リサイクルショップ・古物商から仕入れるとき、本人確認は必要?不要?

リサイクルショップや仕入れをしてるイラストイメージ 古物商許可コラム

ハードオフとかで仕入れるとき、店員に身分証を見せる必要はあるでしょうか?

結論から言うと、その必要はありません。古物営業法には、相手が古物商である場合には本人確認を省略できるというルールがあります。
個人からの仕入れとは扱いが全然違います。ただし省略できるのは本人確認だけで、台帳へ記録をつけることは必要です。さらに、相手が本当に古物商かどうかは自分で確認する必要があります。ここを省くと、免除のつもりが違反になります。

古物商から仕入れるなら本人確認は不要

古物営業法は、古物を買い受ける際の本人確認を義務付けています。個人から仕入れる場合は、運転免許証などで相手方の氏名・住所・生年月日を確認し、台帳に記録しなければなりません。

ただし同条には「相手方が古物商である場合はこの限りでない」という但し書きがあります。ようするに仕入れ先が古物商許可を持った業者であれば、本人確認は不要です。

なぜこの規定があるのか。古物営業法の目的は盗品の流通を防ぐことです。古物商はすでに許可を受け、自分自身が取引記録の義務を負っています。許可を持った業者同士の取引であれば、どちらかの台帳を辿れば品物の出所は追えます。だから本人確認を重複して課す必要がない、という考え方です。

本人確認を含む古物商の三大義務の全体像は別記事でまとめています。

本人確認の要否フロー

仕入れ先は古物商許可を持っているか?
持っている
本人確認は不要
(台帳記録は必要)
持っていない/不明
本人確認が必要
(個人と同じ扱い)

「相手が古物商かどうか」をどう確認する?

本人確認が免除されるのは、相手が古物商許可を持っている場合だけです。「業者っぽい」「お店だから大丈夫」という感覚は根拠になりません。自分で確認する手段は2つあります。

① 店頭の古物商プレートを確認する

古物商は営業所にプレートの掲示が義務付けられています。許可番号・公安委員会名・氏名(または法人名)が記載されています。実店舗であれば、カウンター付近に掲示されているプレートを見るだけで確認できます。古物商プレートの記載ルールに書いてある内容が揃っているか確認してください。

② 公安委員会のデータベースで検索する

都道府県公安委員会は古物商の許可情報をウェブで公開しています。東京都なら警視庁のサイトで許可番号や屋号から検索できます。初めて取引するネット業者や、プレートを直接確認できない相手については、事前にDBで調べておくのが確実です。

仕入れ先別の判断

ハードオフ・ブックオフ・リサイクルショップ(実店舗)

店頭に古物商プレートが掲示されています。大手チェーンはまず間違いなく許可を持っているので、本人確認は不要です。初めて入る店舗でもプレートを一度確認しておけばそれで足ります。台帳への記録だけ忘れずに行ってください。

メルカリShopsに出店している業者

メルカリShopsは事業者向けプラットフォームで、中古品を出品するには古物商許可の提出が求められます。出店している業者は許可を持っています。確実を期すなら、店舗ページに記載の許可番号を公安委員会のDBで確認したうえで台帳に書いておくと、後から照合できます。メルカリ・ラクマで仕入れる際の本人確認については別記事で詳しく扱っています。

ジモティーで「古物商です」と名乗っている出品者

自称だけでは根拠になりません。ジモティーでの仕入れは個人出品が混在するプラットフォームなので、公安委員会のDBで許可が登録されているかを取引前に必ず確認してください。確認できなければ個人からの仕入れと同じ扱いで、本人確認が必要になります。

古物市場(オークション会場)

古物市場は古物商同士が売買する場で、参加するには古物商許可が前提です。入場登録の時点で許可の確認が済んでいるため、場内の取引では本人確認は不要です。

実務上は、市場ごとにルールの細かい違いがあります。出品目録の記載方式、台帳に書くべき情報の単位(ロット単位か1点ごとか)、返品・クレームの手続きなどは市場によって異なります。初めて参加する前に、主催者に確認しておいてください。

また、古物市場で落札した品が後から盗品と判明するケースがゼロではありません。落札記録・出品者の許可番号・品物の特徴を台帳に残しておくことが、自分を守る唯一の手段になります。落札後は記録の優先度を上げてください。

台帳記録は免除されない 具体的な書き方

本人確認が不要でも、古物台帳への記録は必要です。

古物営業法第16条で、取引ごとに品物の情報を記録することが定められています。相手が個人でも古物商でも、この点は変わりません。

古物商から仕入れた場合に台帳へ書くのは、個人情報ではなく商号・古物商許可番号・所在地です。

仕入れ先本人確認台帳記録台帳に書く内容
個人必要必要氏名・住所・生年月日・品物の情報
古物商(業者)不要必要商号・許可番号・所在地・品物の情報

実際の記入例

たとえばハードオフ○○店でカメラを仕入れた場合、台帳の記載はこうなります。

取引日:2026年4月2日
相手方:株式会社ハードオフコーポレーション(○○店)
許可番号:東京都公安委員会 第XXXXXXXXXX号
所在地:東京都○○区○○1-2-3
品名:デジタル一眼レフカメラ CANON EOS ○○
特徴:ブラック、シリアル番号XXXXXXXX
取得価格:3,500円

許可番号は店頭のプレートかDBで確認できます。毎回同じ店から仕入れるなら、初回に確認して記録しておけばそれ以降は参照するだけです。台帳はExcelで作成しても構いません。記載項目の詳細や保存期間については古物台帳の書き方を参照してください。

確認を怠ったときのリスク

「大手だし確認しなくても大丈夫だろう」で済む場合がほとんどです。ただ、確認を省く習慣がつくと問題が起きやすくなります。

相手の許可が失効していた場合

古物商許可は廃業・欠格事由・法人解散などで失効します。プレートが掲示されていても、その時点で許可が有効かどうかは別の話です。失効した相手から仕入れていた場合、本人確認の免除は適用されません。取引時に確認した許可番号とDBの状態が記録に残っていれば、善意であったことを示す証拠になります。

盗品を仕入れてしまった場合

古物商が盗品を買い取った場合、善意であっても無償返還を求められることがあります。このとき台帳に相手の許可番号と取引記録が残っていれば、適法な仕入れを行っていた証明になります。記録がなければ、善意の証拠が残りません。

台帳未記録は直接の違反

本人確認を省略できたとしても、台帳への記録を怠ることは古物営業法違反です。「本人確認が不要=何も記録しなくていい」という誤解が一番多く、実際に指導を受けているケースもあります。省略できるのは本人確認の手続きだけです。

よくある質問

Q
許可番号を確認しないまま仕入れてしまった場合は?
A

相手が実際に許可を持っていれば、結果的に問題ありません。ただし確認しないまま取引を重ねると、後から台帳と実態が合わなくなります。次の取引から確認を始めてください。

Q
取引後に仕入れ先が廃業していたとわかった場合は?
A

取引時点で許可が有効であれば問題ありません。取引時の許可番号を台帳に残しておけば、後から照合できます。

Q
法人と個人事業主で扱いは変わりますか?
A

変わりません。古物商許可を持っていれば、法人でも個人事業主でも本人確認は不要です。

Q
古物市場で仕入れた品の台帳記録はどう書けばいいですか?
A

主催業者の商号・許可番号・所在地と、落札した品物の情報を記録します。ロットで仕入れた場合は、まとめて1行で記録できるかどうか市場のルールを確認してください。

まとめ

古物商から仕入れる場合、本人確認は法律上不要です。ただしそれは「相手の許可を自分で確認した場合」の話で、自称業者や失効した許可の相手には免除が適用されません。

台帳の記録義務はどちらの場合でも残ります。古物商からの仕入れであれば、氏名・住所ではなく商号・許可番号・所在地を書けばよいので、個人からの買取より記録は簡単です。実店舗なら店頭のプレートを一度確認して番号を控えておけば、それ以降はその番号を転記するだけです。

省略できる手間と、省略できない手間をきちんと分けて把握しておくことが、実務上のトラブルを防ぐ一番の近道です。

お困りの際は当事務所へ

古物商許可の取得は、必要書類の準備から警察署への申請まで、手続きが複雑です。また、「メルカリでの転売に許可は必要か」「開業後の届出は何が必要か」など、判断に迷う場面も多いです。

当事務所では、古物買取の現場で10年以上の経験を持つ行政書士が、書類作成から許可取得までサポートいたします。「自分のケースで許可が必要か確認したい」「申請が複雑で困っている」といった場合は、お気軽にご相談ください。

お問い合わせ方法:

行政書士手島宏典事務所
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執筆者プロフィール

手島宏典 行政書士・現役質屋店長
業界歴10年以上。大手買取店FC3年経営。

行政書士手島宏典事務所
東京都葛飾区亀有3丁目27-30 Tビル1階
TEL:03-6821-4578(年中無休 9:00〜19:00)

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