中古カメラ・レンズ販売に古物商許可は必要?品目と本人確認の基本

中古カメラや交換レンズを仕入れて、繰り返し販売するなら古物商許可が必要です。店頭での販売に限らず、ネットショップやフリマアプリ、オークションで売る形も対象に入ります。

申請で選ぶ品目は、カメラ本体も交換レンズも「写真機類」です。開業までには、買取での本人確認や古物台帳への記録、仕入れた商品を1点ずつ見分ける記録の手順も用意しましょう。

目次

自分のカメラを売るだけなら許可はいらない

自分で使っていたカメラやレンズを手放すだけなら、古物商許可はいりません。許可がいるかどうかは、カメラやレンズを手に入れた目的と、その後の売り方で分かれます。

取引の内容古物商許可
趣味で使っていたカメラを買い替えのために売る通常はいらない
自分で使うつもりで買ったレンズを、使わないまま売る通常はいらない
中古カメラ店で仕入れて、別の販売サイトで売る必要
個人からカメラやレンズを買い取って売る必要
中古カメラを仕入れて整備し、販売する必要
国内で仕入れた中古カメラを海外の購入者へ売る必要

カメラが好きで始めた副業でも、売るために中古品を仕入れているなら許可が必要です。販売先が海外の購入者でも、国内で仕入れる部分には古物営業法の決まりが当てはまります。

未使用のカメラやレンズでも、一般の人が自分で使うつもりで買い、そのあと手放した物は古物にあたります。

カメラ本体も交換レンズも「写真機類」で申請する

中古カメラや交換レンズを扱う営業所では、取り扱う品目として「写真機類」を選びます。交換レンズだけを仕入れて売る形でも、品目は同じです。

取り扱う商品品目の区分
デジタルカメラ写真機類
フィルムカメラ写真機類
交換レンズ写真機類
ビデオカメラ写真機類
双眼鏡・望遠鏡写真機類
中古パソコン事務機器類
写真集・カメラ雑誌書籍

カメラバッグや三脚、照明器具などの周辺品は、単体で仕入れると写真機類に入らないものもあります。開業前に扱う予定の商品を書き出し、古物商許可の13品目のどれに入るかを当てはめておきましょう。中古パソコンや写真集もあわせて扱うなら、その品目も申請書に加えてください。

ネット販売でも営業所と管理者が必要

ネットだけで中古カメラを売る形でも、営業所を決め、営業所ごとに管理者を置きます。来店用の店舗を借りなくてよく、自宅を営業所として申請できることもあります。

自宅を営業所にするなら、賃貸借契約書やマンションの管理規約で、事業に使えるかを読んでおいてください。商品の保管場所や帳簿類を管理する場所、検品・梱包をする場所も申請前に決めておくと、開業後の管理が楽になります。

管理者には、その営業所で実際に管理の仕事ができる人を選びます。個人事業主として申請するなら、申請者本人が管理者を兼ねても構いません。

自社のネットショップで取引するなら、そのサイトのURLを許可申請書で届け出ます。フリマアプリやモールの出品ページを届け出るかどうかは、警察の公式の案内に書かれていません。一方で、メルカリShopsのように、届出に使うショップのURLや資料を運営会社が案内しているサービスもあります。利用するサービスの案内を読み、申請先の警察署に事前に相談してください。

販売に使うサイトには、氏名(法人は名称)・許可をした公安委員会の名称・12桁の許可証番号を、取り扱う品物の情報とあわせて表示します。

仕入れ準備と許可申請でお困りなら

中古カメラの仕入れ先と販売サイトを決める時点で、営業所と申請書類の準備を並行して始めることになります。自宅を営業所にできるか、周辺品をどの品目で申請するかも含めて、当事務所へご相談ください。

買取の本人確認は同じ取引の合計額で決まる

一般の人から中古カメラやレンズを買い取るときは、合計額が税抜1万円以上なら本人確認と古物台帳への記録が必要です。1万円の基準は商品1点ごとの金額でなく、一度に持ち込まれた品物の合計で判断します。

たとえば同じ人からカメラ本体を7,000円、レンズを6,000円で同時に買い取ると、合計は13,000円です。どちらも税抜の金額なら、本人確認と記録をする取引に入ります。

同じ人から同時に買い取る場合

カメラ本体

7,000円

+

交換レンズ

6,000円

1回の取引の買取合計(税抜)

13,000円

税抜1万円以上

本人確認+古物台帳への記録が必要

1点ごとではなく、一度に持ち込まれた品物の合計で判断

書籍(写真集・カメラ雑誌)は1万円未満でも対象

写真集やカメラ雑誌などの書籍は、1万円未満の買取でも本人確認と記録が必要な品目です。カメラと一緒に本も買い取るときは、金額にかかわらず本人確認をしてください。

本人確認では、相手の住所・氏名・職業・年齢について、身分証明書の提示を受けるなど法令で決められた方法をとります。宅配買取やネットでの仕入れでは、身分証明書の画像を送ってもらうだけでは足りません。顔を合わせない取引の手順は、仕入れを始める前に用意しておきましょう。

製造番号は本体とレンズで別々に控える

仕入れたカメラや交換レンズは、本体とレンズそれぞれの製造番号を控えてください。同じメーカー・型番でも1台ずつ状態が違うため、在庫の管理や販売後の問い合わせへの対応に使えます。

本体とレンズをセットで買い取ったときも、製造番号はそれぞれ記録してください。セット全体の管理番号にひも付けておけば、仕入れの記録と在庫を照らし合わせるときに役立ちます。

対象記録しておく内容の例
カメラ本体メーカー、型番、色、製造番号、数量
交換レンズメーカー、製品名、焦点距離などの仕様、製造番号
付属品バッテリー、充電器、キャップ、フード、元箱など
状態外観の傷やスレ、試した動作、不具合、試していない機能

表の項目は、商品を見分けて在庫管理や販売の説明に使うための記録例です。古物台帳に書く項目(取引年月日・品目と数量・古物の特徴・相手方の情報・本人確認の方法)とは分けて管理してください。

製造番号が削られている、持ち込んだいきさつが不自然といった盗品の疑いがあるときは、買取を進めずにすぐ警察官へ申告します。

動作は試した範囲を商品説明に書く

販売前の動作チェックでは、どの機能を試したかを記録し、その範囲を商品説明に載せます。「動作品」とだけ書かず、シャッターやAF、液晶など実際に試した項目を挙げてください。

デジタルカメラなら、たとえば次の項目です。

  • 電源が入り、正常に起動するか
  • シャッターが切れるか
  • 撮った画像を保存・再生できるか
  • 液晶表示やファインダーの状態
  • オートフォーカスの動き
  • レンズのズームや絞りの動き
  • レンズの着脱

フィルムを入れた撮影テストをしていないときは、そのことも商品説明に書きます。対応するボディがなく、動作を試せないレンズも同じです。修理歴や交換した部品も、分かる範囲で記録しておけば販売時の説明に使えます。

デジタルカメラは、メモリーカードや内蔵メモリーに前の持ち主の写真が残っていないかも調べてください。残っていれば、販売前に消去や初期化をします。「ジャンク品」「現状品」として出す商品も、見つかった不具合や欠品、試していない機能を具体的に書きましょう。

よくある質問

知人のカメラを預かって、代わりに販売するだけでも許可は必要ですか?

手数料を受け取って繰り返し販売するなら必要です。他人の委託を受けて古物を売買する営業も、古物営業に入ります。報酬を受け取らずに一度だけ手伝う形なら、営利を目的とした営業にはあたりません。

修理の依頼でカメラを預かるだけなら、許可はいりませんか?

修理のために預かって持ち主に返すだけなら、古物の売買にあたらないため、許可がなくても受けられます。壊れたカメラを買い取って直して売る営業も始めるなら、先に古物商許可を取ってください。

中古カメラの即売会やフェアに出店して販売できますか?

できます。許可申請書の行商欄(営業所の外で古物を扱うかどうかを示す項目)で「する」を選べば、即売会でも販売できます。会場でお客様からカメラを買い取るなら、営業する日の3日前までに仮設店舗営業届出も必要です。古物商本人は許可証を、従業員は行商従業者証を持って取引にあたります。

買い取ったカメラが盗品だと分かったら、どうなりますか?

盗まれた時から1年以内なら、被害者は古物商に無償での返還を求められます。代金を払って買い取った商品でも、この求めに応じることになります。

海外で買い付けたカメラを国内で販売するにも、許可は必要ですか?

自分で海外へ行って買ってきたカメラを売るだけなら、古物商許可の対象から外れます。国内の輸入業者が輸入したカメラを買って売るなら、国内での仕入れになるため許可が必要です。海外と国内の両方から仕入れるときは、商品ごとに仕入れ先を記録しておきましょう。

まとめ

販売用に中古カメラや交換レンズを仕入れて繰り返し売るなら、古物商許可が必要です。自分の持ち物を手放すだけなら許可はいらず、申請するときの品目は本体もレンズも「写真機類」です。中古パソコンや写真集も扱うなら、それぞれの品目を加えます。ネット販売だけでも営業所と管理者を置き、自社サイトで取引するならURLの届出とサイト上の表示も用意してください。

買取では、同じ取引の合計が税抜1万円以上なら本人確認と台帳への記録が必要で、書籍は金額にかかわらず対象です。本体とレンズの製造番号や付属品、試した動作を仕入れ時に記録しておけば、在庫の管理と販売時の説明に使えます。申請書類の準備から警察署への提出までの流れは、古物商許可を自分で申請する手順にまとめています。

参考資料・公式情報

本記事は、以下の公的機関・法令の情報を参考に作成しています。

古物商許可の申請でお困りならご相談ください

「レンズや周辺品まで、どの品目で申請すればよいのか」と迷った段階で、ご相談ください。判断だけのご相談でも受け付けています。

古物商許可が必要な場合は、取り扱う品目の選び方から申請書類の作成、警察署への提出まで、リユース業界で10年以上、買取の実務に携わってきた行政書士がサポートします。

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