新規格車(増トン車)の走行ルール|許可不要区間とラストワンマイルの注意点

新規格車(増トン車)と特殊車両通行許可の関係を解説するイメージ

新規格車の特例は、高速自動車国道と重さ指定道路の上だけで有効です。インターを降りた先が指定道路でなければ、そこから先は特車申請なしに走れません。距離の長短は関係なく、数百メートルの市道でも同じです。

確認制度で対応しようとしても、工場・倉庫に接続する細い市道はシステムの収録対象外になるケースが多く、回答書が出ません。未収録道路を含む経路に従来型の特車申請(個別審査)が必要で、審査期間は通常3週間程度かかります。

目次

新規格車とは

道路法は、公道を走れる車両の寸法・重量に一般的制限値を定めています。総重量20トン、高さ3.8メートルがその上限です。これを超える車両は特殊車両として扱われ、道路管理者の許可なしには走れません。

新規格車は、一定の条件下でこの制限値を超えることを認められた車両区分です。高速自動車国道や重さ指定道路は強固な構造を持つため、これらの道路に限って重量の上乗せが認められています。

正規購入で車検を通った車両であっても、総重量が制限値を超えた状態では特殊車両として扱われます。新規格車はどの道路でも自由に走れる区分ではなく、走れる道路の種別が法令で決まっています。

自車が新規格車かどうかは、フロントガラスの緑色ステッカー(適合証標)または車検証備考欄の「高速道路等走行時25t」という記載で確認できます。

総重量の上限はホイールベースで決まる

車種最遠軸距(d)総重量上限
単車(トラック等)d < 5.5m20.0t
単車(トラック等)5.5m ≦ d < 7.0m22.0t
単車(トラック等)7.0m ≦ d25.0t
特例8車種(セミトレーラ)8.0m ≦ d < 9.0m24.0t〜25.0t
特例8車種(セミトレーラ)9.0m ≦ d25.5t〜26.0t

特例8車種とは、バン型・タンク型・幌枠型・コンテナ用・自動車運搬用の基本5車種に、あおり型・スタンション型・船底型の3車種を加えたセミトレーラの総称です。

軸距5.5m未満の単車には緩和が適用されず、上限は一般の大型車と同じ20トンです。積載量を決める前に、車検証で軸距を確認してください。

許可なしで走れるのは2種類の道路のみ

許可なしで走れるのは2種類の道路のみ

新規格車が申請なしに走れる道路は、高速自動車国道と重さ指定道路の2種類です。

重さ指定道路は道路管理者が指定した主要幹線道路で、大型車の通行に対応した構造を持っています。ただし「指定道路ならどこでも25トンで走れる」も正確ではなく、交差点形状や橋梁の条件によって25t緩和が適用されない区間があります。

それ以外の道路、市町村道や未指定の県道は、距離が数百メートルであっても特殊車両通行許可が必要です。

ラストワンマイルで無許可運行になる仕組み

インターを降りてから配送先までの市道で取り締まりを受ける事例が出ています。高速道路上は問題なくても、インターを出た先が重さ指定道路でなければ、その区間は無許可状態での走行です。

特殊車両通行確認制度で解決しようとしても、工場・倉庫に接続する細い市道は未収録道路になることが多く、システム上で経路が繋がりません。

その場合は従来型の特車申請(個別審査)に切り替えることになり、審査には通常3週間程度かかります。「明日から走りたい」では間に合いません。

確認制度の利用には業務支援用ETC2.0車載器の登録が必要です。消費者向けETC2.0は対象外です。

新規格車の走行区間と許可の要否
出発地
(高速道路)
許可不要
高速自動車国道
重さ指定道路
許可不要
IC降車後
未指定の市道
許可必要
配送先
(工場・倉庫)
許可必要
確認制度はデジタル地図に収録された道路のみ対応。工場・倉庫前の細い市道(未収録道路)は確認制度では通行できないため、従来型の特車許可申請(個別審査)が必要になります。

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2025年3月:高さ4.1m車両の走行ルートが拡大

2025年3月24日のシステム改修で、高さに関する緩和が追加されました。

改修前は、車高3.8メートルを超える背高車両(背高海上コンテナ積載トレーラなど)について、システムが通行不可または誘導車必要の判定を出すことがありました。改修後は、申請する全区間が高さ指定道路であれば、高さ3.8m超〜4.1m以下の新規格車でも許可が出ます。

ワッペンの表示と罰則

適合証標の貼付と書類携帯

新規格車の特例を受けるには、車両前面の見やすい位置に適合証標(丸いワッペン)の貼付が必要です。未貼付では、検問で通常の重量超過車両として扱われます。

高速道路と重さ指定道路のみを走る場合、特車許可証の携帯は不要ですが、新規格車であることを証明できる書類(車検証等)は携行します。未指定道路を含む経路では、許可証または確認制度の回答書の携帯が必須です。スマートフォン画面での電子提示も認められています。

違反時のペナルティ

無許可通行が発覚した場合、通行中止または積荷軽減の措置命令が出ます。悪質な違反には100万円以下の罰金(道路法第104条)が科され、事業主や荷主にも責任が及ぶ両罰規定が適用されます。

2025年6月施行の法改正で、道路管理者の命令違反や特定構造物への強行通過には6ヶ月以下の拘禁刑(または30万円以下の罰金)が新設されています。違反が事業停止・許可取消まで発展したケースについては特殊車両違反の告発と許可取消で解説しています。

まとめ

配車を組む前に、インターを出てから配送先までの経路にどの種別の道路が含まれるかを確認します。高速道路と重さ指定道路だけで完結する経路なら申請は不要です。一本でも未指定の市道が入れば、その区間の許可が必要になります。

確認制度を使う場合は、その市道がシステムに収録されているかどうかを先に確かめてください。未収録であれば回答書は出ず、個別審査の申請に切り替えて審査期間3週間を見込んで動くことになります。

特車申請の制度・手続き・車種別対応の全体像は特殊車両通行許可申請ガイドにまとめています。

特車申請のご相談・お見積もりはお気軽にお問い合わせください。

年中無休 9:00〜19:00

よくある質問

自社のトラックが新規格車かどうかはどう確認しますか?

フロントガラスの緑色ステッカー(適合証標)の有無、または車検証備考欄の「高速道路等走行時25t」という記載で判断できます。記載内容が不明な場合は、購入したディーラーに確認するのが確実です。

新規格車なら総重量25tまで積めますか?

軸距によって異なります。軸距5.5m未満の単車は緩和が適用されず、上限は20トンのままです。車検証で軸距を確認してから積載量を決めてください。

インターを降りてから配送先までの市道は確認制度で対応できますか?

道路がデジタル地図に収録されていれば確認制度で即時回答を得られます。工場・倉庫に接続する細い市道は未収録になるケースが多く、その場合は従来の特車許可申請(個別審査)が必要です。審査には3週間から数ヶ月かかります。

ワッペンを貼付しない状態で走るとどうなりますか?

新規格車の特例が認められず、通常の重量超過車両として扱われます。適合証標の貼付は特例適用の条件です。

違反した場合の罰則はどの程度ですか?

道路法第104条に基づき100万円以下の罰金が科されます。事業主や荷主に責任が及ぶ両罰規定もあります。2025年6月施行の法改正で悪質な違反には6ヶ月以下の拘禁刑も新設されています。

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