許可証を車両に積んでいなければ、道路法上は無許可走行と同じ扱いです。「許可は取ってある、書類を忘れただけ」は通用しません。
路上の自動計測装置(WIM)の普及が進み、道路管理者と警察の合同取締りも強化されています。以前は口頭注意で済んでいた場面でも、今は是正指導や告発に至ることがあります。
罰金は運転者個人だけでなく、両罰規定で会社にも同額が科されます。許可証の表紙1枚だけでは不携帯扱いになること、電子データでの携帯に条件があることなど、現場で見落とされやすいポイントを整理しています。
許可証の車内備え付け義務
道路法第47条の2と車両制限令により、特殊車両通行許可を受けた車両は許可証を車内に備え付けなければなりません。道路管理者や警察官から提示を求められたら、その場で見せる必要があります。
許可を取得済みでも、現物がなければ違反です。
携帯しなければならないのは「許可証(表紙)」だけではありません。以下の書類一式すべてが携帯義務の対象です。
- 許可証(表紙)
- 条件書
- 通行経路表
- 通行経路図
- 車両内訳書(包括申請の場合のみ)
表紙だけをダッシュボードに入れていた、という理由で不携帯になる例が現場では頻繁に起きています。1枚でも欠けていれば不携帯として扱われます。
不携帯の罰則
| 違反内容 | 罰則 |
|---|---|
| 許可証の不携帯・提示拒否 | 100万円以下の罰金 |
| 無許可走行(許可自体がない場合) | 100万円以下の罰金 |
| 確認制度の回答書不携帯 | 100万円以下の罰金 |
| 確認制度の重量記録未保存 | 100万円以下の罰金 |
不携帯でも無許可走行でも、罰則の重さは同じです。軽微であれば道路管理者の是正指導(口頭・書面)で終わる場合でも、指導記録は残ります。
確認制度を利用している場合、回答書の携帯に加えて、通行から1年間、乗務記録や送り状などの重量記録を保存する義務があります(道路法第104条)。保存しなかった場合、虚偽の記録を残した場合も、100万円以下の罰金対象です。
現場で許可証を見せられなければ、担当者は許可の有無を確認できないため、車両を停車・待機させられることもあります。
罰金は運転者個人だけでなく、両罰規定により会社にも同額が科されます。1件の不携帯が法人の違反記録になる点は見落とされがちです。
特車ゴールド制度を利用中の場合、違反記録はETC2.0の走行データに蓄積されます。違反歴が重なるとゴールド許可の取消し対象です。
取締り現場での対処手順
許可証なしで取締りを受けた場合、対応の仕方でその後の処理が変わり、告発や許可取消しに至るかどうかにも影響します。
許可取得済みであることを伝える 「許可は取得しているが書類を事務所に置いてきた」と明確に伝えます。無許可走行と混同されないための最低限の対応です。
事務所に連絡し許可番号を確認する 電話で許可証の番号・有効期間・経路を確認します。番号がわかれば、担当者がその場で照合できることもあります。
指示に従い記録を残す 是正指導を受けたら、指導内容・日時・担当者名をメモしておきます。社内報告に必要です。
許可証のコピーを車両に積む 当日中に対応できるなら、事務所からFAXまたは電子ファイルで許可証を受け取り、印刷して車両に備え付けます。
電子データでの携帯
国土交通省は、許可証を電子データで画面表示することも携帯として認めています。スマートフォンやタブレットにPDFを保存し、取締り時に表示できる状態であれば書面と同等の扱いです。
ただし電波の届かない現場やバッテリー切れでは表示できません。電子データと印刷コピーの両方を用意しておくのが確実です。
取締りの現場では、ドライバー自身が端末を操作して許可証を表示しなければなりません。「スマホの中にあるはず」と言いながら操作できない状態は不携帯扱いです。操作方法は事前に運転者へ周知しておいてください。
特車ゴールドを利用している場合、「大型車誘導区間経路図」などが付いてきますが、実際に通行する経路に係る書類のみ備え付ければよく、すべてを印刷・保存する必要はありません。走行区間分だけを管理することで、印刷やデータ整理の手間を減らせます。
不携帯が起きる3つの原因
管理場所が決まっていない 事務所で一括管理しているものの、車両への配布フローが整備されていない状態です。許可件数が増えると、どの許可証がどの車両に対応するか把握しきれなくなります。
更新・変更後の差し替えができていない 旧許可証が車両に残ったまま、新しい許可証が事務所にある状態です。取締り時に旧許可証を提示すると有効期限切れとして別の違反になります。更新タイミングを管理し、差し替えまでをセットで運用してください。
運転者が携帯義務を知らない 「書類は会社の問題」という認識の運転者も一定数います。携帯義務と罰則の周知から始めてください。
まとめ
許可証の不携帯は、無許可走行と同じ100万円以下の罰金対象です。両罰規定により法人にも適用されます。
携帯が必要なのは許可証の表紙だけでなく、条件書・通行経路表・通行経路図を含む一式です。1枚でも欠けていれば不携帯になります。
確認制度を利用する場合は、回答書の携帯に加えて1年間の重量記録保存も忘れないでください。
PDFを運転者のスマートフォンに共有するだけでも不携帯リスクは下がります。配布・差し替えの運用が整っていなければ、社内フローの見直しから始めてください。
よくある質問(FAQ)
- Q許可証を忘れた場合、その場で事務所からFAXしてもらえば問題ないですか?
- A
取締り担当者がその場で確認に応じるかは状況次第です。FAXや電子ファイルで受け取って印刷できれば携帯として認められることもありますが、不携帯の事実自体は残ります。日頃から車両に備え付けておくのが原則です。
- Q電子データ(PDF)で許可証を保存していれば、印刷物は不要ですか?
- A
国土交通省は電子表示を携帯と認めています。ただし電波不良やバッテリー切れで表示できないこともあるため、印刷コピーも併用しておくと安心です。
- Q運転者が罰金を受けた場合、会社にも罰則が適用されますか?
- A
両罰規定により、運転者個人と法人の両方に同額の罰金が科される場合があります。1件の違反が会社の記録に残る点は、見落とされがちです。
- Q旧許可証が車両に残っていた場合、どのような問題になりますか?
- A
有効期限切れの許可証を提示すると、不携帯とは別に許可条件違反として扱われる可能性があります。更新・変更のたびに車両内の許可証を差し替える運用を徹底してください。
- Q特車ゴールドを利用中に不携帯が発覚した場合、ゴールド許可は取り消されますか?
- A
1件の不携帯で即取消しになるわけではありません。ただし違反記録はETC2.0の走行データに蓄積されるため、違反歴が重なるとゴールド許可の取消し対象になります。
- Q特車ゴールドを利用中に不携帯が発覚した場合、ゴールド許可は取り消されますか?
- A
1件の不携帯で即取消しになるわけではありません。ただし違反記録はETC2.0の走行データに蓄積されるため、違反歴が重なるとゴールド許可の取消し対象になります。
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