【特車申請・経路作成④】自動計算で「赤線」が出た時の対処法と手動修正の手順

コラム

前回の記事では、システムによる「自動計算」で最短許可(ピンクルート)を選択する方法を解説しました。しかし、計算ボタンを押した後、地図上に様々な色の線やマークが表示され、混乱することがあります。

特に「赤い線」が表示されると「通行不可なのでは?」と誤解されがちですが、実はこれは「大型車誘導区間を優先したルート候補」という意味であり、エラーではありません。

本当に注意すべきなのは、ルート上に表示される「🚫マーク(赤丸に斜線)」です。これが「通行不可」の判定であり、このマークが含まれるルートでは申請しても不許可や差戻しになります。

「自動計算で出たルートだから大丈夫だろう」とそのまま申請するのは避けてください。システムが「通れない」と判定した経路で申請すると、不許可や差戻しになります。

本記事では、自動計算の結果を正しく読み解き、赤い線を消すための「手動経路修正(ハサミマーク)」の操作方法を解説します。

【算定結果の判別】「通行不可」と「個別審査・条件付」

経路探索の結果、地図上には様々な記号が表示されます。これらの記号は「通行の可否」や「審査の難易度」を表しています。 一見すると警告のように見える赤やピンクのマークでも、必ずしも申請できないルートとは限りません。画面にある「算定結果表示凡例」と照らし合わせ、記号の意味を正確に理解することが重要です。

🚫 通行不可(赤丸に斜線)= 申請NG

意味:その車両では物理的または法的に通行できません。

対策:この区間が含まれていると許可が下りないため、必ず迂回路を探して修正する必要があります。

🔺 個別審査(ピンクの三角)= 通行可(ただし遅い)

意味:通行は可能ですが、システムによる自動判定ができず、道路管理者との「個別協議(審査)」が必要な区間です。

対策:申請可能ですが、許可まで数週間〜数ヶ月かかります。急ぎの場合は迂回を検討しますが、どうしてもそこを通る必要があるなら、そのまま申請しても構いません。

🔲 C条件・D条件(赤枠の文字)= 通行可(条件付き)

意味:通行可能ですが、徐行や誘導車の配置、夜間通行(D条件)などの条件が付きます。

対策:条件を守れるなら修正の必要はありません。

最優先で消さなければならないのは、最初の「🚫 通行不可」マークです。

⚠️ よくある勘違い:「線の色」と「マーク」を混同しない

ルート探索の結果画面で混乱しやすいのが、「線の色(赤・ピンク・緑など)」と「通行可否のマーク(🚫・🔺など)」の違いです。

  • 線の色(赤・ピンク・緑): どの種類のルート候補かを表すだけです。赤い線は「大型車誘導区間優先ルート」であり、むしろ推奨されるルートです。
  • マーク(🚫・🔺・🔲): これが「通れるか通れないか」「どんな条件か」の判定結果です。

重要: 線が赤くても、その上に「🚫マーク」が付いていなければ、そのルートは通行可能です。逆に、線が何色であっても「🚫マーク」が付いていれば、そこは通れません。

必ず画面上部の「算定情報を表示する」にチェックを入れて、ルート上に🚫マークが出ていないかを確認してください。

最優先で消さなければならないのは「🚫 通行不可」マークです。このマークが1つでもルート上に残っていると、申請は受理されません。

【修正の第一歩】探索条件を変えて「通行不可」を回避する

「通行不可」が出ても、すぐに諦める必要はありません。まずは経路探索の条件を変更してみましょう。 システムの探索画面には、探索条件として「有料道路優先」か「一般道路優先」かを選択する機能があります。 この条件を切り替えることで、システムが全く異なるルートを提案してくるため、エラーが出ていた箇所を自動的に回避できる可能性があります。

「有料道路優先」で通行不可が出た場合

理由:高速道路の入り口やジャンクションの構造上、特殊車両が曲がりきれない判定になっている可能性があります。

対策:「一般道路優先」に切り替えて再計算すると、すんなり通れるルート(国道など)が見つかることがあります。

「手動経路修正」を使った修正手順

条件を切り替えても「通行不可」が消えない場合、あるいは「高速道路の出口(オフランプ)がない場所」をシステムが誤って案内している場合などは、手動での修正が必要です。

ここでは、「手動経路修正」の手順を解説します。

手順①:修正開始地点を決める

地図を拡大し、「通行不可(赤線)」が始まっている区間の、一つ手前の「収録交差点(黒丸)」を探します。その黒丸の上で右クリックし、メニューから「手動経路修正開始」を選択します。

手順②:ハサミマークで迂回路を描く

選択した交差点に「ハサミのマーク」が表示されます。ここからが修正モードです。

地図上で、通行不可の赤線を避け、青色やオレンジ色の線(収録道路)をたどって迂回路となる交差点をポチポチと左クリックしていきます。クリックした道がピンク色(選択済み)に変わっていけばOKです。

手順③:元のルートに戻る

迂回が終わり、元のルート(自動計算された青い線)上の交差点、または目的地の手前の交差点まで到達したら、その交差点を右クリックします。

メニューから「選択交差点まで経路を戻す」または「選択交差点を目的地に設定」を選ぶと、修正が完了し、迂回路が一本のルートとしてつながります。

手順④:再チェック

修正後、必ず再度「算定情報を表示する」にチェックを入れ、赤い「通行不可マーク」が消えていることを確認してから「申請経路確定」ボタンを押してください。

まとめ:赤線は「放置」せず「迂回」する

特車申請において、「通行不可」の警告を無視して申請しても、審査で許可されることはありません。必ず差戻しになり、時間の無駄になります。

対処手順:

  1. マークを見る:本当に「不可」なのか、「条件付き(C・D)」なのか見極める
  2. 優先切替:有料/一般を切り替えてみる
  3. 手動修正:ダメなら手動経路修正(ハサミマーク)で、物理的に通れる迂回路を描く

これで、システム上にある道路(収録道路)の中でのルート作成は完璧です。

しかし、実際の現場(工場や建設現場)は、この収録道路から外れた「地図に色のついていない道(未収録道路)」**の先にあることがほとんどです。

次回は、いよいよシリーズ完結編。自動計算では届かない「現場へのラストワンマイル」を手動で書き足す方法について解説します。