古物商許可の略歴書の書き方|過去5年・無職期間・記載例を解説

古物商許可の申請では、申請者や営業所の管理者について、最近5年間の経歴を書いた略歴書を出します。

年月の順に、この5年間にどこで何をしていたかが分かれば足ります。就職活動の履歴書のように、学歴や職歴を書き並べる必要はありません。

無職や学生、アルバイトの期間も、実際の状況をそのまま書いて構いません。東京都での申請を中心に、必要な人、5年前より前の経歴、無職や転職の期間、法人役員の注意点を取り上げます。

目次

略歴書が必要な人

東京都の申請で略歴書を出す人は、個人と法人で違います。

申請の形略歴書が必要な人
個人で申請申請者本人と営業所の管理者
法人で申請役員全員と営業所の管理者

法人では、代表取締役のほか役員全員の書類が必要です。非常勤の取締役や監査役も含まれます。解釈運用基準では、株式会社なら取締役と監査役、一般社団法人なら理事と監事などが役員です。登記の有無は問われません。

営業所の管理者に従業員を選ぶときは、その従業員の略歴書も出します。ほかの従業員の分は不要です。

略歴書の対象は最近5年間

略歴書に書くのは、最近5年間の経歴です。2026年10月の申請なら、2021年10月以降の経歴が対象となります。

5年前の時点で勤めていた会社があるなら、書き出しはその会社の実際の入社年月です。東京都の記載例にも同じ注記があります。直近5年間に変更がなければ、5年以上前の最終経歴を1行書き、次の行に「現在に至る」と入れます。

年月経歴内容
2018年4月株式会社〇〇 入社
―現在に至る

実際は2018年の入社なのに、5年前に合わせて「2021年10月入社」と書き換えてはいけません。年月は実際のとおりに入れましょう。

使う様式と記載例は、申請先の都道府県警察が公開しているものです。東京都の様式には、年月と経歴内容の表のほか、作成日、住所、氏名の欄が付きます。表のあとに「上記のとおり相違ありません。」の一文が入り、宛先は東京都公安委員会です。写真を貼る欄はなく、押印欄もありません。

他の道府県で申請するなら、東京都の様式で済ませず、申請先が公開している様式に従ってください。和暦と西暦は記載例のとおりどちらも使えるので、1枚のなかではどちらかに統一しましょう。

転職・無職・開業の書き方

転職の間や退職後に仕事をしていない期間も、略歴書から抜かずに載せます。退社と入社は別の行にして、空いた期間の状況も1行で入れましょう。

年月経歴内容
2020年4月株式会社〇〇 入社
2022年6月株式会社〇〇 退社
2022年7月無職
2023年1月株式会社△△ 入社
2024年4月株式会社△△ 退社
2024年5月写真撮影業を個人で開業(屋号:〇〇写真)
―現在に至る

無職の期間は「無職」の一語で足り、求職中や家事をしていたなどの事情を添える書き方もあります。実際には勤めていない会社を書いて空白を埋めるのは誤りです。最近5年間のどの時期も、何をしていたかが分かるように書きましょう。

休職中も会社に在籍しているなら、「退社」や「無職」の行は入りません。無職や休職の書き方は記載例になく、公式の案内にも載っていないので、申請先の警察署に事前に相談してください。

個人で開業したときは、退職と開業の2行を順に並べます。屋号だけでは事業内容が伝わらないため、仕事の内容も添えましょう。開業前の期間は、開業したとは書かず、準備中の実際の状況を載せてください。

アルバイトやパートは、勤務先の名前に「アルバイトとして勤務」のような区分を添えます。掛け持ちで期間が重なる場合も、行は勤務先ごとに分けてください。

学生だった期間は、入学と卒業の年月を「〇〇大学 入学」「〇〇大学 卒業」のように書きます。職歴がなくても、空欄のままでは出せません。古物業界の経験は許可の要件にないため、許可の可否は欠格事由や営業所、管理者の要件で決まります

略歴書の作成と許可申請でお困りなら

最近5年間の経歴を書き出す時点で、略歴書の作成と住民票・身分証明書の取得を並行して始めることになります。転職の間の空白期間や、役員の就任年月の書き方も含めて、当事務所へご相談ください。

法人役員と管理者の略歴書

入社の時期と役員に就任した時期が違う場合は、2行に分けて書きます。就任の年月は、会社の登記事項証明書と同じ内容にしましょう。登記に載っていない役員がいれば、警察から定款や役員名簿、議事録などの提出を求められます。

自分で設立した会社なら、「設立」と「代表取締役就任」の2行を実際の年月で記します。取締役と代表取締役の取り違えには気をつけましょう。複数の会社で役員を兼ねているなら、会社ごとに就任の年月を書きます。

東京都の様式一覧では、個人や役員が管理者を兼ねる場合、誓約書に管理者用も添えるとされています。略歴書の枚数は公式の案内にないため、提出前に警察署へ聞いておきましょう。

年月が分からないとき

数年前の入社日や退職日を、正確に思い出せないこともあります。雇用契約書、過去の履歴書、年金の加入記録が手がかりです。法人の役員なら、登記事項証明書の就任年月も使えます。

記憶だけで年月を推し量り、確定した事実のように書くのは避けましょう。資料を探しても分からない部分の書き方は、公式の案内にありません。分かる範囲と事情を申請先の警察署に伝えて、書き方を相談してください。

提出前の見直し

書き上げたら、最近5年間の各時期に何をしていたかを、年月の順に読み返してください。転職や退職のあとに空白が残っていれば、その期間の実際の状況を1行追加します。

次の4点も調べておきましょう。

  • 住所と氏名が、住民票と同じ表記になっているか
  • 役員の就任年月が、登記事項証明書と合っているか
  • 作成日が入っているか
  • 現在も続いている経歴に、「現在に至る」と書いてあるか

許可申請書、住民票、登記事項証明書と内容が食い違っていなければ、提出できます。

よくある質問

許可を受けたあとで役員や管理者が代わるときも、略歴書は必要ですか?

新しく加わる人の分が必要です。東京都では、法人に新しい役員が加わるとき、その役員の略歴書を添えて届け出ます。役員以外の人が代表者になるとき、営業所の管理者が代わるときも同じです。氏名や住所の変更と、役員の退任だけなら、略歴書は出しません。手続きは変更届で行い、期限は変更の日から14日以内(登記事項証明書を添付するなら20日以内)です。

海外で働いていた期間や住んでいた期間も書きますか?

国内外を問わず、最近5年間に含まれる期間はすべて経歴です。勤務先や学校、国名が分かる形で書きましょう。書き方は記載例にないため、申請先の警察署に事前に相談してください。

略歴書を作ってから申請までの間に転職した場合は、どうしますか?

転職後の勤務先が略歴書に載っていないと、実際の経歴と食い違います。転職後の経歴を足して、作成日も付け直してください。

略歴書はパソコンで作ってもよいですか?

様式はWord形式のファイルでも公開されているので、入力して印刷できます。手書きでもよいかは公式の案内に載っていないため、申請先の警察署に事前に相談してください。

個人で許可を受けていますが、法人にした場合も略歴書は必要ですか?

必要です。古物商の許可は申請した個人や法人ごとに出るため、個人の許可を法人が引き継ぐことはできません。法人として新規に申請し、略歴書は役員全員と営業所の管理者の分をそろえます。

まとめ

事実のとおりに、最近5年間の経歴を書きます。個人は本人と管理者、法人は役員全員と管理者の分が必要です。5年以上前から同じ会社に勤めているなら、実際の入社年月と「現在に至る」の2行で済みます。

無職や学生、アルバイトの期間も、空欄にせず実際の状況を記しましょう。役員の就任年月は、登記事項証明書と照らして書きます。書き上げたら、住所や氏名、作成日まで他の書類とそろえてください。申請書類の全体は、古物商許可の申請方法にまとめています。

参考資料・公式情報

本記事は、以下の公的機関・法令の情報を参考に作成しています。

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