中古ゲームの販売に古物商許可は必要?本体とソフトの品目と本人確認

中古のゲーム機やゲームソフトを仕入れて繰り返し販売するなら、古物商許可が必要です。レトロゲームだけを扱う場合や、店舗を持たずにネット販売だけで売る場合も変わりません。自分で遊ぶために買ったゲームを、遊ばなくなって手放すだけなら許可は不要です。

許可を取ったあとの実務では、ゲーム機本体とゲームソフトで品目の区分が別になります。少額で買い取るときの本人確認のルールにも、本体とソフトで違いがあります。

この記事では許可が必要な取引と申請する品目から、本人確認と台帳の書き方、ネット仕入れと販売前の注意点までを解説します。

目次

仕入れて売るなら許可が必要

許可が必要かどうかは、ゲームを手に入れた目的と、売り方が繰り返しの商売になっているかで分かれます。

取引の内容古物商許可理由
自分で遊ぶために買ったゲームを、遊ばなくなって売る不要私物の処分で、売るために仕入れた物ではないため
中古ゲーム店やリサイクルショップで仕入れ、繰り返し転売する必要利益を得る目的で中古品を仕入れ、繰り返し売っているため
一般の人から中古ゲームを買い取って販売する必要一般の人から古物を買い取って売る営業にあたるため
フリマアプリやオークションで仕入れて販売する必要転売するために中古品を仕入れているため

仕入先が中古ゲーム店やリユースショップのように許可を持つ事業者でも、自分で販売の事業をするなら自分の許可が必要です。仕入先が古物商だからといって、買う側の許可が免除されることはありません。

一般の人が一度買ったゲームは、開けていない未使用品でも古物営業法の古物(使うために取引された物)にあたります。一般の人から未開封品を仕入れて繰り返し売る場合も、許可が必要です。

本体とソフトで品目が違う

ゲーム機本体は「機械工具類」、パッケージ版のゲームソフトは「道具類」に入り、同じゲームの商品でも品目が分かれます。古物商許可の申請書には、営業所で扱う古物の区分(品目)を書いて警察署に出します。

扱う商品古物の区分区分の考え方
家庭用ゲーム機本体、携帯型ゲーム機本体機械工具類電気で動く機械にあたる
パッケージ版ゲームソフト(ROMカセット、光ディスクなど)道具類ゲームのプログラムを記録した物にあたる
攻略本、設定資料集、ゲーム雑誌書籍本・雑誌にあたる
ゲーミングPC、配信用パソコン事務機器類パソコン本体にあたる

本体とソフトの両方を買い取って売るなら、「機械工具類」と「道具類」の両方を申請書に書いてください。攻略本や雑誌もあわせて買い取る予定があれば、「書籍」も加えます。

コントローラーやVR機器などの周辺機器、限定版の付属グッズは、どの区分に入るか迷うことがあります。仕入れる予定の商品を一覧にし、13品目のどれにあたるかを申請先の警察署に相談しましょう。

ソフトは1万円未満でも本人確認が必要

ゲームソフトは、買取の金額が1万円未満でも本人確認と古物台帳への記録が必要です。一般の人から中古品を買い取るとき、取引の総額が1万円未満なら、本人確認と記録は原則として免除されます。ゲームソフトや書籍など一部の品目は、法令でこの免除から外されています。

買い取る物1万円未満の買取1万円以上の買取
ゲーム機本体だけ原則として本人確認・記録は不要本人確認・記録が必要
パッケージ版ゲームソフト金額にかかわらず必要必要
攻略本などの書籍金額にかかわらず必要必要

査定額が500円や1,000円のソフトでも、金額が小さいことを理由に本人確認や台帳の記録を省くことはできません。

1万円の数え方

1万円に届くかどうかは、商品1点ごとの値段ではなく、1回の取引で支払う代金の合計で計算します。一度に持ち込まれた物をまとめて数え、この金額に消費税は含めません。

たとえば税抜5,000円のゲーム機本体を同時に2台買い取ると、合計は10,000円です。本体だけの取引でも、この場合は本人確認と台帳の記録が必要になります。

本体とソフトをまとめて買い取るときは、少なくともソフトについて本人確認と記録が欠かせません。本体とソフトで受付の手順を分けると、管理が複雑になります。セット全体を1回の取引として本人確認と記録をすれば、受付の手順は1つで済みます。

18歳未満の人から買い取るときは、古物営業法とは別に、都道府県ごとの青少年健全育成条例の規制も受けます。

本人確認と台帳に書く内容

本人確認で相手から聞き取る項目は、住所・氏名・職業・年齢の4つです。店頭の買取なら、運転免許証やマイナンバーカードなどを見せてもらい、目の前の本人と照らし合わせてください。証明書に職業の欄がないときは、買取申込書に書いてもらうか、口頭で聞いて記録しましょう。

買い取ったゲーム機やソフトは、あとから盗品の捜査や在庫の照会に使えるよう、古物台帳に記録します。記録する項目は、取引の年月日、品目と数量、古物の特徴、相手の住所・氏名・職業・年齢、本人確認の方法です。

商品「古物の特徴」として記録する情報
ゲーム機本体メーカー名、機種名、型番、本体カラー、製造番号(シリアルナンバー)、数量
ゲームソフトタイトル名、対応機種、通常版か限定版か、数量
本体と周辺機器のセット機種名、製造番号、付属ソフト名、欠品の有無、自社の管理番号

ゲーム機本体は同じ機種を何台も買い取ることが多いため、製造番号まで残しておきましょう。買取の控え・在庫データ・販売履歴を1台ずつ照合できます。

攻略本などの書籍は、同じ人から同時に受け取った分をまとめて書けます。ゲームソフトにはこの扱いがなく、「ゲームソフト10本」のような一括の書き方は通りません。タイトル名と対応機種が分かる形で、1本ずつ記録してください。

買取の受付準備と許可申請でお困りなら

中古ゲームの買取を始めると決めた時点で、本人確認の受付手順と許可申請の準備を並行して始めることになります。本体とソフトの品目の書き方や、少額のソフト買取で本人確認と台帳の記録をどう進めるかも含めて、当事務所へご相談ください。

フリマやネットで仕入れるとき

メルカリやヤフオク、ラクマで中古ゲームを仕入れるときも、店頭と同じ本人確認のルールがかかります。ゲームソフトは、少額の仕入れでも本人確認を省けません。

出品者がアプリ上で「本人確認済み」でも、それは運営会社に対する手続きで、古物商としての本人確認にはなりません。免許証の写真をメッセージで送ってもらうだけの方法も、法令にある非対面の本人確認の方法から外れます。

匿名配送で出品者の名前や住所が分からない取引では、法令どおりの本人確認を最後まで終えられません。ネットで仕入れるなら、フリマ・オークション仕入れの本人確認の方法に沿って、仕入れのルートを用意しておきましょう。

販売前の動作チェックと初期化

中古ゲーム機を売る前には、動くかどうかを一通り試し、前の持ち主のデータを消しておきます。試す項目は次のとおりです。

  • 電源が入るか、ファンの異音や本体の発熱がないか
  • 光ディスクやROMカートリッジを正しく読み込むか
  • HDMIなどの映像出力と音声出力
  • コントローラーのボタンの反応と、スティックのドリフト(触っていないのに入力が入る症状)
  • Wi-FiやBluetoothなどの無線通信
  • 純正ケーブル、ACアダプター、メモリーカードなど付属品がそろっているか

試していない機能があるなら「動作確認済み」とは書かず、試した範囲をそのまま商品説明に書いてください。

本体には前の持ち主のアカウントやクレジットカード情報、ネットワーク設定、個人データが残っていることがあります。メーカーの公式手順に沿って、アカウントの連携を解除し、本体を工場出荷時の状態に必ず戻しましょう。

本体に前の持ち主が買ったダウンロード版ソフトが残っていても、その利用権は前の持ち主のアカウントにひもづいています。次の購入者に引き継げる権利はないので、パッケージ版ソフトとは分けて扱ってください。

許可を取る前に決めること

中古ゲームの仕入れを始めるのは、古物商許可が下りてからです。申請の前に、次のことを決めておきましょう。

  • 営業所:店舗がなくても、自宅を営業所として申請できることがあります。賃貸住宅なら、契約で事業に使えるかを事前に調べてください。
  • 管理者:営業所ごとに常勤の管理者を1人置きます。個人事業主の本人が兼ねることもできます。
  • 品目:「機械工具類」と「道具類」を中心に、攻略本も扱うなら「書籍」を加えます。
  • URLの届出:自社のネットショップやホームページで売るなら、そのURLを申請書に書いて届け出ます。
  • 本人確認と台帳の手順:店頭買取、宅配買取など、取引の形ごとに本人確認と記録の手順を用意します。

東京都で古物商許可を新しく申請するときの手数料は19,000円で、申請先は主たる営業所の所在地を受け持つ警察署です。警視庁の「古物商の許可に関する審査基準」では、審査にかかる標準処理期間を、行政庁の休日を除いて40日としています。書類をそろえる期間は、この日数に含まれません。申請書を受け付けてもらった段階では営業できず、許可証が交付されてから仕入れを始めます。

よくある質問

副業で少しだけ中古ゲームを売る場合も許可は必要ですか?

必要です。副業や内職でも、利益を得る目的で仕入れと販売を繰り返すなら古物営業にあたります。売上の規模が小さいことは、許可がいらない理由になりません。

中古ゲーム店から仕入れるときも本人確認をしますか?

本人確認が必要な取引なら、仕入先が古物商でも省けません。法人が相手のときは、実際に取引を担当する人について本人確認と記録をしてください。ゲーム機本体だけを1万円未満で仕入れるときのように、少額取引の免除にあたる場合は原則として不要です。

ゲームソフトを売ったときに、買った人の記録は必要ですか?

不要です。売って引き渡したときにも記録が必要になるのは、美術品類、時計・宝飾品類、自動車、自動二輪車・原付の4区分です。ゲーム機本体やゲームソフトは、この中に入っていません。

古物台帳は紙ではなくパソコンのデータでもよいですか?

データでも記録できます。本社でデータをまとめて管理し、各営業所ですぐに画面表示や印刷ができる形にしておく方法も認められています。

買い取ったソフトに盗品の疑いがあるときはどうしますか?

すぐに警察官に申告してください。古物商には、不正品の疑いがある品物について警察へ申告する義務があり、申告と合わせて取引の記録も残しておきます。

まとめ

中古のゲーム機やゲームソフトを仕入れて繰り返し売るなら、店舗の有無にかかわらず古物商許可が必要です。申請書の品目は、ゲーム機本体が「機械工具類」、パッケージ版ソフトが「道具類」です。攻略本も買い取るなら「書籍」も加えます。

ゲームソフトは1万円未満の買取でも、本人確認と台帳の記録が免除されません。フリマアプリやオークションから仕入れるときも、同じルールで本人確認をしてください。営業所・管理者・品目・本人確認の手順がそろったら、古物商許可を自分で申請する手順に沿って警察署へ申請しましょう。仕入れは、許可証が交付されてから始めます。

参考資料・公式情報

本記事は、以下の公的機関・法令の情報を参考に作成しています。

古物商許可の申請でお困りならご相談ください

「本体とソフトの品目をどう書くか」「少額のソフト買取で本人確認をどう進めるか」と迷った段階で、ご相談ください。判断だけのご相談でも受け付けています。

古物商許可が必要な場合は、取り扱う品目の選び方や本人確認の手順づくりから警察署への申請まで、リユース業界で10年以上、買取の実務に携わってきた行政書士がサポートします。

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