中古のトレーディングカードや、一般の人から買い取った未開封BOXを繰り返し売るなら、古物商許可が必要です。自分で遊んでいたカードやコレクションを手放すだけであれば、許可はいりません。
売る枚数や利益の額では決まらず、カードをどこから、何のために手に入れたかで分かれます。この記事では、仕入れ方ごとの判断と申請時に決める品目・営業所、買取を始めてからの本人確認や古物台帳の記録まで解説します。
許可が必要になるケース
中古のカードを売るために仕入れたなら、相手が個人でもカードショップでも古物の仕入れになります。仕入れ方ごとに表にすると、次のようになります。
| 仕入れ方・取り扱う商品 | 許可 | 理由 |
|---|---|---|
| 自分のコレクションを処分する | 不要 | 転売目的の仕入れではない |
| 中古のシングルカードを仕入れて販売する | 必要 | 中古品を仕入れて継続的に売る |
| 一般のお客さんからカードを買い取って販売する | 必要 | 消費者からの買取りは古物の仕入れにあたる |
| 中古カードショップで仕入れて再販する | 必要 | 店からの仕入れでも中古品の転売になる |
| メーカー・問屋から新品を仕入れて販売する | 不要 | 消費者の手に渡る前の新品 |
| 一般消費者から未開封BOXを買い取って販売する | 必要 | 一度消費者が購入した物は古物にあたる |
月に数枚しか売らない、利益がわずかといった事情だけでは決まりません。利益を出すつもりで中古カードの仕入れと販売を繰り返していれば、許可を取ってから始めることになります。副業や片手間でも同じです。
趣味で集めたカードを引っ越しや断捨離でまとめて手放すのは、私物の処分です。高額なレアカードが入っていても、一度に大量に売っても、それだけで許可が必要になることはありません。
最初から利益を出すつもりでカードを買い集め、販売を繰り返しているなら話は変わります。「コレクションを手放しただけ」と言っても、買ったときから売るつもりだったのなら、許可を取ってから売りましょう。
未開封BOXと鑑定済みカード
未開封BOXも鑑定済みカードも、一般の人から買い取って売れば古物の仕入れにあたります。
未開封BOX
ポケモンカードやワンピースカードでは、シュリンク付きの未開封BOXが盛んに売買されています。未開封でも、一度お客さんの手に渡ったBOXは古物です。
量販店やコンビニで一般の人が買ったBOXは、開けていなくても中古品と同じ扱いになります。そのBOXをお客さんから買い取って売るのも、古物の仕入れです。
メーカーや一次問屋から直接仕入れた新品であれば、古物にはあたりません。シュリンクの有無や外箱の表記ではなく、どこから仕入れたかで判断してください。
鑑定済みカード
PSAやBGSの鑑定ケースに入ったカードも、考え方は通常のカードと同じです。個人から買い取って売るなら、許可の対象になります。
鑑定番号で1枚ずつ見分けられても、売主の本人確認の代わりにはなりません。買取の記録も、通常のカードと同じ手順で残すことになります。
申請する品目と営業所
古物商許可の品目に「トレーディングカード」という区分はなく、一般的なトレカは13品目のうち「道具類」で申請します。
カード以外も扱うなら、その商品に合う品目も一緒に申請することになります。攻略本は「書籍」、ゲーム機本体は「機械工具類」と、同じホビー系でも区分が分かれます。ゲームソフトはトレカと同じ「道具類」です。扱う予定の商品がどの品目にあたるかは、申請書を書く前に決めてください。
店舗を持たず、ネットショップやフリマアプリだけで売る場合でも、営業所は欠かせません。営業所ごとに管理者を1人置き、古物商本人が管理者を兼ねることもできます。
自宅を営業所にするなら、帳簿や在庫を置き、買取や発送などの取引をそこで行う形にします。賃貸の部屋であれば、契約上、事業に使えるかも申請前に調べておきましょう。
自社サイトや、BASE・Shopifyで作ったショップで中古カードを売るなら、URLの届出も必要です。申請の時点でサイトがあれば申請書に書き、許可後に開設したなら変更届を出します。どちらの届出でも、そのURLを自分が使ってよいことを示す資料も一緒に出すことになります。独自ドメインなら、契約時に届く通知の写しなどを使います。ショップ作成サービスなら、届出用の書類が用意されているかをヘルプページで調べましょう。
URLを届け出たサイトには、氏名(会社なら会社名)・許可をした公安委員会の名前・12桁の許可番号を、商品の情報と一緒に載せます。
品目や営業所の判断で
トレカの許可申請では、「道具類」のほかに加える品目、自宅を営業所にできるか、ショップURLを申請書に載せるかを、書類を作る前に決めておきます。店頭買取かネット販売かといった事業の形に合わせて、申請内容をご提案します。
買取時の本人確認
買取のときは、売主の住所・氏名・職業・年齢を確かめることになっています。例外として、1回の買取で支払う合計額が1万円未満なら、本人確認と古物台帳への記録を省けます。
トレカは、金額にかかわらず本人確認が必要な品目に入っていません。数百円から数千円のカードを1枚だけ買い取るなら、本人確認と記録はいりません。
トレカ買取で
売主は18歳未満?
ゲームソフト・
1回の買取で
※ 18歳未満の
18歳未満からの買取
東京都では、条例で18歳未満の人から買い取ることが原則として禁止されています。保護者に頼まれて売りに来たときや、保護者が一緒に来ているとき、保護者の同意があるときに限って買い取れます。
年齢を確かめる手順は、1万円以上の買取で行う本人確認とは別の決まりです。数百円のカードでも、買取の前に身分証などで年齢を確かめましょう。確かめずに買い取れば、知らなかったことを理由に責任を逃れることはできません。ほかの道府県にも同じような条例があり、内容は地域ごとに異なります。
子どもが同意書を自分で書いて持ってくる、家のカードを親に黙って持ち出すといったことも起こり得ます。数万円以上のカードを扱うなら、同意書を受け取るだけで済ませないでください。保護者の同伴や電話での連絡まで、受付の手順に入れておきましょう。
郵送買取の本人確認
査定後に代金を振り込む宅配買取でも、本人確認が必要な取引なら、法律にある顔を合わせずに本人確認する方法を使います。トレカだけの買取なら税抜1万円以上が対象で、ゲームソフトや書籍などが入っていれば1万円未満でも対象になります。身分証のコピーを荷物に入れてもらうだけでは足りません。
本人しか受け取れない郵便(本人限定受取郵便)を送るほか、専用のアプリで顔と身分証を撮影して送ってもらうやり方も使えます。身分証のコピーを使うなら、その住所あてに転送されない郵便を送って届いたことを確かめ、代金も本人名義の口座に振り込みます。
18歳未満からの買取の制限は金額に関係ないため、申込みフォームで生年月日も聞くようにしましょう。荷物が届いてから手順を考えても間に合わないので、申込みの段階でお客さんに案内できる形にしておいてください。
古物台帳と警察への申告
本人確認が必要な買取をしたら、取引の内容を古物台帳に記録し、最後に記録した日から3年間保存します。
台帳は原則として1品ごとに書くもので、まとめて書けるのは書籍など一部の品物に限られます。トレカを「カード10枚」のように書くと、盗品が持ち込まれたときに1枚ずつたどれません。
カード名・型番・レアリティ・収録弾など、1枚ずつ見分けられる情報を残しましょう。鑑定品なら鑑定番号とグレードも控えておくと、警察から問い合わせがあったときに、どのカードかをすぐに示せます。
高額トレカは、偽造カードや盗難品の持ち込みにも気をつけてください。盗品など、犯罪で手に入れた物ではないかと疑ったときは、すぐに警察へ知らせる義務があります。
印刷や手ざわりに違和感があるカードは、査定の途中でも買取を断ってかまいません。売主が入手経路を答えられない、身分証を出したがらないといった様子から盗品を疑ったときは、警察に知らせてください。買取を断ったときも、知らせる義務は変わりません。
よくある質問
- 家族のカードを代わりにまとめて売る場合も、古物商許可は必要ですか?
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家族の私物を一度手放すのを手伝うだけなら、許可は不要です。手数料をもらって家族以外からも販売の依頼を繰り返し受けると、人から頼まれて売る商売になります。その場合は、許可を取ってから引き受けてください。
- 会社員の副業でトレカを売る場合も、個人で許可を取れますか?
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取れます。会社員であることは許可が下りない理由にならず、副業でも個人名義で申請できます。勤務先が副業を認めているかは、就業規則で事前に調べてください。
- 許可が下りる前に、中古カードの仕入れだけ先に始めてもよいですか?
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仕入れも、許可が下りてから始めましょう。売るつもりで中古カードを買い集めることも、許可が必要な商売に含まれます。許可なしで始めると、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象です。
- 古物商許可を取れば、オリパも自由に売れますか?
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いいえ。古物商許可は中古カードの仕入れと販売についての許可で、オリパの売り方まで認めるものではありません。当たりの本数や確率、カードの価値の表示が実際と違えば、景品表示法に違反するおそれがあります。売り方によってはほかの法律もかかわるので、出品先の利用規約とあわせて販売前に調べてください。
- 買い取ったカードを売ったときも、台帳への記録は必要ですか?
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トレカの場合、売ったときの記録までは求められていません。売ったときにも記録が必要になる品物は、美術品・時計・宝飾品・自動車・バイクなどに限られます。
まとめ
中古のトレカを仕入れて繰り返し売るなら古物商許可が必要で、自分のコレクションを手放すだけなら不要です。メーカーや問屋から仕入れた新品は古物にあたりません。一方で、未開封BOXや鑑定品でも、一般の人から買い取ったものは古物になります。見た目より仕入れ先で判断してください。申請する品目は「道具類」が中心で、ネットだけで売る場合も営業所と管理者を置きます。
買取では、1万円の基準が1回の買取で支払う合計額であることを、受付の手順に入れてください。ゲームソフトや書籍が混ざれば少額でも本人確認が必要で、18歳未満の人からの買取には東京都の条例で制限があります。郵送買取を受け付けるなら、顔を合わせない本人確認の方法と台帳の書き方も開業前に決めておきましょう。申請の流れは、古物商許可を自分で申請する手順で詳しく解説しています。
参考資料・公式情報
本記事は、以下の公的機関・法令の情報を参考に作成しています。
古物商許可でお困りならご相談ください
「仕入れ方によって許可が必要になるのか」と迷った段階で、ご相談ください。判断だけのご相談でも受け付けています。
古物商許可が必要な場合は、品目と営業所の判断から申請書類の作成、ご希望に応じて警察署への提出まで、リユース業界で10年以上、買取の実務に携わってきた行政書士がサポートします。

