メルカリで仕入れた中古品を継続的に出品しているなら、無許可営業の発覚は自分の意思とは無関係なところで始まります。バレるきっかけは4つあって、どれも自分の側からは止められません。
罰則は古物営業法第31条で3年以下の拘禁刑(旧:懲役)または100万円以下の罰金。さらに罰金以上の刑を受けると、その後5年間は古物商許可が取れなくなります(同法第4条)。「バレてから許可を取ればいい」というやり方は、この時点で通用しなくなります。
4つのきっかけと、許可取得を含めた現実的な対策を順に見ていきます。
メルカリで古物商許可が必要な場合・不要な場合
許可が必要なケースと不要なケース、それぞれ見ておきます。
許可が必要なケース:
- 営利目的で中古品を仕入れて販売している
- 定期的・継続的に商品を出品している
- 副業や事業として運用している
許可が不要なケース:
- 自分で使っていた不用品を売る
- もらったプレゼントを売る
- 無償で譲り受けたものを売る
判断のポイントは「事業性があるかどうか」です。個別の線引きは古物商許可はいる?いらない?よくある12のケースで12パターンに分けて解説しています。
古物商許可なしでバレる4つのきっかけ
バレるきっかけは大きく分けて、①警察の捜査、②他ユーザーからの通報、③メルカリ事務局の監視、④税務調査の4つです。順番に中身を見ていきます。
1. 窃盗事件の捜査
警察が窃盗事件を捜査するとき、メルカリの取引履歴を照会する場面があります。盗品が絡んでいそうな取引が混ざっていれば、取り調べの中で古物商許可の有無まで聞かれます。
照会された取引履歴は、思っているよりずっと細かいところまで見られます。仕入れた時点で盗品かどうかを見抜くのは難しく、知らずに買っていた場合でも調査の対象になり得ます。許可を持っていれば、古物営業法上の義務である本人確認と帳簿の記録で取引の経緯を説明できます。無許可だと、この段階で「無許可営業」と「盗品関与の疑い」の両方を抱えることになります。仕組みの詳細は古物商が盗品を買い取ってしまった場合のリスクに書いています。
2. 他のユーザーからの通報
競合する出品者や、取引でトラブルになった相手から通報されるケースがあります。同じカテゴリで多数の商品を継続的に出品していると目につきやすく、メルカリ事務局だけでなく警察に直接通報されることもあります。
出品パターンが「事業的」に見えるアカウントは、同業者からも観察されやすい立場にあります。価格が安かったり特定カテゴリで頻繁に売れていたりすると、相場の参考として定期的にチェックされています。
3. メルカリ事務局の監視
メルカリは自動検知システムと目視監査を組み合わせて、不正出品を継続的にチェックしています。事業性があると判断されたアカウントには、古物商許可証の提出を求めるメッセージが届きます。対応できなければアカウントが停止されます。
4. 税務調査
メルカリでの売上が一定規模を超えると、税務署の調査対象になります。税務署はプラットフォームに対して取引記録の照会権限を持っているので、売上をすでに把握したうえで申告漏れを調べに来ます。
調査の流れはおおむね次のとおりです。
- 税務署がメルカリでの売上を把握する
- 仕入れ経費の証明を求められる
- リサイクルショップやフリマアプリでの仕入れを説明する
- 古物商許可証の提示を求められる
- 許可がないことが発覚する
無申告と無許可営業が同時に発覚する流れです。
無許可販売が発覚した場合の罰則
無許可営業に対する処分は、行政処分ではなくいきなり刑事罰として下されます。古物営業法の指示・営業停止・許可取消しといった行政処分は、すでに許可を持っている古物商に向けた制度です(第23条・第24条)。そもそも取り消す許可がない無許可営業者には、最初から刑事罰が適用される仕組みになっています。
古物営業法上の刑事罰
古物営業法第31条により、無許可営業には次の罰則が科されます。
- 3年以下の拘禁刑
- 100万円以下の罰金
- またはその両方
2025年6月1日施行の改正刑法により、従来の「懲役」と「禁錮」は「拘禁刑」に一本化されました。古物営業法を含む関連法令の罰則も、すべて拘禁刑として読み替えられます。条文上の数字(3年以下・100万円以下)はそのままです。
警察庁「令和5年中における古物営業・質屋営業の概況」によれば、令和5年の無許可営業の検挙件数は19件です。件数だけ見ると少なく感じるかもしれませんが、これは刑事事件として送致された数字で、税務調査での発覚やアカウント停止のように、刑事手続きまでいかずに営業を続けられなくなるケースは別にあります。
出典:警察庁「古物営業・質屋営業について」(https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/kobutsu/index.html)
罰金刑による5年間の欠格事由
無許可営業の刑事罰には、もうひとつ大事なポイントがあります。古物営業法第4条の欠格事由に、罰金以上の刑に処せられて執行を終えてから5年を経過しない者、という規定があります。
無許可営業で罰金刑を受けた場合、「あとから許可を取り直して合法的に続ければいい」という選択肢が5年間使えなくなります。事業を続けたい人にとっては、罰金そのものより、この5年間許可が取れないことのほうが大きな問題になります。ませんが、取引規模が大きい・売上が高額・常習的であるといった要素は悪質性の判断に影響します。
メルカリアカウントへのペナルティ
無許可営業がメルカリ側に発覚した場合、警告なしにアカウントが停止されることがあります。これまで積み上げてきた評価・取引実績はゼロになり、再登録のときの審査にも影響が残ります。
リスクを解消する3つの対策

リスクを下げる方法は3つあります。状況に応じて選んでください。
対策1:古物商許可を取得する
いちばん根本的な解決策は許可を取ることです。費用は個人で約2万円、東京での標準処理期間は約40日です。費用の内訳は古物商許可の申請費用、申請手続きの流れは古物商許可の申請方法・必要書類で記事にしています。
許可を取ると古物市場(プロ向けの卸売オークション)への参加資格が得られます。フリマアプリでの仕入れ競争から離れた価格帯で商品を確保できる場面も多く、許可は「コスト」というより「仕入れ環境を整える手段」と捉えたほうが実態に近いです。
対策2:メルカリShopsに移行する
メルカリShopsは事業者向けのサービスで、中古品を扱う場合は古物商許可証の提出が前提です。許可を取得したうえでShopsに移行すれば、通常メルカリでの事務局からの問い合わせリスクはかなり下がります。開設手順はメルカリShopsの開設手順にまとめてます。
対策3:不用品販売の範囲に絞る
許可を取らないのであれば、自分で買って実際に使っていた不用品の販売に絞ります。仕入れた商品の転売は、少量でも事業性があるとみなされるリスクがあります。大量出品や同じ商品の複数出品は、事業性ありと判断されやすい典型パターンです。
まとめ
メルカリで古物商許可なしの販売が発覚するきっかけは、窃盗事件の捜査・他ユーザーからの通報・メルカリ事務局の監視・税務調査の4つです。
古物営業法第31条の刑事罰は3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、もしくはその両方。罰金以上の刑を受けると第4条の欠格事由に該当し、刑の執行を終えてから5年間は古物商許可が取れなくなります。あとから正規ルートに切り替えようとしても、5年間は申請自体が通りません。
対策としていちばん確実なのは、古物商許可を取得することです。個人で約2万円・約40日という条件は、長く営業を続けるための前提コストとして高くありません。リスクを抱えたまま販売を続けるよりも、許可を取って販売環境を整えるほうが、結果的に営業を長く続けやすくなります。
お困りの際は当事務所へ
古物商許可の取得は、必要書類の準備から警察署への申請まで手続きが複雑です。「自分のケースで許可が必要なのか判断したい」「すでに無許可で販売してしまっているが、ここからどう動けばいいか」といった場面でも対応できます。
当事務所では、古物買取の現場で10年以上の経験を持つ行政書士が、書類作成から許可取得までサポートいたします。
申請代行 11,000円〜(税込)/まずはお気軽にご相談ください
- LINE相談(24時間受付・返信最速)
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- 電話:03-6821-4578(年中無休 9:00〜19:00)
よくある質問
- すでに無許可で販売してしまっています。今から許可を取得すれば過去の分は問題にならないですか?
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申請中であっても、申請前の無許可営業期間は違反として扱われます。過去分まで遡って処罰されるかは、発覚のタイミングと販売規模によって変わります。早めに許可を取れば今後のリスクは確実に下がるので、過去分にグレーゾーンが残ることは承知しつつ、まず申請を進めるのが現実的な判断です。
- 税務調査で古物商許可の話が出るのはなぜですか?
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税務調査では仕入れ経費の証明を求められる場面があります。フリマアプリや中古品の仕入れを経費として計上するには取引の正当性を示さなければならず、その過程で古物商許可証の提示を求められます。無申告と無許可営業の同時発覚は実際に起きています。
- 不用品として出品しているのに通報されることはありますか?
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はい、出品数や出品頻度によっては、他のユーザーや事務局から「事業目的」と判断される場合があります。判断は本人の主観ではなく、出品のパターンを見て行われます。線引きが曖昧な場合はフリマアプリで古物商許可を取らずに営業できるのはどんな場合?も合わせて確認してください。
- 古物商許可を取得した後、メルカリでの販売に関して何か手続きが必要ですか?
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オンライン販売をする場合は古物商のURL届出が必要です。メルカリのプロフィールページや出品ページのURLを警察署に届け出る手続きで、義務化されているにもかかわらず見落とされやすい項目です。
- 通報されてもすぐに逮捕されるわけではないのですか?
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はい、通報があっても即日逮捕につながるケースは多くありません。多くは警察からの照会・呼び出しが先に来ます。ただし、無許可営業には行政処分(指示・営業停止)の制度がないので、起訴や略式命令まで進めば罰金刑が下ります。罰金刑で前科がつけば、その後5年間は古物商許可が取れません。
執筆者プロフィール
手島宏典 行政書士・現役質屋店長
業界歴10年以上。大手買取店FC3年経営。
行政書士手島宏典事務所
東京都葛飾区亀有3丁目27-30 Tビル1階
TEL:03-6821-4578(年中無休 9:00〜19:00)

