ヤフオク(Yahoo!オークション)で自宅の不用品を売るだけなら、古物商許可はいりません。一方、転売するつもりで中古品を仕入れ、くり返し売るなら古物営業にあたり、許可を取ってから始めることになります。
許可が必要かどうかは、品物を手に入れた目的しだいです。個人アカウントか、出品数が多いかは関係ありません。ヤフオクで落札して仕入れる側にも、本人確認などのルールがついてきます。
この記事では、許可が必要かどうかを分ける3つの基準と、仕入れ・販売それぞれで必要な手続きを解説します。
基準1 自分の不用品か、転売用に仕入れた物か
その品物をなぜ手に入れたかで判断します。使っていたカメラや服、家電を不要になって売るのは私物の処分で、許可はいりません。集めていたレコードやフィギュアをまとめて出品しても、数が多いだけでは古物営業になりません。
これに対し、もうけるつもりで中古品を買い、売っては次を仕入れる流れを続けるなら、許可がいる商売です。中古の腕時計を仕入れてヤフオクに出し、その売上で次の腕時計を買う形がこれにあたります。店舗がなく自宅から発送していても、仕入れた商品は私物になりません。
| 出品する物と手に入れた経緯 | 古物商許可 |
|---|---|
| 自分で使っていた服・家電・カメラ | 不要 |
| 使うつもりで買い、未使用のまま手放す品 | 不要 |
| 引っ越しや遺品整理でまとめて出品する自宅の物 | 不要 |
| リサイクルショップやフリマアプリで転売用に買った中古品 | 必要 |
| ヤフオクで落札し、再出品して売る品 | 必要 |
| メーカー・問屋から仕入れた新品だけを売る | 不要 |
「必要」の行は、どれも売るつもりで買った物です。転売用に仕入れた物を「不用品」と書いて出品しても、許可がいらなくなることはありません。店頭やネットで安く買って売るせどりも、考え方は同じです。
基準2 「新品」「未使用」でも古物になる
「新品」「未使用」「未開封」と書かれた品物でも、古物にあたるものがあります。法律上の古物には、誰かが使うつもりで一度買った物が含まれ、まだ使っていない物も入るためです。
たとえば、個人が自分用に買ったゲーム機を未開封のまま出品し、それを落札して転売するケースです。箱が開いていなくても、一度消費者の手に渡った未使用品は古物として扱われます。メーカーや問屋から直接仕入れる新品なら、古物にはあたりません。
出品画面の文言より、どこから来た品物かで判断してください。
基準3 出品数や利益に一律の目安はない
「月に何件以上なら許可が必要」「年間の利益が20万円以下なら不要」といった数の線引きは、古物営業法にはありません。副業の所得が20万円以下なら確定申告がいらないというルールは所得税のもので、古物商許可の判断には使えません。
取引の実績がまだなくても、中古品を仕入れて売る事業を始めるなら、最初の仕入れより前に許可を取っておきましょう。引っ越しや遺品整理で私物を短い期間にまとめて出品しても、それだけで商売とはみなされません。はじめから売るために仕入れたかどうかが分かれ目です。
個人アカウントなら古物商許可は不要?
個人名義のアカウントでも、中古品を仕入れて売っていれば古物商許可がいります。アカウントの種類はヤフオク内の区分なので、許可が必要かどうかには影響しません。
個人で商売をするなら個人事業主として本人名義で、会社の事業として売るなら法人名義で許可を取ります。社長が個人で持っている許可は、会社の出品には使えません。個人で許可を持ったまま法人化したときも、法人名義で申請し直すことになります。
ヤフオクで仕入れるときの本人確認
落札した中古品を転売するなら、出品者の本人確認は落札する側の役目です。相手の住所・氏名・職業・年齢を、法令で決められた方法で確認します。
取引額が合計1万円未満なら本人確認と記録はいりませんが、次の品目は金額にかかわらず必要です。
- バイク・原付(部品を含む)
- ゲームソフト
- CD・DVDなど
- 書籍
- エアコンの室外機、電気温水機器のヒートポンプ、電線、金属製グレーチング(2025年10月から追加)
出品者のプロフィールに出る本人確認の表示は、ヤフオクが行った認証です。古物商としての本人確認は、これとは別に自分でしてください。取引ナビで免許証の画像を送ってもらうだけでは、非対面取引(郵送のように顔を合わせない取引)の方法になりません。
匿名配送の出品から仕入れることもできます。ただ、本人確認が必要な品目や金額なのに、匿名のままで確認がとれない相手からは買えません。入札の前に、相手が本人確認に応じてくれるかを聞いておきましょう。
販売ページへの許可番号の表示
ネットで古物を売るときは、次の3つを、取り扱う品物の情報とあわせて表示します。
- 氏名(法人は名称)
- 許可をした公安委員会の名称
- 12桁の許可証番号
個人は本人の氏名が必要で、屋号だけでは足りません。法人は登記上の名称を載せてください。
販売ページでは、自己紹介欄や商品説明など、商品の情報と一緒に目に入る欄へ許可番号を表示しましょう。
出品ページのURL届出
ホームページを使って古物を売るなら、そのURLを許可申請書に書きます。許可を取ったあとでネット販売を始めるときは、変更の届出を出してください。どちらも、そのURLを使う権限があることを示す資料(疎明資料)をつけて出します。
他社のサービスで出品するときは、どのページのURLを書くのか、届出がいるのかも公式の案内に書かれていません。ストアを開くか、一般のアカウントで出品するかでも書く内容が変わってきます。申請先の警察署に事前相談し、書くURLを決めてから申請してください。
申請書の記載と
ヤフオクで売ると決めた時点で、申請書に書くURLと、そのURLを使う権限を示す資料の準備を並行して始めることになります。どのページを書くかも含めて、当事務所へご相談ください。
ヤフオクの履歴で古物台帳の代わりになる?
取引履歴の画面だけでは、台帳に必要な項目がそろいません。台帳には、取引の日付、品目と数量、品物の特徴、相手の住所・氏名・職業・年齢、本人確認のやり方を書きます。最後に書いた日から3年間は、保存が必要です。
履歴の画面に出てこない項目は自分で書き足し、紙の帳簿かデータで残しましょう。書き方は古物台帳の記入例が参考になります。
美術品類、時計・宝飾品類、自動車、自動二輪車・原付の4つは、売ったときにも記録をつけます。腕時計やアクセサリーをヤフオクで売るなら、売った取引も台帳に残してください。
オークションへ出品するたびに警察へ届け出る?
出品のたびに、警察署へ競り売りの届出を出す必要はありません。自分のサイトでオークション形式の販売をするなら、事前の届出がいります。ヤフオクのようにオークション運営会社(古物競りあっせん業者)のサービスを使う出品は、対象外です。
オークションサイトを自分で運営する側なら、古物競りあっせん業の届出という別の手続きになります。競り売りの届出がいらないだけで、許可や許可番号の表示、URLの届出はそのまま必要です。
よくある質問
- 許可を申請している間に、仕入れた中古品を出品してもよいですか?
-
許可がおりるまでは、転売用の仕入れも販売も始められません。申請中に売り始めると無許可営業になるため、許可証を受け取ってから最初の仕入れに進んでください。
- 無許可のまま出品を続けると、どうなりますか?
-
許可なく古物営業をすると、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象です。この罪で罰金刑を受けると、その後5年間は古物商許可を受けられなくなります。すでに続けている方は、出品を止めてから申請を考えましょう。
- 家族や知人から頼まれた品物を代わりに出品するときも許可はいりますか?
-
頼まれた品物を代わりに売り、手数料をもらうことを続けるなら古物営業にあたります。人から預かった品物を売る商売も、法律上は許可の対象です。報酬を取らずに家族の私物を一度出品する程度なら、商売とはみなされません。
- 落札した品物が盗品かもしれないと感じたときは、どうすればよいですか?
-
盗品などの疑いがあるときは、すぐに警察官へ申告してください。古物商にはこの申告が求められています。取引ナビのやり取りや出品ページの画面は、消さずに保存しておきましょう。
- Yahoo!オークションのストアで中古品を売るときも許可はいりますか?
-
ストアに出店を申し込むとき、中古品を扱うなら古物商許可証の写しや許可の情報を出すことになります。許可を取ってから申し込み、法人で出店するなら法人名義の許可を用意してください。
まとめ
ヤフオクで許可がいるかどうかは、出品数や売上、アカウントの種類ではなく、品物を手に入れた目的で分かれます。自宅の不用品を売るだけなら許可はいらず、転売用に中古品を仕入れてくり返し売るなら、最初の仕入れの前に許可が必要です。「新品」「未開封」と書かれた品物でも、一度消費者の手に渡った物は古物に含まれます。
許可を取ったあとは、落札して仕入れるときの本人確認、販売ページへの許可番号の表示、URLの届出、台帳への記録が続きます。ヤフオクの本人確認の表示や取引履歴だけではこれらを満たせないので、確認と記録の手順を自分で用意してください。出品ごとの競り売りの届出はいりません。
参考資料・公式情報
本記事は、以下の公的機関・法令の情報を参考に作成しています。
ヤフオクで中古品販売を始める方へ
「今の出品のしかたで許可がいるのか分からない」と迷った段階で、ご相談ください。判断だけのご相談でも受け付けています。
古物商許可が必要な場合は、申請書類づくりから警察署との事前相談まで、リユース業界で10年以上、買取の実務に携わってきた行政書士がサポートします。

