高さ指定道路4.1mとは?2026年新規格車の緩和ルール

コラム

新規格車なら重量は25tまで大丈夫。そう理解している運送会社は多いですが、高さ制限でつまずくケースが後を絶ちません。

高速道路では問題なく走れたのに、インターを降りて倉庫に向かう数キロの市道で「高さオーバー」になり、申請が通らない。背高コンテナを積んだトレーラが、港からコンテナヤードまでの間で通行できる道がない。

2025年3月、新規格車の高さに関する重要な規制緩和が行われました。この記事では、高さ指定道路の基本から、最新の緩和ルール、実務で使える確認方法、違反時のリスクまで、現場で必要な知識を解説します。

「3.8m」と「4.1m」高さ制限の2つのルール

原則は「3.8m」まで

道路法では、トンネルや歩道橋などの構造物を守るため、車両の高さの最高限度を3.8mと定めています。積載物を含めて、この高さを超えてはいけません。

つまり、日本のほとんどの道路では、車高3.8mが限界です。

「高さ指定道路」なら「4.1m」まで大丈夫

ただし、道路管理者が「この道路は構造上、背の高い車が通っても問題ない」と認めて指定した道路に限り、高さの制限値が4.1mに引き上げられます。

これを「高さ指定道路」と呼びます。主要な高速道路や国道の多くが、この指定を受けています。

標識で見分けられる

走行中の道路が高さ指定道路かどうかは、道路脇にある青色の標識で確認できます。

  • 「3.8m超」
  • 「4.1m」

これらの表示がある区間は、高さ4.1mまでの車両が通行可能です。

【2025年3月改正】新規格車の「高さ」の緩和

ここが今回の記事で最も重要なポイントです。

これまでの問題:新規格車は「高さ」で申請できなかった

新規格車は重量25tの恩恵を受けられる車両ですが、高さに関しては厳しい壁がありました。

具体的には、高さが3.8mを超える(4.1m以下)車両諸元を入力すると、システム上で「車高チェックエラー」となり、申請データの作成すらできないケースが多発していました。

背高コンテナなどを積載する新規格車は、この問題で申請に苦労していたのです。

改正後:指定道路のみなら「申請OK」に

2025年3月のシステム改修により、以下の条件を満たす場合、新規格車でも高さ4.1mまでの申請が可能になりました。

  • 対象車両: 高さ3.8m超 ~ 4.1m以下の新規格車
  • 条件: 申請する経路の「全区間」が高さ指定道路であること

これにより、特例8車種や背高海上コンテナ車と同様に、新規格車も高さ指定道路のネットワークをフル活用できるようになりました。

⚠️ 注意点:「ラストワンマイル」の落とし穴

しかし、システム改修後も以下の場合は「車高チェックエラー(通行不可)」となります。

  • NGパターン: 経路の中に一箇所でも「高さ指定道路以外の区間(未指定の市道など)」が含まれている場合

高速道路を降りてから倉庫までの数キロが「指定なし」の道路だった場合、そこは3.8m制限に戻るため、4.1mの車は申請を通せません。

「高速は通れるから大丈夫」と思っていると、インター出口から先で躓くケースが多発しています。ルート選定には、これまで以上の注意が必要です。

「背高海上コンテナ(High Cube)」の特例

高さ指定道路を最も必要とするのが、国際物流で主流となっている「40ft背高海上コンテナ(9フィート6インチコンテナ)」です。

車高は約4.1mになる

通常のコンテナ(8フィート6インチ)よりも約30cm背が高いため、トレーラに積載すると地上高は約4.1mになります。そのため、原則として高さ指定道路しか走行できません。

許可不要で走れる区間がある

「重要物流道路」などの指定された区間においては、一定の要件を満たした背高海上コンテナ車は、特殊車両通行許可なしで走行できる特例があります。

要件:

  1. 国際海上コンテナを運搬していることを証明する書類の携行
  2. 業務支援用ETC2.0の登録・装着

この「許可不要区間」も、基本的には高さ指定道路のネットワークと重なっています。


高さ指定道路の「探し方」申請前に必ず確認を

「自社のルートが高さ指定道路かどうか」を事前に調べるには、以下のWebサイトを活用します。

国土交通省の公式マップを使う

「大型車誘導区間・重さ指定道路・高さ指定道路・特車許可不要区間ガイドマップ」
参照リンク:国土交通省 |大型車誘導区間・重さ指定道路・高さ指定道路・特車許可不要区間の状況

このマップ上で、道路が色分けされており、高さ指定道路がつながっているかを確認できます。

出発地から目的地まで、線が途切れずに続いていることが重要です。

チェックポイント

  • 高速道路だけでなく、一般道区間(インター出口〜目的地)も指定されているか
  • 迂回路も含めて、複数のルートを確認しておく

高さ制限違反の「代償」は想像以上に大きい

重量違反と異なり、高さ違反は「物理的な衝突事故」に直結します。

トンネル・橋梁への衝突リスク

高さ指定されていない道路(特に古いガード下やトンネル)に4.1mの車両で進入すると、天井や桁に衝突し、以下のような事態を招きます。

  • 積荷の破損
  • 道路構造物の破壊
  • 鉄道の運休
  • 莫大な損害賠償請求

2025年6月からの厳罰化

2025年6月より、道路標識等による通行禁止・制限(高さ制限含む)に違反して特定構造物を通行した場合、以下の厳しい罰則が適用されることになりました。

罰則:

  • 6ヶ月以下の拘禁刑 または 30万円以下の罰金

対象:

  • 許可なく、または許可条件(誘導車の配置等)を守らずに制限を超えて通行した者

「知らなかった」では済まされません。

まとめ:「指定道路から一歩外れたら3.8m」を忘れずに

高さ指定道路(4.1m)は、物流効率化のための重要なインフラですが「指定された道を一歩でも外れると3.8m制限に戻る」という原則を忘れてはいけません。

2025年の緩和措置を活用するためのチェックリスト:

  1. ✅ 自社の車両が新規格車かどうか確認
  2. ✅ ガイドマップで経路の「全区間」が高さ指定道路か確認
  3. ✅ インター出口〜倉庫までの「ラストワンマイル」も指定道路か確認
  4. ✅ 迂回路も含めて複数ルートを用意

必ず事前の経路確認と適切な申請を行い、物理的な事故と法的リスクの両方を回避してください。