メルカリで中古品を転売する場合、古物商許可は必要なのでしょうか?
「不用品を売るだけなら不要」「せどりは必要」と言われますが、その線引きはどこにあるのか、判断に迷う方も多いと思います。
この記事では、メルカリでの古物商許可の要否について、質屋での実務経験をもとに解説します。
メルカリで古物商許可が必要になるケース
営利目的かどうかが判断基準
古物商許可が必要かどうかは、営利目的で中古品を仕入れて販売しているかで判断されます。
古物商許可が不要なケース:
- 自分で使っていた不用品を売る
- もらったプレゼントを売る
- 一時的に少量の不用品を売る
古物商許可が必要なケース:
- 中古品を仕入れて転売する
- 継続的に中古品を販売する
- 利益を目的として中古品を売買する
メルカリで古物商許可が必要かどうかの判断フロー
自分で使っていた不用品を売る?
転売目的で仕入れた?
(リサイクルショップ、フリマアプリ、小売店など)
継続的に販売している?
(月10件以上、数ヶ月継続など)
⚠️ 注意: グレーゾーンの場合は、古物商許可を取得しておく方が安全です。迷ったらお気軽にご相談ください。
実務での判断ポイント
私は現在も質屋の店長として勤務しており、警察署の担当者とも頻繁にやり取りを行っています。
書類上の知識だけでなく、「現場でどう見られるか」というリアルな基準をお伝えできます。
見落としがちな「新古品」の罠
「新品だから古物じゃない」は大きな誤解です。
たとえ未開封の新品であっても、一度消費者の手に渡ったものをリサイクルショップ等から仕入れた場合は「古物」扱いになります。
具体例:
- ブックオフで未開封のゲームソフトを買って転売 → 許可必要
- ヤフオクで落札した新品未開封のブランドバッグを転売 → 許可必要
- 友人から無償でもらった新品を売る → 許可不要
古物営業法では、「使用されない物品で使用のために取引されたもの(新古品)」も古物と定義されています。
さらに注意すべきグレーゾーン:
家電量販店やドラッグストアなど、一般の小売店で購入した新品であっても、「転売目的」で購入している場合は、解釈によっては古物営業法の規制対象となる可能性があります。
実務では、次のようなケースが問題視されることがあります:
- セール品を大量購入して転売
- 限定商品を転売目的で購入
- ポイント還元目当てで仕入れて転売
「小売店で買った新品だから問題ない」と考えるのは危険です。警察署の担当者からは、「転売目的で購入した時点で『使用のために取引された』とみなす場合がある」という見解を聞いたことがあります。
これは、多くのせどらーが見落としているポイントです。
客観的な「反復継続性」の基準
「たまたま不用品が多かっただけ」という言い訳は通用しません。
実務では、次のような状況が「営業」とみなされます:
1. 継続性:毎週のように商品を出品している
- 実際に警察署の担当者から聞いた話では、月に10件以上の取引があれば「事業性あり」とみなされる可能性が高いそうです
2. 商品数:常に10点以上の商品を出品している
- 在庫を持っているように見える場合は、営業とみなされやすい
3. 仕入れ行為:リサイクルショップ、オークション、他のフリマアプリなどから仕入れている
- 買取現場でも、同じ新品商品を大量に持ち込むお客様には、古物商許可の有無を確認することがあります(法令遵守のため)
4. 新品同様の商品:未使用品や新品同様の商品を複数出品している
- 前述の「新古品」に該当する可能性が高い
5. 同じジャンルの商品ばかり:
- 例えば、ブランドバッグだけ、ゲームだけ、時計だけなど
メルカリと古物商許可がよく話題になる理由
メルカリ特有の事情
メルカリは他のプラットフォームと比べて、古物商許可が話題になることが多いです。その理由は次の通りです。
1. 利用者数が圧倒的に多い
メルカリは月間利用者数が2,000万人を超えており、フリマアプリで最大のシェアを持っています。
利用者が多いため、営利目的で転売している人も多く、行政や警察の監視も強化されています。
2. 若年層が多く、法律の認識が薄い
メルカリは他のプラットフォームより若年層の利用者が多く、副業感覚で転売を始める人が多い傾向があります。
古物商許可の必要性や法律について十分に認識していないケースが多く、SNSやメディアで話題になることがあります。
3. 個人間取引が中心
ヤフオクなどは法人や業者の利用が多いのに対し、メルカリは個人間取引が中心です。
そのため、「個人だから許可は不要」と誤解している人が多いのも、話題になる理由の一つです。
他のプラットフォームとの比較
主要プラットフォームの特徴
| プラットフォーム | 月間利用者数 | 主な利用者層 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| メルカリ | 2,000万人以上 | 若年層中心 | 個人間取引、匿名配送、手軽 |
| ヤフオク! | 非公開 | 中高年中心 | オークション形式、法人利用多い |
| ラクマ | メルカリの半分程度 | 若年層中心 | 楽天ポイント、手数料安い |
| PayPayフリマ | 非公開 | 男性・中年層 | PayPay連携 |
どのプラットフォームでも、営利目的で中古品を販売する場合は古物商許可が必要です。
メルカリでの注意点
古物商許可なしでの営業はリスクが高い
古物商許可を取得せずに営利目的で中古品を販売すると、3年以下の懲役または100万円以下の罰金、またはその両方が科せられる可能性があります。
メルカリ独自のルール
メルカリShopsを利用する場合:
- 古物商許可証の提出が必須
個人アカウントの場合:
- 運営から事業性があるとみなされ、許可証の提出を求められる場合がある
- 提出できない場合は、利用制限などの措置が取られることがある
取扱品目(13品目)にも注意
古物商許可を取得する際は、取り扱う商品の13品目を選んで申請します。
申請した品目以外を扱う場合は、変更届出が必要になります。
例:
- 「衣類」で申請したのに、ゲーム機(機械工具類)を大量に売る
- 「道具類」で申請したのに、ブランドバッグ(皮革・ゴム製品類)を扱う
このような場合は、品目の変更届出が必要です。
メルカリせどりでよく扱う品目:
- 衣類:洋服、靴など
- 道具類:家電、ゲーム、楽器など
- 皮革・ゴム製品類:バッグ、靴など
- 時計・宝飾品類:時計、アクセサリーなど
- 書籍:本、雑誌など
古物商の13品目とメルカリせどりの例
例:アート作品、骨董品
例:ブランド服、スニーカー
例:腕時計、ネックレス
例:中古車、カーナビ
例:中古バイク、ヘルメット
例:ロードバイク、マウンテンバイク
例:一眼レフ、ビデオカメラ
例:ノートPC、複合機
例:電動ドリル、溶接機
例:Switch、掃除機、ギター
例:ブランドバッグ、革靴
例:文庫本、コミック
例:QUOカード、図書カード
⭐ = メルカリせどりで特によく扱われる品目
最初はメイン品目だけで申請し、扱う商品が増えたら変更届出を提出すればOKです。
品目選びの実務的なアドバイス
最初はメインの品目で申請し、扱う商品が増えたら「変更届出」を出せば問題ありません。
許可を取得したあとの品目の追加は比較的簡単にできます(警察署に届出を提出するだけ)。
逆に、実際には扱わない品目まで申請すると、盗品が出た際の調査対象になる可能性があるため、実態に即した申請が重要です。
実務経験から言えば、「念のため全部選ぶ」よりも、「今扱っている品目だけ申請する」方が適切です。ビジネスが拡大したら、その都度追加すればOKです。
よくある質問(FAQ)
- Q不用品を売るだけなら古物商許可は不要ですか?
- A
不用品を売るだけなら古物商許可は不要ですか?
- Q新品未開封の商品を転売する場合も許可は必要ですか?
- A
はい、一度消費者の手に渡った新品未開封の商品(新古品)をリサイクルショップ等から仕入れて転売する場合は、古物商許可が必要です。古物営業法では、「使用されない物品で使用のために取引されたもの」も古物と定義されています。
- Qメルカリでどのくらい出品すると「営利目的」と判断されますか?
- A
明確な基準はありませんが、実務では「月に10件以上の取引」「継続的に出品している」「仕入れた商品を販売している」場合は営利目的と判断されることがあります。
- Q古物商許可を取らずに転売するとどうなりますか?
- A
古物営業法違反となり、3年以下の懲役または100万円以下の罰金、またはその両方が科せられる可能性があります。また、メルカリから利用制限を受けることもあります。
- Q申請した品目以外の商品を売ってもいいですか?
- A
いいえ、申請していない品目を扱う場合は、品目の変更届出が必要です。例えば「衣類」で申請してゲーム機を扱う場合は、「道具類」の追加届出が必要になります。ただし、変更届出は比較的簡単にできるので、実態に合わせて申請すればOKです。
- Q家電量販店で買った新品を転売する場合も許可は必要ですか?
- A
グレーゾーンですが、「転売目的」で購入した場合は許可が必要とみなされる可能性があります。警察署の見解では、「転売目的で購入した時点で『使用のために取引された』とみなす場合がある」とのことです。セール品の大量購入や限定商品の転売を考えている場合は、許可を取得しておく方が安全です。
まとめ:迷ったら「取る」が正解
- メルカリで不用品を売るだけなら古物商許可は不要
- 営利目的で中古品を仕入れて販売する場合は許可が必要
- 新品未開封でも、仕入れた商品は「古物」扱い
- 小売店で買った新品も、転売目的なら許可が必要な場合がある
- 「継続性」「商品数」「仕入れ行為」が判断基準
- 取扱品目(13品目)は実態に合わせて申請し、必要に応じて追加
グレーゾーンでビクビクしながら運営するリスク(3年以下の懲役など)を考えれば、古物商許可を取得して堂々と営業する方が賢明です。
古物商許可は「信頼の証」でもあります。メルカリの取引履歴を見れば、許可が必要なレベルかどうかの簡易診断も可能です。
お困りの際は当事務所へ
古物商許可の取得は、必要書類の準備から警察署への申請まで、手続きが複雑です。また、「メルカリでの転売に許可は必要か」「どこから営利目的と判断されるか」「どの品目で申請すべきか」など、判断に迷う場面も多いです。
当事務所では、古物買取の現場で10年以上の経験を持つ行政書士が、書類作成から許可取得までサポートいたします。
「メルカリの取引履歴を見せていただければ、許可が必要かどうかの簡易診断が可能です」
「自分のケースで許可が必要か確認したい」「申請が複雑で困っている」「どの品目で申請すべきかわからない」といった場合は、お気軽にご相談ください。
お問い合わせ方法:
- お問い合わせフォーム
- 電話:03-6821-4578(平日9:00〜19:00)
行政書士手島宏典事務所
古物商許可申請の専門サポート
執筆者プロフィール
手島宏典 行政書士・現役質屋店長
業界歴10年以上。大手買取店FC3年経営。
行政書士手島宏典事務所
東京都葛飾区亀有3丁目27-30 Tビル1階
TEL:03-6821-4578(平日 9:00〜19:00)



