クローゼットの整理で着なくなった服や子どものおもちゃを50点ほど出品する、というケースなら古物商許可はいりません。自分の私物を処分しているだけで、仕入れ行為が伴っていないからです。
一方、リサイクルショップで仕入れた商品をメルカリで売る、家電量販店のセール品を継続的に転売する、といった売り方は許可が必要です。無許可で続けると古物営業法第31条により3年以下の拘禁刑(旧:懲役)または100万円以下の罰金、もしくはその両方。さらに罰金以上の刑を受けると、その後5年間は許可が取れません(同法第4条)。「バレてから許可を取ればいい」というやり方は、この時点で通用しなくなります。
許可がいらないケースは3つに限られます。
古物商許可がいらない3つのケース

共通しているのは仕入れ行為がないことです。
1. 自分で使っていた私物を処分する
着なくなった服、使わなくなった家電、読み終えた本など、自分が使っていた物を売る場合は許可不要です。出所が自分の家で、もともと使用していたものであれば、引越し前にまとめて出品しても営業には該当しません。
2. プレゼント・贈答品など、もらいものを売る
お祝いでもらったブランド品、結婚祝いで重複した食器、お中元やお歳暮の処分などが該当します。仕入れに金銭が動いていないため、営業ではありません。
ただし贈答品を毎月のように売り続けていると、第三者から見て営業実態と区別がつきにくくなります。贈答の経緯がわかる記録を残しておくと安全です。
3. 自分で作ったものを売る
ハンドメイド作品、自作の同人誌、自家製の食品など、自分で制作した物の販売は古物営業の対象外です。古物営業法でいう「古物」は、一度誰かの所有物になった物を指すからです。
古物商許可が必要になるケース
「仕入れて売る」という売買が反復継続して行われていれば、メルカリでも古物商許可が必要です。具体的には次のような売り方です。
- リサイクルショップ・他のフリマアプリ・オークションから仕入れてメルカリで売る
- 家電量販店やネット通販のセール品を継続的に転売する
- ブランド品の買取店や古物市場で仕入れた商品をネット販売する
中古・新品の区別はありません。仕入れて利益を取る目的で売買している時点で古物営業に該当します。
許可を持つ古物商には、本人確認・帳簿への記載・不正品の申告という古物商の三大義務が課されます。せどりを事業として始める手順はせどりの古物商許可で詳しく扱っています。
「新品だから古物じゃない」は通用しない
「未開封の新品なら古物商の対象外」という認識は誤りです。古物営業法第2条では、使用されていない物品でも「使用のために取引されたもの」は古物に含めるとしています。これがいわゆる新古品です。
たとえばブックオフで未開封のゲームソフトを買って転売する、ヤフオクで落札した新品未開封のブランドバッグを転売する、といった売り方は新品でも古物営業に該当します。
家電量販店やネット通販で買った新品の扱いはグレーゾーンです。本来は古物営業に該当しませんが、申請の相談で管轄署に確認すると、「最初から転売目的で購入していた場合は『使用のために取引された』とみなす余地がある」という見解を聞くことがあります。セール品の大量購入や限定商品の転売を継続的に行うなら、許可を取って営業する方が安全です。
新品の扱いは新品でも許可が必要なケース・不要なケースで取り上げています。
反復継続性の実務上の目線

仕入れの事実があっても1回だけなら営業ではありませんが、継続していれば事業として扱われます。次のような状況は反復継続性ありと判断される目安です。
- 毎週のように出品していて月10件以上の取引がある
- 常に10点以上の在庫を抱えているように見える
- 同じ品目(ブランドバッグだけ・ゲームソフトだけ・スニーカーだけなど)に出品が偏っている
- 同型・同サイズの商品が複数並んでいる
- 仕入れ元の値札やレシートが画像に写り込んでいる
「たまたま不用品が多かった」という説明は、出品履歴が長期間続いていたり、明らかに同一ジャンルに偏っていたりすると通用しません。買取の現場でも、新品同型を大量に持ち込む方には許可の有無を確認することがあります。
無許可営業の発覚ルートと罰則
メルカリ無許可営業の発覚経路は、自分の側からは止められません。メルカリ事務局が取引実態を理由に許可証の提出を求める、警察の捜査で取引履歴が照会される、買取現場や古物市場でのやりとりから明らかになる、税務調査の流れで把握される、といったルートです。「個人アカウントだから目立たない」という想定は通用しません。
罰則は古物営業法第31条で、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、もしくはその両方。2025年6月1日施行の改正刑法で、従来の懲役と禁錮は拘禁刑に一本化されました。
さらに、罰金以上の刑を受けると、刑の執行を終えてから5年間は古物商許可を取得できなくなります(古物営業法第4条)。発覚の具体的なきっかけはメルカリ無許可販売はバレるかで詳しく書いています。
メルカリShopsとの関係
メルカリShopsは、メルカリ内に店舗を開設して継続的に商品を販売できるサービスです。中古品を扱う場合、開設時に古物商許可証の提出が必須で、許可を持っていなければShopsを開設できません。
個人アカウントで運営している場合でも、メルカリ事務局が事業性ありと判断すれば許可証の提出を求められることがあります。提出できなければアカウントに利用制限がかかります。継続的に仕入れて販売しているなら、許可を取ってShopsに移行する方が現実的です。両者の機能差はShopsと通常メルカリの違いを参照してください。
取扱品目(13品目)の選び方
古物商許可を申請するときは、扱う商品を13品目から選びます。メルカリせどりでよく扱われる品目は次のとおりです。
- 衣類:洋服・靴・帽子
- 道具類:家電・ゲーム機・楽器・日用品
- 皮革・ゴム製品類:バッグ・革靴
- 時計・宝飾品類:腕時計・アクセサリー
- 書籍:本・雑誌
「いま扱っている品目だけで申請して、増えたら変更届を出す」のが現実的です。念のため13品目を全部選んでおくと、盗品調査の際に扱っていない品目まで対象に含まれる可能性があります。
品目を後から追加する場合は、営業所を管轄する警察署に変更届を出します。届出を出す前に新しい品目の取引を始めると違反になるため、扱う品目が変わるタイミングで早めに進めてください(変更届は14日以内が原則)。で早めに手続きを進めてください。変更届は14日以内が原則です。
まとめ
メルカリで古物商許可がいらないのは、自分の私物を処分する場合・もらいものを売る場合・自作品を売る場合の3つに限られます。共通しているのは仕入れ行為がないことです。
仕入れて売っているなら、新品・中古を問わず古物商許可が必要です。判断材料は仕入れの事実と反復継続性で、点数や売上額ではありません。許可なく続けて罰金以上の刑を受ければ、5年間は許可を取得できません。
グレーゾーンで判断に迷うより、許可を取って営業する方が結果的に手間もリスクも小さくなります。許可取得の手順は古物商許可の申請方法、費用は申請費用の目安でまとめています。
お困りの際は当事務所へ
「メルカリの取引履歴を見ると許可が必要か微妙」「どの品目で申請すべきか判断がつかない」「申請の手続きが複雑で進められない」といった場面では、お気軽にご相談ください。
当事務所では、古物買取の現場で10年以上の経験を持つ行政書士が、書類作成から許可取得までサポートいたします。
申請代行 11,000円〜(税込)/まずはお気軽にご相談ください
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よくある質問
- 自分の不用品を売るだけなら、何点売っても許可は不要ですか?
-
はい、不要です。出所がすべて自分の私物で仕入れ行為が伴っていなければ、点数や売上が大きくても古物営業には該当しません。判断のポイントは点数ではなく「仕入れて売っているか」です。
- メルカリで仕入れて、メルカリで売る場合も許可が必要ですか?
-
はい、必要です。仕入れ先と販売先が同じプラットフォームでも、仕入れて利益を取る目的で売買している以上、古物営業に該当します。「同じメルカリ内だから許可はいらない」というわけにはいきません。
- 月に数件しか売っていなくても許可は必要ですか?
-
仕入れ行為があれば、月数件でも該当する可能性があります。回数だけで判断されるわけではなく、仕入れ・利益・継続性を合わせて判断されます。月数件でも継続的に仕入れて売っているなら、許可を取った方が安全です。
- メルカリ事務局から許可証の提出を求められたら、どうなりますか?
-
求められた時点で許可を持っていないなら、アカウントの利用制限を受けます。提出を求められてから申請を始めても、東京の場合は許可までに約40日かかります。仕入れて販売している自覚があるなら、求められる前に申請を進めておくのが現実的です。
- 家族の不用品を代わりに売る場合は許可不要ですか?
-
はい、家族のものを処分するだけなら不要です。仕入れ行為が伴わないため、本人が売っても代理で出品しても古物営業には該当しません。ただし、家族から有償で買い取って転売しているなら仕入れ行為に当たるため、許可が必要になります。
執筆者プロフィール
手島宏典 行政書士・現役質屋店長
業界歴10年以上。大手買取店FC3年経営。
行政書士手島宏典事務所
東京都葛飾区亀有3丁目27-30 Tビル1階
TEL:03-6821-4578(平日 9:00〜19:00)

