【特車申請・経路作成⑤】未収録道路の手動入力手順と路線名の調べ方

コラム

特車申請のオンラインシステムが自動計算してくれるのは、国道や主要な県道までです。しかし、実際に許可が必要なのは、その先の現場(工場、建設現場、倉庫)までのルートです。

この「現場までの最後の区間」をどう設定するかが、申請の受理・不受理を分ける決定的な要素となります。特に2025年3月から新たに導入された「接続チェック」機能により、これまで通用していた申請方法が使えなくなるケースが増えています。

本記事では、未収録道路を正確に繋ぐための基本手順と、2025年の新機能への対策について解説します。

未収録道路を繋ぐ基本手順

デジタル地図上にデータがない道路(グレーの道や道がない場所)を経路に組み込む場合、最初から最後まで手動で線を引くのは非効率です。

推奨されるのは、「手動入力」と「経路自動探索入力」を組み合わせる方法です。

手順①:出発地から最寄りの交差点まで(手動入力)

まず、現場(出発地)のピンを地図上に配置します。そこから、最寄りの「黒丸(収録交差点)」までを、交差点ごとにクリックして手動で線を引きます。

  • 地図上のグレーの道や、道がない場所をクリックしてルートを作成します

手順②:中間区間(自動計算)

現場から最寄りの「黒丸」に到達したら、そこから目的地近くの「黒丸」までは、システムの「経路自動探索」機能を使います。

  • 長い距離をワンクリックで繋ぐことができます
  • A〜D条件が即座に判明するルートが自動で選択されます

手順③:目的地への接続(手動入力)

目的地の最寄りの「黒丸」に到着したら、再度手動モードに切り替え、そこから現場(目的地)までを手動で引いて完了させます。

この手順を使えば、審査が必要な「未収録区間」を最小限に抑えつつ、正確な申請データを作成できます。

「未収録路線」表記の修正手順と路線名の調べ方

手動で引いた未収録道路に関して、最も多い不備が路線名の入力忘れです。

システム上で未収録道路を手動作成すると、経路リスト上の名称はデフォルトで「未収録路線」と表示されます。これをそのまま申請すると、形式審査の段階で「どこの道を通るのか特定できない」として、必ず差戻しを受けます。

正しい対処法:名称の上書き

経路作成が完了したら、必ず「経路順路」リストを確認してください。「未収録路線」と書かれている行をクリックし、正しい名称に編集する必要があります。

入力例:

  • 市道○○線
  • 町道△△号
  • ○○農道
  • 臨港道路○○号
  • 私道の場合:「○○工場内道路」「○○私道」

名称がわからない場合は?

「Googleマップにも載っていない」という場合でも、「不明」や「未収録」のままにしてはいけません。

必ず、その道路を管理している自治体(市役所の土木課など)に電話をして、路線名を確認する必要があります。特車申請PRサイトには、全国の道路管理者の問い合わせ先一覧が掲載されていますので、活用してください。

2025年3月導入:「接続チェック」機能とは

2025年3月のシステム改修で、「追加経路端点の通行可否チェック」機能が導入されました。

これは審査が厳しくなったのではなく、システムが賢くなり、物理的に無理なルートはそもそも作れなくなったという技術的な進化です。これまでは、地図上で線さえ繋がっていれば申請データが作成できてしまい、審査の段階で「実際には通れない」と判明することがありました。新機能により、そうした無駄な申請を未然に防げるようになっています。

変更点:行き来できないと「NG」判定

システムは、「通行可能経路(収録道路)」と「追加経路(手動で引いた未収録道路)」の接続点において、データの行き来が可能かどうかを自動判定するようになりました。

判定基準:
接続点の交差点データにおいて、「折進条件(右折・左折・直進の可否)」が全て不許可となっている場合、システムは「接続NG(通行不可)」と判定します。

具体例:

  • 中央分離帯があり、右折で入ることができない脇道へ、右折で入るルートを引いた場合
  • 一方通行の出口から、逆走して入ろうとした場合
  • 高速道路のインターチェンジ等で、構造上出入りできない方向へ接続した場合

エラーが出た場合の対策

このエラーが出た場合は、物理的・法的にその交差点から現場へ入ることができません。以下の修正が必要です。

  1. 接続する交差点を変える
    ひとつ隣の信号機がある交差点から入るルートに変更する
  2. アプローチ方向を変える
    右折で入れないなら、一度通り過ぎてUターンし、左折で入るルート(反対車線からのアプローチ)に修正する

この機能導入により、「申請はできたけれど、審査で通行不能と判明」という事態を未然に防げるようになりました。作成時には、現場周辺の交通規制をより正確に把握しておく必要があります。

2025年新機能:ラストマイルの「経由地」設定

2025年の改良で便利になったのが、「ラストマイル経由地」の設定です。

これまで、自動計算にお任せだった「現場周辺のルート取り」について、ユーザーが意図的にコントロールできるようになりました。

改良点:
重要物流道路以外の収録道路(いわゆるラストマイル)上の交差点を、右クリックで「経由地」として設定できるようになりました。

メリット:
「システムは遠回りを指示するが、実際はこの道を通れば近い」という場合、その交差点を経由地として指定することで、現場の実態に即した無駄のないルートを作成可能です。

まとめ:現場の実態に即したルート作成が必須

未収録道路を含む経路作成は、特車申請の中で最も手間がかかる作業です。しかし、ここを正確に行うかどうかが、許可までのスピードを決定づけます。

重要なポイント:

  1. 手動と自動を使い分ける
    効率よく線を引くために、手動入力と経路自動探索を組み合わせる
  2. 路線名は必ず入力する
    「未収録路線」のまま放置せず、必ず正式名称を上書きする
  3. 接続チェックを理解する
    2025年の新機能により、物理的に曲がれるルートを作成する必要がある

特に2025年の「接続チェック」導入により、適当に線を繋ぐだけの申請はシステムで弾かれるようになりました。現場周辺の道路状況(右折禁止や一方通行など)をGoogleストリートビューなどで事前に確認し、「本当に通れるルート」を作成することが重要です。