特車申請の復路作成を自動化する「経路反転」の操作手順と注意点

コラム

特車申請において、往路のルートデータを作成した後、全く同じ道を戻るだけの復路を再度入力する作業は、多くの申請担当者にとって大きな時間的負担となっていました。

2025年3月のシステム改修により、この二度手間を解消する「経路反転機能」が実装されています。本記事では、ボタン操作で往復データを作成できる新機能の使い方と、注意すべき修正ポイント、さらに車両登録の手間を減らす効率化手法について解説します。

経路反転機能の基本操作

ワンクリックで復路データを生成

これまで、往路のデータが完成しても、帰りのルートについては出発地と目的地を入れ替えて、再度地図を開いて検索する必要がありました。

新たに追加された「経路作成時の出発地・目的地反転機能」を使用すると、作成済みの往路データから復路データを自動生成できます。

自動処理される内容

経路反転ボタンをクリックすると、システムは以下の処理を自動的に実行します。

  1. 出発地と目的地の入れ替え: 往路のゴール地点がスタート地点に、スタート地点がゴール地点になります
  2. 経由地の逆順配置: 往路で通過した交差点を、逆の順番で並べ替えます

行きと帰りで同じ道を通る一般的なケースでは、この操作だけで復路データの作成が完了します。

経路反転後の確認と修正が必要なケース

システムは機械的に順序を入れ替える処理を行うため、道路の交通規制までは自動修正できません。以下のケースでは、反転後に必ず目視確認と修正作業が必要です。

一方通行の道路が含まれる場合

高速道路のインターチェンジやジャンクションは、行きと帰りで別のランプを使用します。単純に反転させると、一方通行の出口から逆走して入るルートとして登録されてしまいます。

修正方法: 反転後、地図画面を開き、インターチェンジ周辺を手動で正しい入口・出口に変更します。

中央分離帯のある道路(2条線)が含まれる場合

大きな国道など、上り車線と下り車線が地図上で別々の線として描かれている道路も注意が必要です。単純に反転させると、反対車線を逆走するルートとして登録される可能性があります。

修正方法: 地図上で確認し、正しい進行方向の車線(反対側の線)を選択し直します。

確認作業の重要性

この修正を怠ると、申請データ上は逆走として記録され、形式審査で確実に差戻しを受けます。経路反転機能を使用した際は、地図画面を開いて「不自然な経路になっていないか」を確認する作業が必要です。

車両登録の効率化(2025年仕様)

経路作成だけでなく、車両情報の登録についても、実務上の負担を軽減する改良が行われています。

リフトアクスル車両の登録簡素化

多くの運送会社が導入している「リフトアクスル(車軸自動昇降装置)付きトレーラ」の登録手順が大幅に簡略化されています。

従来の方法: 車検証をスキャンしてPDF化し、システムに添付する必要がありました。

2025年3月以降の方法: 2024年4月以降に登録・更新された車検証については、以下の手順で添付が不要になっています。

  1. 車両登録画面で「車軸自動昇降装置があるトレーラ…」のチェックボックスにチェックを入れる
  2. 「自動入力」ボタンを押す
  3. システムが国土交通省のデータベースから車検証情報を取得し、車軸下降時の軸数・軸重を自動セットします

この機能により、入力ミスの防止と作業時間の短縮が実現しています。大量のトレーラを保有する企業にとっては、特に有効な機能です。

重複車両番号チェック機能

同じナンバーの車両を二重登録してしまうミスを防ぐため、「車両入力時の重複車両番号チェック判定」が導入されています。

既に登録済みのナンバーを入力しようとすると、システムが警告を表示します。車両管理台数が多い事業者にとって、データの二重管理を防ぐ有効な機能です。

申請前の最終確認ステップ

ここまでの作業で、申請に必要な往復の経路データと車両データが揃いました。

ただし、そのまま申請を送信すると、ルート上に「通行不可」や「厳しい条件(D条件)」が含まれていた場合、審査で不許可となったり、誘導車の配置が必要になったりする可能性があります。

特車申請システムには、本番の申請前に合否判定を行える「簡易算定」という機能が用意されています。この機能を使用することで、申請前に「許可が下りるか」「審査にどれくらい時間がかかるか」を確認でき、不許可のリスクを大幅に低減できます。

まとめ

経路データ作成

  • 「経路反転」ボタンで復路データを一発作成できる
  • 一方通行や中央分離帯のある道路は、反転後に手動修正が必要

車両登録

  • リフトアクスル車は「自動入力」機能で車検証添付が不要
  • 重複車両番号チェックにより、二重登録を防止できる

次のステップ

  • 申請送信前に「簡易算定」で合否判定を確認することで、審査リスクを低減できる