特車申請の更新は2年ごとです。車両・経路が増えるほど、入力作業の繰り返しと期限管理が重くのしかかります。
その負荷を下げる手段として、平成28年1月に導入されたのが特車ゴールド制度です。業務支援用ETC2.0を装着した車両に対し、更新手続きの簡素化と、大型車誘導区間内での経路選択の自由度を認める優遇措置です。ETC2.0で走行データを収集できることと引き換えに、2つの特例が与えられます。
ただし装着だけでは使えません。システム上の利用登録が別途必要で、ドライバーの携行書類も増えます。超重量・超寸法車両への4年許可の不適用と合わせて、導入前に把握しておいてください
特車ゴールド制度の仕組み
特車申請は現在「許可制度(従来型)」と「確認制度(新型)」の2種類があります。特車ゴールド制度は許可制度の中の優遇措置で、確認制度(通行確認制度)とは別の仕組みです。どちらを使うべきか迷う場合は許可制度と確認制度の選び方と使い分けを参照してください。
業務支援用ETC2.0車載器をセットアップ・装着したうえで、オンライン申請システムの利用登録画面で「ETC2.0簡素化制度(特車ゴールド)」にチェックを入れて登録を完了した車両が対象です。車載器を装着しただけでは制度は適用されません。許可証を取得する手続き自体は通常と同じです。
メリット①:更新時の入力作業が省略できる
前回の許可内容(車両諸元・経路・積載貨物)に変更がなければ、システム上で更新の意思表示をするだけで申請が完了します。申請書の作成も、情報の入力し直しも不要。
通常の更新申請では車両情報・経路情報を毎回入力し直します。車両・経路が多い事業者ほど、省略の恩恵は大きくなります。登録から更新までの具体的な操作手順は特車ゴールドの申請手順|ETC2.0利用登録・初回申請・更新の全手順で確認できます。
入力作業がすべて不要
メリット②:大型車誘導区間内で経路を選べる
通常の許可では、申請した経路以外の走行は原則できません。ゴールド制度の登録車は、大型車誘導区間内に限り、状況に応じた経路選択が認められます。
大型車誘導区間とは、高速道路や主要国道など大型車の通行を前提に整備された道路ネットワークです。
- 通常許可: 国道Aが事故渋滞していても、申請した経路(国道A)しか走れない
- ゴールド許可: 国道Aが渋滞していれば、同じ誘導区間内の並行路(国道B)へ迂回できる
この自由度が認められるのは大型車誘導区間内のみです。会社からICまでの末端経路など、誘導区間外の区間は申請通りのルートを走行しなければなりません。
ゴールド制度の注意点
ワンクリック申請できないケース
ゴールド制度の登録車でも、次のケースは通常の申請が必要です。
- 許可期限が切れている場合: 1日でも期限を過ぎると新規扱いになり、入力省略は使えません
- 会社名・代表者が変わった場合: 申請者情報に変更があれば変更申請が必要です
- 車両や経路に変更がある場合: 車両の入れ替えや経路の追加があれば対象外です
期限切れからの新規申請は審査に3週間程度かかります。許可期限が切れた際の対処と管理方法、更新タイミングの前倒し管理も合わせて確認してください。
ドライバーの携行書類が増える(電子携帯可)
ゴールド制度では、通常の許可証に加えて以下の2点をドライバーに携行させます。
- 大型車誘導区間算定結果帳票(システムからダウンロード)
- 大型車誘導区間経路図・通行条件マップ(特車PRサイト等から最新版を入手)
タブレットやスマートフォンでの電子表示(PDF保存)でも認められます。ただし通信圏外やバッテリー切れで提示できない場合は条件違反です。最新版でない経路図も同様に条件違反とみなされます。特車許可証の携帯義務と対象書類も合わせて確認してください。
手数料は変わらない
申請手数料は通常と同額です。1経路あたり200円等の費用は引き続き発生します。事務作業の手間が減る制度であり、費用が割引になる制度ではありません。
なお、申請データの車検証情報に不整合がある場合は差戻しの対象になります。提出前に差戻しの主な原因と対処で主なミスを確認しておくと安心です。
許可期間の延長(最大4年・最大2年)
平成31年4月から導入された制度です。ゴールド制度の利用登録に加え、以下の3条件をすべて満たすと、通常2年の許可期間を最大4年に延長できます。
- 業務支援用ETC2.0の装着・登録
- Gマーク(安全性優良事業所)の認定事業所であること
- 過去2年以内に違反歴がないこと
申請データ作成時に、通行期間を「4年」に変更して選択します。条件を満たしていても選択しなければ4年許可にはなりません。なおGマーク認定証の写しの添付は、現在のシステムでは不要です(以前は必要でしたが、システム改修により廃止されています)。
ただし重量・寸法が一定基準を超える「超重量・超寸法車両」はこの4年の対象外です。該当車両は本来1年の許可期間が最大2年への延長となります(例:セミトレーラ連結車で長さが17mを超えるものなど)。
ETC2.0
装着・登録済み
(安全性優良
事業所)
違反歴
なし
まとめ
ETC2.0を装着してシステムに登録すれば、更新のたびの入力作業がなくなります。Gマーク取得済みで2年間違反なしの事業者は許可期間を4年に延ばせるため、更新コストは実質半減します。
ただし、システムへの利用登録(チェックボックス選択)を忘れると制度は適用されません。ドライバーへの追加携行書類の周知も事前に済ませておくこと。許可期限が切れると新規扱いになり、ワンクリック更新も4年許可の延長申請もできなくなります。超重量・超寸法車両は4年許可の対象外で、最大2年が上限です。
特車申請の制度・手続き・車種別対応の全体像は特殊車両通行許可申請ガイドで確認できます。
よくある質問(FAQ)
- Q特車ゴールド制度と確認制度(通行確認制度)は同じものですか?
- A
別の制度です。特車ゴールド制度は従来の許可制度の中の優遇措置で、更新の簡素化と大型車誘導区間での経路選択を認めます。通行確認制度は許可証ではなく確認番号を取得する新しい仕組みで、ETC2.0による即時回答が特徴です。
- QETC2.0を装着すれば、自動的にゴールド制度の対象になりますか?
- A
なりません。装着しているETC2.0が「業務支援用」であること、かつオンライン申請システムの利用登録画面で「ETC2.0簡素化制度」にチェックを入れて登録を完了させることが条件です。
- Q業務支援用ETC2.0かどうかはどこで確認できますか?
- A
車載器の外箱、同梱のセットアップ証明書、または取扱説明書に「業務支援用」の記載があるか確認してください。不明な場合は、車載器管理番号(20桁)を添えてセットアップ店またはメーカーへ問い合わせると確認できます。
- Q経路選択が自由になる範囲はどこまでですか?
- A
大型車誘導区間として指定された主要道路ネットワーク内に限ります。会社からIC入口まで、または届け先から一般道に出た後の末端経路は、申請通りのルートを走行しなければなりません。
- QGマーク認定があれば、申請すると自動的に4年許可になりますか?
- A
なりません。ETC2.0の登録・Gマーク認定・過去2年間の違反なし、という3条件をすべて満たしたうえで、申請時に「許可期間4年」を選択します。Gマーク認定証の写しの添付は現行システムでは不要です。超重量・超寸法車両は4年許可の対象外で、最大2年が上限となります。
- Qゴールド制度登録車でも、ワンクリック申請できないケースはありますか?
- A
あります。許可期限が1日でも切れている場合(新規扱いになります)、申請者情報に変更がある場合、車両や経路に変更がある場合は通常の申請が必要です。期限切れからの申請は審査に3週間程度かかります。
特車ゴールド制度の登録や、ETC2.0を活用した更新申請の手続きについてご不明な点はお気軽にご相談ください。
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