配送先までの経路に「14t」の重量制限がある橋が入っていると、荷物の重さだけでは通れるかどうか決まりません。標識の数値と比べるのは、車両・乗員・積載物を合わせた通行時の総重量です。
総重量20t以下のトラックや、新規格車として25tまでの基準を満たす車両でも、橋の制限は別にかかります。制限を超えてその橋を通る場合は、道路管理者への通行許可申請が必要です。ただし、申請すれば必ず通れるとは限りません。
この記事では、標識の読み方と許可の手順、許可後の通行条件や罰則を取り上げます。
「14t」は荷物ではなく総重量の制限
橋の重量制限標識にある「14t」は、総重量が14tを超える車両の通行を制限する表示です。「荷物を14tまで積める」「14tトラックなら通れる」という意味にはなりません。
道路法でいう車両総重量は、乗員や貨物を載せて実際に道路を走る状態の重さを指します。トレーラをけん引しているなら、連結した車両の重さも合計に入れてください。
| 数値の種類 | 意味 | 14tの標識との関係 |
|---|---|---|
| 最大積載量 | 車両に積める貨物の上限 | この数値だけでは比べられない |
| 車両重量 | 車両そのものの重さ | 乗員と積載物を足して計算する |
| 通行時の総重量 | 車両・乗員・積載物を合わせた重さ | 14tと比べるのはこの数値 |
車両に積める貨物の上限です。橋の「14t」とは、この数値だけでは比較しません。
車両自体の重量です。実際の通行では、乗員や積載物もあわせて考えます。
車両・乗員・積載物を含めた、実際に橋を通るときの重さです。
荷物が14t未満でも、車両や乗員を含めた総重量が14tを超えれば、その橋の制限を超えます。
たとえば車両と乗員で10t、積載物が6tなら、通行時の総重量は16tです。荷物は14t未満でも、この状態では14tの制限を超えてしまいます。
車検証の「車両総重量」は、最大積載量などを含めた数値です。荷降ろし後の実際の重さとは一致しないため、そのときの状態で計算し直しましょう。
新規格車でも橋の制限は別にかかる
橋や高架の道路には、構造に合わせて重量や高さの制限が設けられています。道路全体の基準とは別に、その場所だけにかかる個別の制限という位置づけです。
一般的制限値は総重量20tが基本で、重さ指定道路では車両条件に応じて最大25tまで認められます。ただ、この範囲に収まる車両でも、橋の標識を超える重さのまま通ることはできません。
新規格車の「20t超」の表示も、個々の橋の通行まで認める表示とは違います。幹線道路から搬入先まで経路を組むときは、道路の指定とあわせて途中の橋の規制も調べておきましょう。
災害や損傷による通行止めや、警察による交通規制は、重量制限とは手続きが異なります。規制の理由が分からないときは、標識と補助標識の内容、橋の場所を道路管理者に伝えて問い合わせてください。
道路法上の基本となる重量基準です。まずはこの数値を基準に判断します。
指定道路や車両条件を満たすと、総重量20tを超える基準が適用される場合があります。
その橋の構造に応じて設けられた制限です。幹線道路の基準とは別に適用されます。
当該橋を通るには、道路管理者への相談や許可の可否を別に検討します。
制限を超えて通るには許可が必要
道路法に基づく橋の重量制限を超える車両でも、通行許可の対象となる場合があります。車両や貨物が特殊でやむを得ないと認められ、道路管理者が通れると判断すれば、条件付きで許可が出る仕組みです。
もっとも、申請できることと、その橋の通行が許可されることは別です。橋の構造や車両諸元によっては不許可となるため、配送日が決まっているなら迂回経路も候補に入れて進めてください。
道路管理者へ相談する際は、次の情報が必要です。
| 用意する情報 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 橋と規制の情報 | 橋名、所在地、路線名、標識・補助標識の写真 |
| 車両の情報 | 車検証、連結する車両、通行時の総重量、軸重、軸距 |
| 運行の情報 | 出発地・目的地、通行方向、予定日、貨物の内容 |
| 経路の候補 | 当該橋を通る経路と、迂回できる経路 |
総重量が同じでも、車軸の配置や各軸にかかる重さが違えば、橋への荷重のかかり方は変わります。道路情報だけで判定できない場合は、橋を管理する道路管理者との協議や、追加資料の提出が必要です。
特車申請は、車両の重量を確認するだけでなく、重量制限のある橋の規制内容や迂回経路の確認にも手間がかかります。当事務所では、車両・経路の確認から、申請書類の作成・申請後の補正対応まで代行しています。
許可後は橋ごとの通行条件を守る
重量の大きい車両には、橋への負担を抑えるため、徐行や誘導車の配置といった通行条件が付きます。許可証の条件書と経路の書類を見比べ、どの橋で何をするのかを運転者と共有しておきましょう。
重量C条件・D条件では、橋を徐行で渡り、後方に誘導車を配置します。通行する車線の同じ径間に、他の車両が同時に入らない状態を保つための措置です。径間とは、橋脚や橋台にはさまれた橋の一区間のことです。
D条件では、隣の車線についても、できる限り同じ径間で他車と同時に通行しない措置が加わります。進入や停止の具体的な方法は、交付された条件書の記載に従ってください。
C・D条件は、付ければどの橋でも通れるという条件ではありません。D条件と通行時間帯の指定は別なので、夜間通行の指定がないか、許可証の記載にも目を通してください。
重量制限違反の罰則
同じ「重量制限」の標識でも、もとになる規定が道路法第47条第3項でない場合もあります。以下は、橋の構造上の理由からこの規定で設けられた重量制限を中心にした説明です。
道路法の罰則は、橋の個別制限への違反と、一般的制限値を超える無許可通行とで規定が別々です。許可条件に違反した場合も、どの制限に関する許可なのかで扱いが変わります。
| 違反の内容 | 罰則 |
|---|---|
| 橋などの個別の重量・高さ制限への違反、またはその通行に付された許可条件への違反 | 6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金 |
| 一般的制限値を超える車両の無許可通行、またはその通行に付された許可条件への違反 | 100万円以下の罰金 |
業務としての違反には両罰規定があり、運転者などの行為者に加えて、法人や事業主も罰金刑の対象です。許可を取っているかどうかだけでなく、実際の車両・経路・通行条件が許可の内容と合っているかまで管理してください。
配車前に橋の位置と通行方向を調べる
経路図には、制限のある橋と、その前後の交差点まで書き込んでおきます。道路情報便覧表示システムや道路管理者の規制情報を使い、道路情報で読み取れない箇所は管理者に照会してください。
配送先の住所だけで経路を引くと、敷地の反対側にある入口へ案内されるおそれもあります。使う搬入口を決め、往路と復路で通る橋が変わらないかまで点検しておくことも欠かせません。
許可を取った後でも、工事や災害による新しい規制には従います。予定していなかった規制を見つけたら、許可証があることを理由に進入せず、道路管理者に通れるかどうかを問い合わせましょう。
よくある質問
- 14tの重量制限は、ちょうど14tでも通行できませんか?
-
重量制限の標識は、表示された重量を超える車両を制限するものです。総重量がちょうど14tなら、この重量制限は超えません。ほかの規制や、寸法・軸重などの制限も満たしていることが条件です。
- 荷物を降ろして14t以下になれば、その橋を通れますか?
-
実際の総重量が14t以下なら、その重量制限には収まります。連結した車両の長さや幅、高さ、ほかの交通規制には別に注意してください。
- 別の経路で取った特車許可があれば、14t制限の橋も通れますか?
-
その許可だけでは通れません。許可は車両と通行経路ごとに出るため、その橋を含む経路が許可の対象に入っているかを調べてください。
- D条件は夜間だけ通行できる条件ですか?
-
D条件は、夜間通行を意味する条件ではありません。同じ径間で他車と同時に通行しないための措置などを定めたもので、通行時間帯は別の条件として指定される場合があります。
- 誘導車を付けて徐行すれば、許可前でも通れますか?
-
許可前は通行できません。誘導車や徐行は許可の代わりにならず、許可を取ったうえで、指定された条件として守るものです。
まとめ
橋の「14t」は、積載物だけでなく、車両と乗員を含めた通行時の総重量と比べる数値です。新規格車の基準や重さ指定道路の指定があっても、橋ごとの制限は別にかかります。
標識の数値を超えるなら、橋の位置と車両諸元をそろえて、通行許可の対象になるかを検討してください。許可の見込みや通行条件によっては、迂回経路を選びます。許可後は条件書のC・D条件や時間帯の指定を運転者と共有し、違反すれば会社も罰金刑の対象になる点に注意が必要です。
特車申請の制度・手続き・車種別対応は、特殊車両通行許可申請ガイドにまとめています。
特車申請でお困りならご相談ください
当事務所では、重量制限のある橋の位置や車両諸元、迂回経路の候補をもとに、特殊車両通行許可の申請を代行しています。橋を含む経路の申請や、道路管理者との協議に向けた準備でお困りの場合も、ご相談ください。

