建設業許可の申請手続き|必要書類・費用・期間【東京都知事許可】

建設業許可の申請手続きについて、必要書類・費用・期間を整理した記事のアイキャッチ

元請から建設業許可を求められた。
税込500万円以上の工事を受注したい。
許可が必要な時期までに間に合わせたい。

このような場合は、許可が必要な時期から逆算して準備を始める必要があります。

東京都知事許可は、準備開始から許可取得まで、おおむね3か月が目安です。
標準処理期間は申請書受付後25日ですが、申請前には経営業務の管理体制や営業所技術者等を証明する書類を集める必要があります。過去の契約書や工事資料を探す場合は、準備だけで1〜2か月以上かかることもあります。

この記事では、東京都知事許可の新規申請について、申請の流れ、許可要件、必要書類、費用、期間を解説します。

目次

建設業許可の申請の流れ

東京都知事許可の新規申請は、次の流れで進めます。

  1. 申請区分と取得業種を決める
  2. 許可要件を確認する
  3. 必要書類を集める
  4. 申請書と財務諸表を作成する
  5. 東京都へ申請する
  6. 審査後に許可通知書を受け取る

申請書の作成に入る前に、申請区分と許可要件を固めておく必要があります。
申請区分によって、申請先も必要書類も変わります。取得業種の判断を誤れば、許可を取っても受注予定の工事を請け負えません。

最初に決める3つの申請区分

建設業許可を申請する前に、次の3点を決めます。

知事許可か大臣許可か

知事許可と大臣許可の違いは、工事現場ではなく営業所の所在地で決まります。

区分営業所の所在地
知事許可1つの都道府県内だけにある
大臣許可2つ以上の都道府県にある

営業所が東京都内だけにあれば、東京都知事許可です。
東京都知事許可でも、施工できる地域が東京都内に限られるわけではありません。千葉県や埼玉県はもちろん、全国どこの工事でも請け負えます。

一般建設業か特定建設業か

一般か特定かは、元請として受注した1件の工事について、下請に出す契約金額で判断します。

区分判断基準
特定建設業下請契約の合計が5,000万円以上
特定建設業(建築一式工事)下請契約の合計が8,000万円以上
一般建設業上記に該当しない場合

特定建設業は、営業所技術者等と財産的基礎の要件が一般建設業よりも厳しくなります。
下請に出す予定がこの基準を下回るなら、一般建設業で申請します。

どの業種で許可を取るか

建設業許可は29の業種に分かれています。電気工事や管工事、内装仕上工事などが代表例です。受注する工事に対応する業種の許可を取ります。

土木一式工事や建築一式工事の許可があっても、すべての専門工事を単独で請け負えるわけではありません。
現在の工事内容と今後の受注予定を確認して、必要な業種を選びましょう。

建設業許可の6つの要件

建設業許可を取るには、書類を出す前に要件を満たしていなければなりません。

東京都知事許可の申請前に、主に次の6項目を押さえます。

項目主な内容
経営業務の管理体制建設業の経営経験を持つ常勤役員等がいるか
社会保険必要な社会保険に適切に加入しているか
営業所技術者等資格や実務経験を満たす人が常勤しているか
誠実性請負契約について不正・不誠実な行為のおそれがないか
財産的基礎一般建設業では自己資本500万円以上などを満たすか
欠格要件役員等が一定の刑罰歴や処分歴などに該当しないか

特に時間がかかりやすいのは、経営業務の管理体制と営業所技術者等の証明です。

経営業務の管理体制

建設業の経営を適切に管理できる体制が必要です。法人役員や個人事業主としての経験を使う場合は、複数の書類で期間を証明します。

主な書類は登記事項証明書、確定申告書、契約書類(注文書や請求書など)です。
経験は自己申告だけでは認められません。過去の役職や工事実績を裏づける資料が必要です。

営業所技術者等

営業所ごとに、許可業種に対応する営業所技術者等を常勤で配置します。

資格で要件を満たす場合は、資格証などを提出します。学歴や実務経験を使う場合は、卒業証明書や実務経験証明書、過去の工事資料などが必要です。

資格や経験を満たしていても、別の会社に勤務している場合や営業所に常勤していない場合は、営業所技術者等にはなれません。

財産的基礎

一般建設業では、主に次のいずれかで財産的基礎を証明します。

  • 自己資本が500万円以上ある
  • 500万円以上の資金調達能力がある
  • 許可を受けて継続して5年以上営業した実績がある

新設法人や、直近決算で自己資本が500万円に満たない場合は、預金残高証明書で証明する運用が一般的です。

必要書類は大きく3種類

建設業許可の必要書類は多く見えますが、大きく3種類に分けられます。

申請書・財務諸表

申請者や工事実績、経営状況などを記載する書類です。主な書類は建設業許可申請書と役員等の一覧表です。工事経歴書、直前3年の工事施工金額、財務諸表なども含まれます。

法人と個人事業主では、使用する財務諸表の様式や添付書類が異なります。

許可要件を証明する資料

申請書に記載した内容を裏づける資料です。経験や資格の証明には、資格証や卒業証明書、実務経験証明書などを使います。

工事実績の証明には、工事請負契約書や注文書・請求書、入金記録などが役立ちます。このほか、確定申告書や社会保険の加入資料も必要です。
必要な資料は、候補者の資格・学歴・経験・勤務状況によって変わります。

会社・営業所に関する資料

法人や営業所の実態を示す書類です。主な書類は、履歴事項全部証明書や定款、納税証明書などです。営業所の写真や賃貸借契約書も添付します。

営業所技術者等の常勤性や生年月日を示すため、マイナンバーカードや資格確認書などを使います。運転免許証や住民票が必要になる場合もあります。

公的書類には有効期間があるため、取得時期にも注意しましょう。

東京都知事許可の費用と申請方法

申請手数料

建設業許可の申請時には、行政庁へ申請手数料を納めます。

申請区分東京都知事許可大臣許可
新規9万円15万円
許可換え新規9万円15万円
般・特新規9万円15万円
業種追加5万円5万円
更新5万円5万円

東京都知事許可の一般建設業で複数業種を同時に新規申請しても、申請手数料は9万円です。

ただし、一般建設業と特定建設業を同時に申請する場合は、申請区分ごとに手数料が加算されます。
行政書士に申請を依頼する場合は、申請手数料とは別に報酬がかかります。

申請方法

東京都知事許可の新規申請は、次の2つの方法で受け付けています。

  • 東京都庁の窓口
  • 建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP)

電子申請には、事前にGビズIDの取得が必要です。取得には2週間ほどかかるため、早めに準備しましょう。
決算変更届や一部の変更届は、郵送でも受け付けています。
申請方法によって、手数料の納付方法や添付資料の提出方法が異なります。申請前に、東京都の最新案内に目を通しておきましょう。

許可取得前と取得後の注意点

申請中でも許可が必要な工事は請け負えない

建築一式工事以外では、1件の請負代金が税込500万円以上になる場合、原則として建設業許可が必要です。
申請中であっても、許可が下りるまでは無許可の状態です。許可が必要な工事は、許可取得後に請負契約を締結しなければなりません。

注文者から材料の提供を受ける場合は、その材料の市場価格と運送費も請負代金に加えて判断します。
受注予定がある場合は、工事開始日だけでなく契約予定日にも注意しましょう。

許可後も届出や更新が必要

建設業許可は、取得して終わりではありません。
許可取得後は、主に次の対応が必要です。

営業所に許可票を掲示する
元請工事では工事現場にも許可票を掲示する
営業所ごとに帳簿を備える
事業年度終了後4か月以内に決算変更届を提出する
役員、所在地、営業所技術者等の変更届を提出する
5年ごとに更新申請を行う

決算変更届が1期でも未提出のままだと、更新申請を進められません。

よくある質問

申請中に500万円以上の工事を請け負ってもいいですか?

いいえ、許可が下りる前は請け負えません。

申請中であっても、許可を受ける前は無許可業者として扱われます。500万円以上の工事は、許可が下りたあとに契約する必要があります。

建築一式工事の場合は、1,500万円以上、または延べ面積150㎡以上の木造住宅工事が基準です。

東京都知事許可でも全国の現場で工事できますか?

はい、できます。

知事許可と大臣許可の違いは、営業所をどこに置くかです。施工できる地域を制限するものではありません。

東京都内だけに営業所がある会社でも、東京都知事許可で全国の現場に対応できます。

複数業種を同時に申請すると手数料は増えますか?

一般建設業の新規申請であれば、業種数が増えても東京都へ納める手数料は9万円です。

ただし、一般建設業と特定建設業を同時に申請する場合は、別々に手数料がかかります。

許可が必要な現場が決まっている場合、まず何をすればいいですか?

まずは、契約予定日と工事金額を整理します。

500万円以上の工事は、原則として許可取得後に契約する必要があります。次に、必要な業種、経管、営業所技術者、財産的基礎を見ます。

現場が近い場合は、契約日から逆算して動くことが大切です。

経管や営業所技術者の資料が足りない場合はどうしますか?

まず、手元に残っている資料を洗い出します。

契約書、注文書、請求書、入金資料、確定申告書、登記事項証明書などを組み合わせて、経験を示せるか見ます。

前職の会社に証明を頼む場合は、時間がかかることがあります。

個人事業主や一人親方でも建設業許可は取れますか?

はい、個人事業主や一人親方でも取れます。

ただし、経営業務の管理責任者等、営業所技術者、財産的基礎などの要件は法人と同じように見られます。

法人化を予定している場合は、許可を取るタイミングもあわせて整理しておくと進めやすくなります。

まとめ

東京都知事許可は、準備開始から許可取得まで、おおむね3か月が目安です。

申請前には、まず知事許可と大臣許可のどちらを申請するかを判断します。次に一般建設業か特定建設業かを選び、最後に取得する業種を絞り込みます。
そのうえで、経営業務の管理体制や営業所技術者等、財産的基礎などの要件を満たすかを見極めます。必要書類はそこから集めます。

申請中でも、許可が必要な工事は請け負えません。
受注予定がある場合は、工事開始日ではなく契約予定日から逆算して準備しましょう。

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