【現役質屋店長が解説】古物商許可の申請費用はいくら?個人・法人の違いと節約ポイント

古物商許可の申請をどうしようか考えている人のイメージ コラム

古物商許可の申請費用は、個人と法人で異なります。また、自分で申請するか行政書士に依頼するかによっても、総額が大きく変わってきます。

この記事では、古物商許可の申請費用について、実務経験をもとに詳しく解説します。

古物商許可の申請費用の全体像

古物商許可の申請には、大きく分けて次の3つの費用がかかります:

  1. 必要書類の取得費用(数千円)
  2. 警察署への申請手数料(19,000円・固定)
  3. 行政書士報酬(依頼する場合のみ・5万円前後)

個人で申請する場合と、法人で申請する場合では、必要書類が異なるため、費用も変わってきます。

私は現在も質屋の店長として勤務しており(業界歴10年以上)、日々、ブランド品・貴金属・時計の買取・販売を行っています。

だからこそ、書類上の知識だけでなく、現場で使える実践的な情報をお伝えできます。

個人で申請する場合の費用

個人で古物商許可を申請する際の書類と電卓のイメージ

必要書類の取得費用

書類名取得場所費用備考
住民票の写し市区町村役場300〜400円本籍地記載が必要
身分証明書本籍地の市区町村300〜400円欠格事由がないことの証明
登記されていないことの証明書法務局300円成年後見人等に該当しないことの証明
賃貸契約書のコピー0円自宅を営業所にする場合
使用承諾書大家さん0円賃貸の場合に必要なことも
URL使用権限資料プロバイダ等0〜数千円ネット販売する場合

合計:約900〜1,100円

※ネット販売を行う場合: プロバイダやレンタルサーバー会社によっては、「URL使用権限を証明する資料」の発行に数百円〜数千円の手数料がかかる場合があります(無料の画面印刷で済む場合もあります)。

警察署への申請手数料

項目金額
申請手数料19,000円(全国一律・非課税)

支払い方法: 都道府県の収入証紙で納付します(警察署内の交通安全協会などで購入可能)。地域によっては現金納付の場合もありますので、事前に確認してください。

この手数料は、申請が通らなかった場合でも返金されません。

個人申請の総額

項目金額
書類取得費用約1,000円
申請手数料19,000円
合計約20,000円

自分で申請する場合の総額は、約2万円です。

法人で申請する場合の費用

法人で古物商許可を申請する際の書類とオフィスのイメージ

法人の場合、役員全員分の書類が必要になるため、費用が増えます。

必要書類の取得費用

書類名取得場所費用備考
登記事項証明書法務局600円履歴事項全部証明書
定款法務局600円認証済みのもの
役員全員の住民票市区町村役場300〜400円×人数本籍地記載が必要

※定款について: 手元にない場合は再発行や謄写に費用がかかります。また、定款には古物営業に関連する事業目的が明記されている必要があります(例:「古物の販売および買取業」など)。 | 役員全員の身分証明書 | 本籍地の市区町村 | 300〜400円×人数 | 欠格事由がないことの証明 | | 役員全員の登記されていないことの証明書 | 法務局 | 300円×人数 | 成年後見人等に該当しないことの証明 |

例:役員3名の場合

項目金額
登記事項証明書600円
定款600円
住民票×3名1,200円
身分証明書×3名1,200円
登記されていないことの証明書×3名900円
合計約4,500円

警察署への申請手数料

項目金額
申請手数料19,000円(全国一律・非課税)

個人と法人で、申請手数料に違いはありません。

法人申請の総額(役員3名の場合)

項目金額
書類取得費用約4,500円
申請手数料19,000円
合計約23,500円

役員が増えるほど、書類取得費用が増えます。

個人 vs 法人の費用比較

📊 費用比較(自分で申請する場合)

個人

約20,000円

  • 書類取得:約1,000円
  • 申請手数料:19,000円

法人(役員3名)

約23,500円

  • 書類取得:約4,500円
  • 申請手数料:19,000円

※役員の人数が増えると、法人の費用はさらに増えます

行政書士に依頼した場合の費用

行政書士報酬の相場

日本行政書士会連合会の報酬額統計によると、古物商許可申請の報酬相場は次の通りです:

統計項目金額
平均53,585円
最頻値(もっとも多い金額)50,000円
最小値10,000円
最大値440,000円

一般的な相場は5万円前後です。

出典:日本行政書士会連合会 報酬額統計(令和2年度)

行政書士に依頼した場合の総額

💰 総額シミュレーション

個人(行政書士依頼)

行政書士報酬 50,000円
書類取得費用 1,000円
申請手数料 19,000円
合計 約70,000円

法人・役員3名(行政書士依頼)

行政書士報酬 50,000円
書類取得費用 4,500円
申請手数料 19,000円
合計 約73,500円

費用節約のポイント

節約ポイント1:住民票はコンビニ発行

マイナンバーカードを使ってコンビニで発行すると:

  • 窓口より100円安い
  • 交通費もかからない
  • 早朝・夜間・土日も発行可能

ただし、身分証明書はコンビニ発行に対応していないため、本籍地の市区町村役場で発行する必要があります。

節約ポイント2:登記事項証明書はオンライン請求

法務局のオンライン請求を使うと:

  • 窓口:600円
  • オンライン請求(郵送):500円
  • オンライン請求(窓口受取):480円

郵送に数日かかりますが、120円節約できます。

見落としがちな費用

以下の費用は削減できません。また、意外な出費にも注意が必要です:

項目金額理由
申請手数料19,000円全国一律・固定(不許可でも返金なし)
身分証明書300〜400円コンビニ発行不可
登記されていないことの証明書300円法務局のみ発行
警察署への交通費数百円〜申請時・受取時の最低2回分
URL使用権限資料0〜数千円ネット販売する場合(プロバイダによる)

節約できる金額は、せいぜい数百円程度です。

それよりも、「書類の不備で再提出」になると、再度書類を取り直すことになり、かえって費用がかさみます。

「節約しようとして書類を間違えて、結局高くついた」というケースを何度も見てきました。

行政書士に依頼するメリット

メリット1:書類の不備を防げる

警察署に何度も足を運ぶ手間と交通費を考えると、行政書士報酬5万円は決して高くありません。

メリット2:時間の節約

書類を集めて、警察署に行って、説明を受けて…という手間を省けます。

平日の昼間に時間を取れない方には特におすすめです。

メリット3:営業開始までの期間短縮

書類の不備がないため、申請から許可取得までスムーズに進みます。

標準処理期間は40日ですが、不備があると60日以上かかることもあります。

デメリット:費用がかかる

自分で申請する場合と比べて、約5万円の追加費用がかかります。

💡 実務からのアドバイス

法人の場合や、インターネット販売をする場合(URLの使用権限を証明する資料が必要)は、書類が複雑になるため、行政書士に依頼する方が確実です。

よくある質問(FAQ)

Q
古物商許可の申請費用はいくらですか?
A

個人で自分で申請する場合は約2万円、法人(役員3名)で自分で申請する場合は約2万3,500円です。行政書士に依頼する場合は、これに5万円前後の報酬が加わります。

Q
申請手数料の19,000円は返金されますか?
A

いいえ、申請が通らなかった場合でも返金されません。そのため、書類の不備がないよう注意が必要です。

Q
法人の場合、役員が多いと費用は増えますか?
A

はい、役員全員分の住民票・身分証明書・登記されていないことの証明書が必要になるため、役員が増えるほど書類取得費用が増えます。

Q
行政書士報酬の相場はいくらですか
A

日本行政書士会連合会の統計では、平均53,585円、最頻値50,000円となっています。一般的な相場は5万円前後です。

Q
交通費や郵送費はどのくらいかかりますか?
A

警察署への交通費は、申請時と許可証受取時の最低2回分が必要です。また、ネット販売をする場合は、プロバイダによっては「URL使用権限を証明する資料」の発行に数百円〜数千円の手数料がかかる場合があります。これらの隠れたコストも考慮しておくと安心です。

Q
個人で開業するか法人で開業するか迷っています。費用以外で考えるべきポイントはありますか?
A

費用以外では、「信用度」「税制面」「融資のしやすさ」などが異なります。詳しくは「古物商許可の個人事業主での開業について開業届やメルカリ、メリットなど解説」をご覧ください。

まとめ

古物商許可の申請費用をまとめると:

  • 個人(自分で申請): 約20,000円 + 平日2日以上の時間
  • 法人・役員3名(自分で申請): 約23,500円 + 平日2日以上の時間
  • 個人(行政書士依頼): 約70,000円 + 手続き丸投げ
  • 法人・役員3名(行政書士依頼): 約73,500円 + 手続き丸投げ

申請手数料19,000円は削減できませんが、書類取得費用は数百円程度節約可能です。

ただし、「数千円の節約のために書類不備で何度も警察署に通うことになった」というのは、実は一番のコスト(時間の無駄)かもしれません。

質屋の現場でも、「節約しようとして書類を間違えて、結局高くついた」というケースを何度も見てきました。

ご自身の状況に合わせて最適な方法を選んでください。


お困りの際は当事務所へ

古物商許可の取得は、必要書類の準備から警察署への申請まで、手続きが複雑です。また、「メルカリでの転売に許可は必要か」「開業後の届出は何が必要か」など、判断に迷う場面も多いです。

当事務所では、古物買取の現場で10年以上の経験を持つ行政書士が、書類作成から許可取得までサポートいたします。「自分のケースで許可が必要か確認したい」「申請が複雑で困っている」といった場合は、お気軽にご相談ください。

お問い合わせ方法:

  • お問い合わせフォーム
  • 電話:03-6821-4578(年中無休 9:00〜19:00)

行政書士手島宏典事務所
古物商許可申請の専門サポート

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執筆者プロフィール

手島宏典 行政書士・現役質屋店長
業界歴10年以上。大手買取店FC3年経営。

行政書士手島宏典事務所
東京都葛飾区亀有3丁目27-30 Tビル1階
TEL:03-6821-4578(年中無休 9:00〜19:00)