ダンプトラックに特車申請は必要?総重量・新規格車・過積載の違い

土砂や砕石を積んだダンプトラックは、荷物を積んだ状態の重さで道路の制限を受けます。車検証の車両総重量が20tを超えていても、それだけで特車申請が必要とは限りません。

総重量の上限は走る道路によって変わり、新規格車に当たる車両は扱いが別です。必要かどうかを分けるのは、車両の区分、軸ごとの重さ、積む貨物、走る道路の組み合わせです。

この記事では、ダンプの特車手続きで見る項目と、過積載との違いを順に説明します。

目次

ダンプで見る数値

道路を通行する車両には、大きさや重さの上限として一般的制限値が決まっています。重さに関する主な数値は、次の4つです。

項目一般的制限値内容
総重量20t車両・積荷・乗員を合わせた全体の重さ
軸重10t1本の車軸にかかる重さ
輪荷重5t1つの車輪にかかる重さ
隣接軸重軸距などにより18t・19t・20t隣り合う2本の車軸にかかる重さの合計

寸法は、幅2.5m、長さ12m、高さ3.8mが上限です。重さは、貨物を積んでいるときはその積載状態の数値で扱います。

ダンプの場合、考える点は大きく分けて次の4つです。

考える点具体的な項目
車両の区分車両総重量、車両の長さ、最遠軸距、新規格車に当たるか
走る道路高速自動車国道や重さ指定道路か、それ以外の道路を通るか
軸ごとの重さ軸重、隣接軸重、輪荷重
積む貨物分割できる貨物か、最大積載量の範囲内か

車検証の車両総重量だけで、特車申請が必要かどうかを決めないようにしましょう。

20tを超えても申請不要な道路

総重量の一般的制限値は20tですが、高速自動車国道と重さ指定道路では上限が上がります。上限は車両の長さと最遠軸距(いちばん前の車軸から、いちばん後ろの車軸までの距離)によって分かれ、いちばん高い区分は25tです。

最遠軸距車両の長さ総重量の上限
5.5m未満問わない20t
5.5m以上7m未満9m未満20t
5.5m以上7m未満9m以上22t
7m以上9m未満20t
7m以上9m以上11m未満22t
7m以上11m以上25t

車両の長さは、貨物を積んでいない状態の数値で表に当てはめます。そのため、車両総重量が21tというだけでは、特車許可が必要かどうかは決まりません。どの道路を走るかまで含めて、必要かどうかを判断してください。

新規格車に当たるダンプ

総重量が20tを超えるダンプの中には、新規格車に当たる車両も含まれます。新規格車は、総重量以外の一般的制限値を満たし、車両の長さや最遠軸距に応じた重量の基準に収まる車両です。

高速自動車国道と重さ指定道路では、新規格車は一定の範囲で通行が認められています。それ以外の道路を走る区間では、特殊な車両としての扱いです。

20t超のダンプは、最初に新規格車に当たるかどうかを調べておきましょう。

土砂・砕石は分割できる貨物

特殊車両通行許可の典型的な対象は、大型機械や大型発電機のように、分割できないため一般的制限値を超える貨物です。一方で、ダンプが運ぶ土砂、砕石、砂、アスファルト合材は、通常は積む量を減らせる貨物です。

「土砂を多く積んで重量制限を超えたので、特車許可を取って走る」という考え方は成り立ちません。分割できる貨物でも、新規格車は扱いが違います。新規格車は分割できる貨物を積載でき、高速自動車国道と重さ指定道路の外を走る区間は、特殊車両通行許可か通行可能経路の確認を受けて通行します。

どちらの場合も、車検証の最大積載量を超えて積むことはできません。車両の区分、走る道路の重量基準、最大積載量の3つを合わせて見てください。

軸重と隣接軸重

総重量が道路の上限内でも、軸重や隣接軸重が基準を超えていれば、一般的制限値を超えた車両です。後輪が2軸の大型ダンプは、積載状態によって後軸側に重さが集中する場合もあるため、軸ごとの数値にも注意が必要です。

土砂など分割できる貨物では、積む量を調整して、重量基準の範囲内に収めることが求められるケースもあります。

特車許可と過積載の違い

特車許可と過積載は、別の制度として扱ってください。

項目内容
特車許可道路法上の車両制限を超える特殊な車両の通行に関する制度
過積載車検証上の最大積載量を超えて貨物を積載する行為

特車許可を取っても、車検証の最大積載量は増えません。たとえば最大積載量8tのダンプに、特車許可があることを理由に10tの土砂を積むことはできません。

反対に、最大積載量の範囲内で積んでいても、道路法上の重量制限にかかる場合があります。守るべき基準は、車検証の最大積載量と道路法上の重量基準の2つです。

ダンプの特車申請でお困りならご相談ください

ダンプの特車申請は、車両の重量や新規格車への該当だけでなく、現場や処分場までの通行経路も確認が必要です。当事務所では、車両・経路の確認から申請書類の作成、申請後の補正対応まで代行します。

現場・処分場までの経路

ダンプは、建設現場、採石場、残土処分場などを往復することが多い車両です。幹線道路が重さ指定道路でも、現場の手前で一般の市区町村道に入るケースも出てきます。その場合、幹線道路の基準だけを見て「25tまで走れるから問題ない」とはいえません。経路は、出発地から目的地まで通しで考えてください。

現場の近くの道路が、道路情報便覧に収録されているとは限りません。こうした未収録道路では、道路管理者や路線名を調べ、経路を特定するための資料が必要になる場合があります。

許可を取ったあと

増車や車両の入れ替えでは、変更する内容によって、通常の変更申請、軽微な変更申請、新規申請など手続きが分かれます。「増車なら新規」「車両交換なら変更」と、車両の動きだけで決めるのは避けてください。今の許可内容と変更する項目をもとに、手続きを選びましょう。

運行の面では、車両と道路に応じて特車許可に通行条件が付くことがあります。徐行、橋梁で他の車両と同時に通行しない条件、誘導車の配置などが代表的な例です。

通行時間が個別に指定されたときは、その指定にも従ってください。実際の運行では、交付された許可証と条件書の内容に沿って配車します。

よくある質問

20tを超えるダンプはすべて特車申請が必要ですか?

総重量だけでは決まりません。新規格車に当たるか、最遠軸距や車長がどの基準に当たるか、重さ指定道路などを走るかによって扱いが変わります。

最大積載量の範囲内なら特車手続きは不要ですか?

最大積載量を守ることと、道路法上の重量制限に収まることは別に考えます。総重量に加えて、軸重や隣接軸重、走る道路も見てください。

8tダンプに残土は何m³まで積めますか?

残土は土の種類や含む水の量で1m³あたりの重さが変わるため、体積で一律に示せる量はありません。最大積載量8tを超えないよう、重さで積載量を管理してください。荷台に余裕があっても、重さが最大積載量を超えれば過積載です。

特車許可を取れば土砂を多く積めますか?

特車許可で車検証の最大積載量が増えることはありません。特車許可は、通常分割できる土砂や砕石を多く積むための手続きでもありません。

空車のダンプでも特車手続きが必要になることはありますか?

車両自体の寸法や重量が道路の制限を超える場合は、積荷がなくても特車手続きの対象になることがあります。実際の車両の諸元と通行経路をもとに判断します。

まとめ

ダンプトラックの特車手続きは、総重量が20tを超えるかどうかだけでは判断できません。新規格車に当たるか、軸重や隣接軸重が基準内か、現場の直前までどの道路を走るかを合わせて考えます。

土砂や砕石は通常分割できる貨物で、特車許可を取っても積載量は増えません。新規格車でも、車検証の最大積載量と道路法上の重量基準の両方を守ることが条件です。特車申請の制度・手続き・車種別対応は、特殊車両通行許可申請ガイドにまとめています。

特車申請のことでお困りならご相談ください

ダンプの特車手続きは、車両の区分と走る道路の両方がそろわないと、必要かどうかを決められません。当事務所では、車検証と経路の確認から申請書類の作成、申請後の補正対応まで一括でお引き受けしています。ダンプの特車申請に迷ったときも、お気軽にお問い合わせください。

特車申請のご相談・お見積もりはお気軽にお問い合わせください。

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