特車申請と高速道路|東名・中央道の制限値・手数料割引・首都高との違い

`早朝の日本の高速道路を走行する白いセミトレーラーの後方カット。緑の山並みと防音壁が見える片側3車線の高速道路` コラム

東名高速・中央道・東北道など、一般高速道路も一般的制限値を超える車両は特車申請が必要です。高速道路だからといって許可なしでは走れません。

ただし首都高と比べると、一般高速道路は審査が通りやすい傾向があります。橋梁の連続による重量審査の厳しさが首都高ほどではなく、大型車誘導区間の指定区間が多いため手数料の割引も適用されやすくなっています。

一般高速道路の制限値と道路区分

一般高速道路の制限値は一般道と同じです。道路区分ごとの違いは以下のとおりです。

項目一般的制限値重さ指定道路大型車誘導区間
総重量20t25t25t
軸重10t10t10t
2.5m2.5m2.5m
高さ3.8m3.8m4.1m(指定区間)
長さ12m12m12m

東名・中央道・東北道など主要高速道路の多くは重さ指定道路かつ大型車誘導区間に指定されており、一般道のみの経路より有利な条件で申請できます。

なお、重さ指定道路でも25t緩和が適用されない条件(最遠軸距・標識なし路線・経路の連続性)があります。詳細は「重さ指定道路で25tが使えない3つのケース」で確認してください。

大型車誘導区間・重要物流道路との関係

一般高速道路を含む特車申請では、この2つの道路区分を把握しておくことで申請を有利に進められます。

大型車誘導区間

主要高速道路の多くが大型車誘導区間に指定されています。経路全体が大型車誘導区間に収まると、手数料が1経路200円→160円に割引され、特車ゴールド制度の対象にもなります。特車ゴールドを使えば更新がワンクリックで完了し、大型車誘導区間内の経路選択も自由になります。

重要物流道路

重要物流道路に指定されている高速道路区間では、40ft背高コンテナ車(高さ4.1m・総重量44t)の特車許可が不要になります。ただしETC2.0登録・書類携行・指定区間内走行の3条件をすべて満たす必要があります。

申請の仕組みと窓口選び

高速道路を含む経路は、オンライン申請システムで一般道と高速道路を1つの経路として一括申請します。高速道路だけ別に申請する必要はありません。出発地から目的地までの全経路をまとめて提出すれば、NEXCO東日本・中日本・西日本など各道路管理者への協議は自動で行われます。

窓口は国道事務所が基本

提出先は国道事務所を選んでください。理由は2つあります。

  • 補正対応や追加資料の提出で出向く可能性があるため、最寄りの国道事務所が便利
  • NEXCO窓口では特車ゴールドやダブル連結トラックの申請を受け付けていない

特車ゴールドの利用を将来検討している場合も、最初から国道事務所を指定しておけば申請し直す手間がありません。

スマートICの車長制限に注意

スマートICの多くは車長12m以下などの制限があり、特車サイズの車両は物理的に通行できないケースがあります。近くて便利だからとスマートICを経路に入れて差戻しになるのはよくある失敗です。申請前に、各高速道路会社の情報で利用予定のスマートICが車両諸元に対応しているか確認してください。

申請時の実務ポイント

特例5車種の重量が高速道路と一般道で変わる

バン型・タンク型・幌枠型などの特例5車種は、東名や中央道などの高速自動車国道では最遠軸距に応じて総重量最大36tまで基準が引き上げられます。

注意すべきは2点です。まず、この36t特例は首都高など都市高速道路には適用されません。東名・中央道で合法な重量でも、首都高に乗り入れた時点で適用外になります。次に、高速道路を降りて一般道に入ると特例の限度額が最大27tまで下がります。ICを降りた瞬間に重量超過になるケースがあるため、経路全体が重さ指定道路等でつながっているか事前に確認してください。

ETC2.0と特車ゴールド

主要高速道路の多くが大型車誘導区間に指定されているため、業務支援用ETC2.0車載器を搭載していれば特車ゴールドの対象になります。更新がワンクリックで完了し、大型車誘導区間内の経路選択が自由になります。

車載器は一般の乗用車用ではなく「業務支援用ETC2.0車載器」が必須です。緑ナンバーの運送事業者でGマークを取得し、業務支援用機器を導入済みであれば活用してください。

ただし、迂回先がどこでも無条件に走れるわけではありません。迂回経路上にC条件・D条件の区間があれば、夜間走行や誘導車配置の義務はそのまま適用されます。迂回先の条件もシステム上で事前に確認が必要です。

通行条件と配車計画

重量が大きい車両は橋梁の耐荷重審査でC条件・D条件が付くことがあります。ただし首都高と比べると橋梁の連続度が低く、D条件まで付くケースは少ない傾向です。

D条件が付くと夜間(21時〜翌朝6時)のみ通行可になり、経路のうち1か所でもD条件があれば経路全体が夜間縛りになります。通行条件A〜Dの判定基準と誘導車の要否は申請前に確認しておいてください。

IC降車後の未収録道路

高速道路本線は収録済みですが、ICから目的地までの一般道に未収録道路が含まれることがあります。未収録道路があると個別審査になり、審査期間が1〜2か月以上に延びます。現場稼働日から逆算して余裕をもって申請してください。

審査期間の目安

経路の状況審査期間の目安
高速道路含む・収録道路のみ3週間程度
高速道路含む・重量が大きい3週間〜1か月程度
高速道路含む・未収録道路あり1〜2か月以上

大型車誘導区間のみの経路でも、特車ゴールドを使っていても、許可制度の審査期間は通常どおり3週間程度かかります。即時回答が出るのは確認制度だけです。

まとめ

一般高速道路を含む特車申請は一般道と一括で申請します。主要高速道路の多くは大型車誘導区間・重さ指定道路に指定されており、首都高と比べると審査が通りやすく手数料の割引も受けやすくなっています。

実務上の注意点は以下の6点です。

  • 大型車誘導区間でも許可制度の審査期間は3週間程度かかる
  • 特例5車種の36t特例は首都高など都市高速には適用されない
  • ICを降りた瞬間に特例の限度額が27tに下がる
  • スマートICは車長制限があり特車が通行できないケースがある
  • 特車ゴールドには業務支援用ETC2.0車載器が必須
  • 特車ゴールドの迂回先にC条件・D条件の区間があれば条件に従う義務がある

よくある質問

Q
高速道路だけ別に申請する必要がありますか?
A

不要です。出発地から目的地までの全経路を一括申請します。高速道路区間を別途申請すると二重申請になるため注意してください。

Q
東名高速と中央道を両方使う経路の場合、申請は2本必要ですか?
A

1本の申請で対応できます。複数の高速道路を経由する場合も、1つの経路として一括申請します。

Q
大型車誘導区間のみの経路なら、審査期間は短くなりますか?
A

許可制度では短くなりません。特車ゴールドを使っていても審査は3週間程度かかります。即時回答が必要な場合は確認制度を検討してください。

Q
首都高速と東名高速を両方含む経路はどう申請しますか?
A

1本の申請で一括対応できます。審査は首都高速道路株式会社・NEXCO中日本など各道路管理者に自動で振り分けられます。ただし特例5車種の36t特例は東名高速区間には適用されますが、首都高区間には適用されません。

Q
高速道路を降りたら重量超過になる可能性があります。どう対処しますか?
A

申請前に経路全体が重さ指定道路等でつながっているかを確認してください。IC降車後の一般道区間が重さ指定道路に指定されていない場合は、その区間の制限値(20t)に合わせた積載計画が必要です。

Q
スマートICを出入口に使いたいのですが問題ありますか?
A

スマートICの多くは車長12m以下などの制限があり、特車サイズの車両は物理的に通行できないケースがあります。申請前に各高速道路会社の情報で利用可否を確認してください。

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