古物商プレートに屋号は書ける?個人事業主・法人の記載ルール

古物商プレートの記載ルール【個人・法人・屋号】現役質屋店長の行政書士が解説

古物商プレートを作るとき、個人事業主と法人で記載ルールが違います。屋号で営業している個人事業主が、その屋号をプレートに書こうとしても、現行のルールでは認められていません。書けるのは許可証どおりの本名です。

プレートの掲示そのものは古物営業法第12条で義務化されていて、未掲示や記載不備は10万円以下の罰金の対象です。「とりあえず作って掲示しておけば大丈夫」というラインで判断できる話ではなく、サイズ・色・材質・記載内容まで細かい規定があります。

個人と法人の記載の違い、屋号の扱い、品目の選び方、作成方法までを順に解説します。

目次

古物商プレートとは?

古物商プレート(標識)は、古物商が営業所に掲示する標識です。プレートには次の4項目を記載します。

  1. 許可を受けた公安委員会名(例:東京都公安委員会許可)
  2. 古物商許可番号(12桁)
  3. 主として取り扱う古物の品目(例:道具商、時計・宝飾品商)
  4. 古物商の氏名または法人名

取引相手から見て、その事業者が正式に許可を受けた古物商かを判断するための標識です。古物営業法第12条で掲示が義務化されており、未掲示は10万円以下の罰金になります。本人確認・取引記録・取引相手の確認は古物商の三大義務としてまとめられていますが、プレート掲示はこれとは別の独立した義務として位置づけられています。

古物商プレートの規定(サイズ・色・材質)

サイズと材質

サイズは縦8cm×横16cm。厚さの規定はありませんが、材質は金属・プラスチック、またはこれらと同程度以上の耐久性を持つものと定められています。紙に印刷しただけのものは認められず、シールなどで後から記載を直したものも基本的に使えません。

色は紺色地に白文字。光沢の有無は問いませんが、紺色であることが条件で、色番号の細かい指定はありません。

店舗で実際に使用しているプレートの例です。番号と会社名は個人情報保護のため黒塗りにしています。

古物商プレート

個人事業主と法人の記載の違い

個人事業主の場合

個人事業主のプレートには、屋号ではなく氏名(本名)を記載します。許可は個人名で取得するため、プレートの記載もそれに合わせます。

東京都公安委員会許可
第123456789012号
道具商
山田太郎 ← 氏名を記載(屋号は不可)

法人の場合

法人は、法人名(商号)を記載します。

東京都公安委員会許可
第123456789012号
道具商
株式会社○○ ← 法人名を記載

個人と法人の比較

項目個人事業主法人
プレートの記載氏名(本名)法人名(商号)
屋号の記載不可可能
許可の引き継ぎ不可(新規取得)不可(新規取得)
変更届屋号変更時のみ商号変更時

個人事業主が法人化した場合は、法人名義で古物商許可を新たに取り直します。法律上、個人と法人は別の人格として扱われるため、個人許可のまま法人名義で営業することはできません。法人化のプロセスは法人化後の古物商許可で詳しくふれています。

参考:大阪府警察「古物営業法Q&A」

品目の記載ルール

プレート中央の「○○商」の部分には、営業所で主として取り扱う古物の品目を1つ記載します。品目と表示名の対応は次のとおりです。

古物の品目プレートの表示
美術品類美術品商
衣類衣類商
時計・宝飾品類時計・宝飾品商
自動車自動車商
自動二輪車・原付オートバイ商
自転車類自転車商
写真機類写真機商
事務機器類事務機器商
機械工具類機械工具商
道具類道具商
皮革・ゴム製品類皮革・ゴム製品商
書籍書籍商
金券類チケット商

複数品目を扱っていても、プレートには「主として取り扱う品目」を1つだけ記載します。13品目の詳細は13品目一覧を参照してください。都道府県によって取り扱いが異なるケースもあるので、迷ったときは管轄警察署に直接確認するのが早いです。

古物商プレートの作成方法

古物商プレート作成

方法1:古物商防犯協力会連合会で購入

全国各地にある古物商防犯協力会連合会で購入できます。様式が規定に準拠しているのが前提なので、余計な確認が省けます。古物台帳などの帳簿類もまとめて揃えられるため、許可取得直後に一括で手配する事業者が多いです。許可後に警察署で案内を受けるか、申込用紙をもらって申し込みます。

方法2:ネット通販サイトで購入

価格は抑えやすく、自宅から注文できます。ただし、購入前に様式が規定に準拠しているか確認が必要で、公安委員会名・許可番号の入力ミスには注意してください。

方法3:看板製作業者に依頼

仕上がりの品質は高いですが、業者に規定の様式を説明する手間がかかり、費用も他の方法より高くなります。

古物商プレートの掲示場所

古物商プレートの掲示場所

古物営業法第12条が求めているのは「公衆の見やすい場所」への掲示です。店舗であれば入り口・カウンター・レジ付近が典型で、自宅を営業所にしている場合は玄関(室外・室内どちらも可)や室内の目につく場所に設置します。

設置方法の指定はなく、壁への取り付けでもスタンド式でも構いません。実務上の目安は「警察官が立ち寄ったときにすぐ目に入るかどうか」です。

複数の営業所がある場合は、各営業所ごとにプレートを用意します。営業所が増えるたびに追加作成が発生するため、開業前に拠点の数を確認しておくと無駄がありません。

個人事業主が屋号を使いたいとき

個人事業主のプレートには屋号を載せられませんが、屋号自体は古物営業の中で使えます。許可申請時に屋号を届け出ておけば、許可証にも屋号が記載され、領収書や帳簿類で屋号を用いることができます。

すでに許可を取得した後で屋号を決めた場合は、変更届を提出します。提出先は管轄警察署、期限は屋号を決めてから14日以内、手数料は無料です。屋号を決めても古物取引にその屋号を使わないなら、届出は不要です。

注意点として、屋号の変更届を出してもプレート本体の記載は本名のままで変わりません。プレートに法人名や屋号らしき表記を載せられるのは法人だけ、と整理しておくと混乱しません。

法人化した場合の手続き

個人事業主が法人化した場合、個人で取得した許可は法人名義の取引に使えません。法人名義で改めて取り直します。

個人名義の許可のまま法人として営業を続けると、無許可営業として摘発される可能性があります。罰則は古物営業法第31条で3年以下の拘禁刑(旧:懲役)または100万円以下の罰金、もしくはその両方です。法人化後の申請手続きは法人化後の古物商許可で解説しています。

なお、2022年6月公布・2025年6月1日施行の改正刑法により、従来の「懲役」と「禁錮」は「拘禁刑」に一本化されました。古物営業法をはじめとした関連法令の罰則表記もこれに合わせて読み替えられます。

実務上の注意点

プレートには許可番号を記載するため、許可が下りる前は作れません。「先に用意しておきたい」という相談がたまにありますが、番号が確定しないと発注できません。許可が下りるまでの期間は東京で標準40日程度で、開業日が決まっている場合は購入先だけ先に決めておくのが安全です。

記載内容は許可証と完全に一致させる必要があります。公安委員会名・許可番号(12桁)・氏名または法人名の3点は、許可証を見ながら入力してください。買取の現場では、警察の立ち入りがあった際に、プレートの記載と許可証の内容に食い違いがあると指摘の対象になります。

オンライン販売での表示義務

古物商プレートは営業所に掲示するものですが、メルカリShopsやBASEなどでオンライン販売を行う場合は、別途、許可番号等の表示が求められます。古物営業法第12条の2により、ホームページやオンラインショップでは次の情報の明示が必要です。

  • 氏名または名称(法人名・屋号)
  • 許可を受けた公安委員会の名称
  • 許可番号

メルカリShopsでは許可番号の登録が必須で、登録なしでは出品できません。プラットフォームへの届出については古物商のURL届出も参照してください。BASEで中古品を販売する場合は、特定商取引法の表記欄に許可番号を記載します。

まとめ

古物商プレートは、許可を取得した古物商全員に掲示が求められる標識です。サイズは縦8cm×横16cm、紺色地に白文字、材質は金属またはプラスチック製が基本で、紙製は認められません。

個人事業主のプレートには屋号を載せられず、本名を記載します。法人なら法人名(商号)を書きます。個人事業主が法人化した場合は、法人名義で許可を取り直してプレートも新たに作成します。

掲示場所は「公衆の見やすい場所」であれば室内・室外を問わず、警察官がすぐ目に入る位置であれば問題ありません。オンライン販売を行う場合は、プレートとは別に許可番号等の表示義務があります。許可取得後にやるべき手続きの全体像は古物商許可の取得後にやることでまとめています。

お困りの際は当事務所へ

古物商許可の取得は、必要書類の準備から警察署への申請まで、手続きが複雑です。プレートの作成方法や屋号の扱いなど、許可後にも判断に迷う場面が続きます。

当事務所では、古物買取の現場で10年以上の経験を持つ行政書士が、書類作成から許可取得までサポートいたします。「自分のケースで許可が必要か確認したい」「申請が複雑で困っている」といった場面では、お気軽にご相談ください。

申請代行 11,000円〜(税込)/まずはお気軽にご相談ください

よくある質問

古物商プレートはいつ作成すればいいですか?

許可が下りた後です。プレートには許可番号が必要なため、番号が確定する前には作れません。古物商許可が下りるまでの期間は東京で標準40日程度。開業日が決まっている場合は、許可取得後すぐ発注できるよう購入先を事前に決めておくと時間のロスがありません。

個人事業主のプレートに屋号を併記してもいいですか?

いいえ、認められていません。プレートの記載は許可証どおりの氏名のみで、屋号の併記もできません。屋号で営業を打ち出したい場合は、許可申請時に屋号を届け出て領収書や帳簿類で使うか、法人化を検討するのが現実的です。

個人事業主が法人化したとき、プレートはどう扱えばいいですか?

法人名義で許可を取り直した後、新しいプレートを作成します。個人名義のプレートはその時点で使えなくなります。許可が下りていない期間が生じると営業できないので、法人化後の申請は余裕を持って進めるのが無難です。

出張買取のとき、プレートを持参する必要はありますか?

いいえ、持参は不要です。古物商プレートは営業所に固定して掲示するものです。出張買取で携帯するのは行商従業者証という別のカード型の証明で、行商する場合は許可申請時にその旨を届け出ておく必要があります。

複数の品目を取り扱う場合、プレートにはどう記載しますか?

「主として取り扱う品目」を1つ選んで記載します。複数品目を扱っていても1つに絞るのが原則です。どれを主品目とするかは取り扱い量や売上の比率で判断してください。

プレートが傷んだり紛失したりした場合はどうすればいいですか?

同じ規格・記載内容で再作成し、掲示を続けます。警察署への紛失届の提出義務はありませんが、プレートなしで営業を続けると掲示義務違反になります。許可証の内容(公安委員会名・許可番号・氏名)は変わっていないため、同じ内容で早めに再発注してください。

執筆者プロフィール

手島宏典 行政書士・現役質屋店長
業界歴10年以上。大手買取店FC3年経営。

行政書士手島宏典事務所
東京都葛飾区亀有3丁目27-30 Tビル1階
TEL:03-6821-4578(年中無休 9:00〜19:00)

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