特殊車両通行許可のオンライン申請とは|申請先・必要なもの・始め方

特殊車両通行許可申請システムの画面が映ったデスクトップPCと諸元図面が置かれた運送会社の事務所

特殊車両通行許可は、申請データの作成から提出、許可証の受取までオンラインで進めることができます。

運送会社などが継続して特車申請を行う場合は、過去の申請データを再利用できるため、車両や経路を一から入力する作業を減らせるのも利点です。

一方、オンライン申請で使用するシステムは申請先によって異なります。また、道路情報がシステムに収録されていない経路では、道路管理者による個別の審査が行われることもあります。

ここでは、初めて特車のオンライン申請を行う方向けに、申請先、必要なもの、基本的な流れをまとめます。

目次

特車のオンライン申請とは

特殊車両通行許可では、紙の申請書を窓口へ提出する方法のほか、インターネットを利用した申請ができます。

オンライン申請では、車両情報や通行経路などのデータを作成し、申請先へ送信します。

許可後は電子データで許可証を受け取ることもできます。

特に、

  • 複数台の車両を扱っている
  • 同じ経路を繰り返し申請する
  • 更新申請を継続して行う
  • 遠方の道路管理者へ申請する

といった事業者では、オンライン申請を利用するメリットがあります。

特車申請全体の流れはこちら

オンライン申請は申請先によってシステムが異なる

特殊車両通行許可は、どこを通るかによって申請先が変わります。

そのため、「特車のオンライン申請はすべて同じシステムから提出する」と考えない方がよいでしょう。

代表的な申請先には、

  • 国土交通省
  • 都道府県・市区町村などの道路管理者
  • 高速道路会社

などがあります。

国土交通省への申請で利用するシステムと、自治体や高速道路会社が用意しているシステムは別です。

申請を始める前に、経路に含まれる道路と申請先を整理します。

国土交通省へのオンライン申請で使うシステム

国土交通省へ特殊車両通行許可をオンラインで申請する場合は、主に次のシステムを利用します。

申請支援システム

車両や経路などの申請データを作成するシステムです。

主に、

  • 申請者情報
  • 車両情報
  • 車両諸元
  • 出発地・目的地
  • 通行経路
  • 積載貨物

などを入力します。

作成した申請データは、受付側のシステムへ送信するためのデータとして保存します。

受付システム

申請支援システムで作成したデータをオンラインで提出するためのシステムです。

申請後の進捗を閲覧したり、許可後に電子許可証を受け取ったりする際にも利用します。

初めて申請する場合は、先にユーザIDを取得してから手続きを進めます。

従来の通行許可制度と新しい通行制度は別

特車には、従来からある特殊車両通行許可制度のほか、2022年から始まった新しい通行制度があります。

従来の制度では、出発地から目的地までの経路を指定して申請し、道路管理者の審査を受けます。

新しい制度では、あらかじめ車両を登録し、道路情報が電子化された道路について、システムから通行可能な経路の回答を取得します。

どちらもオンラインで手続きを行えますが、仕組みは異なります。

道路情報が収録されていない道路まで走る場合や、新しい制度の登録基準に入らない車両では、従来の特殊車両通行許可を利用します。

2つの制度の違いはこちら

オンライン申請の主なメリット

窓口へ出向かずに申請できる

申請書類を道路管理者の窓口まで持参する必要がなく、事務所のパソコンから手続きを進められます。

遠方の経路を申請する場合でも、申請先まで移動する必要がありません。

システムには定期停止やメンテナンスがあるため、利用時間については国土交通省の最新案内を見ながら進めます。

過去の申請データを利用できる

オンライン申請では、以前作成した車両や経路のデータを再利用できます。

同じ車両や経路を使う更新申請などでは、一から入力するより作業量を減らせます。

ただし、前回のデータをそのまま使用できるとは限りません。

車両の入替、経路変更、諸元の変更などがある場合は、現在の申請内容に合わせて修正します。

道路情報を使った算定ができる

道路情報便覧に収録されている道路では、システム上で車両と経路を組み合わせた算定を行えます。

経路によっては、

  • システムで算定できる道路
  • 道路管理者による個別審査が必要な道路
  • 道路情報が収録されていない道路

が混在します。

オンライン申請だからすべて自動で審査されるわけではありません。

特車申請の自動審査についてはこちら

申請前に経路の算定ができる

申請支援システムには、作成した経路について算定結果を見る機能があります。

通行条件が付きやすい道路や、システムで算定できない区間を申請前に把握する材料になります。

ただし、算定結果だけで最終的な許可内容が決まるわけではありません。

道路管理者との協議が必要な道路では、申請後の審査によって通行可否や条件が決まります。

簡易算定についてはこちら

電子許可証を利用できる

特殊車両通行許可証は、一定の方法で電子データとして携行できます。

紙の許可証を車両ごとに用意する方法だけでなく、タブレットなどの端末に必要なデータを保存し、取締りなどの際に表示できる状態にしておく方法があります。

許可証だけでなく、通行条件書や経路表など必要な書類もすぐ表示できる状態にしておきます。

許可証受取後の取扱いはこちら

オンライン申請を始める前に用意するもの

オンライン申請では、パソコンだけあればすぐ申請できるわけではありません。

車両と経路に関する資料をあらかじめ用意しておくと進めやすくなります。

パソコンと利用環境

申請支援システムは、国土交通省が案内している動作環境に合わせて利用します。

ブラウザやOSなどの対応状況は変更されることがあるため、初めて利用するときは最新の動作環境を見てから設定します。

Macやスマートフォンでの利用については別記事でまとめています。

特車オンライン申請の動作環境はこちら

車検証

車両登録では、自動車登録番号、車両総重量、軸重など車検証に記載された情報を使用します。

車両によっては車検証情報との照合によって、車検証写しの提出を省略できる場合があります。

一方、登録直後の車両やシステムから車両情報を取得できない場合などでは、別途資料が必要になることがあります。

車両の外観図・諸元表

特車申請では、車検証だけでは分からない数値を使用することがあります。

たとえば、

  • 軸距
  • オーバーハング
  • 輪距
  • 車軸位置
  • カプラ位置
  • 車両寸法

などです。

メーカーの外観図や諸元表などを用意しておくと、車両情報の登録を進めやすくなります。

トラクタとトレーラを組み合わせる場合は、それぞれの車両資料が必要になります。

出発地と目的地

経路を作成するため、出発地と目的地の住所や施設情報を用意します。

工場、倉庫、工事現場などでは、住所だけでは入口となる道路を特定しにくい場合があります。

大型車が実際に出入りする道路まで把握したうえで経路を作成します。

通行予定経路

高速道路や幹線道路だけではなく、出発地から目的地までの全区間を考えます。

目的地付近の市道などが道路情報便覧に収録されていない場合は、道路管理者との個別協議につながることがあります。

経路を先に整理しておくと、申請データの作成が進めやすくなります。

オンライン申請の基本的な流れ

オンライン申請は、概ね次の流れで進みます。

  1. ユーザIDを取得する
  2. 申請者情報を登録する
  3. 車両情報を入力する
  4. 通行経路を作成する
  5. 申請データを作成する
  6. 受付システムから提出する
  7. 道路管理者による審査
  8. 許可後に電子許可証を受け取る

経路に道路情報未収録区間や個別協議が必要な道路が含まれる場合は、道路管理者による審査が行われます。

必要な期間は申請内容や経路によって異なるため、運行日が決まっている場合は余裕を持って手続きを始める方が進めやすくなります。

初めて申請する場合は入力手順を順番に進める

オンライン申請では、最初からすべての操作を覚える必要はありません。

申請者情報、車両、経路、申請データの順に進めると整理しやすくなります。

当サイトでは操作ごとに記事を分けています。

最初の設定から進める場合は、ログイン・申請者情報の入力方法から順番に進めてください。

オンラインで処理できない申請については、オンライン申請が使えないケースで整理しています。

よくある質問

スマートフォンだけで特車申請できますか?

申請支援システムの利用には、国土交通省が案内する動作環境に対応したパソコンが必要です。

スマートフォンだけで車両登録から申請データ作成までを行うことを前提としたシステムではありません。

申請支援システムと受付システムは何が違いますか?

申請支援システムでは、車両や経路などの申請データを作成します。

受付システムは、作成したデータを提出し、申請後の手続きを進めるために利用します。

オンライン申請なら審査もすぐ終わりますか?

オンラインで提出できることと、審査に要する期間は別です。

道路管理者との協議が必要な経路や、道路情報が収録されていない区間などが含まれる場合は、個別の審査が行われます。

車検証の写しは必ず必要ですか?

車両情報をシステムから取得できる場合など、車検証写しの提出を省略できるケースがあります。

車両登録直後など、システムで情報を取得できない場合には別途資料を求められることがあります。

電子許可証は紙に印刷しなくても使えますか?

所定の方法で電子データを携行することができます。

取締りなどの際に、許可証や通行条件書など必要な書類を端末上ですぐ表示できる状態にしておきます。

まとめ

特殊車両通行許可は、車両情報や通行経路をパソコンで作成し、オンラインで申請できます。

国土交通省への申請では、申請支援システムでデータを作成し、受付システムから提出する流れが基本です。

一方、自治体や高速道路会社など、申請先によって利用するシステムが異なる場合があります。

オンライン申請では過去データを再利用でき、継続的に特車申請を行う事業者の作業負担を減らせます。道路情報未収録区間や個別協議が必要な経路については、オンラインで提出した場合でも道路管理者による審査が行われます。

特車申請の制度・手続き・車種別の記事は、特殊車両通行許可申請ガイドにまとめています。

オンライン申請の導入や特殊車両通行許可でお困りの際は、お気軽にご相談ください。

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