろした後も車両の長さなどの制限は残るため、回送時の経路も別に考えておきましょう。
よくある質問
- 高さ3.8mを超えたら、必ず特車申請が必要ですか?
-
経路のすべてが高さ指定道路であれば、3.8m超4.1m以下という高さだけを理由にした申請は不要です。幅・長さ・重量のどれかが制限を超える場合や、途中に指定外の区間が入る場合は、手続きが必要になります。
- 高さ4.1mちょうどの車両も対象ですか?
-
基準は4.1m以下なので、4.1mちょうども含まれます。積荷を載せた状態の高さで測り、ほかの寸法・重量や個別の通行制限も守ってください。
- 高さ指定道路は標識で分かりますか?
-
標識だけで指定の有無を判断するのは避けてください。公開されている指定道路情報と予定経路を照らし合わせ、不明な区間は道路管理者に問い合わせます。
- 高さ指定道路は標識で分かりますか?
-
標識だけで判断するのは避けましょう。公開されている指定道路の情報と予定経路を照らし合わせ、はっきりしない区間は道路管理者に問い合わせます。
- 新規格車なら、高さ4.1mでどの道路でも申請できますか?
-
高さ3.8m超4.1m以下の新規格車で申請データを作れるのは、申請経路のすべてが高さ指定道路で完結する場合に限られます。指定外の区間を含む経路では、この扱いは使えません。
- 高さ4.1mを超える車両は通行できませんか?
-
指定道路でも制限値を超えるので、特車許可などの手続きが必要です。上空障害物や道路の構造によっては許可が下りないため、車両の高さと予定経路をもとに通れるルートを探すことになります。
まとめ
高さ指定道路では、車両の高さの上限が3.8mから4.1mに引き上げられます。変わるのは高さだけなので、幅・長さ・重量は、それぞれの制限値や道路の指定に沿って別に考えてください。4.1mを超える車両は、指定道路であっても特車許可が必要です。
経路を組むときは、高速道路や幹線道路だけでなく、車庫を出てすぐの区間と搬入先の入口まで、指定が続いているかを押さえておきましょう。新規格車の高さの扱いと40ft背高コンテナ車の許可不要区間は、どちらも高さ指定道路とは別の制度です。
特車申請の制度・手続き・車種別対応は、特殊車両通行許可申請ガイドにまとめています。
特車申請でお困りならご相談ください
「目的地の手前に指定外の区間がある」「新規格車や背高コンテナ車の申請方法が分からない」と迷った段階で、ご相談ください。積載時の高さや重量、搬入先までの指定区間を洗い出したうえで、申請書類の作成から補正対応まで当事務所が代行します。

