古本の販売に古物商許可は必要?少額買取の本人確認と台帳の書き方

古本を仕入れて繰り返し売るなら、古物商許可が必要です。店舗を持たず、自宅からネットで売る形でも変わりません。

自分で読むために買った本を、読み終えて手放すだけなら許可は不要です。処分のために売るのか、仕入れて売るのかで答えが分かれます。

この記事では、許可が必要になる取引と申請する品目、古本を買い取るときの本人確認と古物台帳の書き方を扱います。

目次

許可がいらない古本の売り方

自分の本を処分するために売るなら、古物商許可は必要ありません。許可の対象は、古物を買い取って売る、または預かって売るといった営業です。

フリマアプリに蔵書をまとめて出品する形も同じ答えになります。冊数が多くても、自分の物を手放しているだけなら許可の対象外です。

処分のつもりで始めても、売れたお金で別の古本を買い足して売るようになれば、仕入れて売る営業に変わります。出品する本の出どころが自分の蔵書から仕入れ品に移った時点で、許可を取りましょう。

許可が必要になる取引

売るために古本を仕入れる取引は、仕入れ先や規模にかかわらず許可が必要です。

取引の内容許可理由
古書店やオークションで中古本を仕入れて継続して売る必要再販売して利益を得る目的で買い受けているため
個人から古本を買い取ってネットで売る必要一般の人から古物を買い取って転売しているため
他人から古本を預かり、売れたら手数料を受け取る必要委託を受けて古物を売る営業にあたるため

古書店やリサイクルショップのように許可を持つ業者から仕入れるせどりも、この取引に入ります。仕入れ先が許可を持っていても、その本を売る自分自身の許可が別に必要です。

副業だから、月に数冊しか売らないから、という理由で許可が不要になる例外もありません。営利目的で繰り返し売れば、副業や内職でも営業にあたります。

在庫を買い取らずに本を預かって出品し、売れたあとに手数料を引いて精算する委託販売も同じです。事業として続けるなら、古物営業法の対象に入ります。

申請する品目は「書籍」

申請書の品目は、古本なら「書籍」を選びます。本と一緒にCDやゲームも買い取るなら、その品目も加えてください。

扱う品物品目
単行本、文庫本、雑誌、コミック、楽譜集書籍
音楽CD、映画DVD、ゲームソフト道具類
家庭用ゲーム機本体、ポータブルゲーム機本体機械工具類

付録付きの雑誌やCD付きの語学書のように、どの品目に入るか迷う品物もあります。こうした品物は、申請先の警察署に事前に相談してください。

自宅で始めるときの営業所

店舗を持たないネット販売なら、条件を満たせば自宅を営業所にして申請できます。条件は、自宅を古物営業の拠点として実際に使えることです。

賃貸住宅なら、賃貸借契約や管理規約(マンションの住まい方を決めたルール)で事業に使えるかを事前に読んでおきましょう。使用承諾書などを求められたときは、申請先の警察署の案内に従ってください。

郵便物の受け取りや住所の利用だけを目的にしたバーチャルオフィスは、営業所の実態を満たさないことがあります。

自社サイトで古本を売るなら、そのサイトのURLの届出が必要です。許可申請書に書くか、許可後に作ったサイトなら変更届で出します。フリマアプリやモールの販売ページは、届出が必要かどうかが公式の案内に書かれていません。申請先の警察署に事前に相談してください。

古本の仕入れと許可申請でお困りなら

古本の仕入れ販売を始めるなら、営業所の準備と古物商許可の申請を進める必要があります。自宅を営業所にできるか、CDやゲームの品目も加えるかなど、当事務所へご相談ください。

少額でも本人確認が必要

買取金額がいくら少なくても、古本は本人確認と台帳への記録が必要です。

古物営業法には、対価の総額が1万円未満の取引なら本人確認と記録を省ける決まりがあります。ところが書籍はこの例外から外されており、査定額が100円や50円でも省けません。

対面の買取で本人確認する項目は、相手の住所・氏名・職業・年齢の4つです。運転免許証やマイナンバーカードなどの身分証の提示を受け、住所・氏名・生年月日を照らし合わせます。

身分証に職業が書かれていないときは、買取申込書に書いてもらうか、口頭で聞き取りましょう。申込書に名前を書いてもらうだけでは、4項目の本人確認になりません。

段ボールで送ってもらう宅配買取では、施行規則で決められた非対面(顔を合わせない取引)の方法で本人確認をします。身分証の写真をメールやLINEで送ってもらうだけでは、この方法にあたりません。

使える方法の一つは、本人限定受取郵便で見積書や代金を送る方法です。身分証の写しを受け取り、転送不要の簡易書留の到達を確かめたうえで、本人名義の口座へ代金を振り込む方法もあります。専用のソフトで顔と身分証の画像を送ってもらう方法も使えます。

宅配買取を始める前に、使う方法と送料・手数料を含めた採算を決めておきましょう。1冊あたりの買取額が低い古本では、郵送の費用の割合が大きくなるためです。

古物台帳のまとめ記録

買取のたびに、古物台帳へ記録してください。記録する項目は次の5つです。

  • 取引の年月日
  • 古物の品目と数量
  • 古物の特徴
  • 相手の住所・氏名・職業・年齢
  • 本人確認の方法

書籍は、同じ相手から同時に買い取った分をまとめて記録できます。解釈運用基準で認められた書き方で、書名を1冊ずつ書かなくてもかまいません。記録の例は次のとおりです。

  • 文庫本:15冊
  • コミック単行本:20冊
  • 専門書:5冊

別々の相手から買い取った本は、合算して1件にできません。取引ごとに、相手の情報とひもづけて記録しましょう。

希少な初版本や高額な美術書、サイン本は、書名・著者名・出版社・発行年を1冊ずつ書いておきましょう。盗品の問い合わせがあったとき、どの本かすぐに特定できます。

本と一緒に買い取ったCDやDVDに、書籍のまとめ記録は使えません。CD・DVDは、原則として1品ごとに記録してください。

古物台帳は、紙なら最終の記載日から3年間、電子データなら記録した日から3年間の保存が必要です。

よくある質問

亡くなった家族の蔵書を売るときも許可は必要ですか?

必要ありません。相続や形見分けで受け取った本を売るのは、自分の物を手放す取引です。売るために他人の本を買い集めるようになった時点で、許可が必要になります。

無料で引き取った古本だけを売る場合も許可は必要ですか?

必要ありません。全く代金を払わずに譲り受けた本を売るだけなら、許可の対象外です。買い取りや交換、委託で相手に何らかの利益が出る本が混ざれば、許可を取ってください。

古本市やブックイベントに出店して売ることはできますか?

許可があれば販売できます。営業所の外での販売は行商(営業所の外での取引)にあたるため、許可申請書の行商欄で「する」を選びます。会場で一般の人から本を買い取るなら、営業する日の3日前までに仮設店舗の届出を出してください。

洋服で古物商許可を持っていれば、古本も売れますか?

売れます。許可は品目ごとに分かれていないため、今の許可のまま古本を扱えます。品目に「書籍」が入っていなければ、扱い始めた日から14日以内に変更届を出してください。手数料はかかりません。

ネットで古本を売るとき、許可番号の表示は必要ですか?

自社サイトなどホームページを使って売るなら必要です。氏名(法人は名称)、許可をした公安委員会の名称、12桁の許可証番号を、取り扱う品物の情報とあわせて表示します。

まとめ

古本を仕入れて繰り返し売るなら、店舗の有無にかかわらず古物商許可が必要です。自分の本を処分するだけなら不要ですが、古物商から仕入れるせどりや委託販売は許可の対象に入ります。申請では「書籍」を選び、CDやゲームも扱うなら道具類・機械工具類を加えましょう。

買取では、1万円未満の取引でも本人確認と台帳への記録を省けません。対面と宅配で本人確認の方法を分け、台帳は書籍のまとめ記録を使いながら3年間保存してください。申請の流れは古物商許可を自分で申請する手順にまとめています。

参考資料・公式情報

本記事は、以下の公的機関・法令の情報を参考に作成しています。

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