生コン車(ミキサー車)の積載量は、ドラムの容量(m³)と生コンクリートの単位重量から決まります。配車計画には車両ごとのドラム容量と空車時の重量の把握が欠かせません。大型クラスでは総重量が制限内でも後軸の隣接軸重で超過することがあり、見落とすと違反になってしまいます。
「ドラムがいっぱいになるまで積む」という運用が、過積載や軸重違反の原因になっています。ドラム容量だけで積載量を決めると、後軸の隣接軸重や現場付近の市道区間における20t制限を見落とすためです。
ドラム容量とサイズの分類
生コン車はドラム(ミキシングドラム)の容量によって小型・中型・大型に分類されます。ベース車両のサイズと対応しています。
| 分類 | ドラム容量 | ベース車両の目安 |
|---|---|---|
| 小型 | 3〜4.5m³ | 2tトラック・4tトラック |
| 中型 | 5〜6m³ | 4tトラック・中型以上 |
| 大型 | 7〜10m³ | 大型トラック |
現場でよく使われるのは4.5m³(中型)と8m³(大型)です。狭い現場や小規模工事には小型・中型、まとまった量を一度に運ぶ現場では大型が使われます。
ドラム容量はあくまで「ドラムに入る生コンの体積」です。そのまま積載できる重量ではないため、積載重量の計算には別途、生コンの単位重量が必要になります。
積載重量の計算方法
生コンクリート1m³の重量は、配合によって異なりますが約2.3tが目安です。この数値を使うと、ドラム容量から積載重量の概算が出せます。
| ドラム容量 | 積載重量の目安(2.3t/m³で計算) |
|---|---|
| 4.5m³ | 約10.4t |
| 6m³ | 約13.8t |
| 8m³ | 約18.4t |
| 10m³ | 約23.0t |
ただし、実際の積載量は車検証に記載された最大積載量以内に収めます。計算上「積める」量であっても、最大積載量を超えた状態での走行は過積載になります。配車の際は計算値ではなく、車検証の最大積載量が基準です。
車両重量と総重量の目安
生コン車の車両重量はドラム架装込みの数値です。同じドラム容量でも、架装メーカーやベース車両の仕様によって重量に差が出ます。
| ドラム容量 | 空車時車両重量の目安 | 生コン満載時の総重量目安 |
|---|---|---|
| 4.5m³ | 8〜10t前後 | 18〜20t前後 |
| 6m³ | 10〜12t前後 | 23〜25t前後 |
| 8m³ | 13〜16t前後 | 31〜34t前後 |
上記はあくまで目安です。実際の車両重量は車検証の記載値が基準です。
大型(8m³以上)の生コン車は、生コンを満載にすると総重量が30tを超えます。一般的制限値は20t(重さ指定道路では25tまで)のため、積載量をコントロールして制限値内に収めます。
ただし、生コンの納入先である建設現場は国道から外れた市道や住宅街にあることがほとんどです。幹線道路(重さ指定道路・25tまで)を適法に走ってきても、現場手前の市道に入った時点で指定道路から外れ、20t制限が適用されます。
この区間で総重量が20tを超えていれば違反です。経路の全線が重さ指定道路でない限り、最初から総重量20t以内に収まるよう積載量を決めておくのが実務上の基本になります。
空車時の車両重量や全高が一般的制限値を超える場合は、ミキサー車の特殊車両通行許可申請が別途必要です。
大型生コン車の隣接軸重に注意
大型生コン車で多い2軸後輪の構造は、総重量が制限内でも隣接軸重で超過する場合があります。
後輪2軸の軸間距離が1.8m未満の場合、2軸合計の上限は原則18tになります。「1軸あたり10t以内だから20t大丈夫」という判断は誤りです。
法律上は各軸がそれぞれ9.5t以下であれば19tまで認められる例外規定がありますが、生コン車でこの上限を狙うのは危険です。生コンは走行中にドラム内で荷が動くため、均等に9.5tずつ載せたつもりでも取締り時に片方の軸が9.5tを超えていることがあります。その場合、19tの例外は適用されず18t超過で違反です。生コン車の後輪2軸は18t以内で管理するのが安全です。
生コンを積んだ状態でのチェックポイントは2つです。
- 総重量が一般的制限値(20t、または重さ指定道路では25t)以内であること
- 後輪2軸の合計荷重が18t以内であること(軸間距離1.8m未満の場合)
積載量を計算するときは、総重量だけでなく後軸への荷重分配も確認します。
積載量の上限を決める手順
現場に合わせた積載量の上限は、以下の順番で確認します。
1. 車検証で最大積載量を確認する 最大積載量が記載されています。この値を超えた積載は過積載です。
2. 空車時の軸重を確認する 車検証または諸元表に記載されています。積載時は後軸への荷重が増えるため、後輪2軸の合計が18tを超えないよう逆算して上限を設定します。
3. 生コンの単位重量で積載量(t)をm³に換算する 1m³≒2.3tが換算の基本です。現場の配合によって多少前後するため、工場側への確認が確実です。
まとめ
ドラム容量(m³)だけで積載量を決めると過積載や軸重超過になります。車検証の最大積載量・後軸荷重の上限・現場までの経路が重さ指定道路かどうか、この3点をあわせて確認してから積載量を決めます。
配車計画を組む前に、車両ごとの最大積載量と後軸への荷重配分を確認しておくと、現場でのトラブルを防げます。積載量の管理や特車申請の要否がわからない場合は、お気軽にご相談ください。
特車申請の制度・手続き・車種別対応の全体像は特殊車両通行許可申請ガイドで確認できます。
よくある質問
- Qドラム容量8m³の生コン車は何t積めますか?
- A
生コン1m³を約2.3tとすると、8m³で約18.4tになります。ただし車検証の最大積載量がそれより低い場合は最大積載量が上限です。また後輪2軸の合計荷重が18tを超えないよう、軸重も確認します。
- Q生コンを満載にしなければ特車申請は不要ですか?
- A
積載状態での重量超過は特車申請で対応できません。生コンのようなバラ積み貨物は「重量を減らして複数回に分けて運べる貨物」とみなされるため、特車申請に必要な「貨物の特殊性」が認められません。積んだ状態で申請を出しても許可は下りないため、最初から一般的制限値の範囲内まで積載量を減らして走ることが唯一の対応になります。
- Q空車のままで特車申請が必要なことはありますか?
- A
大型生コン車(8m³以上)は空車状態でも車両重量が18〜22t前後になることがあります。空車時の総重量または全高が一般的制限値を超えていれば、生コンを積んでいない状態でも特車申請が必要です。空車時の申請可否は車検証で確認します。
- Q生コンクリート1m³の重量は決まっていますか?
- A
配合(水セメント比・骨材の種類)によって変わりますが、一般的な普通コンクリートで約2.3t/m³が目安です。軽量コンクリートや配合が異なる場合は工場に確認します。
- Q隣接軸重とは何ですか?
- A
互いに近い位置にある車軸(軸間距離1.8m未満)の重量合計に対する制限です。1軸あたり10t以内でも、2軸の合計が18t(または19t)を超えると違反になります。後輪2軸の生コン車は積載時にこの制限を超える機種が多くあります。

