【特車申請・経路作成②】デジタル地図の見方(色・記号)と正しい住所入力方法

コラム

特車申請の経路作成において、「せっかく申請したのに『経路不明』で差戻しになった」「自動審査が通らず、許可まで1ヶ月以上かかってしまった」といった事態に陥ることがあります。 こうしたトラブルは、申請システム上の「地図の色の意味」「交差点記号の違い」「住所入力のルール」という3つのポイントを押さえるだけで、未然に防ぐことが可能です。

本記事では、前回の基礎編に続き、オンライン申請システムをスムーズに使いこなすために必須となる3つの詳細テクニックを、マニュアルの裏付けをもとに解説します。

審査期間に影響する「地図の色」の確認ポイント

特車申請システムのデジタル地図には、道路が「緑・オレンジ・青・グレー」などの色で表示されています。この色は単なるデザインではなく、道路管理者の違いとデータの収録状況を表す重要なサインです。

カラフルな線(緑・オレンジ・青など)= 収録道路

緑色やオレンジ色、青色で表示されている道路は、「道路情報便覧」にデータが収録されている道路です。緑色は国土交通省が管理する直轄国道、橙色や青色は都道府県や政令指定都市が管理する道路を示します。

これらの収録道路のみで経路をつなぐことができれば、システム上で即座に通行の可否や条件を判定する「簡易算定」が利用可能です。また、新制度である特殊車両通行確認制度を利用する場合も、これらの収録道路を通行することが前提となります。

グレー(灰色)の線 = 未収録道路

最も注意が必要なのが、グレーで表示されている未収録道路です。これは道路情報便覧に詳細なデータ(幅員、交差点形状など)が登録されていない道路で、市町村道に多く見られます。

未収録道路を経路に含めると、自動審査ができません。システムによる即時算定が利用できないため、道路管理者が個別に審査(協議)を行う必要があります。その結果、許可が下りるまでに標準処理期間を超える時間がかかる場合があります。また、申請時に別途「付近図」を作成して添付する必要があるため、手間も増えます。

急ぎの申請であれば、できる限りグレーの道路を避け、色のついた収録道路を経由するルートを選ぶことが、早期許可への近道です。

交差点の「黒丸」と「青丸」は役割が違う

経路作成時、交差点には「黒丸(●)」と「青丸(●)」の2種類の記号が表示されます。見た目は似ていますが、システム上の扱いは大きく異なります。

黒丸(大きい丸)= 収録交差点

黒丸は、交差点番号や形状データを持っている正規の「収録交差点」です。前回の基礎編で解説したように、この黒丸を右クリックして「開始交差点に設定」「終了交差点に設定」を選択することが、経路作成の基本操作です。黒丸同士をつなぐことで、正確な経路情報がシステムに登録されます。

青丸(小さい丸)= 未収録交差点

青丸は、道路データが存在しないか不十分な「未収録交差点」です。通常の経路自動探索では、この青丸を選択肢としてうまく認識できない場合があります。

青丸を出発地や目的地、あるいは経由地として指定すると、その区間は「未収録路線」扱いとなります。結果として、前述のグレーの道路と同様に、個別審査が必要になったり、経路図(付近図)の添付を求められたりする原因になります。

経路作成時は、黒丸(収録交差点)から黒丸へつなぐことを意識してください。青丸の交差点を使用するのは、目的地がどうしてもその場所にしかない場合など、最小限にとどめるのが無難です。

住所は「○丁目○-○」まで入力しないと差戻しになる

特車申請で最も多い不備が、住所の入力不備です。「○○市△△町」まで入力すれば場所はわかるはずなのに、なぜ詳細な番地まで求められるのでしょうか。

システムが起点・終点をピンポイントで特定できないから

特車申請の審査では、「大型車両がその場所から公道へ安全に出入りできるか」を含めて厳密に確認します。住所が曖昧だと、システムは「どの道路の、どの地点」から出発するのか判断できず、通行可否の判断ができません。

そのため、正確な地番(○丁目○番○号)や建物名まで入力し、地図上のピンを正しい位置に落とす必要があります。ここで入力する「出発地住所」「目的地住所」は、申請書の通行経路表に記載する出発地・目的地になります。

正しい入力のポイント

都道府県・市区町村・町名だけでなく、番地・号・建物名まで必ず入力してください。

NG例:

  • 「○○市△△町」のみ
  • 「○○工業団地」のみ

OK例:

  • 「○○県○○市△△町1-2-3 ××運送株式会社 本社」

住所入力が曖昧だと、「経路不明」として申請が差戻し(補正指示)され、再申請の手間が発生します。

操作上の注意点

システム画面左上の「住所検索窓」で場所を探すときは、地番(1-2-3など)を入れるとエラーになることがあります。検索は「町名」までで行い、地図が表示された後の「出発地・目的地情報入力欄」には、手入力で正確な地番・建物名を追記してください。

詳しい住所入力の方法や検索で出てこない場合の対処法については、前編「特車申請の経路作成①」をご覧ください。

まとめ:スムーズな許可取得のために

特車申請の経路作成で失敗しないためには、以下の3点を意識してください。

1. 色付きの道路を優先する

グレーの道(未収録道路)は審査に時間がかかり、添付書類も増えるため、可能な限り避ける。

2. 黒丸の交差点をつなぐ

青丸(未収録交差点)はデータがないため、基本的には黒丸の交差点を選んでルートを作る。

3. 住所は番地まで書く

番地や建物名まで入力しないと、システムが場所を特定できず差戻しになる。

これらのルールは、システムが自動で安全性を審査するために必要な要素です。ここを理解して操作することで、不備による手戻りを防ぎ、最短で許可証を手にすることができます。

前回の基礎編と合わせて、これらのテクニックを活用することで、特車申請の経路作成がよりスムーズになります。